キングダム 大将軍の帰還
かつて日本映画で3部作ってのはありましたけど、4作目を製作するほど続く作品て、果たしてあったでしょうか。
しかもすべてが興行収入50億越えという偉業。
内容は置いておくとして、日本映画史に残る作品だと思います。
本シリーズは1作目の成功を経て、この4作目まで一気に撮影したようです。
一体その資金をどうやって調達したのか(普通の邦画の5本分らしい)も凄いし、役者やスタッフのスケジュールを抑えるのにも相当な苦労があったはず。
また何が凄いって、どうもこれだけでは終わらないという噂まで。
また3作分一気に撮影し、1年ごとに公開するパターンなんでしょう。
コロナで敵わなかった「中国でのロケ」が今回可能になることは、かなり大きいはず。
とにかく原作があれだけ長編なのですから、それくらいやってほしいものですし、これが成功したということが、後のロールモデルになる可能性だってあるわけです。
ゴールデンカムイや沈黙の艦隊が映画という媒体からTVドラマ放送するパターンなんかより、よっぽど健全だと思うんですよ俺は。
ずっと映画館で映画を続編でやってのけてるわけですから。
安易に小さい画面サイズに逃げないっていう意志ね。
だから応援したいと思います。
さっきから、次の作品の話ばかりしてますが、まずは4作目、王騎の活躍を堪能しましょう!
早速鑑賞してまいりました!!
作品情報
2006年1月より「週刊ヤングジャンプ」にて連載を開始し、現在までに単行本は70巻まで刊行され累計発行部数が、集英社青年マンガ史上初となる1億部(2023年11月時点)を突破した原作。
『キングダム』、『キングダム2 遥かなる大地へ』、『キングダム 運命の炎』と実写映画化され、1作目から3作連続で50億超えとい偉業を達成、シリーズ累計動員数1,000万人を超え数々の映画賞にも輝いた作品の最新作がいよいよ公開する。
物語は、前作で描かれた「馬陽の戦い」のつづきを描く。
過去に王騎と馬陽の地で因縁の戦いを繰り広げた敵や、謎多き軍師の存在、前作で飛信隊を苦しめた趙の大将クラスが登場するなど、【秦vs趙】による国の存亡をかけた一世一代の戦いが、より一層のスケールで繰り広げられていく。
キャスト陣はこれまで同様、主人公の信役に山崎賢人を始め、中華統一に挑む若き秦国王・嬴政(えいせい)役の吉沢亮、軍師見習いとして励む河了貂(かりょうてん)役の橋本環奈、飛信隊の副長として信とともに戦う羌瘣(きょうかい)役の清野菜名、山界一の武力を持つ美しき王・楊端和(ようたんわ/長澤まさみ)、秦国軍総大将として戦地に舞い戻り「馬陽の戦い」に挑む大将軍・王騎(おうき)役の大沢たかおなどが集結。
新たに、<武神>と呼ばれる最強の敵・龐煖(ほうけん/吉川晃司)、戦局を見守る謎多き軍師・李牧(りぼく/小栗旬)、そして前作で飛信隊を苦しめた万極(まんごく/山田裕貴)や、趙荘(ちょうそう/山本耕史)など豪華キャスト陣で描く。
長く険しい天下統一への道。
道半ばにして最大の盛り上がりを見せる最終章。
その行く末や如何に。
あらすじ
秦と趙の全てを懸けた<馬陽の戦い>で、敵将を討った信(山﨑賢人)と仲間たちの前に突如として現れた、その存在が隠されていた趙国の総大将・龐煖(吉川晃司)。
自らを<武神>と名乗る龐煖の圧倒的な力の前に、次々と命を落としていく飛信隊の仲間たち。
致命傷を負った信を背負って、飛信隊は決死の脱出劇を試みる。
「俺たちで、信を守り抜くんだ――。」
一方で戦局を見守っていた王騎(大沢たかお)は、趙軍の裏に潜むもう一人の化け物の存在を感じ取っていたが、劣勢を覆すべく最強の大将軍として再び戦地に舞い戻った。
王騎と龐煖の過去の因縁とは?
遠くから戦いを静観する軍師・李牧(小栗旬)の正体とは??
今、因縁が絡み合う馬陽の地で忘れられない戦いが始まる――。(HPより抜粋)
キャラクター紹介
- 信(山﨑賢人)・・・中華・西方の国「秦」にて、戦争孤児として育つ。死別した幼馴染の漂(ひょう)とそっくりな秦の若き国王・嬴政のもと、天下の大将軍を目指している。がむしゃらに戦い武功を重ね、将軍への道を駆け上がっている、王騎は信が率いる特殊部隊に「飛信隊(ひしんたい)」の名を授ける。「馬陽の戦い」では、強く憧れていた大将軍・王騎と初めて共に戦場へ立つ。
- 嬴政(えいせい)(吉沢亮)・・・中華統一を目指す若き秦国の王。弟のクーデターにより一度は玉座を追われた。「紫夏編」では紫夏らに命がけで守られ、王としての決意を固めていく姿が描かれた。国全体で秦への大きな恨みを抱く趙が突如攻めてくると、大将軍・王騎を総大将に任命して迎え撃つ。秦国軍の勝利を願い信のそばにに寄り添う。
- 王騎(おうき)(大沢たかお)・・・騎は秦の六大将軍。伝説の英雄で、信も憧れている。長らく戦から離れていたものの、秦国軍総大将として戦地に舞い戻り「馬陽の戦い」に挑む。その胸には過去の因縁が秘められていた。
- 河了貂(かりょうてん)(橋本環奈)・・・信に協力する仲間。山民族の末裔。現在は軍師見習い。
- 羌瘣(きょうかい)(清野菜名)・・・伝説の暗殺一族“蚩尤(しゆう)”の一人。蚩尤は千年を超える歴史を持つ哀しみの一族とも呼ばれる。特殊な呼吸法を操る“巫舞”により、その身に神を堕として戦う。飛信隊の副長として信とともに戦う。
- 楊端和(ようたんわ)(長澤まさみ)・・・1作目『キングダム』で秦国王・嬴政と協定を結んだ山界一の武力を持つ美しき王。北の地で衝撃的な虐殺の跡となる光景を目の当たりにすることに。化け物とも言える軍隊がいる事を察するのだが…。
-
摎(きょう)(新木優子)・・・かつて「戦神」と呼ばれた伝説の秦王・昭王(しょうおう)によって、戦の自由を与えられた “秦の六大将軍”の中でも敵を滅するまで攻撃を緩めない苛烈な戦いぶりで知られる将軍。その素性については昭王が語るのを禁じていたため知られていない。王騎と龐煖の因縁に関係している謎多き人物。
- 龐煖(ほうけん)(吉川晃司)・・・“武神”と呼ばれる最強の敵。過去に王騎と馬陽の地で因縁の戦いを繰り広げた。かつて中国全土に名を轟かせた最強武将であり、圧倒的武力を持つ。趙国を支える三人の大将軍「三大天(さんだいてん)」の1人。飛信隊に襲い掛かり壊滅的なダメージを与える。
-
李牧(りぼく)(小栗旬)・・・決して戦の場に姿を現さない謎多き軍師。他の追随を許さない存在感で戦局を見守るが…それは、趙に潜むもう一人の化け物だった。
- 万極(まんごく)(山田裕貴)・・・先の戦いで生き埋めにされながらも自らの力で生き抜き、秦国の民を全て根絶やしにしようとする副将。長い白髪で不気味な雰囲気を纏う。
- 趙荘(ちょうそう)(山本耕史)・・・秦国へ凄まじい恨みを持っている趙国の総大将。秦軍を率いる王騎を執拗に追う。
(以上Fassion Pressより抜粋)
果たして信は無事難局から脱することができるのか、そして王騎は宿命のライバルに打ち勝つことができるのか?
ここから観賞後の感想です!!
感想
#キングダム 大将軍の帰還観賞。
— モンキー🐵@「モンキー的映画のススメ」の人 (@monkey1119) July 12, 2024
前作の続きから始まり、これで一旦の幕という感じ。
次回作製作の噂もあるので、この後の信の活躍を大いに期待したい所。
しかし回想を幾度も交え音楽で味付けしたようなドラマチックな演出を繰り返すのは飽きる。あとテンポが一定。
クライマックスは圧巻。 pic.twitter.com/lMy3n8dHwk
王騎の知られざる過去、龐煖との因縁を軸に描く4部作最終章。
回想を挟むことで握った刀の重みと怒りが一気に伝わるドラマ。
しかしそればかりを繰り返せばノイズになることを、監督はまだわかってないのか。
以下、ネタバレします。
ざっくりあらすじ
前作のラストで飛信隊の前に突如現れた、趙国総大将・龐煖。
信と羌瘣を中心に、隊は決死の攻防を繰り広げる。
しかし、武神と化した龐煖に反撃をすることはおろか、防御すらもままらない。
やがて信は龐煖の攻撃により深手を負うことに。
仲間たちが必死に庇う中、ようやく味方が現れ、逃げることに成功した一行。
しかし、敵将を討ち取った信を追うべく、万極の隊が飛信隊を追いかける。
追いつかれた一同は、信を守るため、尾平と尾到に信を預け、他の者は一斉に四方へ逃亡を図る。
重傷を負いながらも信を担いで逃げる尾平と尾到は、このままでは追いつかれてしまうことから別々に逃げることを選択。
尾到は尾平のおかげもあり、信を担いで何とか敵から離れることに成功する。
息を吹き返した信は、尾到と他愛もない話をしながら回復を続けるが、ひと眠りした後、尾到が死んでいることに気付く。
やがて飛信隊一行は合流することに成功したが、尾到の死を知り、一同は深く悲しむ。
哀しみを抱えたまま一行は、王騎のいる本陣に合流。
死んでいった者たちのためにも、くよくよしてる場合じゃない、そう言い放った信は、王騎と共に戦いの場に身を投じていく。
一方、前方で戦っていた蒙武は龐煖を発見。彼を追いかけ突進するが、偽物であることに気付く。
そこを趙国の軍隊が押し寄せ、囲まれてしまう。
王騎は彼を見逃すことができず、全員で助けに向かう。
一方、嬴政は訪問してきた山の民の長・楊端和からとんでもないことを聞くことに。
彼らは北の部族との戦いに向けて戦地を訪れたが、そこには10万にも及ぶ北の部族の屍だけがそこにあったと語る。
これが何を意味するのか。
それは北に趙国の軍が、いま控えている最中であること、彼らが馬陽の地に流れ込んできたモノならば、戦況は一気に劣勢となり負けてしまうことを、嬴政は察知した。
嬴政の読みと同じくして、王騎もその読みを感じ取っていた。
だからこそ自らが先陣を取り、一気に決着をつけるべきと判断し、蒙武の元へと駆け寄ったのだった。
王騎は、飛信隊に「真っすぐ突っ込め」と命令、同じくして彼の右腕である騰にも「本丸へ向けて一直線に突っ込め」と命令。
すると真ん中に一気に道が開くことで、王騎は一気に本丸へ猛進していく。
しかし目の前に宿命のライバルである龐煖が立ちはだかる。
兵を囲んでできた戦場で、2人の一騎打ちが幕を開ける。
9年ぶりに顔を突き合わせる2人に、一体何があったのか。
何も知らない嬴政は、その真相を昌文君の口から聞かされていく。
かつて六大将軍にまで上り詰めた摎という女性が存在した。
多くを語られぬ存在であった彼女は、かつては王騎の召使として育てられたが、彼のそばで武術を磨き、武将として輝かしい戦歴を積み上げていった。
摎は子どもの頃に王騎に「城を百個とったら嫁にしてください」という約束を交わしており、それが彼女の糧になっていたのだった。
実は彼女は嬴政の父・昭王の隠し子だった。
生母の身分が低く、跡目争いに巻き込まれないための策として、王騎に預けたのだった。
やがて彼女は、六人目の大将軍に任命され、副将を王騎が務めることになる。
馬陽の戦いでようやく百個目の城になる、目標達成寸前のところで、突如現れた龐煖に殺されてしまうのだった。
彼女の願いをちゃんと覚えていた王騎は、怒りに震え刀を向けたのが馬陽の戦いであり、9年を経て、王騎はようやく過去と向き合うことになったのだった。
果たしてこの馬陽の戦いで、王騎は因縁と決着をつけ、戦いに勝利する子ができるのか。
その裏で暗躍する李牧は、一体何を企んでいるのか。
・・・というのが、ザックリしたあらすじです。
正直可もなく不可もなく。
4作目ともなると、さすがに飽きがくるので、何かしら演出とか構成とか盛り上げ方とか変化を見せてくるのかなぁと期待しておりましたが、2以降やっている「2エピソードをつなげて一つの物語にする」手法で、今回も作られていました。
序盤は尾到との別れをメインに、前作のつづきを描き、その後は王騎の見せ場メインという構成。
劇中では、一体王騎の過去に何があったのかや、嬴政がいる王室でのやりとり、そして戦況を見極めている李牧と、なぜか一緒にいる河了貂という、キングダムの主役3人がいる場を交互に見せていくという展開。
個人的には別の視点だったり、一方誰誰はってシーンを挟むもんだから、せっかくの馬楊の戦いがダレるダレる…。
幾度かあくびまでしてしまいました。
回想を挟むなとは言わない、河了貂や嬴政のシーンを入れるなとは言わない。
しかしあくまでメインは信がいる戦場ですから、そこに尺を使うためにあまり他のシーンに尺を使ってほしくないわけです。
2や3でもそう思った部分は多々あったわけですが、さすがに4はそういうとこを修正してくるのかなと思ったら、そのまんまだったということで、さすがに145分もの長尺でこれは飽きてきます。
基本一定のテンポで話が進行するもんだから、作品全体に緩急がないんですよね。
ドラマチックに盛り上げようと演出する音楽もしつこいので、作り手はおそらくそのあたりで「感動~~~!!」ってしたいんでしょうけど、それを何度もやられちゃ退屈になるってわけですよ。
そうならないためには緩急をつけて物語を演出するのが一番なんじゃないかって思うんですね。
もう全部いいとこどりしたいんだろうなってのが見え見えで、部分部分でグッとくる箇所はあるんだけど、全部同じようなドラマチックな演出されてもそりゃワンパターンで飽きるってもんで。
次回作を作る際には、その辺を修正してほしいなと願うばかりでございます。
だいたいね、キャラがたくさんいるんですよ。
だから彼らにも役割や出番を与えないといけないわけです。
そう考えると、前作でも前々作でも言及しましたけど、河了貂の存在って何なんだと。
アイツ軍師になるとか言って、3作経っても何も成長してねえじゃねえかと。
崖の上から戦況を見守って学んでるんでしょうけど、果たして学びになってるのかどうか。
今回李牧の側近と色々会話して軍師の苦しみと怖さみたいなのを知ったっぽいですけど、それを加味してどう軍師として在るべきなのか、未だ答え出てないじゃないですか。
主要キャラならいい加減成長ぶりとか、見せ場、軍師としての可能性を示すようなアクションをしてくれないと、マジで要らないキャラですからね。
俺的には警告ですよ、次も成長してなかったら退場ですw
今回は意外と他のキャラにも見せ場があったので、そこは褒めたいと思います。
まず一つは、飛信隊の重要メンバーである尾平と尾到の兄弟ですね。
特に尾到はここで死んでしまうってこともあって、彼のセリフメインで作られた予告編もできたくらい、信への思いが溢れた良い見せ場でした。
他にもずっと王騎の後ろで突っ立ったまま何もしてこなかった騰ですね。
天下の大将軍である王騎の側近なんだから、相当強いんだろうなと思っていましたが、あそこまで強いとは。
能ある鷹は爪を隠すなんていいますけど、正に鷹の如く戦場を駆け巡って刀をブンブンまわしてましたね。
これはさすがに俺も「お~~~」となりました。
他にも前作で出オチ感満載だった李牧。
どう見てもコスプレ感満載の存在でしたが、三大天として難敵であることが明かされたり、一方で悩みも抱えてるような存在であること、これまでのタイプではないクレバーな存在感など、小栗旬だからこそ出せる「スカシ感」と「つかみどころのない感じ」が絶妙に醸し出されたキャラでした。
こうした面々の活躍を見せながら、メインは王騎対龐煖の戦いをじっくり見せていくわけですわ。
もうすごいですね。2人が持つ長刀が歪んでましたよ、あんなに歪んでるのに、なんでどっちも折れないんだよw
振り回す度に起きる爆風を見てると、もう三國無双の世界ですね。
絶対あんなことは起きないのに、あれがあるだけで他の武将は大したことないって思えるほどの力強さ。
そんなパワーを持っている2人がぶつかるわけですから、そりゃ長刀も歪むわっていうw
それにしてもあんなに感情的になる王騎も初めて見ましたね。
相当怒ってたんだってことですよ、龐煖に。
ずっと思いを知っていて、自分の嫁にしようとしていた摎を殺したわけですから。
今までずっと胸の中にしまい込んでいたんでしょうね。
それが嬴政の過去バナを聞いて、色々決心したんだな、覚悟を決めたんだなって考えると、この馬楊の戦いは、自分の死に場所になるかもなぁって思ってたんだろな。
最後に
だいぶワイヤーアクション感があったものの、前作、前々作と比べるとCG感は薄れたなぁという印象。
さすがに新木優子は馬に乗って走ってなかったんだろうけど、それ以外は皆ちゃんと馬に乗ってるように見えたし、何より広大な平原でなく、岩場での戦ってこともあって、引きの画になった時に、CG感を感じないというか(実際はCGなんだろうけど)。
兵隊が整列してるとそう見えがちなんだけど、今回動いてるところばかりだったんで、そういう点で言うとCGっぽく見えなかったなと。
ラストシーンの王騎もカッコよかったですね。
あれだけ深い傷を負ってるのに、まぁよくしゃべるなとは思いましたけど。
とにかく、彼を乗せて馬に乗る信が見る景色、それをドラマチックに見せることで、今後の「キングダム」の方向が分かってくるってことですよね。
だからこの4で一区切りってのが凄くわかる結末だったなと。
次は1000人将とかになってるんですかね?結構飛ばしちゃってもいいとは思いますけど、とにかくもっと金かけたヤツを作りましょう!!
中国映画も顔負けの!大スペクタクルな戦いを見せてほしいな。
どんどんキャラも増えてくるんでしょうし、その辺の交通整理も難しんだろうけど、頑張って取捨選択しながら、良い物語を作ってほしいですね。
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10