ガンズ・アキンボ
よくSNSなどで、非相互、いわゆるFF外の方から、「クソリプ」をもらうことってたまにあると思います。
例えば「今日雨、憂鬱~」みたいなのに対し、
「こっちも鬱になるからやめろ」みたいな。
僕の場合だと、理解できなかった数学の問題をツイートしたら、「こいつバカじゃんw」みたいな旨のリプが来ましたw
大体クソリプを送ってくる人の特徴は「上から目線」の人が多く、ストレス発散目的で送ってるのかなぁと。
クソリプによって気が滅入る人も多いかと思いますが、気にしないことが一番です。
悩む前に即ブロックするなり、通報するなりした方が無難です。
このブログでも常軌を逸した暴言的コメントを送ってくる方がたまにいますが、承認制なので承認しませんし、感覚が慣れたのか気にもしなくなりました。
予防策のためにここで言っておきますが、送ってくるだけ無駄ですからね。
…と挑発的に言うと、面倒なことになりそうだ…w
とりあえず「クソリプ」ばかり送ってると、あとで痛い目に逢うぞ!というのが今回鑑賞する映画。
なんとクソリプを送り続てけていたせいで、両手に拳銃が固定されてしまい、しかも殺し合いのゲームに強制参加させられてしまうというトンデモ映画。
ハリーポッターでおなじみの彼が、今回もすごい役を演じてそうです。
というわけで早速鑑賞してまいりました!!
作品情報
ハリーポッターシリーズ以降、いきなり角が生えてしまう役や、呪いに巻き込まれてしまう弁護士、果ては「死体」の役と、イメージを払拭するべく様々な役柄を演じてきたダニエル・ラドクリフ。
そんな彼が今回挑む役は「両手に拳銃を固定されてしまった男」!
日々のうっ憤を晴らすべく「クソリプ」を送り続ける「ネット弁慶」のゲームのプログラマーが、相手を刺激しすぎたせいでデスゲームに強制参加させられ、彼女を救出しなくてはならない破目に。
ぶっ飛んだ設定と、塞がれた両手によるテンパり具合とぎこちなさが笑いを生み、やがて壮絶なガンアクションへと変化していくことで、二重の楽しさが味わえることだろう。
FPSなどを好むゲーマーにはたまらないシチュエーションだが、強制的に、しかも本物のゲームをすることとなるとどうなるか。
喜劇ととるか悲劇ととるか。
まずはVFXアーティストとして著名な作品に携わった監督が生み出す、壮絶な「無理ゲー」ガンアクションバトルを堪能しよう!
あらすじ
ゲーム会社のプログラマー、マイルズ(ダニエル・ラドクリフ)はネットのコメント欄に過激な書き込みをする“クソリプ”で日々の鬱憤を晴らしていた。
ある日、殺し合いを生配信する闇サイト「スキズム」でクソリプ祭りをしていたマイルズは、闇の組織に襲撃されてしまう。
目を覚ますと、マイルズの両手にはボルトで拳銃が固定されていた!! さらに「スキズム」に参加し最凶の殺し屋ニックス(サマラ・ウィーヴィング)と戦って 24 時間以内に勝てと命令される。
彼女のノヴァ(ナターシャ・リュー・ボルディッゾ)も人質にとられてしまい、逃げ場なし!! 果たしてマイルズは、二丁拳銃(=アキンボ)を武器にこの無理ゲーを攻略し、彼女を救うことができるのかー!?(HPより抜粋)
監督
本作を手掛けるのは、ジェイソン・レイ・ハウデン。
フィルムスクール卒業後に、複数の会社でVFXアーティストとして活動経歴のある監督さんだそうです。
携わった作品は「猿の惑星:聖戦記」に「華麗なるギャツビー」、「ウルヴァリン:SAMRAI」、「ホビット」3部作などなど。
どれもCGに重きを置いた作品ばかりですよね。
そんなキャリアを経て、できた長編映画デビュー作が「デビルズ・メタル」という作品。
ひょんなことから悪魔を召喚してしまったヘビメタ大好き少年たちの壮絶な戦いを描いたスプラッターホラーだそう。
なんというか、本作も過去作もいわゆる「少年性」が色濃く出たシチュエーションですよね。
どこかゲーム感覚で、趣味が何かしらのトラウマになってしまうような展開。
もしかしたらテーマ性やメッセージ性は共通しているのかもしれません。
キャスト
主人公マイルズを演じるのはダニエル・ラドクリフ。
ラドクリフ君の作品をそこまで見てないんですよ。
「ハリーポッター」なんて1作も…。
だからなのか、僕にとっての彼は「ハリーポッター」のような役柄よりも、こういうぶっとんだ役柄の方を「普通」だと思っている節があるんですよね。
特に「スイスアーミーマン」の「死体」の役は今でも忘れません。
死体ってそんな使い方できるの!?という驚きと、子供すぎる思考にひたすら笑いました。
監督の脚本の賜物でもありますが、見事に体現した彼の演技だからこそ面白いんですよね。
奇抜な役という意味では本作も一緒だと思うので、個性派俳優の地位を確立したラドクリフ君の新たな一面に期待したいですね。
他のキャストはこんな感じ。
ニックス役に、「スリー・ビルボード」、「ビルとテッドの時空旅行 音楽で世界を救え!」、「G.I.ジョー/漆黒のスネーク・アイズ」のサマラ・ウィーヴィング。
グレンジャミン役に、「イエスマン❝YES❞は人生のパスワード」、「パイレーツ・ロック」のリス・ダービー。
ノヴァ役に、「グレイテスト・ショーマン」、「ホテル・ムンバイ」のナターシャ・リュー・ボルディッゾ。
リクター役に、「思秋期」、「ハリー・ポッターと死の秘宝part1」のネッド・テネヒー。
デグレイヴス役に、TVシリーズ「ディファイアンス」、「キラー・エリート」のグラント・バウラー。
スタントン役に、「ターボキッド」、「MEG ザ・モンスター」のエドウィン・ライトなどが出演します。
ゲーム性の強い映画がここ最近増えてますから、きっとゲーマーには笑える展開なんでしょうね。
俺最近やってねえからなぁ…ハマるかな…。
ここから鑑賞後の感想です!!
感想
いやぁぶっ飛んでた!
クソリプばっかしてないで現実と戦え!
ネット沼に浸らずに地に足をつけ!!
以下、ネタバレします。
要はお前次第
仕事も恋人も上手くいかない腹いせにネットでひたすらクソリプを送り続けて発散する男に起きた悲劇は、実はぬるま湯から脱却するための大きなステップだった!?
デスゲームの運営者によって両手に強制的につけられた二丁拳銃を武器に、多くの視聴者にコケにされながらも今自分が何をすべきかを全うしていく成長譚。
FPSに横スクロール感覚のシューティングゲームを意識した映画化と思いきや、ドローンカメラにCCDカメラなど多彩な撮影機器を使っての目まぐるしいカメラワークに加え、ジョン・ウィックにアトミックブロンドとここ最近のアクション映画のトレンドを彷彿とさせる暗がりのシチュエーションにネオンライトを駆使した色彩鮮やかな照明技術。
さらには、シザーハンズを思わせるような塞がった両手に悪戦苦闘する主人公のおマヌケ感とひたすら逃げ回る弱腰っぷり、ビッチ級にキュートにも拘らずヤク漬けで理性のリミッターがぶっ壊れたニックスに、顔面タトゥーにハゲと化した超サイコパスなボスりくたーやその一味たちなど個性あふれるキャラクター達によって、人が群がる街や廃墟ビル、裏路地を舞台にひたすら銃をぶちかまして繰り広げられていく銃撃戦がとにかく爽快!
もっとやりたい仕事に就きたい、恋人とやり直したい、でもなぜかうまくいかない!
それは全て自分以外のせいなのか!?
自分より楽しんでいる奴らのせいなのか!?
上手くいってないからと言って、ネットで自分より劣っている者を攻撃することが果たして正しいのか!?
今ネットに張り付いて罵詈雑言を撃ちまくるネット弁慶達に捧げる、「ネットで撃たずに現実を撃て!」な、要はお前次第!と強く訴える痛快アクションコメディでございました!!
見ていてとにかく楽しいと感じるのはちょうどいい上映時間とテンポの良さ。
全体的にマイルズの成長譚として描かれているものの、対戦相手となるニックスの過去やそれに対するトラウマ、本当の敵が誰なのかを炙り出していきふ復讐心に燃えていく構成、さらにはスキズムの運営者リクターの出自に、サブキャラたちのキャラクター像など、物語的に渋滞しそうなてんこ盛り感があるのに、アクションシーン多めにできちゃう編集がお見事。
また両手に拳銃を固定されてしまったマイルズによる「手が使えない劇場」もとにかく笑えて仕方がない。
とりあえず恋人のノヴァとの公園での待ち合わせに向わねばと身支度しようにもできない歯がゆさ。
ズボン履けない、トイレでパンツ降ろせない、ぜんそくの吸入器もロクに据えない、ドアも開けられない、スマホ操作なんてもってのほか。
このタジタジ感がとにかく笑えて仕方がないんです。
もちろん物語を円滑に進めるために誰かに協力してもらって着替えるという設定も用意されているので、頼み込む姿もまたオツなもの。
ホームレスに今の現状を受け止め前に薦めと諭されるも、とりあえず分かったから着替えるの手伝って、ご飯ちょうだい、と藁にも縋る思いで協力を依頼するんです。
笑える要素はこの後もいくつも存在。
ニックスとの銃撃戦で拳銃の使い方を指南されたり、実は拳銃って音めちゃんこデカいから何度も耳を塞いでしまう件、部屋に侵入されたニックスにオタクぶりを小バカにされたり、意を決してニックスをおびき出そうと作戦を立てるも、呼び出した場所で何やら物騒な集団の取引に遭遇してしまい狂喜乱舞の銃撃戦が勃発してしまう踏んだり蹴ったり。
会社の同僚にGPS操作を手伝ってもらうために出社するもニックスに居場所を突き止められてしまったり、そこでボスについこれまでの鬱憤をぶつけてしまうマイルズの本音という銃弾の雨が降る件も面白い。
また、ゲーム感覚で描かれる演出もしっかり施されていて、両手に固定された拳銃の弾数が残り何発かを表示するCG演出や、スキズムが配信している映像を的確に挟み込むことで、観衆も実際に配信映像を見ているかのような映像表現になっているのも特徴的。
これら楽しい要素だけではなく、さすがR15師弟だけある血みどろな映像も満載。
どんどん衣服が血だらけになるマイルズの姿はもちろん、脳天を撃ち向かれたことで浴びせられる血しぶきや、登場人物の誰かが指を失うシーン、肉弾戦により顔がどんどん腫れ上がっていく姿、マイルズの両手の改造手術も断片的に見せてはいるものの残虐性が高くホラー描写やゴア描写がとにかく苦手な人は気を付けて見なくてはいけない映像が盛りだくさんです。
スキズムが運営するデスゲームやゲームに興奮する輩を見ていると、自ずと「NERVE」という映画を思い出します。
危険なゲームに挑戦して成功すれば報酬ゲットというゲームに、たまたまペアを組まされた男女が思いを寄せていき、ゲームそのものをぶち壊そうとする現代的な問題を背景にしたヤングアダルティな映画なんですけども、この映画同様「スキズム」に群がる人たちと共通しているように感じます。
冒頭でも人は戦争や暴力といった映像に興味を示し興奮を覚え病みつきになるというセリフがある通り、劇中の閲覧者はマイルズが徐々に攻撃する姿勢になっていく度に興奮し熱中していきます。
つまるところ、こんなサイトは存在してはいけないことも大事ですが、観ないという選択を全員が取らなくてはいけないという答えに繋がっていくんですね。
実際こんなサイトは存在していないと思いたいですが、そういった問題にしっかり言及しているのも本作の観るべきところなのではないでしょうか。
ざっくりあらすじ。
冒頭からデスゲームを運営する「スキズム」が社会とネット民にどういう影響を与えているかを語ったかと思えば、すぐさま主人公マイルズの日々の体たらくぶりを自分語りで伝える序盤。
ゲームにのめり込みヒーローの憧れた少年時代を経て、ゲーム制作を仕事に師たちと夢見た男の現状は、しょうもない課金制のゲームアプリの開発。
恋人との些細な痴話げんかによってお別れモード突入のマイルズは、仕事面でもサボってばかりでプロテイン片手に説教しまくる頭も体も筋肉質な上司にボロカス言われる始末。
今日も怒られた・・・勢い余って彼女のインスタにいいね!を押してしまった…
どうしてこう毎日毎日いいことが起きないんだ・・・
こんな時はクソリプでストレス発散だぁ!!とばかりに、攻撃できそうなサイトを見つけては「お前らクソ!」、「俺のケツにキスしな!」、「お前の母ちゃんとヤッた!」などとコメント欄にひたすら書き込むことで日々の鬱憤を晴らし、酒を煽る毎日を送っていたのだ。
そして彼にとって最悪で最高な一日の始まりのきっかけとなる「スキズム」のサイトへのクソリプ攻撃。
とうとう運営者を怒らせてしまったマイルズは、IPアドレスを特定されたことを機に、自宅を突き止められ、気絶させられ、改造手術を施され、ボルトで両手に拳銃を固定されてしまうのである!!
オーマイガぁ~~~~っ!!!
俺が一体何をしたっていうんだ!
確かにクソリプやり過ぎたよ!
だから謝ったよ!
もう金輪際しないって約束したよ!!
今日これから恋人のノヴァと公園で落ち合う約束なんだよ!
よりを戻すチャンスなんだよ!!
なのにどうぢて、どう゛ぢで~~~・・・
彼に付きつけられた現実はこれだけではない!
何とスキズムが主催するデスゲームに強制的に参加を強いられ、ゲーム内最強の相手である女性、ニックスとのタイマンをすることになってしまう。
髪も眉毛も金髪、パンクすスタイルに髑髏のシルバーアクセでキメるいかにもドSな装いの風貌からすでに近寄りがたいが、拳銃片手にひたすら相手を容赦なく撃ちまくるかと思えば、ロケットランチャーまで使いこなすザ・マシンガール。
しかも体力が消耗したりピンチに陥った時はドラッグを吸引すればライフゲージが回復するだけでなく凶暴性も増すというとんでもないぶっ飛び様。
この強敵を24時間以内に殺して勝利しなくてはならないという非常に無理難題を突き付けられてしまうのだ!
ネットでは高等遊民かもしれないマイルズも現実ではただのヘタレ。
シューティングゲームでは好成績かもしれないが、現実ではリセットもできなければライフもひとつ。
ただでさせ両手に拳銃固定されてテンパってる有様。
こんなの勝てるわけない!
無理ゲーじゃあん!!
果たしてマイルズはニックスとの対決に勝利し、ノヴァと復縁することができるのか!!
・・・ってだけで終わらないてんこ盛りの内容になってるので是非見ていただきたいのであ~~る!!
最後に
匿名性の高いネットだからこそついしてしまう「クソリプ」に日々を謳歌している人たちは是非本作を見て、現実と戦っていただきたいなと心から願っております。
そんなことしたって自分の人生に何もプラスにならないですからホント。
相手を傷つけても相手を蔑んでも相手を貶しても、自分の心に見えない傷が増えてるだけですし、逆に自分がやられる立場になったら辛いだけですから…。
実際最悪な出来事になってしまったマイルズは、今置かれた立場をしっかり受け止め、今自分が何をすべきかどう行動すべきか決断していくんですね。
これまでの俺の考えは間違っていたと。
みんなが過去のマイルズのようにならないために一歩踏み出すわけです。
僕はけっして「クソリプ」など送ったことはありませんが、こうならないように本作を教訓として生きてきたいと思います。
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10