モアナと伝説の海2
海に選ばれたことでまだ見ぬ大海に旅立った少女と、自ら蒔いた種を摘みに同行した半神半人が、時に仲違いしながらも、少しづつお互いを尊重し絆を深め、ともに成長していく冒険譚を、今までのディズニーとはまた違った、美しい映像と力強い歌で見る者に感動を与えたファンタジーアドベンチャー「モアナと伝説の海」。
当時はそれまでの「ディズニープリンセス」を今の価値観に寄せるための措置を、新たなアニメーション映画によって提示してきたディズニーでしたが。本作ではいわゆる「男女の恋愛模様」を一切取り除いて冒険を描くという部分がヒットの要因になったのかもしれません。
そのモアナの続編。
先だって公開された本国アメリカでも「インサイド・ヘッド2」並みの大ヒットを記録したとあって、これまで不振が続いていたディズニーの快進撃が目立った1年になったのではないでしょうか。
日本でもどれだけヒットするか見守りたいですね。
そんなモナアの続編。
今度はまたしても大きな使命を担うことになったモアナが、再び海原を駆け巡るということで、前作のような壮大なアドベンチャーが期待されます。
早速鑑賞してまいりました!!
作品情報
美しい海が広がるポリネシアの島々で語り継がれる神秘的な伝説をもとに、主人公の少女・モアナが冒険に出る物語「モアナと伝説の海」。
劇中でモアナが歌う主題歌「How Far I’ll Go」は第89回アカデミー賞、第74回ゴールデングローブ賞歌曲賞にノミネートされたことはもちろん、思春期真っただ中とされる16歳の少女による、傷つき悩みながらも自分の道を見つけ進んでいく姿が共感を呼んだ作品として、多くの人から高い評価を得た作品だ。
本作はそれから3年後を舞台に、2度と家族と会えないかもしれない危険を受け入れながら、島のリーダーとして新たな仲間を探す旅へと旅立つモアナの姿を、前作以上にスケール感のある冒険と、進化した映像表現によって、より鮮明でファンタスティックな海の世界を実現した、誰もが非日常体験を味わえる作品。
当初はDisney+のTVシリーズ向けに制作されていたが、本作で監督デビューを務めるデイヴィッド・デリック・Jr,が監督と脚本を担当し、様々なスタッフが共同で制作に加わったことで再構成された。
ボイスキャストも前作で担当した、アウリィ・クラヴァーリョ、ドウェイン・ジョンソン、テムエラ・モリソン、ニコール・シャージンガーらが続投する。
またこの「モアナ」は実写映画としても製作進行中。ドウェイン・ジョンソン自らがマウイの役を演じるのが注目されている。
19歳となり世界を一つにするために大海原へと旅立つモナア、そしてそんな大役をサポートする頼れる相棒マウイの掛け合い、そしてかわいい動物たちのしぐさにも注目だ。
あらすじ
冒険から3年が経ち、島のリーダーとなったモアナ(CV:アウリィ・クラヴァーリョ)は、仲間を探すが成果を得られずにいた。
ある日、彼女は古い織物と焼き物から、恐ろしい嵐に隠された島と呪いの言い伝えを知る。
モアナは仲間を求め、妹シメアからもらったお守りを胸に、再び大海原に漕ぎ出す。
キャラクター紹介
- モアナ(CV:アウリィ・クラヴァーリョ/屋比久知奈)…海と特別な絆で結ばれたヒロイン。幼いころのある出来事をきっかけに、海と心を通わせるようになったが、大人へと成長した彼女は、世界を引き裂いた神の呪いを解いて、すべての海をつなぐ使命を担う、1000年に一人の導く者に選ばれた。愛する島と大切な人を守るため、二度と戻れない恐れに迷いながらも、新たな航海へ漕ぎ出す。
- マウイ(CV:ドウェイン・ジョンソン/尾上松也)…前作の冒険を経て、モアナと固いきずなで結ばれた相棒。人間の子として生まれたが、神の力を与えられ、風と海をつかさどる半神半人の英雄に。神に与えられた巨大な釣り針で自然現象を操り、あらゆる生き物に姿を変える。自身に満ち溢れ、大胆不敵。けれども、モアナに対しては素直になれないところも。そんな時は、マウイの体のタトゥー「ミニ・マウイ」が本心を伝える。
- モニ(CV:フアラーライ・チョン/小関裕太)…伝説オタクの青年。英雄として語られるマウイとモアナを“推し”のように尊敬している。島の歴史や神話にくわしく鋭い観察眼を持っており、モアナにとって頼もしい存在となる。
- ロト(CV: ローズ・マタフェオ/鈴木梨央)…天才肌の頼れる船大工の少女。カヌーの最高傑作を作るため日々勤しんでいる。モアナの冒険に欠かせない大きなカヌーを設計し、過酷で危険な状況に陥っても瞬時に対応する、モアナの右腕的存在となる。
- ケレ(CV: デヴィット・フェイン/山路和弘)…植物を愛する料理担当の老人。頑固で口数が少なく一風変わっているが、農作物や植物のことなら何でも知っていて頼りになる人物。歌が嫌いなケレは明るく前向きなモアナと初めは相容れないが、危険が待ち受ける冒険の中で、ケレの知識と経験によりモアナたちを支えていく。
- マタンギ(CV:アフィマイ・フレイザー/ソニン)…漆黒の見た目でコウモリのように舞い、モアナを惑わす謎の女性。モアナが使命を背負い大きな困難を乗り越えていく上で重要なカギを握る人物となる。
- プア…元気いっぱいだけどちょっと海が怖がりなブタ。モアナと共に成長したので前作よりちょっと大きめの体に。
- ヘイヘイ…モアナがかわいがっている神出鬼没なニワトリ。前作でも予測不能な行動に手を焼かせたが、今回は果たして。
- シメア(CV:カリーシ・ランバート=ツダ)…モアナが大好きな3歳の妹。片時も離れず甘えん坊だが、姉と同じく好奇心旺盛でやんちゃなところも。モアナが海へ旅経つ際、自分の分身として宝物のヒトデを託す。
(以上公式より抜粋)
オーソドックスな物語の印象が強いですが、昨今実写でアドベンチャーを見る機会がないので、そういった意味でも楽しみです。
ここから鑑賞後の感想です!!
感想
#モアナと伝説の海2 観賞。
— モンキー🐵@「モンキー的映画のススメ」の人 (@monkey1119) December 5, 2024
前作よりも大幅にスケールアップした冒険譚。最愛の妹という守るべき者がいることで恐れを知るモアナが、道は一つではなく悩んで迷ってこそ拓けることを体現していく。
今回もカカモラがカッコいい。そして貝が怖い。 pic.twitter.com/pArrnFGlis
ディズニープリンセスを今回もしっかりアップデート!
少女よ大志を抱けとばかりに、前回以上に危険な大冒険に旅立つモアナと相棒マウイ!
道は一つだけじゃない、迷ってこそ見えてくるものがある、そんなメッセージを歌に込めて「ディズニー」の役目を果たした楽しい続編でした。
以下、ネタバレします。
さっくりあらすじ。
モアナはプアとヘイヘイと共に、誰もいない島で先祖の彫刻がなされたツボを発見。
この広い海のどこかに他の人たちがいることを望むモアナは、夜に行われた儀式で島のリーダーに任命されるが、突如雷が落ちたことで幻影を見ることに。
それはタウタイ・ヴァーサと呼ばれる先祖の姿。
彼らはモアナと同じように他の海の部族がいると思われる島「モツフェトゥ」を探していたが、強力な嵐に見舞われてしまう。
彼はモアナに「モツフェトゥを探さないと、君たちの物語は終わってしまう」ことを告げる。
その幻影を見たモアナは、タウタイ・ヴァーサが語った「空の炎」を目印に、モトゥフェトゥを探す旅に出ることを決断する。
一方マウイは、嵐が起きている海原の中へ突っ込み、謎の女性マタンギと対峙する。
彼女は人間に恨みを持つナロという神の使いだそうで、マウイが探しているモトゥフェトゥを見つける鍵はモアナにあると告げる。
親友であり相棒でもあるモアナを危険に晒したくないマウイは、頑なにマタンギの要求を拒むが、そのせいで彼は洞窟に閉じ込められてしまう。
モアナはモニ、ロト、ケレの3人を連れて空の炎が飛ぶ方向へ進む旅に出る。
当初は息の合わない一行だったが、モアナの歌とダンスでどんどん海を好きになりながら、息を合わせていく。
しかしそこに前作で行く手を阻んだカカモラ族が登場。
彼らの攻撃で神経を麻痺してしまった一行だったが、彼らが進む先には、島の形をしたとてつもなく大きな貝が、船ごと飲み込もうとしていた。
実はカカモラ族は故郷を探していたが、あの大きな貝にによって自分たちの島に帰れないことをモアナたちに告げる。
そして貝の攻撃を阻止することができれば力を貸すという条件の下、一行は大きな貝の中を突進し、毒針を刺す作戦に出る。
しかし作戦は失敗に終わり、カカモラ族の船と離れてしまった一行は、貝の中に飲まれてしまう。
モニたちはマウイと遭遇。モアナがいることを知ったマウイは、急いで彼女を助けに向かう。
モアナはマタンギと遭遇し、彼女を誘惑する。
しかしそれはマタンギが彼女たちをサポートするための誘惑だった。
再会したマウイとモアナは、マタンギの協力によって、貝の中を脱出することに成功し、モトゥフェトゥまであと一歩のところまで近づいた。
興奮を高めるモアナだったが、友達である海は反応を示さないどころか、無数の海竜に襲われ、仲間を失う危機に直面、船も座礁し、自信を失ってしまう。
マウイに励まされたモアナは、壊れかけた先祖の船の部品を拝借し、ロトの腕によって船を強化。
ナロが巻き起こす嵐の中にツッコんで、マウイが釣り針で沈んだモトゥフェトゥを釣り上げる作戦を決行。
果たしてモアナたちは、神の力を遮り、島を浮上させ、海の部族たちと会えることができるのか。
・・・というのが、さっくりしたあらすじです。
よく出来た続編だけど。
前作から7年経ったこともあって、うっすらしか内容を追覚えていない俺が見た限り、かなり情報量を詰め込んだ作品だった気はします。
そもそも本作はドラマ用に製作したものを劇場版に凝縮したこともあって、それを如何に説明し、如何に劇的な物語にするか、かなりの創意工夫がなされた作品だなと感じました。
実際は、モアナが旅に出るまで、モアナとマウイが再会するまで、二人が掲げる目標を達成するまでという3幕構成になっており、冒険譚よろしく、パーティーを組んで、前作の敵と結託し危機を乗り越え、大きな挫折を味わいながらも、再び目標に向かって歩んでいく、さらにはクライマックスで死んで蘇るかのようなザ・RPGとでもいうべき王道のアドベンチャーになっていたのは、さすがディズニーだなと思います。
歌に関しても、バラエティに富んだ曲調の歌がラインナップされており、冒頭ではいわゆる普通のミュージカル調の歌で始まったかと思えば、途中でファンクという葛西家リックというか70'sソウルミュージックのような歌が挿入されたり、途中ラップまで披露されるという、ノリのいい曲まで飛び込んでくるもんだから、見ているこっちもウキウキ。
誰もが楽しめるエンタメを模索するディズニーだからこそできる、一辺倒にならない選曲だったのではないでしょうか。
アクションも見事でしたよ。
そもそも船乗りとして一級品の捌きを見せるモアナでしたが、スキルアップがしっかりされていた印象。
オールを漕いだかと思えば、船を旋回させるべく海の上を猛ダッシュする様は、水を得た魚のようでしたし、今回は仲間がいるということで、その辺のチームプレーもカット割りを入れることで鮮やかに捌いている印象でした。
それ以外にも大きな貝との対峙では、貝の中に飲み込まれそうになりながらも、カカモラ族とのコンビプレーでなんとか危機を脱しようとする姿も躍動的でしたし、モトゥフェトゥ寸前の海では、海竜との激しいバトルも圧巻でした。
マウイが鳥になったりサメになったりしながら遠くで格闘している最中、モアナは仲間と共に荒れる海原を乗り越えようと奔走。
その過程で仲間が海に放り込まれるなどのピンチを描く辺りは、かなりハイスピードでアクションを描いていたように思えます。
クライマックスでも、雷と嵐が吹き荒れ、海が大きくうねる中、マウイがそこらじゅう飛び跳ねたり、彼を助けようと海に飛び込むモアナだったり、言い方が悪いですが、かなり忙しい描写でしたね、そりゃクライマックスだものw
前作同様アトラクション型のアドベンチャーってことで、実写では到底できないであろうムチャなアクションを、いとも簡単にこなしてしまうのがアニメーションの力で会って、本シリーズはそれを体現するために相当の気合を入れた作品だったんだろうなというのが窺える作品でした。
しかし、正直話は緒と就いていけない部分が多かった。
そもそもあの大きな貝に飲み込まれた後、その先がモトゥフェトゥのある島って解釈でいいんですよね?
俺はてっきり、偶々通った未知の前にあの貝が立ちはだかってるだけなんだと思ってたわけですよ。
確かに大きな波が立ってたし、船が吸い込まれるのは仕方ないとして、普通に迂回すれば向こう側に行けたんじゃねえの?なんて冷ややかな視線で見ていたんですけど、そういうことじゃないんですかね?w
他にも空の炎ってかっこいい言葉で先祖が伝えてましたけど、要はあれ「彗星」なんですよね?
でもその彗星が途中で爆発して進路を断たれてしまうんですよ。
何で爆発した?っていうw
あとは単純に、新たな仲間の使い方ですよね。
モニはいわゆるファンアートばかり描いて物語を伝える役目だったけど、それを今度は自分の目で確かめて伝えるという役目に変わっていくというキャラ。
ロトは失敗あってこその成功を重んじてるような船大工だったけど、先祖の船をリ名イクして自分たちの船を作ることで、部族としての失敗を成功に導くという役目を果たしてましたけど、あのじいちゃんは一体何の役に立ったのか…。
海が好きになった、くらいですかね…。
だってあの人が連れてこられたのって、飯関係ですよね?一回も食ってないよね?飯。
パーティーを組むならもう少し良い奴連れてこないと!ドラクエでもその辺苦労したろw
彼らをもっと活かすような物語にすればよかったんですけど、彼らがそこまで活躍していたようには思えなかったこと、そのせいでモアナとマウイの再会がそこまで感動モノになっていなかったことなどを踏まえると、別に二人旅で良かったのになぁってのは思います。
最後に
マウイの神の力が失われたり、逆にモアナが神の力を宿すような展開になったりと、正直そんなスケールでかい展開を望んでなかったんでんすけど、続編が示唆されるエンドロール後のおまけを見る限り、次はナロ神と戦うことになるんでしょうね。
マタンギが中途半端な見せ場止まりだったわけですし、なぜマタンギがナロ神を裏切るようなことをしたのか、借りを返したってのは何なのか、そして前作でもなぜか人気ったタマトアが再登場した辺りを見るに、3部作の最終章と言わんばかりの、壮大な物語になっていくのでしょう。
新たに見つけた海の部族たちは言葉を発してなかったように見えましたが、ちゃんとコミュニケーションがとれたんでしょうか。
その辺も巻き込んでの総力戦にでもなるのかな?
だって相手は神ですもの。人間嫌いの。
その辺もドラマシリーズの構想であったことなんでしょうね。
そう考えると、そこまで縮めて作っていないのかなぁ。
2部作に分けたってことだけなのかなぁ。
まぁ次回作はいつになるのかわかりませんし、その前に実写版モアナの方が先でしょう。
その辺も踏まえて、今後も楽しみにしたいですね。
楽しかったけど、どうも前作の面白さは越えなかったかな…。
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10