君が最後に遺した歌

三木孝浩という監督。
この人若返りの薬でも飲んでんじゃねえの?ってくらい、昔からピュアな映画ばっか撮ってる。
年齢調べたら51歳ですってよ。
普通さ、映画作家やってたら自ずと自分の内面や主張や価値観みたいなものが見え隠れするんですよ。
あと段々惰性になってきて編集のキレがなくなるとか、やたら尺が伸びて全体的に締まりのない映画になりがち。
でもこの人の映画はそういうのがどこにもない。
違うっていうならさ、「知らないカノジョ」と「陽だまりの彼女」を見比べてごらんなさいよ。
13年経ってるのに男女の描き方同じでしょ!?
ぶっちゃけ、すごいを超えて怖い!!w
この辺で監督いじりは終わりにして、今回鑑賞する映画は、学習障害を抱える歌手志望女の子と、詩を書くのが得意な男の子のラブストーリー。
タイトル的にきっと余命モノだと思う人は邦画通ですw
そこに青春×音楽!
ピュアピュアじゃないですかぁ。
俺もいい歳して、よくこういう映画を見に行けるよなぁ、きっと憧れてんだな青春時代に。
監督を小バカにできませんな。
というわけで早速鑑賞してまいりました!!
作品情報
「ほどなく、お別れです」が自身最大のヒット作となった監督:三木孝浩、スピッツ、椎名林檎のプロデュースや「東京事変」でベースを担当する音楽プロデューサー亀田誠治、そして小説家の一条岬のタッグで製作された映画「今夜、世界からこの恋が消えても」の製作陣が再集結し、“歌をつくる二人”を通して愛を描く感涙必至の映画が誕生した。
詩を書くのが趣味の男子高校生と、読み書きするのが難しい「発達性ディスレクシア」を抱えながらも歌と作曲の才能を持つ女子高校生が出会い、人生を大きく変えていく姿を、監督特有の恋愛描写や青春描写、亀田誠治プロデュースによる洗練された楽曲などで演出し、およそ10年に及ぶ二人のかけがえのない日々をピュアネスに彩るラブストーリー。
これまで数々の恋愛青春映画を手掛けてきた三木孝浩監督。
本作は主人公二人の10年に及ぶ長い時間を描く物語だが、監督はドキュメンタリー感を意識したと語る。
二人の年月の経過を記録のようにつなぐことが、原作の良さを引き出す術だと感じたという。
作詞が得意な春人役には、「今夜、世界からこの恋が消えても」にも出演した道枝駿佑、そしてヒロイン・綾音役には、「モエカレはオレンジ色」で映画デビューし、女優業に精を出す「めるる」こと生見愛瑠が演じる。
生見は今回の役を演じるにあたり、1年かけてボイストレーニングとギターの練習を敢行。劇中で本格的なパフォーマンスを披露する。
他にも、二人の同級生・神崎役を「先生の白い嘘」の井上想良、神崎の彼女・実里役を「鬼の花嫁」の田辺桃子、高校教師・藤田役を「悪い夏」の竹原ピストル、綾音の叔父・奥田正文役を「栄光のバックホーム」の萩原聖人などが演じる。
二人でしか奏でられないラブストーリー「君歌」が、2026年春、涙と感動の渦で日本中を包みます。
あらすじ
ある日、クラスメイトの遠坂綾音(生見愛瑠)に詩を書いていることを知られた。
文字の読み書きをすることが難しい"発達性ディスレクシア"の症状を抱える彼女に代わり、僕が詞を書き、彼女が歌う。
"文字"のない君と、夢のない僕。
何かが欠けた者同士。
それは僕にしかできないこと、そして彼女にしかできないことだった。
二人だけの歌、二人だけの居場所、二人だけの秘密の暗号。
君と見つけた日々が、たった10年しかないと僕は知らなかった。
あの時、言えなかったけど…本当は…。(公式より抜粋)
登場人物紹介
- 水嶋春人(道枝駿佑)…詩作を密かな趣味とし、代わり映えのしない日常を送る。親代わりとなって育ててくれた祖父母と暮らしている。
- 遠坂綾音(生見愛瑠)…生まれながらに文字の認識が難しい「発達性ディスレクシア」という症状を抱えている。聴く人を惹きつける歌唱力を持つ。
- 神崎俊也(井上想良)…春人と綾音の高校の同級生。
- 柊木実里(田辺桃子)…神崎俊也の彼女。
- 藤田友一(竹原ピストル)…藤モンの愛称で親しまれる、春人と綾音が通う高校の教師。
- プロデューサー(岡田浩暉)…音楽レーベルのプロデューサーとして、綾音の才能にいち早く目を付ける。
- 水嶋礼史(五頭岳夫)…春人の祖父で、筆の伝統工芸士。
- 警官(野間口徹)…綾音の叔父・マサを昔から知る警官。
- ケンさん(新羅慎二)…綾音の叔父・マサのバンド仲間でギターを担当。幼い頃からマサと一緒に綾音の成長を見守る。
- 水嶋啄子(宮崎美子)…春人の祖母。春人を優しく温かく見守る。
- 奥田正文(萩原聖人)…マサの愛称で親しまれる綾音の叔父。地元で愛されるトラットリアのオーナーで自身も「マサーズ」というバンドを組み、お店のステージを盛り上げる。幼いころから親代わりとなって綾音の成長を一番近くで見守ってきた、綾音にとって特別な存在。
(以上、公式より)
超ベタなのにニヤけてウルウルしてって恥ずかしいけど感動しちゃいそうな映画の予感。
ここから鑑賞後の感想です!!
感想
ごめん、結構きつかった…。
言いたい事言言い過ぎ女子と、言いたい事言えない男子によるピュアネス100%な余命十年。
どう考えてもめるるの優勝映画です。
以下、ネタバレします。
この青春恋愛要素はついていけない。
冒頭でも語ったとおり、何年経っても映画のクオリティが変わらない、逆を言えば成長の兆しが見えない三木孝浩監督作品ということで、期待半分程度で臨んだのですが、今回ばかりはさすがにきつかったというのが率直な感想です…。
というのも、冒頭から既にアレルギー反応が出てしまったのであります。
これまでの三木監督作品には、複数見てきた故の耐性があったわけですが、とうとう俺の体も加齢による免疫力の低下がきたようで、開始3分で「おえっ」となってしまったわけです。
一体何が映っていたのかというと、文芸部の元顧問であるフジモン先生に、コンクールに提出する予定の詩作を読み上げられていた春人の心の声から物語は始まるのです。
別に今更心の声嫌だ~~~!」みたいな邦画特有の「なんでも説明しちゃうクセ」に文句など毛頭ありません。
それを後ろで聞いていた綾音が、聞かれていたことに恥ずかしくなって一目散に教室を出て行った春人を追いかけ、「私の歌に詩を付けて」とお願いするシーンに鳥肌が立ったのです。
彼女は急に浮かんだメロディを口ずさんだのち、春人が書いたコンクール出品用の詩作
をそのメロディに当てはめて歌って見せるのです。
製作陣の狙いは、それを聞いた春人が「なんだ、この子…秒でメロディに詩をあてられるのか?凄い才能だな…」と、思わせたかったのだと思います。
きっと原作でも2人の初対面はそうした劇的なモノだったのでしょう。
しかし俺と来たらここに強烈なアレルギー反応が出てしまったのであります。
いくらクラスメイトだからって、一度も会話をしたことがない女生徒が、人に読まれることに過度な辱めを感じる男子生徒の前で、自分の詩を読まれるならまだしも、勝手に歌にされるわけですよ。
俺が春人だったら「え、キモ…」ってなります。
お前、なんで俺が職員室飛び出したかわかるか?
お前が後ろで俺の詩を聞いていたからだよ!恥ずかしくて飛び出したんだよ!
しかもなんだ、「あたしすぐメロディ浮かんじゃうんだよね~」って知るか!我慢しろ!メロディ口ずさむの!「
よほど自信あるのか知らねえけど、ぶっちゃけそこまで凄いメロディでもねえぞ?
瞬時に詩を当てはめる才能は買うけどな、初めて会話する男子の前でそんなことして、俺が「遠坂って女に俺の詩を勝手に歌にされて目の前で歌いだしたんだけど…怖くない?」って教室帰った時に言いふらす可能性とか考えたか?
みんなからどんな目で見られるか想定して行動してないだろ?
どんな自信か知らんけど、そういうとこだぞ?
・・・みたいに、鑑賞しながら心の声で綾音を罵倒してましたw
そこまでクラスメイトで派手ではない男子が、ルックスは良いけど謎めいて近寄りがたい転校生に急に声かけられて、しかも俺の作品を気に入ってくれて歌にまでしてくれた。
もしかしてだけど
もしかしてだけど
それって俺の事誘ってんじゃないの~♪と、どぶろっくが隅から姿を現して歌いだしてもおかしくないシチュエーションなわけですよ。
でも実はよくある青春ドラマのほとんどがこういうパターンなわけで、キュンキュンする人もいれば心がざわざわする人もいるという話。
余命10年の話だよね結局。
開始3分で心が折れた俺はその後、寝不足もあって意識がもうろうとしながら幾度もあくびをし、無表情で最後まで見届けるという苦行を体験してきたわけです。
あくまで俺のコンディションが良くなかった、三木作品との相性が良くなかったなど色々原因はありますが、それを差し引いたって面白みはそこまでなかったぞ?ってことをダラダラ書きたいと思います。
まず綾音のキャラ設定である「発達性ディスレクシア」という学習障がいに関してモノ申したい。
こうした「難病モノ」は観衆の興味を惹く意味でも重要な要素である一方、実際にソレで苦しんでる方に対してデリケートな部分でもあるわけです。
正直これ設定としてしか活かされてなくないか?と。
現実的に考えたらですよ?小テストで名前もロクに書けない生徒は、他の生徒と一緒に授業を受けるってまずおかしくないですか?
こうした障がいを抱えてる方は、実際にみんなと同じ授業を受けてるんですか?
ものを知らないので疑問でしか主張できないんですが、一般的に考えて、そんな生徒をほったらかしにする学校側ヤバくないですか?と。
転校した際に普通学校にに伝えてるはずだし、学校側もあれを見て何もしない黙って見過ごすっておかしすぎるだろと。
そういうリアリティラインがガバガバなので、この設定はダメだろ、もっと現実的な描写にしないとダメだろと。
これに関して「お前もの知らなさすぎ」って人はコメントくださいね。
あくまで読んだ方に聞いてるだけなので、そこんとこご了承ください。
それは映画の嘘だからフィクションだからで片づければ済む話なんだけど、やっぱり譲れないところはあるわけですよ。
それこそ初めての路上ライブで人だかりができるほど、通行人て立ち止まって音を聞く暇ないし、仮に立ち止まって聞いても、特別凄いテクニックのギター演奏でないし、1カポでF,G,Amとベタなコード進行で歌う歌を、わざわざエピフォンで弾いて歌うなんて生意気だし(それはいいすぎか)、警察に届け出出して歌ってるストリートミュージシャンなんて普通いないし、人だかりできるほどの集客なら道路交通法違反だとしても、警察も演奏終るまで待ってくれます。
またわざとらしくアンプとマイクスタンド置いて逃げるってのもベタ過ぎるよなぁ。
さらにその時のライブが拡散されバズり、音楽プロデューサーの目に留まるシンデレラストーリーも非現実的。
オーディションに合格してデビューしても、春人の乏しい作詞力を指摘されてしまうわけですが、綾音は説得しなかったのでしょうか。
春人の書いた詩じゃないと歌えないって言ってませんでしたっけ?
それならなぜ交渉しない、そして障がいもなぜ黙っている。
そう、この映画綾音の視点と春人の視点がごちゃまぜになってて、軸がぶれぶれなんですよ。
障がいがつらいけど、春人のおかげで歌手になれたと彼をずっと思い続ける一方通行のラブストーリーでもなければ、自分の詩作によって運命の人と出会えた割に、あっさり作詞を諦めて地元で公務員して、普通に彼女を忘れてるという春人。
もちろんこの「言いたい事言ってるのはぐらかされる女」と「伝えたいけど照れくさくて伝えられない、才能の差を見せつけられて離れるしかない」という二人の思いがようやく実を結んで後半へ続くという流れは理解できるけど、だったらなぜ冒頭で春人視点にしたのか疑問なんですよ、俺はね。
そもそも2時間しっかり丁寧に描きすぎてて、終盤飽きるんですよ物語自体が。
だったら前半春人の視点で10年間描いた後、答え合わせのように綾音の10年を描くみたいな、時間軸のギミックを使ったりして複雑化して、二人がどう実を結び思い合ったかを謎解きっぽく見せた方が面白かったりするんじゃないの?と。
あまりにもベタ過ぎる展開が続いて、おじさん飽きちゃってね~w
優しい構成ではあるんですよ?
2人が最近仲良くないことに気付いたケンさんが、春人を捕まえて訳を聞くシーンだったけど、実は影でこっそり綾音は聞いてました、みたいな種明かしもあっさりみせちゃうし。
旧図書館で子供と訪れた綾音が、実はそこで初対面の時の歌を作ってましたみたいな、わっかりやす~い見せ方。
子供が急にあそこであのメロディを口ずさむこと自体、ありえないんですって。
もっと頻繁に口ずさんでるからねあれは。
春人が全然気づかなかっただけ。
あと、二人全然老けない。
最後に
タイトルの美しさは買いますよ。
歌はその人の証ですし、いなくなった後も残る。
それが残された夫と子供の励みになるし、会いたくなったらその歌を口ずさめばいい。
そうしたロマンティックな物語だけど、いかんせんベタ過ぎクサすぎついていけなさすぎの3連単で万馬券でした。
ハマった人がこれ読んだら怒るでしょう。
良いですよ、怒ってもらって。
こんなありえない展開のお話より、俺のこの感想の方がよっぽどリアルだと確信してますからw
しかし最後の道枝くんのアコギ演奏はずるいですね。
ストロークはしっかりできてるのに、単音引きはカメラから外れてるので弾いてないのが丸わかり。
めるるが一生懸命練習して覚えたのに、あなたはその程度でいいんですかと。
あと、できたらマサおじさん演じた萩原聖人の歌唱パフォーマンスが見たかったですね。
ああいうライブステージのあるトラットリアまたはバーみたいなところ、昔しょっちゅう行ってましたし、なんなら歌わせてもらったことありますけど、どうもライブハウスと違う雰囲気で俺は居心地悪かったですね…。
なんていいうんだろ、アットホーム感が嫌だというか、聞いてるお客さんがライブを見てる目線じゃないんだよなぁ。
あと、単純に近いw
相変わらず亀田誠司のアレンジは単調で飽きる。
ストリングスつけりゃいいってもんじゃないんだよ。
意外と歌詞も書けるんですね。
春の歌とかスピカがどうとか、スピッツ好きなんですかね原作者は。
とにかく、俺はすぐさまサブイボが立ってダメでした。
あとめるる、全然女優いけるんだけど、他の女優の方がやっぱりいい顔できるので、その辺もっと経験積んでいきましょう。
セリフ回しはよく出来てると思います。
迷惑な指摘w
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10


