ミスター・ガラス
いよいよシャマランユニバースが始動であります。
M・ナイト・シャマラン監督がかつて手がけた「アンブレイカブル」と「スプリット」を繋げた、壮大なシャマランマジック。
一体誰が想像したことでしょう。
今「スプリット」を見ていないという人は楽しいですけど、ラストのオチに驚きも何も感じないので、まぁ今のうちにごめんなさいといっておきましょう。
一体この超人3人を集めてどんな話を描くのか、シャマランぽくないようにも感じますが、楽しませてくれることに変わりはありません。
果たしてどんな結末が待っているのか。
早速鑑賞してまいりました!!!
作品情報
鬼才M・ナイト・シャマラン監督が「アンブレイカブル」のその後を描いた衝撃のサスペンス・スリラー。
「スプリット」という作品内で「アンブレイカブル」との繋がりを明かすという、斬新なアイディアで観衆を驚かせ、シャマラン節健在をアピールした。
多重人格、天才頭脳と脆い体、そして強靭な肉体を持った3人は本当のヒーローなのか、それともただの妄想に過ぎないのか。
そして試される研究内容とは。
ついにそのベールが明かされる!
あらすじ
フィラデルフィアのある施設に3人の特殊な能力を持つ男が集められ、研究が開始された。
彼らの共通点はひとつ―自分が人間を超える存在だと信じていること。
不死身の肉体と悪を感知する力を持つデヴィッド(ブルース・ウィリス)、24もの人格を持つ多重人格者ケヴィン(ジェームズ・マカヴォイ)、そして、非凡なIQと生涯で94回も骨折した壊れやすい肉体を持つ〝ミスター・ガラス″(サミュエル・L.ジャクソン)…。
彼らは人間を超える存在なのか?
最後に明らかになる“驚愕の結末”とは?(HPより抜粋)
監督
今作を手がけるのはM・ナイト・シャマラン。
「シックス・センス」で世界的に注目されたものの、一時は低評価が続き飽きられてしまったシャマラン。
ですが「ヴィジット」で再び彼の本気が見え、そして「スプリット」でのオチ!
やっぱり彼の映画には驚愕のオチがつきもの、というのが彼に対する世間の目。
でもお話だったり演出だったりてのを切り取ると作りがものすごくうまいなと感じる部分が結構あるんですよ。
てかその結末までの緊張感てのは絶対凄いものがあるわけで、これがあるからのオチなわけで。
スプリットのオチは当初激オコでしたけど、そこまでのマカヴォイの演技とかぞくぞくしましたし。
そういえば自身がチョイ役で出演することがありましたけど、最近出てないような。今作も出ないのかな?
出てほしいなぁ。
キャラクター紹介
左上より。
- ミスター・ガラス/イライジャ・プライス(サミュエル・L・ジャクソン)
非凡なIQと、生涯で94回骨折した壊れやすい肉体を持つ。
十数年前、“不死身の肉体”を持つ“スーパーヒーロー”を捜し出すことにとりつかれ、そのためには残酷な手段をとることもいとわなかった男。
捜し出したデヴィッドを覚醒に導くが、事実を知って絶望した彼と訣別に至った。(HPより)
- ケヴィン(ジェームズ・マカヴォイ)
24もの人格を持つ。
潔癖症の青年、9歳の少年、女性人格などの人格を抱え、現れた人格によって体型や体質まで驚異的に変化する。
女子高生の誘拐監禁事件を起こした時に、凶暴で超人的な24番目の人格 “ビースト”が新たに出現。
母親から虐待されていた過去を持つ。(HPより)
- デヴィッド・ダン(ブルース・ウィリス)
決して壊れない不死身の肉体と、悪を感知する能力を持つ。
十数年前、悲劇的な列車事故の唯一の生存者となったことをきっかけに謎めいた男、ミスター・ガラスに遭遇。
自分の中に存在する特殊能力----怪我も病気もしない肉体、悪を感知する力などに気づかされていった。葛藤しつつ、今はその能力を使って人々を救うことを自らの使命と感じている。(HPより)
- エリー・ステイプル(サラ・ポールソン)
スーパーヒーローの存在を問う“禁断の研究”を進める精神科医。
デヴィッド・ダン、ケヴィン、ミスター・ガラスと対峙する。(HPより)
- ケイシー(アニヤ・テイラー=ジョイ)
かつてケヴィン(の一人格)によって誘拐されるも、判断力を失うことなく、攻防の果てに、ケヴィンの24番目の人格、凶暴な“ビースト”の脅威から唯一サバイバルした女子高生。
ケヴィン同様、虐待という辛い体験を持つ。(HPより)
- ジョセフ・ダン(スペンサー・トリート・クラーク)
デヴィッド・ダンの息子。
少年の頃、大好きな父が特別な存在であることを感じ取った彼は、父が“スーパーヒーロー”としての使命を受け入れることを願い、そのピュアな思いでデヴィッドを後押しした。 (HPより)
- ミスター・ガラスの母(シャーレーン・ウッダード)
全身を骨折した身体で生まれてきた息子イライジャ(ミスター・ガラス)を、厳しさと深い愛情で育て上げた。
“壊れやすい肉体”という試練を乗り越えて生きる息子を誇りに思っている。(HPより)
あれからガラスとダンは何をしていたのか気になりますし、なぜダンも施設にいるのかも気になります。ケヴィンはまぁ捕まったんでしょうけどw
あとはタイトルが「ミスターガラス」ですから、やっぱり彼が何か企んでいるってことですよね。
ケヴィンとダンを戦わせるための何か、みたいな。
スリラーだからなぁ、悪と戦うとかって話じゃないよなぁ。力合わせて。
あぁ気になるぅ!!
ここから鑑賞後の感想です!!!
感想
シャマランユニバース始動と思ったら完結かよ!
監督なりの「ヒーローとは?」を追及した新しい形のヒーロー映画でした!
以下、核心に触れずネタバレします。
何ともまぁ遠回しな・・・
触れるだけで心を読める力持ち、獣を含んだ多重人格、そして体は脆いが頭脳はずば抜けた男3人が一堂に会し、君たちはヒーローという妄想に憑りつかれていると超強引な解釈で論破しようとする精神科医と対峙していく物語を、監督がお得意のサスペンス風味をふんだんに活かし、いやらしいまでに本題にたどり着かないスローペースな語り口と、中々オチまでたどり着かせない遠回しな展開、そしてたどり着く結末!からの本当の結末に驚愕を隠せない、これぞシャマランムービーの真骨頂!な作品でございました!!
いやぁ~なんだろう、正直面白かった!とは言えない。
彼のいいところと悪いところが出ていたとも取れる映画だったなぁと。
この何年もたくさんのヒーロー映画が世に排出され、それに感化される我々ですが、実際問題そんな奴らは存在しないわけで、逆にいたらただの危ない奴らですよ、あんたらいつまでそんなヒーロー映画ばっかり見てるの!?いい加減目を覚ましなさい、こんなアメコミは単なる欲望の塊で全部現実にあるものをヒントに描かれた寓話に過ぎないんです!
と超こじつけに映画の中で語らせておいて、いやいや待ちんさい、いるのですよちゃんとこの世の中に、それは私が生み出したといっても過言ではない、なぜ生み出せたか、それはヒーローがいるということを信じていたからだよ!!!わたしが誰かって?私はミスターガラス!
って誇らしげに語っておいて、お前テロリストであることには間違いないからな!
とまぁ色々スッキリしない部分もありましたが、英雄は存在するのか?という定義をシャマラン流に語らせたらこうなることも予想できたわけで。
とはいえ、なんでしょう、イライジャという男が長きにわたって持ってきた夢が叶った瞬間であり、それが世に知れ渡ることに成功し、それを見ている世の中の人たちは果たしてどう思うのだろう、やっぱりヒーローはいたんだ!!って感じるよねっていう。
きっと監督もイライジャに託したんだと思うよ、信じることの素晴らしさってものをさ。
でもあいつのやったことはテロだけどな!(譲れない)
とまぁあたくしも今回の映画のように本題まで入らないようにウダウダ感想を述べております。はい。
恐らくこれ短い期間を2時間弱にまとめたお話なんだろうなってのは感じます。
だからほんとテンポが悪く見えるんですよね。いやシャマランなんだから今更テンポの悪さを突っ込むなってのは承知の上で言うんですけど。
て事はやっぱり僕は彼の作風って皆さんほど好きじゃないのかなぁと。じれったいヤツ大嫌いなもんでw
とはいえ、簡単に嫌いつまらないと切り捨てるには惜しい方ですから、それなりに分析とか解説とかしていこうと思うんですけど、はい。
ぐだっと細かなあらすじを途中まで。
「スプリット」から3週間後、ケヴィンは未だ野に放たれた獣として、監禁事件をやっている模様。またもやか弱いティーンズ4人を捕まえ、いくつもの人格に変わりながらあれこれお説教している様子。
どうやらドレイクが好きみたいですね~9歳の男の子の人格。
一方街中ではスーパーマンパァ~ンチ!と通行人にパンチを食らわし、それを動画に収めている輩がはしゃいでおります。
自宅に帰り編集作業をしていると、ドアがバタン。おいお前鍵締めたか?いいや?誰?
へへ、肉に塩振ってやるぜ!スーパーマンパンチをお見舞いしてやるぜ、と思ったら片割れがキッチン前でフルボッコ。
え、何これやだこれ誰これってあ、あんたウワサの!!
そうです、デヴィッド・ダンはあれからずっと自警活動を行っていたのです。
しかも息子とともに。
ホームセキュリティを親子で営んでいる彼は散歩と称して行動していたんですね。息子をオペレーターとして。
巷では緑色のポンチョを着た男は誰なのかで話題になっており、新聞にも監視カメラの映像写真が載っているほど。もちろん警察も捜査しているぐらい。
ダンは行方不明の女の子4人の行方を追って行動していたのであります。
息子の推理によると、工場周辺が怪しいということで翌日散策に出かけます。
すると、フードを被った子供っぽい大人と接触。彼の能力の一つである「触れることで相手の心を読み取る」力で、監禁した犯人であると確定、アジトに乗り込んで女の子たちを助けます。
しかしそこに現れたのはビーストと化したケヴィン。
いよいよ我々が待っていたダンVSケヴィン(ビースト)のバトルが切って落とされるのです!
おいおい、この展開ちょっと早いんじゃない??と僕の心配をよそにバトル勃発。
どちらも戦い方を知らないのか、机持って投げ合って、その隙に背後に回って羽交い絞め。
シャマランよ、アクション撮るのへたくそすぎるだろ!とちょっと苛立ちを隠せないモンキーでありますが、そんな怒りはすぐに収まります。
なぜかって?あっという間に決着がつくからだよ!
ダンは体を掴まれたまま窓に突っ込んで外に飛び出すんですね。
そしてラウンド2!と思った瞬間、警察に包囲されているのです。
その中心には白いコートを纏った謎の女性が。
彼女こそ精神科医のステイプル先生であります。
連行された二人はそれぞれの部屋に軟禁状態。
もちろん二人が職員を襲ってこないように、ダンには水に弱いため、いくつものホースが配置され、何かすればそこから高圧水流が出るというモノ、ケヴィンは光に弱いため、ビーストにならないように高性能フラッシュライトを設置。
そしてこの施設にはダンを脱線事故によって覚醒させたイライジャがいました。
イライジャは先生にお願いしてあらゆるところに監視カメラを設置するようにお願いしていました。能力を持つ人間がいるわけですから警備と監視はしっかりしないといけませんしね。
2人は隙をついて脱出を試みますが、部屋に設置された装置によって能力を抑えられ弱体化してしまい、中々思うようにいきません。
ダンは仕方なく先生の言う通りMRIをとることに。
ピンク色の部屋に招かれた3人は、先生の診断を受けます。
あなたたちは自分はヒーローだという妄想に憑りつかれています。
例えばダンさん、あなたなぜ4人の女の子がレンガ工場にいるとわかったのですか?
もしかして隣にいる人(ケヴィン)のスウェットに赤土がついていて、それで勝手に妄想を膨らませてそこにいると思い込んだんじゃないですか?
何でしょう、この方、精神科医なのにどっかの裁判の悪徳弁護士が言いそうな超下手くそな持論を振りかざすじゃありませんか。
続いてケヴィンさん、あなたビーストになるそうですね、もんのすごい力があるんですって?でも聞いて、あなたが折り曲げた動物園の鉄柵、あれね、相当老朽していて私でもペンチで曲げられるくらい脆かったの。え??効かなかったショットガンはどう説明するって?それもねケヴィンさん、古い弾が装填されてたの。
おいおいおいおい、いくら何でも「古い」ってワード2つも続いたらめちゃんこ胡散臭いですよ先生、先生!あなたホント先生ですか!
その間びくともしないイライジャ。首を20度くらい曲げてほげーっとしています。
どうやら鎮静剤打ちすぎてこうなっちゃったようです。
先生は3日間の内に彼らを研究して結果を出さなければいけないリミットがあるようで、なんとか彼らを説得して研究に協力させないと、一生彼らは精神病院で過ごすことになるとのこと。
それにしてもどこかのんきに見えるのは俺だけか。
ダンの息子やケヴィンに監禁された女子高生ケイシーは精神病院を訪れ、能力を持っているがちゃんと自我を持っている冗談の好きな父ちゃんなんだ、私が話せば彼はちゃんと普通の人間に戻れると説得します。
2人はアメコミを買ってヒーローがどういうモノかを学んでいきます。
そこでダンの息子はケヴィンについて調べていくと驚きの事実を目にするのであります。
一方意識がシカゴ辺りに飛んでいるイライジャですが、部屋の鍵が締まっておるのに、廊下に出ています。職員たちは、おいおいこいつどうやって外へ出たんだよ!お前ちゃんと鍵かけたか!?と口論に。
その後も夜中部屋が開いていることに気付いた職員。お前の足に懐中電灯落としたら骨が砕けちゃうのかな?え!?勝手なことしてんじゃねえぞ、と忠告。
そしてとうとうイライジャが行動に移します。
私は君が来るのを待っていた、さぁ行動にうつそうと彼を口説き、まずはビーストへと変身させます。
イライジャの目的はダンとケヴィンを、新設されたビル・オオサカタワーで戦わせ世間にヒーローがいることを知らせること。
そのために職員を殺害し、監視カメラのある場所を通り、早く脱出すればいいものをあえて地下道を通って遠回りしたりと、どこかおかしな行動をしながら逃亡。
ダンにもそのことを館内放送で告げ、ビルまでおびき寄せようとたきつけます。
彼を止めなければ!と力を使って部屋から脱出を図ったダンは、病院の外で彼らと遭遇。
今度こそラウンド2の始まりです。
果たしてどちらが勝つのか、それとも予想だにしない展開になっていくのか!?
というのがクライマックスまでのあらすじです。
ここから先は劇場で。
インクレディブルファミリーから見るヒーロー観。
この映画を引き合いに話しても、ん?となりそうですが、去年公開した「インクレディブルファミリー」の敵は、ヒーローに依存した世間に一言モノ申す!ってのがありました。
突き詰めていくと世間のやつらはテレビの画面に映る様々な出来事にあれこれ文句言っててめえは何ひとつしねえ、それを言ってスッキリして勝手にヒーローのつもりでいるみたいなことなんですが。
特にこの10年、マーベル映画を筆頭にヒーロー映画がものすごく量産される時代になり、僕らはただそれに一喜一憂しては消費しているだけになってしまっているわけで。
で、恐らく監督はですね、きっとそれは見てる僕らがとっくにフィクションだと思ってるから消費してるだけなんじゃないか、現実にそんなのいないんじゃないかと思ってる人が多いのではというところにたどり着いたんじゃないかなと。
なら僕が作ったろうやないの、これでヒーローがいることを信じようぜ!と今回の映画を作ったように思えます。
またインクレディブルファミリーのような敵側の提示とは違い、ヒーローなどいない、ということを観衆に突き付ける。
そんなの現実にあることを盛り込んだものに過ぎない、善も悪もぶっちゃけ必要ない、平和を保つにはそれが一番というもの。そんなこと信じてる人はどうかしてると。
いやいや待て待て、実際いるんだからそれを公にして何が悪い、もっと世間にヒーローが実在することを広めてもいいじゃないか。現実にヒーローがいるということを。
そんな思いを監督はイライジャに投影させ、この映画を作ったのではないか、とかなり暴投にもほどがある分析でございます。
信じることは大事だぜ、夢を持とうぜ、ヒーローはいるぜっていう。(超テキトーw)
だから今作のタイトルがミスターガラスなんだなと。
最後に
まぁ最後のは忘れてください・・・途中で眠くなったw
もうニュアンスで感じてください。
まぁ今回驚きの事実が明かされるんですが、それだけでは終わりません。お、そういうオチ!?と。
この映画の中の悪は一体誰なのかってのが判明した途端、あ、それは正義だったのか。と納得のいく結末に向かっていきます。
ぶっちゃけもっとストーリーとしてやり様があったようにも感じるんですが、「アンブレイカブル」と「スプリット」の続編としてちゃんとピリオドをつけたのでとりあえずよかったなと。
やっぱりマカヴォイ無双な映画でしたよ。
ライトが光る度に強制的に人格を変えられてしまうケヴィンがフレームアウトした途端別の人格に早変わりして演じる姿はまぁ楽しい。
1回瞬時に違う人格が出たと思ったらまた別の人格になったりと、前作よりレベルが縣様にも思えたシーンもあり、マカヴォイ好きにはたまらない作品になってたんじゃないでしょうか。
とりあえず監督は今回のために家を抵当に入れてまで臨んだ作品だそうなので、みんな見てほしいですね。
シャマランに愛の手を。
というわけで以上!あざっした!!
満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10