モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「メリーポピンズリターンズ」感想ネタバレあり解説 前作を踏襲しディズニーらしさを強めた力作。

メリーポピンズ リターンズ

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困ったときに使う魔法の言葉。

スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス!!

 

1964年に公開された「メリー・ポピンズ」の劇中で、みんなが口をそろえて唱える言葉として非常に有名です。

意味はぁ・・・よく知りませんw

が、一度は声を大にしていいたくなる言葉ですよね。

 

 こんな言葉が飛び交う歌や、アニメーションと実写の融合によって、夢と希望が詰まったステキなミュージカル映画が54年ぶりの続編として帰ってきます。

え?キャストはまさか同じ人たち?

そんなわけないでしょう。

 

前作から25年後のロンドンでのお話になるようです。

メリーのおかげで家族たちが仲睦まじく暮らすようになったバンクス一家。

大きくなった子供たちの前になぜ再び彼女が現れるのか、そしてあの「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」は歌われるのでしょうか。

 

てなワケで早速鑑賞してまいりました!!!

 

作品情報

PLトラヴァースの同名小説「メリーポピンズ」。

 

ディズニーの創始者ウォルト・ディズニーがヒロイン像にほれ込み、1964年、何とか映画化の権利を取得し出来上がった映画は、実写とアニメーションが融合した当時にとっては革新的な映像と、一度聞いたら耳から離れなくなるような楽しい歌と印象的なダンス、そして彼女の魔法としつけによって幸せを見出していくバンクス一家の物語に誰もがときめき、心に残る一作となった。

 

アカデミー賞でも13部門ノミネート5部門受賞という快挙を成し遂げた前作から50余年。

舞台は25年後のロンドンへ変わり、再び彼女が舞い降てくる。

再びピンチとなったバンクス一家に、そして色々とうまくいかない世の中に、メリーポピンズがカラフルと最高のハッピーをもたらす!

 

 

あらすじ

 

大恐慌を迎え暗く厳しい時代のロンドン。

バンクス家の長男でありかつて少年だったマイケル・バンクス(ベン・ウィショー)は、今では自らの家族を持つ親となっていた。

 

かつて父や祖父が働いていたフィデリティ銀行で臨時の仕事に就き、3人の子どもたち、アナベル(ピクシー・デイヴィーズ)、ジョン(ナサナエル・サレー)、ジョージー(ジョエル・ドーソン)と共に、桜通り17番地に暮らしていたが、ロンドンは大暴落の只中で金銭的な余裕はなく、更にマイケルは妻を亡くしたばかりだった。


子どもたちは「自分たちがしっかりしなくては」と躍起になるが上手くいかず、家の中は常に荒れ放題。さらに追い打ちをかけるように、融資の返済期限切れで家を失う大ピンチ!

 

そんなとき、魔法使いメリー・ポピンズ(エミリー・ブラント)が風に乗って彼らのもとに舞い降りた。

 

20年前と同様にバンクス家の子どもたちの世話をしに来たと言う彼女は、一風変わった方法でバンクス家の子どもたちの “しつけ”を開始。

バスタブの底を抜けて海底探検をしたり、絵画の世界に飛び込み、華麗なるミュージカル・ショーを繰り広げる。

 

そんな彼女に子供達は少しずつ心を開き始めるが、実は彼女の本当の魔法は、まだまだ始まったばかりだった…。(HPより抜粋)

 

 

監督

今作を手がけたのはロブ・マーシャル

 

彼といえばミュージカル映画。

そうです、今作にもってこいの人材ですね。

ここ最近ディズニー映画ばかり撮っている気がしますが、それだけ信頼されている証なのでしょう。

 

そんな彼の作品をサクッとご紹介。

元々ブロードウェイで演出や振り付けをやっていたんですが、彼が神様とあがめる演出家ボブ・フォッシーの名作を映像化するために監督としてデビュー。

それが、思惑や野望を秘めた3人の男女の熾烈な駆け引きや人間模様を歌とダンスで表現した「シカゴ」。

デビュー作にしてアカデミー賞にノミネートされるなどの快挙を成し遂げた監督はその後も、フェリーニの名作「8 1/2」を基にしたミュージカルで、新作の撮影を控えた一人の映画監督が精神的に追い詰められていく姿を描いた「NINE」、シンデレラや赤頭巾ちゃんといった童話の人気キャラクターが登場し、おとぎ話のその後をミュージカル調で描いた「イントゥ・ザ・ウッズ」など、ミュージカル映画を作り続けています。

 

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キャラクター紹介

 

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左上より。

  • メリー・ポピンズ(エミリー・ブラント/声:平原綾香)・・・エレガントでしつけに厳しく、ちょっと”上から目線”な魔法使い。バンクス家に教育係として舞い降り、不思議な魔法で人々を幸せへと導く!

 

  • ジャック(リン=マニュエル・ミランダ/声:岸祐二)・・・いつも陽気な街灯点灯夫。
    メリー・ポピンズの友人で、相棒のような存在。

 

  • マイケル・バンクス(ベン・ウィショー/声:谷原章介)・・・かつて父や祖父が働いていたフィデリティ銀行で臨時の仕事に就き、3人の子どもたちと共に、桜通り17番地に暮らす。ロンドンは大暴落の只中で金銭的な余裕はなく、妻を亡くしたばかり。

 

  • バンクス家の子供たち・・・双子のジョンとアナベル、弟のジョージーの3人兄弟。母を亡くしたばかり。「自分たちがしっかりしなくては」と躍起になるが上手くいかない。

 

  • ジェーン・バンクス(エミリー・モーティマー/声:堀内敬子)・・・マイケルの姉。兄とバンクス家の子供たちを気にかけている。

 

  • ウィリアム・ウェザーオール・ウィルキンズ(コリン・ファース)・・・ドース・ジュニアの甥で、バンクス家の父親マイケルが勤める銀行の頭取。ピンチに陥ったバンクス家に親身になってくれるが…。

 

  • トプシー(メリル・ストリープ/声:島田歌穂)・・・メリー・ポピンズのまたいとこ。なんでも直せる不思議な修理屋を営んでいる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

モンキー的にはお話こそご都合的に感じたものの、劇中での歌とダンスは非常に楽しかったという前作の思い出があります。

その雰囲気を現代の技術でさらに鮮やかな映像に仕上げていることでしょう。とりあえずエミリーのキュートな歌とダンスが見れりゃオイラそれで十分だぞ。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

うん!これは楽しかった!

前作をキチンと引き継ぎながら、あえてオリジナル楽曲で勝負した潔さ!

何だって可能なのだ!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

前作は観ておいた方が。

前作から25年後の恐慌時代のロンドンを舞台に、家を売りに出さなくてはいけないマイケル一家に、再び訪れたメリーポピンズが魔法にあふれた世界を見せることで人生の素晴らしさ、何だって可能なんだというメッセージを送る物語を、薄暗く霧のかかったロンドンを華々しい世界に変え、歌とダンスとステキな言葉で魅了し続けると共に、前作へのオマージュなども垣間見えた、これぞディズニーミュージカル映画といえる良作でございました!!

 

 

これは正当な続編ということで是非前作を見て、その世界観を味わってから見ていただきたいというのが、まず率直な感想です。

なんでかって、まずメリーポピンズ演じたエミリーブラントが、ジュリーアンドリュースが前作で演じたメリーと差がなく、ちょっと上から目線で厳しめでありながらいつでも子供たちに寄り添う優しさを兼ね備えたふるまいが、もうまんま!

それでいてちゃんとエミリーらしさも出ていたのでこれはピッタリのキャスティングだなと。

で、ストーリー自体も前作より少々事態は深刻でそれでいて全く違うものになっているんだけど、前作のあのシーンに似てるなこれ!と思えるような場面があるので、前作を見ていたら2倍3倍と楽しめる内容

さらに隠れキャストとして、前作に出演していたあの人がでてるし、とにかく製作陣がちゃんと前作に敬意を払いながら愛をもって手掛けたってのが凄く伝わるので、そういう意味でも前作は観ておいてから今作を楽しんでほしいなというのが僕の思いであります。

 

エブリシング イズ ポッシブル。

さてさて、やはり今回もメリーポピンズは完璧でした。

家を売りに出さなくてはいけなくなったマイケル。奥さんを亡くしたことと不況の波が重なり、色々と精神的に参ってる様子。

そんなパパを見て子供たちもなんとかしなくては!となった時に、あの時の風が!

そうです、かつてマイケルとジェーンの乳母としてやってきたメリーポピンズではあり

ませんか!

相変わらずお美しい、一体いくつになったんだ?というのはどうやら失礼だそうで、これまでの間何していたのかってのは特に語られずストーリーは進んでいきます。

 

子どもたちが汚れてるのでお風呂に入らせようとしますが、中々言うこと聞いてくれないのでいつもの魔法で最高にハッピーなバスタイムを演出したり、高価なものを売ってそれを家の借金の肩代わりにしようと子供ながらに考えるけど、ついついお母さんの形見のツボを割ってしまう子供たち。

すると今度はメリーの魔法でツボの絵の中へ大冒険!魔法が解けたら急にお母さんなんでいなくなっちゃったの・・・と悲しむジョージ―に、永遠にいなくなったのではなく、今いないだけ、月の裏側にただ隠れているだけ、あなたたちに会えるまで待っているだけと静かに歌い出すメリー。

そんなメリーの教えによって少しづつ賢くなっていく子どもたちとは裏腹に、未だあくせくしているパパマイケル。

果たして家を手放すことになってしまうのかバンクス一家よ!

という物語であります。

 

何といっても今回の素晴らしい点は、全部CGに頼っていないところでしょうか。

前作の最大の素晴らしい点て、実写とアニメーションの融合によって魔法の世界を具現化したことだと思うんです。

当時の技術としてはかなりすごいことだったと思うんですけど、それを今回もうまく使って表現しているってのが今作でも見受けられました。

もちろんCGに頼っている部分もあります、バスタブの中から海底に行くシーンはけっこうCG使ってるので、う~んこれはもしや全編こういう感じで行くのか?それはこの映画ではやってほしくないなぁ・・・と思っていたら、次のエピソードであるツボの絵の中に行くシーンで見事に実写とアニメーションの融合で描いてくれていたので大満足。

 

このシーン、衣装が手書きで書いたようなドレスコードなんですよね。しかも馬車に乗るときも手で持つパーツも手書きっぽく作られていたり、ジョージ―が馬車の運転手である犬と帽子を交換するときも実写とアニメーションをうまく演出していたりと相変わらず細かい配慮がされている。

そこからテント内で行われるショーへと話は進み、メリーとジャックが踊りながらパフォーマンスを披露。

ここもジャックが歌いながら本で出来上がった階段を上るシーンとかアニメとシンクロしていてめちゃめちゃ楽しい!

 

そして歌ですね。

冒頭でも書きましたが、僕はこの映画前作の有名な歌をもう一度使うのかと思ってました。エミリーが歌うスーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャスを期待していたのですが、今回前作で歌った楽曲は一切使っていません。

じゃあ楽しくないって?とんでもない!どの歌も心に染みるし大人の僕たちでも突き刺さる歌詞の数々でしたよ!

途中でも書きましたけど、死んでしまった人に会いたいと吐露するジョージ―に対して、永遠にいなくなったわけではなく、今いないだけと語るメリー。

あなたの心の中で生きてますってよく歌の歌詞で見かけるような、ありきたりなこと言わないんですよ。自分の周りに常にいるんだけど姿を見せないだけ、姿を見せる時はあなたが住む場所から離れた時それまで心待ちにしているのと。

またいいこと言うぜ!

他にもメリーの従姉妹トプシーおばさんの家では、第2水曜日はお休みでびっくりカメになっちゃうからということで家がさかさまになってしまう事態に。

そんな時にメリーは、バカボンのパパよろしく、反対の反対は賛成なのだ!的解釈で、さかさまの世界でさかさまになれば元に戻れるという歌で、トプシーおばさんを納得させ、見事にトラブルを解決してしまうわけであります。

いつだって心を柔軟にすれば道は拓けるという深い意味を持った歌だったんですね。

そして!

銀行からの帰り道、霧がかった道を黙々と歩いていると、迷子になってしまう一同。

そんな時はどうすればいいか、暗闇の中に小さくと灯る灯に向かって歩けばきっと帰れるという歌で子供たちを励まし、見事に家に帰る子供たち。

そうです、プラネタリウムと同じ、暗闇の中で小さな星々を探し当てるように、希望はきちんと我々に光をともしているのです。小さくて見えないだけなのです。それを見つけたらその光に向かって歩んでいけば必ず道は拓けるのです。

 

こんな具合に子供でも大人でもつまづいた時のアドバイスのようにメリーは我々に教えてくれるのです。

物語でも終始しかめ面だったベン・ウィショー演じるマイケルが子供のような笑顔を取り戻すように、この映画を見れば誰もが子供の時のような笑顔を取り戻すことができるのです。そんな素敵な映画がありますかって!

 

 

前作とここが似ていた!

さてさて、今回のメリーポピンズリターンズ。

結構前作と似ていた点があったのにお気づきでしょうか。

自分で気づいた点をまとめてみました。

 

  • 鞄と鏡

メリーのカバンはその大きさに対し明らかに入らないであろうデカいものが飛び出してくるのが有名。

今回もカバンの中から大きな帆船を出したりパラソル、アヒルのオモチャを次々と出していきます。

そしてメリーは鏡を見ると鏡に映った自分が別の動きをするのも前作でありましたが、今回もあります。

 

前作では凧あげをしていたら子供たちが迷子になってしまうというシーンや、エンディングでバンクス一家全員で凧上げをして終わるというシーンがあるほど重要なアイテムでしたが今作も凧が前作以上に重要なアイテムとして登場します。

 

  • 階段の手すり

前作でメリーがやってきた時、2階の子供部屋へ行く時手すりに座って自動的に登っていくシーンがありましたが、今回もそのシーンがあります。しかもメイドとして長く働いているエレンとあいさつまで交わすおまけ付き。エレン驚けよ。

 

  • 絵の中に入る

前作でバートが公園の入り口の道に書いた絵の中に入って冒険をしたメリーたち。

今作でもお母さんの形見であるツボの絵の中に入って冒険をしていきます。

このシーンはかなり似ていて、馬車に乗る件、ショーの一環としてペンギンと共に歌を披露するシーンでは、メリーとバートがペンギンたちとタップダンスしながら歌を披露するシーンを思わせたり、ジョージ―を捕らえたオオカミたちを追いかけるスリリングなシーンは、メリーゴーラウンドの馬に乗って競馬をするシーンを思わせるような感じがします。

そもそも実写とアニメが融合したって意味でもこの場面は非常に似ていましたね。

 

  • 子どもたちを邪魔する者

前作では時間にきっちりな性格のパパが子供たちを邪魔するような人物として立ちはだかっていましたが、その時彼は懐中時計を肌身離さず持っていました。

今回も懐中時計を肌身離さず持ち、時間に正確な人物が子供たちやマイケルを苦しめる存在として登場します。

 

  • 街頭点灯夫軍団

前作ではバートが様々な仕事をしていましたが、その中の一つで煙突掃除の仕事もしていました。

その仕事の途中父に怒られたマイケルとジェーンと遭遇し、自宅まで届けると子守りまでさせられる羽目になるんですが、バーと共に煙突から屋根に上って煤だらけになりながらバートの仲間たちと踊り明かす件があったんですが、今回それがジャックの仕事仲間たちと自宅へ帰るというシーンとして登場します。

この街頭点灯夫軍団はクライマックスである魔法をかけるシーンでも活躍します。

 

  • 小遣いの2ペンス

前作で貧しい老婆に鳩の餌用として小遣いの2ペンスを渡そうとしましたが、そのお金を銀行に預けるべきだと叱る父との言い争いが発展し銀行に迷惑をかけるシーンがありました。

この2ペンスが今回まさかの奇跡を起こすのであります。それは見てのお楽しみに。

 

思い出せるのはこの辺です。きっと探せばもっと前作に繋がる部分があるかもしれません。それもこれも前作を見ていけば探せるはずです。

 

 

最後に

実は前作ってあまりに都合よく終わってしまうもんだから、メリーの魔法でハッピーになっていく過程は非常に楽しめたんだけど、急にお父さんにピンチが起きてそれを解決する件があっさり過ぎてお話的にはそこまで満足していませんでした。

でも今作は、家が無くなるかもしれないという明確な道筋に向かって進んでいき、このピンチをどうするかというのを、子どもたちがマイケルに教えていくことで、マイケルはかつてメリー教えてくれたことを思い出していく、そして暗闇の中で光る小さな灯に向かって走っていくバンクス一家という具合に物語は進んでく、

という決して唐突でなくわかりやすいお話として組み立てており、その中で前作同様メリーの魔法で楽しませる内容になっていたので、僕はこっちの方が好きです。

 

ひとつ苦言を呈するのであれば、やっぱり歌は素晴らしいもののキャッチーなフレーズってのが無く、そこは残念なところでもあります。

 

家族が一つになっていくために再びやってきたメリーの活躍と、それによってマイケルが救われていく。

その救われた表情が見られる最後のシーンは格別にハッピーです。ぜひ劇場でご覧ください。

あれ?結局壺直ってねえじゃん。

というわけで以上!あざっした!!

 

 

 

満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10