モンキー的映画のススメ

モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「アイアンスカイ2/第三帝国の逆襲」感想ネタバレあり解説 相変わらずブラックユーモアいっぱい。

アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲

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2012年9月、あまり映画館に行かない者たちは「踊る大捜査線THE FINAL」や「ハンガーゲーム」、「バイオハザード/リトリビュ―ション」、口コミで話題となった「最強のふたり」見たさに足を運び、映画好きたちは「鍵泥棒のメソッド」や「ボーン・レガシー」などで盛り上がるなど、充実したラインナップで賑わったあの頃の映画業界に、ヨーロッパからしれっとやってきた映画が公開されたのを、あなたはまだ覚えているだろうか!

 今となってはよく耳にする「クラウドファウンディング」によって資金調達し、「ナチスが月から攻めてくる」という大胆な発想と、アメリカをはじめとした世界各国への風刺に風刺をきかせ笑いの渦に巻き込んだSF戦争映画を!

 

それが「アイアン・スカイ」であ~~る!

 

アメリカの陰謀により首脳会議は混乱をきたし、挙句の果てには核攻撃にまで発展、結果地球は死の星へと様変わりしてしまった、というオチで終わった、何とも皮肉な前作の最後。

あれには続きがったのだ!

それが今作「アイアン・スカイ/第三帝国の逆襲」で全容が明かされるわけですが、7年も待たせ過ぎだっつぅ~のw

なんでこんなに待たせるかなぁ~w、と思って調べたら、やっぱり今回もクラウドファウンディングでしたw

楽しみにしていたファンのカンパによって、再び世界中に届けられるってステキやん!

ゴメン俺カンパしてないけど楽しみにしてたw

でもちゃんとお金払って映画館で見るよ!待ってたもん!

そんなわけで早速鑑賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

月の裏側にかつて崩壊したはずのナチスが今か今かと地球への報復を企み、人類を侵略するという規格外の設定で世界中の映画ファンを魅了した前作から7年。

再びファンからのカンパによって、前作を遥かに超える超大作SFアクションとして我々の前に姿を現した。

 

舞台は前作から30年後、ナチスとの激闘ののち辛くも勝利したものの、核攻撃によって荒廃してしまった地球に再び帰還するべく立ちあがった者たちの前に、アイツらが再びとんでもないものを引き連れて襲い掛かる。

前作同様フィンランドの鬼才監督が手掛けた今作は、とうとうあの総統が姿を見せたかと思えば、謎の協会に所属するメンバーはどれも歴史上の有名人ばかり。

一体どんなアクションやブラックユーモアで私たちを沸かせ楽しませてくれるのだろうか。

 

空前絶後のアクションエンターテインメントが、この夏日本を征服しにやってくる!!!

 

アイアン・スカイ Blu-ray

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あらすじ

 

人類は月面ナチスとの戦いに勝利するも、核戦争で自滅し、地球は荒廃してしまった。

 

それから30年後、人々はナチスの月面基地で生き延びていたがエネルギーが枯渇し、滅亡の危機を迎えていた。

主人公オビ(ララ・ロッシ)は地球の深部に新たなエネルギーがあることを知り、人類を救うため、前人未到の<ロスト・ワールド>へと旅立つ。

しかし、そこはナチス・ヒトラーと結託した秘密結社ヴリル協会が君臨する世界だった。

 

ヤツらは人類絶滅を企て、恐竜とともに地底から攻めて来るッ!!(HPより抜粋)

 

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監督

今作を手掛けるのは、前作同様ティモ・ヴオレンソラ。

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前作「アイアン・スカイ」で、抜群の映像センスと耳をふさぎたくなるほどのブラックユーモアで作家性をアピールした監督ですが、前作がSFメインだったのに対し、今作は80年代アドベンチャーベースにすることで、差別化を図ったとのこと。

想像するだけでもワクワクします。

恐竜も出てきちゃうってことは、やっぱりあの映画も意識してるんでしょうね。

 

裏に潜むテーマも、ヨーロッパならではの移民問題や、現代における宗教の行方、また生活するうえで必要不可欠となったITについて描かれてるそうで、インディーズ映画ならではの自由度の高い社会への警鐘を、前作以上に盛り込んだとのこと。

 

一体どんな物語に仕上がっているのでしょうか。

また笑わせてくれるんでしょうね~。

 

 

 

 

 

キャスト

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すいません、どなたも存じ上げないのでざっくりと。

左上より。

主人公オビ役に、「ロビン・フッド」に出演したララ・ロッシ。

サーシャ役に、ロシア出身の俳優ウラジミル・ブラコフ

マルコム役に、長編映画初出演の元ブラジリアン柔術選手のキット・デイル

ドナルド役に、「チャーリーズ・エンジェル」のトム・グリーン

レナーテ・リヒター役に、前作から続投のユリア・ディーツェ

ウォルフガング・コーツフライシュとアドルフ・ヒトラー二役演じるのは、「サスペリア」、「ニンフォマニアックvol.1&2」、そして前作から続投のウド・キアなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サブタイトルにもなっている第三帝国と称するヴリル教会のメンバーがまぁ~バラエティに富んだメンツ。

あの首相もあのテロリストもあの皇帝も、そしてあのCEOも。だけどなぁ~んかちょっと違う気が・・・。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

相変わらずブラックユーモアと風刺を織り交ぜた続編だったんだけど、映像技術が格段と上がってる方に笑ってしまったw

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映像技術が良くなった。

前作から30年後の月の裏側を舞台に、資源を失いつつある人間がさらなる資源の在り処を求め、地球の内側へ向かう物語を、相変わらず荒唐無稽でブラックユーモア満載、風刺の効いた要素をふんだんに盛り込み、既視感ありありなブロックバスター映画を見事にオマージュした、完全無欠のB級映画でございました!!

 

最近1日3作の感想がきつくなって、3作目は手短になってしまってる癖がついてしまったモンキーですが、今回も手短にまとめようと思います、すいません。

率直な感想はですね、荒いCG描写が逆にB級感を出していて良かった前作だったのに対し、明らかに前作以上に潤沢な資金を調達できたのか、それともカンパが予想以上に多かったのか、だいぶ映像技術が良くなっていて、しっかりSF映画として成立していたように思えました。

日本で最近のSF映画つったら「SPACE BATTLE SHIP ヤマト」なんてのがありましたが、ぶっちゃけあれに引けを取らないCGだったと思います。言い過ぎか?

 

劇中に登場する恐竜や、地球の内側での恐竜移動車(だっけか?)でのデッドヒート、ジョブズ教のドアをハンマーで勝ち割るときのめっちゃカッコイイスローモーションでのシーン、クライマックスでの逃げる輸送船を追いかけるドでかい飛行船、そしてこれが木っ端みじんに砕け散る際の超ド迫力な爆破シーンなど、どこもかしこも前作からパワーアップした映像をガンガン見せてくれることに、一時、あれ?これ、アイアンスカイの続編だよな?と疑ってしまうくらい非常に良かったと思います。

 

だって前作でさ、聖杯飲んで体内から血管が浮き出てほのかに光り出すような細かいCG描写あった?ないよ!

しかも移動してる時間とかだいぶ端折って経費削減している感じが前はあったけど、今回はだいぶ移動時間もゴージャスにCG使って描いてたし、地球の空洞ですか?あそこもセット使ってるもののだいぶリアルな世界観を作っていたように思えます。

 

なんかこの映像の良さに既に笑ってしまったのが僕の率直な感想であります。

 

 

人間て傲慢ね。

限りある資源を求め散々好き勝手やってきた人類が、結局核攻撃をしてしまったせいで地球に住めなくなってしまった人類。

ロシアから月の裏側へやってきた新たな人間たちを拒むなんてモロに移民問題やっちゃってるし、資源求めて地球の空洞にやってきたのは良いものの、その場所はヴリルなる人種が暮らしていた場所。

もちろん自分たち人類がこれからもより良い暮らしをしていくために侵略し、聖杯を奪い、持って帰って、結果空洞をも破壊してしまう傲慢さ。

 

どれもこれも人間たちの人間たちによる自業自得の結果であり、それに気づかずこんな時は神に縋るしかないと、頼った神がスティーヴ・ジョブズwww

アップルの基本カラーともいえる白を基調とした部屋で、皆がiPhoneやiPadを持って、クラウドの上にいると思われるジョブズに祈りを発信し、他者に乗り換えた不届き者は脱獄なるsiriの爆破。

なんでもかんでもアップルやらジョブズが言ったようなワードや言動によって、場内は大爆笑だったのは今作の一番の盛り上がり。

しかもこのiPhoneがしっかり伏線となっていて、これに対抗するのが、既に忘れ去られたあの会社の機種ってのがもう最高。

 

主人公オビの母親は司令官という立場なんですが、お母さんは白人なのにオビは黒人なんですね。あ~ということはお父さんが黒人なのかってのはわかる。

お母さんは病気を患っていまして、ジョブズ教である黒人の写真を見ながら拝んでるシーンがありまして、ロシア人のサーシャの飛行船に乗っていたヴォルフガングからもらった薬を飲んだらどんどん若返るんです。

これで謎が解けました。お母さんは前作でナチスの真実を知り地球の見方になったレナーテ・リヒターで、写真の人物はジェームズ・ワシントンだったのかと。

あ~2人は結婚してオビを生んだんですね。道理でオビがエンジニアとして優秀だってのがわかります。彼宇宙飛行士でしたもんね。

 

結果彼らは次の安住の場所を探し求めるわけですが、最後にもまたもやサプライズが用意されているので最後まで笑ってほしいし、結構深いところで人間てバカねwとか言っちゃってるし、その人間はそうやって生まれたのかってところまで笑いにしちゃってるし、サッチャーにビンラディン、ザッカーバーグの最近の人たちから、ヒトラー、カリギュラ、チンギスハーンに毛沢東、金正恩、スターリン、などなど独裁者やテロリスト、SNSで人間を低能に仕立てた立役者(ww)などが一堂に揃う場所で最後の晩餐とかしちゃう件も秀逸。

あれ?あの人がいないよ?トランプさん。

て思った人は公式HPで特別映像をご覧ください。あの人が怒ってますw

 

 

また既視感ありありな描写も多々ありまして、ヴォルフガングなんかどう見たってスターウォーズのシス卿だし、そこからスタートレック入って、ジュラシックパークになって、インディジョーンズまで行っちゃってる。

ブロックバスター全部のせであります。はい大好物ですこういうオマージュ。

 

 

最後に

とはいえ、せっかくヴリル教会が揃ってるのに全員うまく使わない辺りや、最後はちょっと強引にたたんでしまってる感じが見て取れるのがもったいない、あと20分くらい使って地球のシーンは伸ばしても良かったし、ジョブズ教は最後まで引っ張っても良かった気もする。

いちばん残念なのは、前作ほどのブラックユーモアが前面に出ていないことかな。

明らかに前作の方が爆笑していた気がする。首脳会議の件とかめっちゃ笑ったし。

まぁ僕の好みですけどね。

 

どうやらアイアンスカイユニバースという表記が気になりましたが、まさかのユニバース構想を考えてるんですか!監督!!

スピンオフ的なことするんですかね。そしたら絶対ヒトラーだろうな主役w

 

後どうでもいいですが、最初と最後に流れる歌がなかなか凝っていて、これもある意味笑える。たぶんアメリカ音楽を皮肉ってますよね、アレ。

とりあえず、前作観てから行った方が楽しめる映画ですねこれは。

沢山笑ってください。

というわけで以上!あざっした!!

 

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10