モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「燃えよ剣」感想ネタバレあり解説 最後までブレずに戦うバラガキがカッコイイ。

燃えよ剣

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三谷幸喜の大河ドラマ「新選組!」。

大胆な脚色と普段TVに出ない舞台俳優たち、さらには三谷ワールドを取り入れながら、大河ドラマにして青春群像劇に仕上げた作品でした。

視聴率は振るわなかったものの、今でも根強いファンのおかげで語り継がれてる作品です。

 

僕もその一人。

普通にかっこいんですよ新選組って。

武士になりたい田舎者たちが、夢を追いかけ役目をもらい、命かけて幕府を守る姿。

成り上がりの物語としてもさすがですし、末路を知っているが故の儚さ。

 

今回鑑賞する作品は、新選組の局長ではなく「鬼の副長」と呼ばれた男の物語。

立場故に規律に厳しい反面、超モテモテというのも逸話として残ってますよね。

大河ドラマとは違う骨太な時代劇になってそうです。

早速観賞してまいりました!

 

作品情報

司馬遼太郎原作の同名小説を、社会派エンタメで観衆を魅了する監督の手によって映画化。

 

バラガキと呼ばれた田舎者が、同じ夢を掲げる者たちと共に動乱の幕末を駆け抜けていく熱き姿を、大掛かりなロケやセット、多数のエキストラを動員し、圧巻のスケールで送る。

 

アイドルグループに所属しながらも、演技とアクションを極め続ける俳優が、新選組を最後まで守り続けた幕末のカリスマを熱演。

自らがアクション指導を兼任すなど、役以外でも現場の士気を高めていった。

 

他にも大河ドラマや主演を張る俳優が集結。

日本映画史に残るスペクタクル超大作として完成した。

 

新時代の幕開けに相応しい1作。

歴史に名を刻んだ伝説が今幕を開ける。

 

 

燃えよ剣

燃えよ剣

  • 栗塚旭
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あらすじ

 

開国か倒幕か。

動乱の幕末でわずか6年だけ存在した「新選組」。

彼らはいかにして歴史に名を刻む【伝説】となったのか——

 

武州多摩の❝バラガキ❞土方歳三(岡田准一)は、「武士になる」という熱い夢を胸に、近藤勇(鈴木亮平)、沖田総司(山田涼介)ら同志と共に京都に向かう。

 

徳川幕府の後ろ盾のもと、芹沢鴨(伊藤英明)を局長に擁し、市中を警護する新選組を結成。

土方は副長として類まれな手腕と厳しい法度で組織を統率、新選組は倒幕派勢力制圧に八面六臂の活躍を見せる。

 

お雪(柴咲コウ)と運命的な出会いにひかれあう土方だったが、時流は倒幕へと傾いていき——。

 

剣を手に命を燃やした男たち知られざる【愛】と【戦い】が、今幕を開ける!(HPより抜粋)

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監督

本作を手掛けるのは、原田眞人

 

日本のいちばん長い日」、「突入せよ!あさま山荘事件」、「関ヶ原」、「検察側の罪人」など、いわゆる硬派な作品のイメージが強い監督。

 

本作は、歴史好きの岡田君と意気投合して始まり、2部作の前後編構想から1作で完結へと変更、長編小説をどう1本にまとめるかを試行錯誤しながらも、メインであろう「池田屋事件」はセットを組んでの大掛かりな撮影に挑み濃厚に描くなど、土方歳三の生涯の中でターニングポイントになる部分を中心に描くそうです。

 

幼少期から親しんでいる「新選組」の、本当の姿を伝えたいとも語る監督の思いが作品に溢れていることでしょう。

 

 

登場人物紹介

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新選組

  • 土方歳三(岡田准一)・・・副長。厳しい戒律で組織を統率。
  • 近藤勇(鈴木亮平)・・・局長。土方の盟友。
  • 芹沢鴨(伊藤英明)・・・初代筆頭局長。酒を飲むと手が付けられない豪傑。
  • 沖田総司(山田涼介)・・・一番隊隊長。土方と近藤を慕う。

 

  • 伊藤甲子太郎(吉原光夫)・・・新選組を尊王派に変えようと企む。
  • 新見錦(松角洋平)・・・芹沢の腹心。

 

  • 山南敬助(安井順平)・・・副長。土方と対立。
  • 井上源三郎(たかお鷹)・・・六番隊隊長。土方と近藤の兄弟子。
  • 永倉新八(谷田歩)・・・二番隊隊長。
  • 藤堂平助(金田哲)・・・八番隊隊長。
  • 原田左之助(吉田健悟)・・・新選組十番隊隊長。
  • 斎藤一(松下洸平)・・・新選組副長助勤。
  • 山崎烝(村本大輔)・・・監査役として暗躍。
  • 中島登(渋川清彦)・・・密偵として活躍。
  • 市村鉄之助(森本慎太郎)・・・土方が可愛がる隊士。

 

幕府

  • 徳川慶喜(山田裕貴)・・・江戸幕府第15代将軍。容保に京都守護職を命じる。
  • 松平容保(尾上右近)・・・会津藩藩主。会津藩預かりで新選組が誕生。
  • ジュール・ブリュネ(ジョナス・ブロケ)・・・フランス軍陸軍士官。旧幕府軍の軍事顧問。

 

倒幕

  • 清河八郎(高嶋政宏)・・・尊王攘夷を掲げ国家転覆を図る。
  • 岡田以蔵(村上虹郎)・・・土佐藩士。天誅の名人。
  • 宮部鼎三(三浦誠己)・・・池田屋事件で襲撃される。
  • 七里研之助(大場泰正)・・・土方の因縁の相手。

 

その他

  • お雪(柴咲コウ)・・・傷を負った土方を介抱し恋に落ちる絵師。
  • 本田覚庵(市村正親)・・・土方や近藤の学問の師匠。
  • 丸十店主(柄本明)・・・土方に名刀和泉守兼定を売る。
  • 糸里(阿部純子)・・・沖田に思いを寄せる芸妓。
  • 孝明帝(坂東巳之助)・・・攘夷を望む時の大権力者。(以上HPより)

 

 

 

 

 

 

 

上映時間、約2時間半。

歳三の人生をこれだけの時間で描くとなると、かなりのハイスピードか余計な箇所はばっさりカットな気がします。

長いと感じるか短いと感じるか、退屈と感じるか濃密と感じるか。

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

2時間半あっという間!

バラガキのブレない生き様がとにかくカッコイイ、エンタテインメント時代劇でした!!

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

なんで新選組はかっこよく感じるんだろう。

幕末の動乱を生きた新選組の「鬼の副長」こと土方歳三の半生を、インタビューで語りながら進行してく本作は、激動の如く暴れまわった彼らのように原田監督得意の早口台詞で駆け足な展開で見せるものの、血生臭く泥臭いアクションや時折挟むユーモラスな描写を入れエンタメ作品に仕上げ、最小限の説明に留めた工夫から、非常にテンポよく事が運ばれていく、非常に痛快な時代劇でございました。

 

冒頭でも書いた通り三谷幸喜脚本の大河ドラマ「新選組!」を今でも大好きな僕としては、非常に楽しく鑑賞させていただきました。

幕末の時代ってのは、黒船だの桜田門外だの様々な出来事が起きた中で、俺たちはこの先どうすればいいのかってのを若い衆が必死になって叫びまくったから、どの立場で物語を描いても「時代劇」なんだけど「青春群集劇」になるんですよね。

 

新選組もたった6年ですよ。

ビートルズの方が活動期間長いんですよw(比較対象がそこかw)

その前から物語はあるんですけど、彼らは歴史に名を刻んだわけですよ。

生まれ変わっても百姓だって言われてた身分が、多摩のバラガキだと言われて暴れまわってたやつらが。

近藤勇なんて幕臣にまでなった。

剣を信じて、自分の士道を信じて突き進んだ結果、短い人生だったけど、濃厚な人生を同志と共に過ごした。

 

もうこのドラマを2時間半で描いてくれることがホントすごい。

何なら4時間でもよかったよw

 

史実でなく原作を映画化したのでホントかどうかはよく分からないんだけど(すいません原作未読です)、壬生浪士組の時まで歳三が田舎者みたいに小走りで歩いてたのとか、隊士には皆君付けで呼んでたとか、新選組と言えば浅葱色のダンダラ羽織だけど、隊長より上は着ていないとか(源さんめっちゃ気に入ってたなw)、色々新発見というか新解釈で描いてましたね。

 

それこそ歳三の歩き方の変化なんて部分は、百姓から侍になっていく変化としてターニングポイントだったかもしれないし、ダンダラ模様を着ないで全員紺色の袴を着ることでより組らしいというかキマってました。

 

山南さんともあんなに対立してたんですね。

切腹のシーンなんて「新選組!」の時はめっちゃ号泣したけど、すごくあっさりでw

逆にこっちの方がリアルでしたねw

 

演出や演者に関して。

演出面ですが、やはり「関ケ原」の時のような超駆け足な展開。

多摩の田舎者から一気に京都で浪士組、芹沢鴨殺害、新選組結成、池田屋事件、伊東一派のゴタゴタ、鳥羽伏見の戦い、そして五稜郭と、歳三の歴史において欠かせない部分だけにフォーカスを当て、あとはカット。

間にはお雪との心の交流や、総司とのじゃれ合い、義兄弟である勇との隊士を忘れた関係性を描くことで、歳三を作り上げる上での人間ドラマとして時間を割いて描かれてました。

 

また所々ではユーモラスな展開も忘れてない。

アイリッシュダンスを踊る近藤に、凄まじい斬り合いの最中にまるで一服の清涼剤のように自分のテンポで喋る源さん。

ちょっとポロリなシーンもありましたし(別にユーモラスではないけど)、白塗りの近藤勇を徐々にコマ撮りでアップにしていくのは笑えましたねw

 

演者に関して。

僕の中で影のMVPだったのは、ウーマンラッシュアワー村本が演じた山崎烝。

隊士の中で観察方として活躍するんですが、結構な出番w

そもそも彼の芸風が早口なだけあって、監督の駆け足展開に見事にハマってるんですよねw

初登場時から、同じことを早口でしゃべくり倒すだけかと思ったら、新見錦殺害の時も耳元で「切腹、切腹、切腹・・・」って呪文を唱えるようにしゃべってるし、池田屋事件の時は薬屋として潜入し宮部鼎三を探す役目を担い、近藤の後ろについて「あいつです!」と叫び、第2陣の土方を町中駆けまわって探すという、かなりの出番。

 

飯食ってる時も何やらしょうもない小話をしてるので、キャラとして完成されてましたねw

 

逆に藤堂平助役で出演したはんにゃ金田は、真面目な表情で主要隊士らと会話するわ、血を流して殺陣はするわ、終いには岡田准一とタイマン張るという見せ場。

この2人は今回大きな収穫だった気がします。

これをきっかけに役者の仕事が増えたらいいですね。

 

 

もちろん岡田准一も素晴らしい。

いかにも血気盛んな田舎者が、血気盛んな状態で京都に行き、様々な策を立てて近藤勇というみこしを担ぐために自分が不満の対象になる。

常に鋭い目つきで長州の侍を探す一方で、勇や総司、お雪といった面々とは牙をしまって安らいでいく。

そんな側面を色んな局面で空気として醸し出す力量は、これまでの過去作同様見事でした。

 

どうでもいい話ですが、「カタチが良くねえ」と要所要所で言うんです。

僕はそのセリフの度に「木更津キャッツアイ」での「トルエンはよくねえ」というセリフの言い回しと似てるなぁと思い出してましたw

 

 

山田涼介も色んな人がやってきた沖田総司というキャラを自分に寄せて演じてたように思います。

それこそジャニーズで言ったら東山紀之も沖田総司やってましたよね。

他にも著名な方がやってきたキャラを演じるにあたってプレッシャーを感じてたんでしょうけど、歳三と違って物腰柔らかい佇まいは、これまでの沖田総司像に新たな意味を加えたものに思えたし、そんな優しい眼差しとは違い「仕事は仕事、私が一番に切り込みます」という芹沢鴨襲撃のシーンでのドライなセリフ回しはドキッとしましたね。

山南さんの介錯も迷いなかったですし、もっと優柔不断な奴だと思ってたのでw(それもこれも新選組!の藤原竜也のせいw)

 

鈴木亮平に関しては、図体がとんでもなくデカいこともあって立ってるだけで風格が出てましたねw

西郷隆盛を大河ドラマで演じてたこともあって、ごっちゃになった人も多かったんじゃないでしょうかw

本作では彼が主役ではないので、土方の脇にいることが多かったですが、池田屋事件の時は隊の指揮を執って先陣を切る見せ場があり、長州の面々と一触即発のシーンではものすごいニラミを利かせてましたね。

 

他にも芹沢鴨演じる伊藤英明も前半だけの出番でしたが、局長のポストを利用して好き放題暴れまわる行動は迫力満点。

で、事が終われば子供のような表情で眠りこける。

しかも学があるそうで、シラフでも酒飲んでても弁が立つ厄介さもあって、良いキャラでした。

 

アクションに関して。

これが凄かったんですよ。

普段あまり時代劇を見ないので殺陣に関して言及できる立場ではないんですけど、いやホントすごかった。

 

天然理心流って流派の剣術を使う歳三は、いわゆる理想的な剣術ではなく実践に向いた剣術で敵を仕留めていくんですね。

それこそ町で絡まれた時、道場破りする時なんか、剣術で倒すというよりかは、力技でねじ伏せるやり口。

 

大体殺陣で敵が吹っ飛ぶようなアクションて早々ないじゃないですか。

最近でいえば「るろうに剣心」がありますけど、あれは力というよりかはスピード重視な殺法で。

こっちはもう間合いとか隙を作らない立ち方とかそんなんじゃなく、とにかく荒い。

 

勇も総司も同じ流派のはずなんだけど、歳三はもう挑み方がやんちゃw

胴を狙う時は全力で狙って相手を吹っ飛ばし、骨折するほどのパワーで倒す。

いざとなれば蹴りを使うあたりは、当時はよくやった戦法なのかな。

とにかく歳三らしさが良く染み出たアクションだったように感じます。

 

で、このアクション。

CGの部分もあったけど、結構な血しぶきが・・・。

やはり血気盛んで「我こそが!」な面々が集結する時代劇ですから、やっぱり血の量はこうでなきゃといった感じです。

斬る度に飛び散る血。

特に芹沢鴨殺害のシーンは、布団の上から歳三と総司がめった刺し。

息の根を止めたかと布団をめくった瞬間にお梅が飛びあがり、芹沢は慌てふためいて部屋の隅へ。

そこへ斎藤一も加わり三人で一気に刀を体に押し込む。

この時点ですでに彼が血まみれでしたが、このトドメによって畳の上に寝る彼の血まみれの姿が様になってましたね。

 

あと音もすごかったですね。

斬る度に低音でブシュ!って音が響いてたまりませんでした。

 

最後に

やっぱり時代劇って歴史を知らないと置いてかれるんですよね。

だからこういう駆け足のお話の場合、話にばかり集中してると疲れてしまいがちだと思います。

僕の場合ニワカではありますが、好きな時代とあって新選組がどういう道を辿ってきたのかは理解してる部分もあって、それ以外の知らない箇所に集中して見ました。

 

それこそ松平容保が朝廷と幕府の間に挟まれて、あんなに葛藤してたなんて説は面白かったですし、徳川慶喜も薩長の勢いに脅えて目にクマができるくらい狼狽えてたし、新選組以外の面々の表情にも言及してたのが良かったですね。

 

 

途中でも書きましたが、彼らの最後を知ると新選組はめっちゃ物悲しくなってしまうんですけど、命を懸けて夢を追い求めた者たちの結成前の関係性や、結成してからの厳しい規律の中で名を上げていく姿、西洋式の武器の登場により刀だけではどうにもならない歯がゆさや、次々に消えていく後ろ盾など、池田屋事件後の新選組ってホント時代にやられてしまうのが切なくて…。

 

変な話、自分のバンド時代とも似てる気がしてw

なんだろ、まだ現実を解ってないくせに夢とか理想とか膨らませてワイワイやってた時から一転、厳しい現実を突き付けられて仲違いしてしまう辛さ。

彼らの姿を見ていると、俺は命かけて夢を追いかけてなかったなぁ…。

 

あと、歳三が写真を撮るときに、既に死んでいる勇と総司と源さんが木の影から覗くわけですよ。

ああいうのいいよね!

 

ブレない心を抱き人生を突っ走った歳三はかっこよかった!

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10