モンキー的映画のススメ

モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「ライオンキング(2019)」感想ネタバレあり解説 話は同じだが超実写と言われるだけはある。

ライオン・キング

f:id:monkey1119:20190722234527j:plain

アニメもミュージカルも見たことないモンキーです。

お前も動物の名前使ってる身なら、このアニメくらい観とけ屋!と怒られても仕方ないんですが、見てないものは仕方ないわけで。

でも見てないとはいえ、ハクナマタタくらいは知ってるし、その辺のあれこれは「めちゃイケ」のオファーシリーズとか、大西ライオンから教わってるわけで、そんな奴がこの「ライオン・キング」見に行ってもええやんけと。

 

 そういやつい先日、あまりの猛暑に耐えかねた子供がいきなり「サークル・オブ・ライフ」の替え歌で、あんあ~~~暑いやぁ~~~と歌ってました。

君のそのセンス、僕は大好きです。

 

というわけで、ジョン・ファヴローが「ジャングル・ブック」で得た技術を使い、とうとう誰一人人間の出ないフルCG映画を作り上げてしまいました。

果たしてこれは実写映画と呼ぶべきなのか、それともフルCGアニメとしてのリメイクなのか。

はっきり言って、ライオンが演技しているようにしか見えないくらい本物さながらの映像なので、一体どう見たらいいのか戸惑いを隠せませんが、期待に胸膨らませ早速鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

ディズニーアニメ黄金期の代表作、そしてブロードウェイミュージカルとして現在も尚ロングランヒットを遂げている不朽の名作アニメ「ライオン・キング」を、全編フルCG描写で本物さながらの映像と極上のエンターテインメントで描くことに成功した「ジャングル・ブック」の監督によって、超実写版としてリメイク。

 

魂を揺さぶる劇中歌と、世界中の誰もに生きる意味があることを教えてくれる感動の物語。

キング・オブ・エンターテインメントの名にふさわしい傑作が、今の時代にどう響くのか。

想像を超える「ライオン・キング」がついにやってくる!!!

 

ライオン・キング (吹替版)

ライオン・キング (吹替版)

 

 

 

ライオン・キング  オリジナル・サウンドトラック デラックス版

ライオン・キング オリジナル・サウンドトラック デラックス版

 

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

 雄大なアフリカの大地。

 

ジャングルの王ムファサ(CV:ジェームズ・アール・ジョーンズ/大和田伸也)のもとに誕生したシンバ(CV:ドナルド・グローヴァー/賀来賢人)は、いつか自分も父のような王になる日を夢見るものの、好奇心旺盛でまだ未熟な彼はなかなかその一歩を踏み出せないでいた。

 

一方、「勇気と無謀は違う」と厳しく説くムファサは、この広大なサバンナで未来の王を担うことへの責任と使命を愛する息子に教えようとしていた。

 

だが、シンバはある悲劇によって父を失い、さらに王位を狙うスカー(キウェテル・イジョフォー/江口洋介)の企みにより王国を追放されてしまう。

 

ひとり飛び出したシンバは、新たな世界で多くの仲間たちと出会い、自分が生まれてきた意味、そして王としての使命は何なのかを学んでいく……。(Movie Walkerより抜粋)

 



 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのはジョン・ファヴロー。

f:id:monkey1119:20190806233254j:plain

はい。「アイアンマン」以降、MCU作品でハッピー・ホーガン役として出演しているのはご存知かと思います。

今年は「アベンジャーズ/エンドゲーム」と「スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム」にも出演していましたよね。

 

監督業も「エルフ~サンタの国からやってきた~」や、「アイアンマン」、「アイアンマン2」、「カウボーイ&エイリアン」などの大作まで手掛けています。

その大きな作品から解放されたいという意味合いも含まれた「シェフ~三ツ星フードトラック始めました」は、彼が本当にやりたいものが詰まった最高に「美味しい」映画でした。

そのインターバル的な映画を経て手掛けた「ジャングル・ブック」は、主人公以外の全ての背景や登場動物をCGで表現したことが話題を呼び大ヒット。

その技術を活かし、本作を手掛けたと思われます。

 

監督曰く、今回は前作以上に難しい作業だったそうで、よりリアルに見せるための技術とトリックを多く利用したんだそう。

特に動きをリアルに見せるために一貫性を重視したそうで、一つの動きが失敗することで作品すべてに説得力がなくなってしまうことを恐れ、カット割りを多くすることで、違和感を与えさせない工夫をされてるそうです。

本物の動物ではないキャラクターを本物のように見せるには、相当の苦労があったのでしょう。

そのテクニックに注目したいですね。

 

監督に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

 

キャラクター紹介

 

f:id:monkey1119:20190807205347j:plain

  • シンバ(CV:ドナルド・グローヴァー/吹替え:賀来賢人)

 

幼少期:父ムファサのように勇敢な王になることを夢みる
青年期:王となる使命を見失い自分の道を模索中

サバンナを治める偉大な王ムファサを父に持ち、“未来の王”としての運命に生まれたライオン。
愛情に包まれ、やんちゃで好奇心旺盛。ムファサから王としての責任を聞かされるも、理解するには幼く、早く父のような王になりたいと無邪気に願う。(HPより)

 

  • ムファサ(CV:ジェームズ・アール・ジョーンズ/吹替え:大和田伸也)

 

息子シンバを厳しくも優しく見守り、後継者として導く偉大な王

サバンナを治める偉大な王でシンバの父。
動物たちの尊敬と信頼を集める。自然界の繊細なバランスを知り、命あるものへ敬意を忘れず、王としての責任のもと、多様な動物たちが生きるサバンナを治める。
威厳に満ちた王であると同時に、シンバの危機には自らの命を投げ出しても救おうとする愛情深い父親。
彼を慕うシンバとは、強い絆で結ばれている。(HPより)

 

  • ナラ(CV:ビヨンセ・ノウルズ=カーター/吹替え:門山葉子) 

 

 

シンバを真の王だと信じる、美しく芯の強い幼馴染

シンバの幼なじみで大親友。子ライオン時代には、シンバと取っ組み合いをすれば勝ってしまうほど、勝気で活発な女の子だった。
シンバ同様、好奇心と冒険心が旺盛で、一緒に無謀な冒険をしてムファサに命を助けられたことさえある。
シンバが姿を消したときには、“シンバは死んだ”とスカーから聞かされ、深く悲しんだ。
やがて若く美しいライオンに成長した彼女は、スカーの支配によって危機にある王国を救うべく、助けを求めて故郷を後にする。(HPより)

 

 

  • スカー(CV:キウェテル・イジョフォー/吹替え:江口洋介)

 

この世は不公平だと憎み王位を狙う狡猾なムファサの弟

サバンナを治める偉大な王ムファサの弟で、シンバの叔父。
「人生は不公平だ」と考えている。王になれない自分の運命を恨み、あらゆる動物たちが集い祝ったシンバの誕生の儀式にも欠席した。
王の座を狙う彼は、ライオンが統治するのを面白く思っていないハイエナたちと手を組んで策略をめぐらす。(HPより)

 

  • プンバァ(CV:セス・ローゲン/吹替え:佐藤二朗

群れを追い出されても、自分らしく生きる陽気なイボイノシシ

陽気で心優しく、のんびり屋で食いしん坊なイボイノシシ。王国を追放されて干からびた大地で行き倒れていた子ライオンのシンバの命を救う。
相棒のミーアキャット、ティモンと共に、「ハクナ・マタタ(くよくよするな)」のモットーで心に傷を抱えたシンバを元気づけ、親友となる。
王になる運命のもとに生まれたライオンであることは知らぬまま、ライオンのシンバに守られ、助け合いながら、緑豊かなジャングルで、共に自由気ままな生活を送る。(HPより)

 

  • ティモン( CV:ビリー・アイクナー/吹替え:ミキ 亜生

 

“今”を気ままに楽しむ、少し毒舌だが仲間思いのミーアキャット

口が悪くてちょっぴり怒りっぽいが、根は仲間思いで世話好きの、すばしっこいミーアキャット。
プンバァの相棒。行き倒れになっていた小さなシンバに遭遇したとき、ライオンを味方につければ恐いものなしになる、という思いから、プンバァと共にその命を助けたが、やがて大親友になる。
群れから仲間外れになった過去を持ち、「ハクナ・マタタ(くよくよするな)」の精神で陽気に生きている。(HPより)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そもそもこの映画は物語と同時に楽曲も素晴らしいのは周知の事実で、しかも今回ビヨンセが声の出演をしているわけですから、字幕一択で行こうと思います。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

なんだこれ!ディスカバリーチャンネルか!?アニマルプラネットか!?

アニメーション映画を完全再現したグッジョブ映画でした!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

映像がヤバイ。

王の息子として生まれたライオン、シンバが叔父の策略にはまってしまいプライドランドを追い出されてしまうものの、仲間や国を見守る重鎮の言葉によって自分は何者なのか、命の環を崩された国の存亡を担う立場という運命に従い成長する姿を、アニメーション映画の内容そのままに、動物がどのように動きどのような表情をするかといった、細部にまでリアルを追求し作り上げた映像に心震わされる、完全再現映画でございました。

 

一応ですね、やめようとは思ったんですがなんとか時間作ってアニメーション映画の方は公開日前に予習し鑑賞してまいりました。

簡潔に言えば、内容はオリジナルと何ら変わりありません。

結構隅から隅まで同じです。

しかし今回完全フルCGで実写映画にしたことにより、ムサファがシンバに語る言葉の重み、スカーの陰謀の恐ろしさや怖さ、なによりプライドランドの雄大な自然を堪能でき、アニメーション映画では感じることのできない、これぞ超実写映画の名にふさわしい作品に仕上がっておりました。

 

冒頭からもう圧巻です。

サークルオブライフで始まる息子シンバの儀式。

眩しいほどの太陽が降り注ぎ、草原やその光が水面に反射することでどこか神々しささえ感じるプライドランドの大地。

フラミンゴが飛び交い、象やキリンが悠々と歩き、ミーアキャットがそぞろと立ち上がる。

そこにザズーが登場。アニメーションのようなユーモアな表情や不自然な動きはそこにありません。がっつり普通の鳥です。

そんな鳥が紳士的なお辞儀をし、堂々と岩の上に立つムサファが映る。

そして動物たちの間を二足歩行とはいえ背中を丸めてノコノコとやってくるラフィキ。

アニメ版では杖をついて普通に闊歩する姿がありましたが、これもまたリアルにサルらしく登場。

そしてシンバに洗礼のあかしともいえる赤い色のついた粉を塗り、思わずくしゃみをするシンバ。

 

もうね、シンバが可愛い!!!

幼い顔立ちにぷにぷになカラダ、ふわふわもこもこの毛並みを見たら動物好きはイチコロでしょう。

でっかい図体のお父ちゃんに起きて!と絡む件、幼馴染のナラとのじゃれ合い、プンパァとティモンに連れられ、自然と生活を満喫するシンバの姿にニンマリする人も多いのではないでしょうか。

 

他の動物たちもアニメでは表現できない、というと語弊がありますが、CGだからできる本物に近い動きや表情で、このプライドランドって本当に存在してそこで起きるあれこれを人間がこっそりカメラで撮影してるんじゃないかってくらいリアルに再現されていました。

 

またアニメとの差別化はけっこうあって、例えばアニメだからできる動きとして、幼いシンバとナラがザズーを撒いてゾウの墓場まで行く件がありますが、アニメ版では色鮮やかな配色を施した動物たちがコミカルな動きやキレイに配列してラインダンスをするような動きもあれば、象やキリンの上にフラミンゴや他の動物たちが乗っかり、組体操の三段俵のようになり、命の環を表現するシーンでしたが、今作ではそんなリアルではありえないようなことはせず、ごく自然に動物たちが走り回ってる状態で歌うという映像に変更をしています。

シマウマやサイ、像などが行進したり、水を順番に飲むキリンの間を飛び回ってはしゃぐシンバとナラが歌うって感じになっていましたね。

 

他にもミュージカルパートはいくつも出てくるんですが、歌う動物たちが人間のように豊かな表情をするようなおかしな表現はありません。

あくまで顔は動物で、口元を大小に動かして目の動きや口角上げて笑顔を作るようなことは一切してなかったですね。

シンバたちライオンがそんな感じだったのに対し、ティモンとプンパァはなるべくユーモラスな表情で描かれていたのが印象的です。

特にティモンは一度ドアップで映るシーンがあるんですが、めっちゃ驚いてる顔をしていたような。

またシェンジ、カマリ、アジジのハイエナたちは不気味で不敵な笑みを浮かべてたのも印象的。そもそもハイエナってどんな面してるのかよくわかってないんですが、常に空腹で獲物を狙う動物の怖さを表現していたように思えます。

 

あとはなんだろ、アニメ版て背景を結構どぎつい色で描いてたのを覚えてるんですが、あれってアニメならではの誇張された演出だったと思うんですけど、今作はあくまでナチュラル。スカーが王の座についてからは薄暗い色合いにして崩壊寸前のプライドランドを演出していたし、終盤雷が落ちて火が回る時も全体を真っ赤な背景にするんじゃなくてしっかり明暗を付けて本物さながらな映像にしていたのも今作ならでは。

 

動きも本物みたいで、ライオンてそんなに早く走らない動きをすると思うんですけど、そういうのも加味してカット割りしてましたよね。

ムファサがシンバを助けにハイエナの巣に来たときなんて、そこまで素早い動きしてないですし、逆に大人になったナラがプンパァを襲ってそれを防ぐシンバのシーンは、あれかなりカット割りしてるからものすごい格闘をしてるように見せてるなぁと。

あとはシンバとスカーの対決もスローモーションにすることで、実際は鈍い打撃の応酬になってると思うんですけど、あえてスローにすることで迫力を保って描いてるように見えました。

 

このように今作はアニメ版では成し得なかった本物のような映像を実写風に見せることで、動物の世界で起きているかもしれない継承争いの話をリアルに魅せてくれる、革新的映画でありました。

 

 

命の環。

お話に関しては意外にも目立った改変はされておりませんでした。

ムファサが王として君臨したことで、輪廻転生ともいえる命の環を保ってきたプライドランド。

肉食動物が草食動物を狩り、そこから出た糞によって草木が生え、それを草食動物が食べる。

好き勝手獲物を狩っていけば、そのルーティーンは崩れていき、やがて自然や生き物は生きる場所を無くしてしまう。食物連鎖の頂点に立っている者がそんなワガママにも似た行動を取れば衰退の一途をたどってしまうのは明確なのです。

そんなことにならないように、生きとし生けるもの全てに感謝し、プライドランドという国をどう繁栄していいくかを考えるムファサ。

しかしスカーはそんなことなど考えもせず、王の座を奪いハイエナたちと画策し、好き勝手やりたい放題していくわけですね。

もちろん彼が王になったらプライドランドは荒地そのもので、そんな場所で済みたくないやい!と思った動物たちは離れていってしまいます。

 

頂点に立つ者はそういったことを考えられる存在でなくてはいけないことも描いていたように思えます。

人間も同じことが言えて、肉や魚を好き勝手収穫してしまうと、生態系のバランスは崩れてしまうわけで、この他に自分たちが有意義な生活を送るために自然や環境を破壊してしまうことで動物や植物の場所を奪い、衰退の一途をたどってしまう。

ライオンキングは一見主人公が自分を何者なのかを辿る話に見えて、こういう部分もしっかり触れた内容の映画だったのではないでしょうか。

 

と僕らしくない難しいことに触れてしまいましたが、アニメ版当時よりも環境面は深刻になってきているのだから、ここはそのままやるのではなくディズニーお決まりの人間のアイデンティティを追求するようなメッセージ性じゃなくて、舞台が自然なんだから環境とか生態系についてフォーカスするような脚本に改変しても面白かったんじゃないかなぁと。

これでは「アラジン」とやってることが同じというか、もっとせっかく実写にしてリサイクルって言い方は変だけど、再び新作映画として手掛けたわけだから、現代へのメッセージをもっと掘り下げた内容にしても良かったのかなぁと。

それなら別の映画とかドキュメンタリー見ろや!と言われたらそれまでなんですけどねw

 

 

最後に

ビヨンセとドナルド・グローヴァーが歌うエルトンジョンの「愛を感じて」は最高でしたね。

サークルオブライフもいいんだけど、こっちの方が僕は好きかなぁ。

 

ホントね何も知らずに観たら、え?これ本物なの?どうやって調教したの?なんていう人も出てくることるんじゃないかってくらい動きも背景もリアルです。

それだけ見たさに行っても全然元が取れる圧倒的映像美な映画だったと思います。

 

動物が歌を歌うって事態変じゃない?なんて野暮なこと言わずに、今の映像技術だから表現できた今作を映画館で堪能してほしいですね。

あ、アニメ版見てない人は見ずに行った方がいいかもw

というわけで以上!あざっした!!

 

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10