モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「グリンゴ/最強の悪運男」感想ネタバレあり解説 なんとも歯切れの悪い一発逆転劇場。

グリンゴ 最強の悪運男

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つい先日「公益通報者保護法」の改正案を自民党が検討している、という報道がありまして。

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 どんな改正案かというと、「通報者に不利益な取り扱いをした企業に対する罰則を明言しない」といった旨の内容だそう。

要は、内部告発をした人に企業側が何かしら不利益なことをしたとしてもお咎めなし、っていう案なわけで、内部告発をした労働者を守るための法律なのに、どういうこと?って話。

 

この会社は実はこんなことしてます!ってサラリーマンが言ったとしても、不利益を被るのはそのサラリーマンで、企業は罰せられない、という。

ブラック企業を守る政府っていかがなもんでしょう?

 

と、いきなり小難しい話をしてしまいましたが、今回鑑賞する映画は、一生懸命働いてるのに、モンスター上司から仕事も奥さんも奪われてしまうという、最強に不運な男の報復劇。

もしこの法案が成立したら、彼の報復も意味なくなっちゃうんじゃない?ってことで書いてみたんですが、とりあえずまだ大丈夫なんで映画にできたってことでw

てか、これ日本の映画じゃねえやww

 

とにかくリベンジエンターテインメントという、僕のような人生の負け犬には最高の映画だと思うんで、スカっとジャパンくらい痛快であってほしいことを願いつつ、さっそく鑑賞してまいりました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

朝から晩まで一生けんめい働いてきた「お人よし」、「温厚」、「真面目」、な男が、クズ上司やビッチ上司のせいで散々こき使われ、挙句の果てには人生のどん底に落とされてしまうも、復讐するためにとんでもない策にでる、負け犬の大逆転劇。

 

女優業としても華々しい活躍をするシャーリーズ・セロンや、監督業でも活躍するジョエル・エドガートン、そして今作の監督が彼の兄、という豪華なキャストも話題のハイパーリベンジエンターテインメント。

 

ちなみに、「グリンゴ」とは、スペイン語で「よそ者」を意味するスラング

ヒスパニック系がアメリカ人を小ばかにするニュアンスで使われるとのこと。

この言葉が波乱を呼ぶのか?

 

どいつもこいつも曲者ばかりなせいで、なかなか思うようにリベンジできない主人公。果たして本当に大逆転できるのか!?

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

製薬会社の管理部長としてシカゴ本社とメキシコ工場を行き来し、朝から晩までマジメに働いたのに、もうすぐクビに!

友達だったはずの経営者に騙された上に、最愛の妻にまで離婚される始末…

 

パッとしない負け犬人生を歩んではきたけれど、さすがにこれほどのどん底は初めてのハロルド(デヴィッド・オイェロウォ)は、極悪モンスター上司のリチャード(ジョエル・エドガートン)と、彼の愛人で共同経営者のエレーン(シャーリーズ・セロン)へのリベンジを誓う。

 

メキシコで〈偽装誘拐〉を演じ、身代金5億円を奪うという、生涯初の悪事を企てたのだ。

 

ところが、ハロルドが死ねば、会社に保険金が入ることに気づいたリチャードは殺し屋を雇う。

さらに、リチャードの会社の医療大麻の製造レシピを狙うメキシコの麻薬組織のボスが、ハロルドの〈本気の誘拐〉に参戦!

 

果たして、貯めに貯めた悪運を爆発させた、ハロルドの一発大逆転の切り札とは?(HPより抜粋)

 

 

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのは、ナッシュ・エドガートン

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今作で悪い上司演じるジョエル・エドガートン、そのお兄様でございます

似てますよね!

弟のジョエルはゴッツい体と顔つきですけど、お兄様は端正な顔立ちというか、賢そうw

 

経歴というと、これまでスタントマンや俳優、脚本、プロデューサーなどなんでもこなしちゃう人のようで、弟のジョエルの作品に出演したり、「マトリックス」や「スターウォーズ/エピソード2」など幅広く作品に出演しているようです。

 

ジョエルの作品には必ずと言っていいほど関わっていて、今回は兄の作品のために弟が出演してるってのが微笑ましいですよね。

どんだけ仲いいんだよ!

兄弟っていいなぁ。

イギリスのどっかのバンド兄弟も見習えw

 

監督としては、ジョエルらと映画製作共同体を結成以降、『Spider』(07)でサンダンス映画祭短編賞を受賞したそうで、短編映画でも評価の高い作品をいくつか制作したみたいです。

長編映画は今回が2作目みたいで、デビュー作「The Square」はオーストラリア映画協会賞で7部門ノミネートされたそう。

 

今回はシャーリーズセロンの協力もあって、お金も集められたんでしょうね。

楽しみです。

 

 

 

 

キャスト

不運な主人公ハロルドを演じるのは、デヴィッド・オイェロウォ。

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名前が読みづらいし、呼びづらい…。

この方が出演されてる映画は結構見てるんですけど、ほとんどが脇役のせいか全然顔と名前が一致しないという…。

 

どんな作品に出てたのかサクッとご紹介を。

英雄として崇められながらも権力を持った途端独裁者に変わってしまった大統領の姿を、スコットランド人の医学生の視点から描いたサスペンス「ラストキング・オブ・スコットランド」や、SF映画の金字塔の起源に迫った3部作の序章「猿の惑星:創世記」、元エリート軍人の流れ者が危険な調査に乗りだすトム・クルーズ主演シリーズ第1作「アウトロー」などに出演。

その後、アメリカの公民権で起きた「セルマの大行進」を題材に、マーティン・ルーサー・キングJr.の功績を描いた「グローリー/明日への行進」で、キング牧師を熱演し、ゴールデングローブ賞でノミネートを果たします。

 

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近年は、の宇宙ステーションを舞台に、地球のエネルギー危機解決に向けた実験の際に起きた不可思議な現象から、やがて恐ろしい事態へと向かう作品で、クローバーフィールドの前日譚となる「クローバーフィールド・パラドックス」に出演しています。

 

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 そういえばいたわ…

 

 

 

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

製薬会社の共同社長で、リチャードの愛人エレーン役に、「アトミック・ブロンド」、「スキャンダル」が公開予定のシャーリーズ・セロン。

ハロルドの友人のクセに裏切る製薬会社の社長リチャード役に、「ザ・ギフト」、「ある少年の告白」のジョエル・エドガートン。

ハロルドの妻ボニー役に、「クラッシュ」、「ハン・ソロ/スターウォーズ・ストーリー」のタンディ・ニュートン

メキシコ工場のドライバー、エンジェル役に、「バッドボーイズ2バッド」、TVシリーズ「ザ・ソプラノズ/哀愁のマフィア」のユル・ヴァスケス

元傭兵で人道主義者のリチャードの弟ミッチ役に、「第9地区」、「エリジウム」のシャールト・コプリー。

ハロルドを助ける女性サニー役に、「ラヴレース」、「レ・ミゼラブル」のアマンダ・サイフリッドなどが演じます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どうやら偽装誘拐を企てて復讐するようですが、邪魔者がたくさんいるご様子。

一体どんな結末になるのでしょうか。

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

全然スッキリしねぇ!

付け足しが多すぎておんなじこと何回もしてるし、動物例え多すぎ。

今年ワースト候補です。

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

正直者が馬鹿を見る。

私、どうしても仕事が欲しくて、友人のリチャードに縋りました…

そしたら彼は自分の会社の在庫管理担当のポストを与えてくれたんです…

妻のインテリアデザインの仕事も請け負ってくれました…

彼には頭が上がりません。

住宅ローンもあるし、妻ももう一台車が欲しいと言ってたので、私は救ってくれたリチャードへの恩をかえすため、そしてよりよい生活を送るため、朝5時に起きて犬の散歩をし、メキシコまで出張を繰り返しながら一生懸命働いてきました。

 

しかし会計士の話では会社買収のうわさがあり、リチャードの友人である僕の面倒まで果たして見てくれるかどうかわからないから気を付けたほうがいいぞ、と忠告されました…

いてもたってもいられず私はリチャードにこっそり教えてもらえないか尋ねました。

そしたら彼は急にゴリラの話をしだしたのです。

ゴリラ2頭にニンジンを与えていたが、ある時1頭にバナナを与えたところ、バナナしか食べなくなり、2頭ともニンジンなど目もくれなくなったと。

・・・意味が解りませんでした。

 

彼はまだニンジンを食べてろというのです。

私は馬ではないし、そもそもゴリラはニンジンを食べるのかという、今必要ない雑学を覚えてしまったのです。

 

そして急なメキシコ出張。

共同経営者のエレーンもついてきたので、私はそこそこ重要な案件だと感じました。

しかしメキシコの工場に付いた途端、私は締め出され、リチャードが何を話したのか把握できませんでした。

買収のうわさも気になるので、食事中席を離れた際にスマホの録音機能で二人の会話をこっそり録音しておいたのです。

そしたら案の定買収の話は進んでいて、しかも今回のメキシコ工場で製造している医療用大麻の薬が嗅ぎつけられそうだから打ち切りにすると。

その責任を渡しに押し付けクビにしようとしていうではありませんか。

 

彼の事を信じていたのに…

 

この不満をホテルの部屋でスカイプごしに妻にぶつけました。

私はこれまでしっかり仕事をしてきた、いやな仕事も夜遅くまで取り組み、しっかり奉公してきた!メキシコだって何度も往復したくないけど任された仕事をしっかりこなしてきた!

なのに、なのに…

こうなったら普段飲まない酒を飲んでやけくそだ!

 

そんな時妻は浮かない顔で、急にメール見た?と言い出すのです。

こんな時にメールなんて見てられるか!分かるだろう?この事態。

リチャードに続いて彼女までも動物例えをしだしたのです。

何だ今ゴリラの話が流行っているのか?私が仕事に精を出している間、世間はゴリラで持ち切りなのか?

すると妻は、バスケでパスを何度もしている時に急にゴリラの写真を見せた時、ゴリラが見えてる人は周りがちゃんと見えており、見えない人はボールに夢中だと語り出すのです。

一体何が言いたいのか、再び私には理解できませんでした。

はっきりいえよ、

そしたら妻は不倫をしているというのです。

 

なんだって!?

不倫!?

不倫とバスケとゴリラに何の関係性があるというんだ!?

ゴリラは不倫で、おれはボールなのか!?

仕事をクビになるというのに、妻の不倫まで降りかかり、しかも離婚まで切り出されるなんて・・・

 

かつて父は私にこう言いました。

ルールは従え、と。

ある日上司をチェスをしました。

あまりの下手な手に、私はチェックメイトをしようとしました。

しかし父の「ルールに従え」という言葉を思い出しました。

上司の前では絶対に勝ってはいけない、それがルールだと。

だから私はあえて負けたのです。

ルールに従ったのです。

 

これまでその教えを守ってきたのに、良い奴には悪いことが降りかかり、悪い奴にはいいことが降りかかる。

こんなの理不尽だ、おぉ神よ!私に救いの手を!

こうなったら狂言誘拐を仕組んで会社から金をふんだくってやる!!

これまでの人生とおさらばだ!

アディオス!昨日までの俺!

ムーチョス!明日から俺!!

 

 

 

もっとうまいやり方があったろうに。

・・・とこんな具合に話は進んでいきます。

主人公ハロルドの気持ちになって書いてみましたが、正直者が馬鹿を見るとは正にこのこと、真面目に頑張ったのにそりゃねえよなぁ、バカ社長とビッチ上司のせいでなんで俺が責任被んなきゃいけねえんだよ、しかもなんだよ医療用大麻を錠剤にした製品て。

いくら合法の州が増えたからと言って、さすがに認可おりねえだろ。

 

そもそもやばい会社だったんだよ、ハロルド。見る目がない君が悪い。

・・・とはいえないよなぁ。

 

そんな不運な男ハロルドが、一発逆転の大博打に打って出るんですが、ホテルのフロント二人から、リチャードの弟で元傭兵のミッチ、麻薬の売人である海外旅行者やその彼女、さらには麻薬カルテルの元締めまで絡んできて、みながこぞってハロルドの奪い合いへと発展していくのであります。

 

冒頭では狂言誘拐を企てているハロルドが、リチャードにテレテレテレフォンをかけているとこから始まるのですが、あ、これは「ハングオーバー!」パターンで、一番のピンチになった瞬間を最初に持ってくることで興味を引き、数日前から何があったのかを追いかけていく仕掛けなんだな、なるほど!

と思ったら開始30分で追いついてしまうんですね。

これ、うまいのか?やりかた。

 

これだけならまだいい。

すったもんだあって、誘拐に対しての身代金を払うか払わないかの件で、このシーンを引き付ける気が全くないのかというほどダラダラ緊張感のないやり取りが続き、結果失敗。

その前にも、登場人物が多すぎて、一方その頃あの人は、な展開が何度も何度も出てくる。

全然スマートじゃない。

ようやくハロルドのシーンに戻ったら、ブラックパンサー党が彼をさらい出すが、なんとか脱出成功。

同じホテルに泊まってたサニーに拾われホテルに戻ったら、今度はホテルのフロント二人がハロルドの身代金目当てで拳銃を向け、さらにはリチャードの兄ミッチがハイチからはるばるやってきて、身代金を払いたくない弟のために一肌脱ごうとハロルドをさらい出します。

 

ここからハロルドを巡ってとっかえひっかえの誘拐が続き、一向に話を進める気配がしません。

ミッチがハロルドに傾いてくれると思ったら元に戻ったり、再びホテルのフロント二人がやって来たり、ブラックパンサー党がここぞとばかりにやって来たり。

その度に一対一の会話が続いたと思ったらハロルドをさらう。

ひとつひとつ大きな笑いをもたらすやり取りがあればまだ救えます。時間を忘れさせてくれるってもんです。

しかしこの物語はそれをさせてくれません。意外な展開などどこにも出てこないのです。

 

意外な展開は最後に明かされるのですが、もはや後だしジャンケンのようなもの。

オチも全然清々しくありません。

 

またハロルドは正直者ですが、狂言誘拐を企てている時点で嘘ついてるし、とっさの判断とはいえ人も殺めています。

真面目な奴がそんな大胆なことして取り乱したりしないのでしょうか。

 

これとは別にリチャードにも試練があり、エレーンと付き合っていながらハロルドの奥さんにも手を出す強欲ぶり。社長さんはだいたいこんなんばかりですよね。

その浮気現場にエレーンがやってきて、一触即発の事態。

ハロルドの奥さんは、リチャードにビンタをお見舞いして出ていきます。

いやいや待て待て、あんたも夫がいながら不倫しといて、それはないだろう。筋が通ってねえよ。

さらに言えば、エレーンやサニーは果たして物語に必要だったのかさえ疑問に思えて仕方ない。

 

サニーは同じホテルに泊まった好でハロルドと仲を深めていきますがそれ以降主軸に絡んできませんし、エレーンはリチャードとハロルドを貶める悪い側の人間だけど、リチャードの分が悪くなると女の武器を使って危機を脱する先見の明と、危機管理能力がずば抜けているんですね。

 

例えばサニーと共にハロルドが誘拐されるなどセットにして、不運な様を彼女が常に励まし最後は彼女と幸せになるくらいの設定なら問題ないし、リチャードよりも明らかに口が悪くずる賢いエレーンに報復があるべきだと思うんです。

もちろんリチャードにも罰が加えられるべき結末であってほしいし、とにかくハロルドが心から救われることって、自分の復讐に成功した時じゃないですか。

なのにそういう終わり方でなく、失踪で新しい人生を送ってハッピーエンドってのはどうも納得がいかんのです。

 

このように人物描写や登場人物の多さ、天丼だらけな脚本に、どう見ても笑うことができない会話(エレーンのビッチなセリフはおもろい)など、色々付け足したかのようなストーリーラインに荒さや雑な部分が目立ってしまった作品でした。

 

 

 

最後に

金や保身でコロコロ変わる人間の妙を面白おかしく描こう、それに振り回される主人公がどうやって一発逆転を狙うか、というテーマだと思うんですが、残念ながらうまく機能したとは到底思えませんでした。

もっとボタンの掛け違いを巧妙にしたり、登場人物を減らすなどの工夫があればスッキリして楽しめたのかもしれません。

 

一応シャーリーズセロンは「ヤングアダルト」の時のような私こそ一番!な傲慢さと、谷間くっきりなビッチスーツがバッチリにあっていて、それだけが唯一の救いでした。

 

グリンゴたちによってゴタゴタになってしまったメキシコ大騒動は、ハロルドにとっても僕にとっても不運なものでした。

というわけで以上!あざっしたっ!!

 

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満足度☆☆★★★★★★★★2/10