マスターズ・オブ・ユニバース

いきなりこんなこと言うのもなんですけど…
この映画は当たらん!!
ごつい体にちょっと中性的な顔立ちのアンバランスな姿の兄ちゃんが、パンツ一丁でデカい刀持って、宇宙行って戦うんですかこれ?
誰が見るん?
…と、バックグラウンドを何も知らないとこういう発想しかないんでしょう。
じゃあ俺がこれの何を知ってるかって、マジで何も知らんw
ただ鑑賞してみたいと思った理由はただ一つ、監督がトラヴィス・ナイトだから!!
これを知らなかったらマジでスルーしてた。
なので本作を楽しむためにある程度の情報を入れて臨もうと思ってます。
実はマテル社のおもちゃからコミック、アニメ、そして一度実写映画にまでなったほど有名だということ。
それがなぜ今になって再び実写映画化されたのか、それはきっとマテル社から同じように映画となって世界的ヒット作となった「バービー」のおかげだろうとも。
とにかくヒーローモノだしこんなルックスといった、表面的に受け入れにくい映画だけど、トラヴィスナイトならきっと面白く作ってくれるはず。
早速鑑賞してまいりました!!
作品情報
バービーを手掛けるマテル社が1981年に生み出し、メインキャラクターのアイコニックなルックスで人々の心をつかみ、コミックスやアニメ、そして1987年に『マスターズ/超空の覇者』という名で実写映画化されたなど、長きにわたって親しまれてきたIPである「マスターズ・オブ・ユニバース」を、「バンブルビー」や「KUBO/クボ 二本の弦の秘密」のトラヴィス・ナイトが監督を務め、再び実写映画化。
身を守るために地球で過ごした主人公が、故郷の危機を救うため伝説の剣を手にし戦いに身を投じていく姿を、お決まりのセリフを叫びながらダイナミックな攻防戦を繰り広げるとともに、一人の青年が伝説の勇者となっていく姿をヒロイックに映し出す。
映画監督になるずっと前からファンだったと語るトラヴィス・ナイト。
これまで幾多のIP作品が世に放たれては、製作者のIP作品に対する愛のなさによって失敗を繰り返してきた、本来映画製作者は愛を持って取り組まなければならないことを強く述べたのち、主人公はじめたくさんのキャラに愛情を注いだと語っております。
そんな監督長年の夢がかなった本作。
惑星エターニアの王子アダムに抜擢されたのはニコラス・ガリツィン。
「赤と白とロイヤルブルー」や「アイデア・オブ・ユー ~大人の愛が叶うまで~」、「ひつじ探偵団」で話題を呼んだガリツィンは本作でアクション初挑戦。
ヒーマンの肉体を再現するべく、1日およそ4,000kcalの食事で増量してトレーニングを重ね、本気の肉体改造を経て撮影に挑んだといいます。
ほかにも、ヒーマンと共に戦う戦士ティーラ役に「パーム・スプリングス」「リベンジ・スワップ」のカミラ・メンデス、ヒーマンや仲間たちにとって父親的存在となる屈強な戦士マン・アット・アームズ(=ダンカン)役に「ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結」のイドリス・エルバ、そして本作のヴィランである骸骨の顔を持つスケルター役を「モービウス」や「トロン:アレス」のジャレッド・レトが演じます。
「力は我にあり」
奪われた故郷を取り戻すべく、伝説の戦士が立ち上がる!!
あらすじ
惑星エターニアの王子として生まれたアダム(ニコラス・ガリツィン)は幼い頃、身を守るべく“誰にも知られない場所”である地球に送り込まれた。
15年後、成長したアダムは伝説の剣“パワーソード”を見つけ出す。
剣に導かれ故郷へ戻った彼だったが、エターニアは邪悪な宿敵スケルターによって陥落していた…。
アダムはエターニアとその人々を救うべく、最強の戦士<ヒーマン>として悪の軍団との死闘に挑む──!(公式資料より抜粋)
キャラクター紹介
- アダム…ニコラス・ガリツィン
惑星エターニアの王子。幼い頃、故郷を離れて地球に送り込まれ、会社員として暮らしながら、故郷へ帰る鍵となる“パワーソード”を探し続けていた。伝説の剣“パワーソード”に導かれ故郷へ戻り、最強の戦士<ヒーマン>として悪の軍団との死闘に挑む。温かく、優しく、面白い男。
- ティーラ…カミラ・メンデス
ヒーマンと共に戦う女戦士。⻩⾦の鎧に身を包み戦う。アダムが故郷エターニアへ戻る道のりに関わり、ヒーマンへと覚醒していく彼を支える。 - マン・アット・アームズ(=ダンカン)…イドリス・エルバ
エターニアの戦士。ヒーマンや仲間たちにとって父親的存在にしてティーラの義父。アダムに「窮地にいても、立ち上がるしかない」と語りかける。 - スケルター/ケルドール…ジャレッド・レト
アダムの宿敵。惑星エターニアの支配を狙う邪悪な存在。幼いアダムが地球へ送られるきっかけとなった脅威であり、15年後もなおエターニアを支配している。
- イーヴィル・リン…アリソン・ブリー
エターニアを裏切りスケルターに就いた魔術師。 - ソーサラス…モリーナ・バッカリン
ティーラの実の母親であり、比類のない魔法の知識を持つグレイスカル城の現在の守護者。 - マルコム / フィスト…ヨハネス・ヘイクル・ヨハネソン
ダンカンの弟であり、戦士として独自の金属製の義腕を駆使し戦うティーラの養叔父。 - ランドー王…ジェームズ・ピュアフォイ
エターニアの共同統治者でアダムの父。 - マルレーナ・グレン女王…シャーロット・ライリー
地球出身の元宇宙飛行士でエターニアの共同統治者であり、アダムの母。 - ロボト…CV:クリステン・ウィグ
機械で出来た体を持ち、優れた強さと回復力を持つ戦士の一人。
(以上Fashion Press、Wikipediaより抜粋)
色々知っていくと王道の英雄譚として面白そう。
ここから鑑賞後の感想です!!
感想
#マスターズ・オブ・ユニバース 鑑賞。
— モンキー🐵@「モンキー的映画のススメ」の人 (@monkey1119) June 5, 2026
ビジュアルからの先入観を捨てよ!
140分と割と長尺だけどちゃんと面白い。… pic.twitter.com/BNZc2d0fl3
「力は我にあり」。
このご時世にちゃんと男たる者とか力とかでやってるのに鼻につかないホモソーシャル感。
それはきっと現代の地球でアダムが学んだからなんだろう。
以下、ネタバレします。
ちゃんと面白い。
昨今のAmazonMGM制作作品は、自社での独占配信まで見通しての劇場公開であり、ほとんどの国で同時公開がデフォルトとなっているんですね。
正直この手の映画、スタジオ製作&配給だったら、日本では余裕で公開遅れてますよ。
何でってそりゃ圧倒的に知名度がなく、名前で呼べる俳優もないから、ぶっちゃけ何で宣伝すればいいかわからない。
せめて「全米1位」を謳い文句にできれば何とか・・・って感じの映画よ。
だけど実際日米同時公開になっちゃったってことで、今回ソニピクも大変だったと思います。
名のある声優さんを起用して吹替えで客を集めようと考えてもいるでしょうし、SNSでバズを起こすためにイラストレーターにわかりやすいあらすじをマンガにしてもらってもいました。
そうしたプロモーションが実を結ぶのかはわからないけど、この映画の魅力は微力ながらも世に伝えたい。
あのね、ちゃんと面白いんです。
マジで。
80年代映画でよく聴いたような、ちょっとだサメのシンセサイザー音が聞こえたと思ったら、超絶なギターソロが流れてくる…これ誰が音楽やってんのよって思ったらブライアン・メイですよ!!
それこそどっかのプロレスラーが自分の入場曲に使ってそうな、あの懐かしくも高揚感溢れるBGMに乗せられて始まるオープニングに、俺は心を鷲掴みにされましたよw
前日にアマプラで配信されたオリジナル映画「マスターズ超空の覇者」を見たんだけど、これがまぁ残念な映画で。
国を占領された一行が一旦隠れるために地球にやってきたモノの、現地人を巻き込んでの大騒動に発展してしまうって内容。
ファンタジー色強めのいかにも80年代青春模様を取り入れた内容で、主軸と合わせて脇役の一般人のドラマが並行されてるんだけど、ぶっちゃけエターニアの行方よりもこっちの恋愛模様の方が面白く、主人公周りが全く面白くなかったんですよ。
主演のドルフ・ラングレンが、体にテカテカオイル塗りたくってマッチョボディを強調してるけど、ほぼ全裸のようなコスチュームでその辺の街を歩き回る姿が滑稽なのはいいんだけど、いかんせん人質を解放しなくてはならないタイムリミットがありながらもまるで緊張感のない序盤はマジで頭を抱えるつまらなさ。
何とか後半で、バンドマンの彼氏という設定が活かされる展開に熱くなるんだけど、主人公が成長も葛藤もせず、力ありきで暴れ回るだけだからヒーローモノとしてもアウトで。
え、何、マスターズオブユニバースってこんな話になっちゃうの?と不安だったんですよ。
だけどこっちは全然面白くて安心しました。
こっちもオリジナル映画と同じく地球でのエピソードが挿入されるんだけど、色々笑かそうとしてるのがいいんです。
冒頭は、エターニアがスケルターによって絶滅の危機になってしまう様を映し、最後の希望を託されたアダムは、剣と共にかつて母が暮らした星・地球へ送られる。
剣があればいつかエターニアに戻れるため、肌身離さず持ってなきゃいけないんだけど、ワープしてる最中しっかり手放してしまうという残念な展開。
それから15年、アダムは地球人として暮らしながら、ず~~~~っと剣を探してるという話になっていくのであります。
普通さ、どこどこの星の王子で、こんなチカラを持ってる英雄がたくさんいて、その中で僕は剣を持って戦う勇者なんだって話、本気で妄想するのって百歩譲って中学生までです。
実際アダムはその通りの過去を持つんだけど、剣が見つからない以上諦めも必要なわけよ。
ちゃんと勉強していい大学行ってちゃんと会社で働く。
毎日のタスクに追われながらも約束した週末のデートやパーティーを糧に労働する、これが社会であり大人ってもんだ、と。
だけどアダムは一切ぶれない。
デートで自分の生まれの話になれば、ちゃ~んとエターニアの話をする。
もちろん彼女はヤバい奴とマッチングしたと思って途中退席するし、仕事をさぼって剣を探そうものなら、上司に呼ばれてニコニコしながら最後通告を受ける。
人事部で学んだスキルは上司との対話では全く活かされるどころか、剣を見つけたというメールの表題を見てそれしか頭に入ってこない始末。
傍から見ればアダムは幼稚な奴に見えてしまうかもだけど、記憶を頼りに描いたエターニアの画がたくさん貼ってある部屋を見る限りマジだっていうギャップが、時にセンチメンタルに見えるし、時にギャグに見えるから不思議。
そうした「ズレ」を巧みに使いながら、物語は剣を手に入れるためアメトイショップを訪れるのです。
ここがまた面白いw
情報提供者から教えられたのは、正に「エターナル・オブ・ユニバース」の主人公と思しきキャラの等身大のフィギュア。
彼が持っている剣こそが探していた剣だったわけです。
なんでそんなとこにあんだよwって普通思いますよ。
だけど、マジでこの剣だから笑ってしまう。
皆から撮影されたり変な目で見られたり、ある男は「こいつもしかしたらヒーローかも」みたいな視線を送るアダム以上にオタクな奴もいるけれど、アダムも本気。
エターニアで聞かされた言葉を思い返しながら、剣を天に振りかざすけれど、、もちろん何も起きないし、勝手に家に持ち帰ってしまうから警察の御用になりますw
序盤はこんな感じで、ギャップ的ユーモアを交えながら、徐々に「アダムが言ってることは本当なんです」って雰囲気にスライドさせていくんです。
後半はちゃんとアクションで誕生譚。
本作はとにかくキャラが多い。
アダム以外にも、幼馴染のティーラにその親父のダンカン、メイドロボットにされていたロボトに、アダムと王室で暮らしていたバトルキャット、敵であるスケルターに右腕的存在の魔女、さらに両陣営に伏兵として存在する面々など、交通整理するのがすごく大変そうな数なんですよ。
僕は常々、主要キャラには見せ場を作らないといけないと言ってるんですが、本作はいわゆるIP大作として申し分のない見せ場を用意していたように思えます。
幼馴染のティーラは、異性ということもありロマンス的役割かなと思ったらしっかり戦力になる「戦場の女神」として、酔っ払ってる親父にツッコミという名の愛情を入れながらしっかり闘う姿が魅力的。
そんな娘を逞しいと思いながらもなかなか本性を見せない親父のダンカンは、エターニアをや国王を守ることができなかったことがずっと尾を引いていて飲んだくれてるという設定。
だけどかつて自分がアダムに告げた「倒れても立ち上がれ」という言葉を胸に、アダムと共に立ち上がり熱さを取り戻してく様が良かったですね。
そんなダンカンにかつて誤って銃口を向けてしまったアンドロイド・ロボトもまた、CVを務めたクリステン・ウィグの武器でもある小粋なジョークとツッコみで場を和ませつつ、強烈な破壊力で争いをダイナミックに見せていた功労者でもある。
さらにメカネックやフィスト、ラム・マンなど実際そんな名前じゃないのにアダムによって名付けられた伏兵たちも、1つ1つのコマの中で圧倒的パワーを見せる見栄きりのポージングで、「これぞヒーロー映画」と言わしめてるのが素晴らしい。
そして絶妙に面白かったのがスケルター。
どこにでも良そうな敵キャラではあるんだけど、どこかガキっぽいのがいいんですよw
例えばエターニアの制圧に成功した際に挙げる雄叫び。
まぁ映画的に見ても物語的に見てもありそうな展開だし、こうでも言わないと締まらない。
だから「手に入れたぞ~!!」みたいに拳を空に挙げるんだけど、部下たちはぽかぁ~んとしてるわけです。
え~っと、スケルターさん、まだこれからって感じだと思うんですけど、みたいな空気だったと思います。
そこにすかさずスケルターが、「お前ら俺がこうやったらうぉ~~~っ!!とか言えよ!!」みたいなことを言うわけですよw
さっきまでそれっぽい怖さを見せていたのに、急にコントでも始め方の様な一人ボケ一人ツッコミを始める敵キャラ。
最高じゃないですかw
マスターズ超空の覇者でもそうだったんだけど、スケルターってとにかく「力こそが全て」みたいなキャラで、部下をコキ使いながらも自分だけ力を手に入れればそれでイイ的な超利己的なキャラでもあったんですね。
本作でも同じく右腕的存在であるイーヴィル・リンがナマ言ったら「テメェいまなんつった?」レベルで脅すニラミも見せることで、笑いとおっかない両方をちゃんとやってのけるキャラだったんですよ。
自虐で「俺は悪役だ」とかも言ってしまうような敵キャラが、終盤アダムにフルボッコにされるのもまた爽快なので、キャラ映画としても巧い映画だったと思います。
物語の方も、中盤でアダムの覚醒とパワーがどれだけのものなのかを可視化させながら、一度力を奪われたのち、地球で学んだ「対話」で組織を一つにまとめ鼓舞させるリーダーシップを見せた後、「力とは何か」「果たして形だけが力なのか」を問いかけながら、人間が持つ本来の「力」で悪を倒すという、既視感あるのにどこか清々しい物語だったのであります。
最後に
どの神話でも描かれている「行きて帰りし物語」をしっかり踏襲しながら、今ではあまり描かれない「力」の在り方や「対話」の試み方、何よりも「筋肉」は素晴らしいということを教えてくれる現代的マッチョ映画だったのではないでしょうか。
しかし前日に「マスターズ超空の覇者」を見てたので、途中でドルフ・ラングレンがサプライズで登場したのは驚き。
スポーツジムでアダムを邪魔者扱いしながらも、人生の格言を告げるメンター的な役割が良かったですね。
ちなみに、彼が「良い旅を」と言って去るんですが、これは「マスターズ」の中で「エターニアではさよならと言わない、次遭えるまでの挨拶を使う」みたいな件があって、それが「良い旅を」なんですよ。
マスターズの最後はこの言葉がホロリとさせるんだけど、まさか本作でこの言葉を知ってる奴ならわかるだろ的な使い方をしてくるとは、ニクイぞトラヴィスナイト!
最後では続編禍もしくはユニバース作品のオリジンを匂わせた映像が。
アドーラの戦士と言ってましたけど、調べたところ「シーラ」という女戦士の模様。
マスターズ・オブ・ユニバースにどうかかわってくるのか楽しみですね。
ぶっちゃけもう少しテンポを上げるか冒頭のエピソードを短くするとかした方が良かった気もするんだけど、これはこれでいいかという感じ。
最後に「ヒーマン」イジリをするのもおもろかったなぁw
あれマテル社は怒らないんだろうかw
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10

