ジェミニマン
俺がお前で、お前が俺で・・・?
いきなり現れたもう一人の自分。
はて、俺ってこんなにイケメンだったっけ?なんて、もう一人の自分を見た時そう思ってしまうやつは自惚れ屋さん。
僕はそんな奴とはお友達にはなりたくありません。
さて、この世には自分にそっくりな人が3人はいる、なんて説をよく耳にしますが、今回は全く同じ「もう一人の自分」と対峙することになる男のお話。
タイトルは「ジェミニマン」。
ジェミニってどういう意味だろう、はい、調べてみたらですね、「ふたご座」って意味だそうです。
ふたご座の人とか、ローマ神話の中の双子の兄弟を指すとか。
有人宇宙飛行計画の中の一つにも、「ジェミニ計画」ってのがありましたね。
マーキュリー計画とアポロ計画の間に行われた計画。
「ドリーム」と「ファースト・マン」の間と覚えましょうw
極めつけは、マナカナの個人事務所の名前が「ジェミニ」だそうです、うん、納得。
要するに、双子の男、ってことなんですかね、今回の映画のタイトル。
とはいえ、全く同じ❝年齢❞の自分でなく、若い時分が目の前に現れるそうで。
あぁ、若い時のおれ、ピチピチやん・・・
あぁ、若い時のおれ、イケイケやん・・・
あぁ、若い時のおれ、ゴリゴリやん・・・
そして、今のおれ、ヨボヨボやん・・・
そして、今のおれ、ボロボロやん・・・
そして、今のおれ、シワシワやん・・・
そんな若さあふれる「もう一人の自分」を見て、年老いた自分に悲哀を滲ませてしまう、そんなお話・・・にはならないと思うんですが、どう向き合っていくのでしょうか。
つい何年か前に、若い時分を倒しに行く「LOOPER/ルーパー」なんて映画がありましたが、あれとは違うのかな?
早速鑑賞してまいりました!!
作品情報
アカデミー賞監督賞受賞経験のある名匠が描く今作は、これまで得意としてきた人間ドラマでなはなく、近未来SFアクションだ。
「インデペンデンス・デイ」や「アイ・アム・レジェンド」、「アイ、ロボット」、そして「ハンコック」など、90年代から様々な等身大のヒーローを熱演してきたウィル・スミスが、今度は凄腕スナイパーである自分と、突然現れた若い自分のクローンと対決することに。
何故もう一人の自分が存在するのか、自分のクローンを作り上げた組織とはいったい何なのか。
壮絶なアクションとCG、「ハイ・フレーム・レート」なるリアルな映像技術を駆使した描写と同時に、主人公のある決断から科学の進歩への苦言を含んだ大作映画。
今回ウィル・スミス自身が現在の自分と若い自分のクローンの一人二役を演じ、さらに若いクローンの自分は全てCG処理されているという気合の入れ様。
本当にいるかもしれないほどリアルな実在感に驚かされることだろう。
さらに製作には、数々のヒット作を生み、我々を楽しませてくれた名プロデューサー、ジェリー・ブラッカイマーも参加。
ウィルの出世作「バッドボーイズ」シリーズでも共に仕事をした彼が、「ウィル・スミスVS若いウィル・スミス」をさらに楽しませてくれる画期的なアイディアを生み出したに違いない。
「アラジン」のようなコミカルなキャラとは違う、真剣な眼差しのウィル・スミスを堪能できる絶好の機会だ。
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あらすじ
伝説的暗殺者のヘンリー(ウィル・スミス)は、政府から依頼を受けたミッションを遂行していたところ、何者かに襲撃される。
正体不明のその人物はヘンリーの動きや考えを見越しているだけでなく、バイクを使った武術を繰り出し、苦戦。
やがてヘンリーは神出鬼没の襲撃者を追い詰めるが、襲撃者の正体は若い自分自身のクローンだった。
やがて彼は政府を巻き込むクローン技術の巨大な陰謀に巻き込まれていく。(Movie Walkerより抜粋)
監督
今作を手掛けるのは、アン・リー。
これまで「ブロークバック・マウンテン」や「ライフ・オブ・パイ」など数々の名作を世に送り出した監督。
僕はこの2作しか鑑賞してませんが、それ以外にも後世に語り継ぎたい作品が多々あると思います。
ぶっちゃけ今回なんでこの映画を彼が?って思いがどうしても頭から離れません。
MCUとして現在盛り上がりを見せるマーベル映画よりも前に、この方は「ハルク」を手掛け興行的に失敗した過去があるというのに、なぜまたSFなんかに、と。
とはいえ、「ライフ・オブ・パイ」のように、CG処理で素晴らしい色彩美を放つことで自然の美しさを魅せてくれたわけですから、今回もかなりのこだわりで手掛けたはず。
なんでも、ハイ・フレーム・レートなる名の技術を使用したそうで、肉眼で見る景色に限りなく近づいた映像にしたとのこと。
比較すると通常の映画の2.5倍なんだとか。。
しかも若いウィルにもCG処理をしている。
より鮮明に撮れば粗が見えてしまうかもしれないわけだけど、その技術を使って彼を撮影しているということは、今回の映像にはかなりキレイに撮れているんでしょう。
そんな監督の代表作をサクッとご紹介。
91年に台湾とアメリカ合作の映画「推手」でデビューした監督は、NYで成功したゲイの台湾人青年と恋人、その恋人の妻との愛を描いた「ウェディング・バンケット」がベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞、その後製作した、奔放な3姉妹の人生と父との家族の物語「恋人たちの食卓」と合わせて2作連続でアカデミー賞外国語映画賞にノミネートされる快挙を成し遂げます。
その後も、伝説の剣を巡る激闘を描いたアクション大作「グリーン・デスティニー」では、アカデミー賞作品賞はじめ多数の部門にノミネート。
ワイオミング州の雄大な自然をバックに、2人のカウボーイの長きにわたる禁断の関係を綴った「ブロークバック・マウンテン」で、アカデミー賞監督賞を受賞します。
また、大海原での嵐によって、どう猛な虎と小さなボートの上で乗り合わせる羽目になった少年の、衝撃と感動のサバイバルアドベンチャー「ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日」でもアカデミー賞複数の部門にノミネート、2度目の監督賞を受賞しています。
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キャスト
伝説のスナイパー・ヘンリーと、若き日の自分のクローンを演じるのはウィル・スミス。
50歳の自分と、30歳近く違う若き日の自分を演じるというウィル。
これって2人分演じるわけだから、ギャラも2倍ってことなんすかねw
あんた、いつだったか引退を示唆するようなこと言ってなかったっけ?
いや、一線から退くみたいなこと言ってなかったっけ?
だから自分の息子をスターにさせる思惑プンプンだった「アフター・アース」とか「ベスト・キッド」の製作とかやったんじゃなかったっけ?
ガンガン稼ぐやん!!
まぁ僕は彼は何やってもヒーローになっちゃうスタイルをいつになったら変えてくれるのだろうとワクワクしていた「スーサイド・スクワッド」でガッカリし、刑事バディアクションかと思ったら、剣を引き抜いて現実を救っちゃう「ブライト」でガッカリした淡い思い出があるので、今回もきっと彼が陰謀を暴いて、若い自分も助けるというヒーローになるんでしょう。
とはいえ、彼のファニーでキャッチーでポップな明るい性格は大好きですし、「インデペンデンス・デイ」とか大好きですから。
是非今後もハリウッド映画を盛り上げてほしいですね。
てか「メン・イン・ブラック」に戻ってきてよ。
彼に関してはこちらもどうぞ。
他のキャストはこんな感じ。
ヘンリーと共に行動する捜査官ダニー役に、「10クローバーフィールドレーン」、「スイスアーミーマン」、そして「ハーレイクインの華麗なる覚醒」に出演予定のメアリー・エリザベス・ウィンステッド。
クレイトン・❝クレイ❞・ヴァリス役に、「ボーン・アイデンティティー」、「クローサー」、「ヴァレリアン/千の惑星の救世主」のクライヴ・・オーウェン。
ヘンリーの友人・バロン役に、「オデッセイ」、「ドクター・ストレンジ」のベネディクト・ウォンなどが出演します。
科学の進歩に一石を投じそうな近未来アクション。
一体組織はどんな陰謀を企んでいるのか。
何故凄腕のスナイパーの若かりしクローンを送り込んだのか。
ここから鑑賞後の感想です!!!
感想
アンリーが言いてえことと、とジェリーブラッカイマーの大味感がせめぎ合う!
クローンだって人間だ!!!
以下、核心に触れずネタバレします。
2Dで見たけどすげえキレイ
引退宣言した凄腕スナイパーが所属組織の陰謀を真実を知ったことで、自分の若きクローンに狙われる羽目になってしまい、逃亡を繰り返しながらも自身のクローンを説得し、虎視眈々と核心部へ突入していくまでの物語を、奥行きたっぷりの風景に眩しすぎるほど鮮明な光、滑らかなカメラの動き、まるですぐ目の前で繰り広げられているかのように見えてしまうアクション描写など、監督のこだわりが随所に見て取れるハイクオリティな映像の数々に圧倒されながら、ウィル・スミスの迫真の演技を堪能できる娯楽作品でございました。
ちょっと今回ケチって通常の2D上映で鑑賞したんですが、それでも今までの映画とは一線を画した映像の数々だったと思います。
冒頭からそれは感じられるもので、駅の屋根から列車へカメラを移動した瞬間、芝生の上で射撃のスタンバイをするヘンリーの至近距離のカット、これから緊張高まる時間が訪れるというのに静かに美しく見せる緑と空の色、フレームを変えて走行する列車を映した瞬間。
走行中の列車にいる人たちもクリアに捉えており、あれ、これアクション映画だよな…?と錯覚するほどいつもと違う「何か」がそこにはありました。
あ~こりゃすげえ、俺なんでケチってしまったんだろう…とw
まだ序盤では凄まじいアクション描写がないせいか、ゆっくりと時は流れていくんです。
散りばめられた星々が光り輝く夜空の下、一人孤独に暮らすヘンリーの家を引きで映したり、友人ジャックと沖で合流するためにボートを借りに行くシーンでも、静かな波を立たせる海の青をキチンと含めた映像にするあたりとか、必ず風景をおさめて被写体を映すことで、この映画が他の近未来アクション映画とは違う楽しさを引き立たせていたと思います。
肝心のアクション描写もものすごい。
バロンの助けを経てコロンビアで潜伏し状況を整理していた一行の下に現れた刺客と一線を交えるヘンリー。
素早く身支度を済ませ足早に隠れ家から路地へ飛び出すんですが、車のミラーや水たまりに反射ッする追手を捕らえながらすぐさま攻防戦に突入。
常にターゲットを真上から追うよう叩き込まれた刺客・ジュニアを背中で捉えながら走るヘンリーの身のこなしの軽さを、ここまで滑らかに映すことができるのか!
その後の激しさを増す銃撃戦も長回しで映すんですけど、やはりカメラがぶれていても捉えた映像はあくまでなめらか。
バイクを調達して逃げるヘンリーの後ろを追うシーンなんか、狭い道路をあくせくする姿もブレがなく、ワンカット風に見せることで緊張感が高まっていたし、何よりこれウィルスミスがスタントなしでやってたの!?と(調べてないのでわかりませんが、さすがにこれはスタントマンがやってたと思う)。
それを追いかけるジュニアもバイクで追走するんですが、やはり石壁の上から彼を追いかけており、地面がボコボコしているからなのか、視線を足元でなくターゲットに向けていたからなのか、ハンドルがぶれてるんですね。
ここも足元でそのブレを映し、さらにはバックミラーでチラッとジュニアを映す演出もお上手。ここも残像ナシ!
追い込まれたヘンリーをバイクごと突進する煽り方に、何もたもたしてんんだ・・・とも思ってしまいましたが、危機を感じながらも瞬発力で回避するヘンリーをスローモーションで捉えてもやはり美しい。
クライマックスでの銃撃戦も激しい閃光が飛び交う銃弾を避けるヘンリーとダニーをスローモーションで映すんですが、棚に置かれた荷物が吹き飛ぶのも手伝って、まぁ壮絶だったし、何もかも目で追えるし捉えられる。
このように対象に照準を合わせた際、後ろの背景はぼやけてしまうことがよく見受けられますが、今回はそんなことは全くなく、特にこのアクションシーンではそれが手に取るようにわかる映像の連続でした。
逆にこれ僕としてはちょっと見づらくて…ってとこもあって。
それがその後繰り広げられるブタペストのとある城の地下にあるカタコンペ(城下の墓所)での激闘。
ダニーをおとりに浸かってジュニアを追い詰める作戦を仕掛けるヘンリー。
ジュニアはヘンリーがどこから攻めてきてもいいように配電盤を壊し、ガスマスクに赤外線モニターで完全臨戦態勢で待ち伏せていましたが、発煙筒やライフルの先端にある照明で彼を捉え、見事に急襲に成功。
彼の出生の秘密と、微かに抱えているであろう悩みや「父」への不信感を浮き彫りにさせ、精神的に追い詰めていくヘンリーでしたが、そこはジュニアから力技で取り逃がしてしまうんですね。
ここで再び一戦が始まるんです。
照明を落としているためにダニーがライフルの照明や発煙筒で彼らを照らす役割を担っていたんですけど、しっかり彼らを捉えてないために、近距離戦にもかかわらずどういう動きでアクションしていたのか、僕にはよく見えませんでした。
もちろん骸骨が敷き詰められた壁に叩きつけたり、羽交い絞めに遭うヘンリーなど大きな動きは目で追えたものの、一体どっちが優勢でどっちが劣勢なの!?ということばかりが気になってばかりになってしまって。
これが2D上映を選んでしまった者の代償か!と悔しい思いをここで痛感しました・・・。
きっとIMAXとかハイパーフレームで見た人はここは楽しめたんでしょうね…
とはいえ、発煙筒によって強い光が放たれた地下の水中での取っ組み合いでは水しぶきもキレイでしたし、ここはちゃんと肉眼でしっかり2人が何やってるかは見えました。
やはりどっちが・・・てのはありましたけどw
また、CG処理で作り上げたはずなのに、CGには全く見えない、本当に存在するんじゃないかてくらいリアルなジュニアの動きには脱帽です。
カタコンペでの暗い中の激闘はきっとそういう部分を隠すためだったんだろう、とは思ったものの、全くそんな部分など見受けられないくらい実在する2人の戦いに見えたし、バイクチェイスでもサングラスをかけていたものの、輪郭や口元などからウィル・スミスの若い頃だと思えたし、一体このCG処理にどれだけの時間をかけたんだろうってくらい自然でした。
さらに拍車をかけたのは、彼が負傷して訪れた父・ヴァリスの家でのシーン。
夜とはいえ窓から射す月明かりが室内を淡く優しく照らす、ほどよい明るさの中、ここで初めてしっかりジュニアの顔がお披露目されるんですが、彼の表情や皮膚までしっかり映していて、それはもう本物の肌であり、本物の人間の顔であり。
若い頃のウィル・スミスってこんなんだったよなぁ、とか、何か心に違和感を抱えてるような、目的を果たすための確たる信念がぶれ始めてるような予兆が感じられる視線。
お~CG処理しているとはいえ、全てが本物にしか見えん!と。
その後の、教え込まれていた過去が全て嘘だったことに気付き、父に当たり散らすジュニアと、それを何とか説得して彼の心を鎮めるよう努めるヴァリスとの会話でも、何かリミッターを外してしまったかのような涙腺決壊の表情もお見事。
昨今の映像技術の発達には驚かされるばかりですが、この映画はさらに上を行く作品だったと思えた映画でした。
クローンにも尊厳はあるのか。
人間には寿命があり、その中で誰かに影響を受けたりキャリアを積み重ねていくことで多くの選択肢を生む時が訪れます。
それによって迷いが生じたり、良心が生まれたり、また正しいことを追求した結果不誠実な面も出たり。
人間とは人生を歩んでいくことで自分らしさを形成していく生き物だと思います。
主人公ヘンリーは、スナイパーとして72人もの人間を殺したことで、また年齢を重ねたことで、心が疲弊していき、ついには夢でゴーストにうなされるまで追い込まれていき、引退を決意するんですね。
彼にとっては、自分が自分であるためにこれ以上の仕事は出来ないと感じたからこその決断でしたが、彼を雇う側としては、まだ必要な人材であり、彼を越える能力を持つ「代え」がおらず、彼がいなくなることは大きな損失に繋がるわけです。
それを防ぐために打ち出した計画が「ジェミニ」でした。
スナイパーがキャリアを重ねることで良心を生んでしまうんだったら、そんな心を持たないようにすればいい、1から育てるのにどれだけの苦労とお金をかけたことか。
しかも年まで取ってしまうのだから、結局組織は人員を育てて辞められて、また育てての繰り返し。
あ~めんんどくさい!
だったら、いっそのこと一番能力の高いやつのDNAを使ってクローンを作り、心や痛みを持たない兵士を作ってしまえばいいと。
そうして生まれたのがヘンリーと同じDNAを持つジュニアだったわけです。
彼は父の命令通りヘンリーを追いかけますが、自分そっくりの人間を殺さなければいけないこと、さらには父から教え込まれたことは全て嘘だったことに絶望し、自分という存在は果たして何なのか、存在してもいいのか、人間らしいことをしたいのに何故させてもらえないのか、などの自己欲求に駆られていくのであります。
そんな彼を守りたい、なぜならそれは自分そのものだから。
これまで仕事に徹したあまりに、自分を見失いかけていたヘンリーだからこそ、この稼業のせいで心に闇を抱えて生活してしまったヘンリーだからこそ、生み出されてしまった自分の分身には、自由な生き方をしてほしい。
クローンとはいえ人間なんだ、ヴァルスに向かって放たれたヘンリーの魂の叫びは、まるで自身に言っているようにも聞こえた瞬間でもありました。
さて、クローン人間の作製技術は倫理的なもの社会的なモノ、また人権の侵害にあたる観点から禁止されています。
昨今映画でもかつての俳優の若かりし頃をCGで生み出し演じさせる手法がよく見受けられます。
代表的なもので言えば「ローグ・ワン」のレイア姫なんかそうですよね。
あれを見た時は確かに感動しましたが、果たしてそれでいいのかい?とも。
巧く表現できないしだいぶ飛躍した考えかもしれないけど、こと映画でいうなればこれもクローン必要説みたいなようにとれてしまうというか。
別の新進女優じゃダメだったのかなとか。
確かに一理あるんですよね。
会社で例えるなら、同じ高い能力を持つ人材がいなくなった時、そいつのコピーがいれば、また一から人材を育てるよりも時間と労力はかからないし、コスパもいい。
心を持たずに仕事に徹するクローンがいれば、別の会社で自分の力を試したいとか、僕に見合った企業に移るとか、能書き垂れる心配もない。
いやクローンつくる方がコスパ高いだろwってツッコミは置いといて。
そんな時代がいつか来るかもしれないけど、とりあえず今の時点で言えば自分の「代え」なんて必要ないし、組織とか体制側がちゃんと人間を必要としてほしいなぁと。
あかん、何言いたいかわからなくなってきた。
まぁあれです、この映画は科学の進歩ってすごいけど、使う側がこんな用途で生みだしたらとんでもないことになんぞ~って。クローンだって心はあるんだぞ~ってことを言いたかったんですかね。
最後に
正直アクションや映像は革新的でしたけど、話が古臭くてこっちはアナログかい!ってのは感じちゃいましたかね。
どうやら長いこと温めていた構想だったようで、時代が進んでしまったせいでクローンなんてもはや時代遅れのテーマというか。
というか、これアクション映画の難しいポイントではあるんですけど、激しい動きをした後に長いセリフで一気に状況や思惑を説明するシーンが挿入されるじゃないですか。
この配分を間違えちゃうとすごくテンポが損なわれるんですよね。
如何に会話のシーンを歯切れよく、しかも濃密に描くかってのが、観衆をだらけさせない秘訣だと思うんですけど、今回は残念ながら巧い配分になってなかった気がします。
これは恐らく監督がこの映画で、このテーマで言いたいことがあり過ぎて、そこに尺をとってしまったせいで、せっかく魅力たっぷりのアクションの心地よさが会話の部分でかき消されてしまって、すごくテンポの悪い作品になっちゃったかなぁって。
大味のジェリーに何とか反発したアンリーって感じですかね。
どちらもいいところがあった分、うまくミックスできていない気はしました。
まぁ楽しいことには変わりなかったですが、う~ん。
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10