モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「町田くんの世界」感想ネタバレあり解説 わからないことがあるから世界は素晴らしい。

6月7日

町田くんの世界

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学園内ドラマ、とでもいうべきなのか、青春ドラマ、それとも人間ドラマとでもいうべきなのか。

高校生の主人公を中心に描かれる、今までにない人間賛歌なんだそうです。

主演の二人はオーディションで選ばれたほぼ新人さんだから、それ以外のキャストは豪華なのはわかる。

だからといって、とうに20代後半に差し掛かった豪華俳優陣に高校生の役をやらせるってのはいかがなものか?

 今回久々に石井監督の映画を見ようと思って楽しみにしてたんですけど、どうもここだけが気になってねぇw

 

一応クラスメイト役で一番最年少の大賀でさえ26歳ですよ。

あとはあっちゃんと高畑充希が27、岩ちゃんにいたっては30歳ですよ。

主人公が役柄と実年齢に近い分、浮いちゃうんじゃねえかなってちょっと心配です。

まぁキャリアも違うでしょうから、そこで浮いちゃうと思うんですけど、だったらもっと年の近いやつキャスティングしろよと。

石井組で固めてどうすんのよと。

 

まぁ彼らは脇役なんで、町田くんが光ってくれるならそれでいいかなと。

 

冒頭から愚痴というか批判的なことをぼやいてますが、基本的には期待している作品であることは間違いありません。

なんせ色々あった石井監督が前回の作品から再び輝きを取り戻しつつあるわけですから。

やっぱ原因は前の奥さんなのか?

おっと失礼w

 

というわけで早速鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

別冊マーガレット」で連載され、第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門を受賞した安藤ゆきの同名コミックを、今後の日本映画を背負って立つであろう監督が、例外に例外を重ねて制作し、すべての正論を覆す奇跡の映画を生み出した。

 

運動も勉強もできないけれど、人間を愛することの才能にたけた高校生の少年が、初めて向き合う感情に苦悩し様々な人間を巻き込んでいく驚天動地の物語。

 

オーディションで選ばれた新人俳優と、監督の過去作に出演した豪華俳優陣が奇跡の集結。また撮影もデジタルが基本のこのご時世に敢えての35mmフィルム。

人間を愛してやまない彼だからこそ人間に愛される、その姿を監督がどんな演出で描くのか。

 

人間に疲れてしまった人にこそ見てほしい、新感覚の青春ドラマです。

 

町田くんの世界 コミック 全7巻セット

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映画ノベライズ 町田くんの世界 (集英社オレンジ文庫)

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あらすじ

 

 町田くん(細田佳央太)は運動も勉強も苦手で見た目も普通の高校生だが、彼には困った人のことは絶対に見過ごさず、接した人みんなの世界を変えてしまう不思議な力があった。

そんな町田くんに突然ある出来事が訪れ、優しさに溢れていた町田くんの世界がひっくり返る……。(MovieWalkerより抜粋)

 

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監督

今作を手掛けるのは石井裕也。

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全作見ているわけでhないんですが、彼の作品て家族を題材にした映画のイメージがありますが、他にも自分よりも他者のために尽力する姿を描く映画ってのもやってるなぁと。

相手を思いやる気持ちを持った人間の美しさだったり滑稽さだったり、逆にそれに目覚める主人公の姿だったり。

あくまで僕の視点なので断言はできませんが、今回の作品の概要を知ったときに、やっぱ監督の目指している映画って「他者への愛」みたいなところなのかなぁと。

 

そんな監督の代表作をサクッとご紹介。

大学の卒業制作で作った作品「剥き出しにっぽん」でぴあフィルムフェスティバルグランプリやアジア・フィルム・アワードでの受賞と、自主映画で高い評価を得た監督は、妥協を重ねた結果どん底まで落ちた主人公の逆境に立ち向かう姿をユーモラスに描いた「川の底からこんにちは」で長編映画デビューします。

その後、地味で気の遠くなる辞書の編集作業に配属された主人公が不器用ながらもまじめに取り組む姿をユーモラスにハートフルに描いた「船を編む」で日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞します。

 

舟を編む

舟を編む

 

 

その後も母親の余命宣告を受けた家族の実態が表になったものの、その最悪の状況から再び絆を取り戻していく物語「ぼくたちの家族」や、都会での生きづらさを感じながら過ごす若い男女の出会いと交流を繊細に描いた「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」などがあります。

 

 

 

 

 

 

キャスト

主人公町田一(はじめ)を演じるのは、新人俳優の細田佳央太(かなた)。

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 今作の主役オーディションで1000人以上の中から選ばれたという逸材。

全くの素人が!?と思って調べてみたらふっつーにアミューズに所属している俳優さんであることが判明。

小学生のころから芸能界に入り、小さな仕事をコツコツやっていたみたいですね。

とはいえ、この年齢で映画の主役の座を掴んだのは実力であることは間違いないでしょう。

町田くんという人物をどんな風に演じてくれるのか楽しみです。

 

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

ヒロイン・猪原奈々役に、細田君と同じくオーディションで選ばれ、グラビアアイドルとして活躍する関水渚

氷室雄役に、「去年の冬、君と別れ」、「パーフェクト・ワールド」の岩田剛典

高嶋さくら役に、「DESTINY 鎌倉ものがたり」、「こんな夜更けにバナナかよ」の高畑充希。

栄りら役に、「散歩する侵略者」、「旅のおわり世界のはじまり」の公開が控える前田敦子

西野亮太役に、「来る」、「母さんがどんなに僕を嫌いでも」の太賀。

吉高洋平役に、「愛の渦」、「映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ」の池松壮亮

吉高葵役に、「劇場版コードブルー」、「あの日のオルガン」の戸田恵梨香

日野役に、「空母いぶき」、「ザ・ファブル」の公開が控える佐藤浩市

町田くんの父・あゆた役に、「長いお別れ」、「響-HIBIKI-」の北村有起哉

町田くんの母・百香役に、「藁の楯」、「祈りの幕が降りる時」の松嶋菜々子などが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一体彼は何者で、周りの人たちにどんな影響を与えるのか。色々ギスギスしてしまうようになった世の中に、彼の行動や言動がどんな影響を与えるのか、非常に楽しみです。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

 

この世に町田君がいる限り、世界は悪意で満ちることはない!

人を好きになることの素晴らしさが、人を好きになる気持ちを派生させてくれる、甘酸っぱさ全開の青春映画でした!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

町田くんはきっといる。

困った人には手を差し伸べたり周りの人をちゃんと見ている、そんな自分のことなど二の次三の次な、超おせっかいで世話好きで親切心の塊で誰にでも平等に接する高校生・町田くんが、「人が嫌い」という同級生の女の子と出会うことで、今まで出会ったことのない感情を覚え、一体それが何なのかわからないまま、ひたすら悩みもがく姿を描いた今作。

 

今の世の中、自分のことばかりで他人のことなどお構いなし、おまけに人の愚行や悪行ばかりをほじくり勝手な正義で相手を地に追い詰めては、その行いに悦に浸り満足し高尚な人間だと思い込んでしまう人たちが増えてしまっています。

一体いつからこの世界はこんなに思いやりの欠けた、人にやさしくすることができない世の中になったのか。

まさに世界は悪意で満ちているのです。

 

人の気持ちは伝染すると思います。

映画館で感動して隣の人が泣いたらもらい泣きする人、いると思います。

同じく映画館で隣の人が笑ったらつられて笑ってしまうと思います。

だから悪いことも伝染してしまうのではないかと、僕は思います。

みんな自分勝手で周りに優しくしなくなったのも、みんながそうしてるから、なのかと。

だったら皆が優しい気持ちを持てば、その思いは人から人へ派生し、気持ちは海も渡れば国境も超えて、大袈裟かもしれないけど本当の世界平和が訪れてもおかしくない、のかも、しれない。

 

いやいやそんなのバカげてる、って思うのが普通。

でも今回の作品「町田くんの世界」の主人公、町田一の行動を見ていたら、信じて見たくなる、いや自分もそんな人間になれるかもしれない、と、これまた大袈裟ですが、考えてしまうのです。

 

バスで困った人を見つけたらすかさず席を譲り、男にフラれて泣いている女の子を見たらミルクティーを買って慰めてあげる、小さい男の子の持ってた風船が飛ばされたら、そこが川だろうがジャンプしてキャッチしてしまう、間違えて町田君に渡ってしまったラブレターなのに、その人の一生懸命な気持ちを讃えてしまう、友達が絡まれたらすかさず止めに入る、友達がヘンな男にナンパされたらすかさずついていってはいけないと止めに入る、人の気持ちを踏みにじり悪ぶってる奴には一生懸命考えろと諭す、掲示物を張りたいのに届かなかったら肩車してあげる、図書室の返却が大変だったら手伝ってあげる、などなど、今あげたことはほんの些細な思いやりかもしれませんが、このほんの些細な思いやりによって、気持ちを受け取った人には小さな小さな幸福感が生まれ、それを誰かにおすそ分けしたくなるのです。

 

 

昔「ペイ・フォワード」という映画がありました。

人から受けた善意や思いやりを別の誰かに返す、ということが思いもよらぬ出来事に発展するという映画でしたが、そのきっかけを作るような存在が町田君にも思えてしまうほど、彼の善意は素晴らしいものでした。

 

もし人にやさしくされたのなら、その気持ちの発端はもしかしたら町田君がした小さな小さな思いやりからきたもの、かもしれません。

いや、きっとそうだと信じたい、信じたくなる、非常に優しい気持ちになれる映画でした。

 

 

 

人を好きになるってなんだろう。

猪原さんという女性が登場します。

彼女はお母さんがいわゆるゲス不倫をし、周りから冷たい視線を浴びてしまったことが原因でいつも孤独に過ごしていました。

高校に進学しても休みがちな彼女は、保健室でサボっていました。

そこに町田くんが現れ、先生がいないために介抱したことがきっかけで、彼との接点が生まれます。

 

これまで優しくされたことがなかったからなのか、それともあまりにも率直でストレートな言葉にやられてしまったのか、猪原さんは町田くんのことで気持ちが穏やかではなくなっていくのです。

急にキレイだね、とか、頭ポンポン、とか、それこそ些細な「ありがとう」が積み重なってできた「好き」という気持ち。

その気持ちが猪原さんの心に芽生え、彼女は徐々に教室にも姿を出すように。

 

しかし町田くんは誰にでも優しい。

フラれた女の子に優しくしたことがきっかけで、その子がお弁当を作ってあ~んをさせてくれるんですが、それでも町田くんは平常心。

というか彼にとっては普通のこと。それ以上もそれ以下もない。

 

これを観た猪原さんは、貧乏ゆすりをしだし、用もないのに町田くんの家の前で待ち伏せたりとおかしな行動に。

 

それでも気づかない町田くん。

鈍感にもほどがありますが、彼にとって人を好きになることがどんなものかわかっていません。

元々人が好きと公言している彼ですが、彼の言う好きはいわゆるLikeであり、Loveではないのかもしれません。

 

誰にでも優しい町田くんは、恐らく正解です。しかし猪原さんにとってはその優しさを独占したいわけです。

好きな人が他の異性の人と話してるだけで、やきもきすることありますよね。

正に猪原さんはそんな気持ちと葛藤しながら正気を保っていたわけです。

しかし、誰にでも優しくすることは、誰か傷つけることにもなる、ということを知り、町田くんは自分の「わからない」気持ちに向き合っていくことになっていきます。

 

 

映画では、なぜ人を好きになるのか、という問いに対して、わからないから好きになるんだ、という答えを提示します。

わからないものに飛び込むのは正直恐い、でもわからないことが無くなってしまったら、この世界はつまんないのかもしれない。

その人のことを理解したくて、その人の事をもっと知りたくて、飛び込んでいくのだ、それが人を好きになる、ということだと。

その人が何をして何を考え何を思いどんな表情をするのか、飛び込んでいかなければ観ることは知ることはできないのだと。

 

 

僕としてはこの言葉、人を好きになることも当てはまると思うんですが、それ以外の物事も当てはまるように思えます。

わからないことがあると、難しいから理解できないからつまらないと、それを遠ざけて過ごすこと、多いと思います。

でもわからないことに関心を持ち追求するから面白いのではないか、世の中楽しくなるのではないか、そんなことにもつながる気がします。

 

話が逸れましたが、何が言いたいのかっていうと、恋ってどういうこと?ってのをこの二人が体現してくれて、それを見てあぁ俺もこんな時期あったなぁとか思い返したくなる初々しさが詰まった映画だったってことで。

 

なかなか挑戦的。

じゃあ映画としてどうだったかっていうと、言葉選びが難しいんだけど、どこかヘンな映画だったなぁと。

ヘン、ていうのは決して悪い意味ではなくて、何かおかしいんだけど物語として成立しちゃってる感じがする不思議な映画でした。

ぶっちゃけ主演二人のお芝居は観てられないくらいオーバーで、普通そんな驚きとかぐしゃぐしゃな感情にならんだろうと。

そして冒頭にも書きましたが彼らを支えるキャスト陣の実年齢に対しての設定年齢がヘンで。

 

この辺りはまぁ目を瞑ったとしても、演出面もどこかおかしい。

暗がりにどうしてそんな光があたるのか、とか、夢なのか現実なのかわからない現象、長回しで土手を走る2人を映したりとか、掃除していないプールを急に磨きだす町田くんとか、そこにいたカモの存在とか。

もっと細かく言うと、町田くんが考えごとしながら料理しているシーンで、ひたすら調味料を振っているシーンがあるんですね。

これっていわゆるフリなわけですよ。その料理を食べた家族のリアクションを見るための。

これを映さずに次の場面へ行っちゃうっていう。

 

こんな感じで何か違和感を抱きながらお話が続いていくんですね、これ。

最後もまぁとんでもない展開が用意されていてどういうことこれ?みたいな。

ある意味「フロリダプロジェクト」のような展開、とでもいいましょうか。

 

しかしですね、町田くんの存在そのものがどこか現実離れしているわけで、そこから紐解いていくとこういう様々な演出だったり構成だったり話の流れってのも、何か現実離れした方が伝わりやすいのかなと。

映画の嘘をうまく使ったというか。

 

 

 

最後に

今の世の中で起きているスキャンダルや社会、マナー、モラル、などをうまく使って、今必要なことは何なのか、ということを、高校生という純真無垢な存在の行動や言動で発信する映画だったと思います。

良い行いをすれば良いことが返ってくるわけですよ。

 

そしてこの映画を見終えた後に僕の脳内に浮かんだ歌がですね、スピッツの空も飛べるはずで。

正に、君と出会った奇跡がこの胸に溢れてて、きっと空も飛べるはず、と。

 

僕の眼には汚れちまった現実しか見えてないってことがよくあるんだけど、この映画を見たら少しだけ世界が違って見えます。

そして町田くんはきっと、この街のどこかにいるのかもしれない。

向かいのホーム、路地裏の窓、旅先の店、新聞の隅、明け方の街桜木町にw

もし見つからなければ自分が町田くんになればいいわけで、優しさで溢れるくらいに相手を包み込めばいいんですよ。

そうすることでちょっとでも優しい気持ちが伝染すれば世の中うまくいくかもしれない。

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10