モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「人間失格/太宰治と3人の女たち」感想ネタバレあり解説 恋と革命のために生まれた男。

9月13日

人間失格 太宰治と3人の女たち

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太宰の「だ」の字も知らないほど、彼に関して無知なモンキーです。

「走れメロス」も「斜陽」も、そして今回の「人間失格」も全く読んでおりません…

俺にとって人間失格つったらキンキだからなぁw

まぁ 太宰自身が投影されたお話であり、この後に自殺したってのは有名な話ですよね~。

 

それはいいとして僕が思うのは、主演の小栗旬の友人でもある生田斗真が、過去に同じ映画で主演をしているってのは、彼にとってどんな心境だったのか聞いてみたいんですけど、まぁ言わないよなぁw

いったら比べられちゃうもんなぁw

 

 でもこの小栗旬はかっこいいっすわ。

というか、こっちのほうが太宰っぽい。

あくまで俺のイメージでの話ですがw

 

とりあえずこの映画はそこまでの期待値はありませんw

じゃあなんで見に行くの、ってのとなんで期待してないかの理由については後程書くとして、早速鑑賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

日本が誇る文豪・太宰治の代表作にして最後の完結作品、そして世界で最も売れている日本の小説として知られる作品を、その色彩感覚と美的センスで被写体と風景をエキゾチック且つゴージャスに手掛ける写真家・蜷川実花が艶やかに大胆に手掛ける。

 

ダメ男でありながら才気と色気に溢れた太宰自身のスキャンダラスな恋と人生を軸に、傑作の誕生秘話を描いていく。

 

なぜ彼は自殺したのか、なぜ3人もの女性を愛してしまうほど波乱に満ちた人生を送ったのか。

クールでチャーミングな表面的な部分と、愛に飢え愛に溺れ堕落していく彼の破壊願望といった心の内側を見た瞬間、あなたは太宰の虜になるだろう。

 

映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』オリジナル・サウンドトラック

映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』オリジナル・サウンドトラック

 

 

 

人間失格 (角川文庫)

人間失格 (角川文庫)

 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

天才作家、太宰治(小栗旬)。
身重の妻・美知子(宮沢りえ)とふたりの子どもがいながら恋の噂が絶えず、自殺未遂を繰り返すー。
 
その破天荒な生き方で文壇から疎まれているが、ベストセラーを連発して時のスターとなっていた。
 
太宰は、作家志望の静子(沢尻エリカ)の文才に惚れこんで激しく愛し合い、同時に未亡人の富栄(二階堂ふみ)にも救いを求めていく。
 
ふたりの愛人に子どもがほしいと言われるイカれた日々の中で、それでも夫の才能を信じる美知子に叱咤され、遂に自分にしか書けない「人間に失格した男」の物語に取りかかるのだが・・・(HPより抜粋)

youtu.be

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのは蜷川実花。

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7月に公開された「ダイナー/diner」からまだ2ヶ月しか経ってない中の新作。

なかなかのつまらなさでしたが、今回は大丈夫なのか。

というか一度も彼女の作品を面白くないと思ってる僕は、どうしてトライするのだろうw

今回は濡れ場を期待して、ということでw

 

前作は父の教え子である藤原竜也を起用しましたが、今回はまたまた教え子の小栗旬を起用。

ある意味身内のような間柄でもある俳優たちを二度も主演に置くというのは正直いかがなものか、とも思いますが、それだけ意思の疎通だったり互いを理解しているからこそいい映画を作れると監督は感じているのでしょう。

 

今回も監督が目指すエキゾチックでエロティックでゴージャスでド派手な色合いの作品になっていることでしょう。

もう予告の時点で小栗旬から色気がムンムン出ていますからねw

あとは女優陣をどう美しく撮るか、が僕の中では焦点になってます。

ヘルタースケルター」ではちょっと僕が求めていたものではなかったので、もう少し艶っぽくお願いしたいなぁ、なんて。

 

今後は東京オリンピック・パラリンピックの理事を務めたり(といってももうやってるのか)、Netflix作品も控えてるので、さぞお忙しいことでしょう。

キャリアを重ねてより良い作品を制作してほしいものです。

監督に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

登場人物紹介

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左上より

  • 太宰治(小栗旬)・・・天才作家でありながら、プライベートでは破天荒でイカれた日々を過ごす。
  • 津島美知子(宮沢りえ)・・・太宰の正妻。太宰の小説「ヴィヨンの妻」のモデルとされる。
  • 太田静子(沢尻エリカ)・・・太宰の愛人で弟子。太宰の小説「斜陽」のモデルとされる。
  • 山崎富栄(二階堂ふみ)・・・太宰の愛人で最後の女。
  • 佐倉潤一(成田凌)・・・崇拝する太宰に執筆を依頼する、熱心な若手編集者。
  • 太田薫(千葉雄大)・・・静子の弟。姉の身を案じている。
  • 伊馬春部(瀬戸康史)・・・太宰の親友であり、テレビやラジオ等を中心に活躍する九州生まれの作家。
  • 三島由紀夫(高良健吾)・・・太宰を批判する若手作家。後に戦後日本を代表する作家となる。
  • 坂口安吾(藤原竜也)・・・無類派を代表する作家であり太宰とは同志である、破天荒な作家。

 

 

 

 

 

 

 

太宰をよく知らない僕が、今作を通じてちょっとでも彼の内面や心境なんかを知れたら、なんて思ってますし、ステキな女優さんとおぐりんの絡みなんか合ったら、なお高評価!なんちってw

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

昭和レトロにカラフルなポップさを加えた蜷川マジックがマッチ!

しかし話の作りはやっぱり巧いとは、思わないなぁ…。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

滅びの美学ってやつか。

愛する家族がいながらも不倫に浮気に奔走し、さらには病まで冒してしまうほど自分を追い込んで傑作を量産する作家の、優柔不断で臆病な様や、その気だるさから醸し出される色気、3人の女たちによって破壊の一途をたどっていく男の末路を、監督が得意とするこれ見よがしな色彩感覚とレトロな昭和の背景が見事に調和され、さらには小栗旬という男が放つ弱々しさと艶っぽさ、イヤらしいほどにクネクネパーマが爆発した、今のご時世とは真逆の生き方を貫いたお話でございました。

 

 

生みの苦しみ。

自分は以前ミュージシャンをやっていたもので、歌を作るのはかなりの労力と時間がかかりました。

作品制作の最中は、そりゃあタバコは止まらないし頭掻き毟るし己の才能の無さに身震いするほど嫌気がさして何度筆を折ったことかw

でもその苦しい期間を経て生み出した直後の解放感とそれを披露した時のオーディエンスの反応は僕にとって快感でありました。

そんな苦しみと喜びを繰り返し活動し続けるのって、もうドMでないとできねえよなぁ、魂削らねえとやってられないよなぁ、命削らないとやってられないよなぁ、と今回の「人間失格」を見ながら思いました。

 

僕は冒頭でも触れたとおり太宰をよく知らないので、あくまで今回の作品を通じてでしか太宰を語れないのだけれど、やってることは非道徳的で非倫理的な行為だったかもしれないけど、クリエイターとしては自分の過去の日々がフラッシュバックしてしまうほど共感はしました。

全部壊して、書く。

僕もこれくらいの覚悟で創作活動していたら、将来は理想の道を歩んでいたのかかなぁ、でもそんな生き方してたらホント早死にするよなぁとw

 

 

きっと彼は家庭を作ったことで守りに入ってしまう自分を否定したくて別の女性に走ったのかなぁと。

守りに入るともはや創作活動は惰性になってしまうというか、尖ったものを生み出すことができない不安に駆られるというか。

それに加え世間は彼の小説の中身よりも女関係や自殺の事が先行して本の中身には触れてくれない、実際書いた本を読んでくれたとしても自分の全てを誰も理解してくれないことへのギャップに苦しみ、どんどん殻に閉じこもっていく。

もうこうなったら大量の酒とタバコとクスリと女で身を滅ぼして、あ~やっぱおれだっめだわぁ、でも死にたくはねえなぁ~みたいな、フワフワした感情で。

 

やっぱ書けなかったと思うんですね、静子と会うまでは。

で、彼女の赤ちゃんのような美しさとワードセンスに惹かれ、近づいたからには代償が伴うわけで、彼女を受け入れることしかできなかった。

でも自ずと彼女を求めてしまった。

そんな自分を恥と思いながらも執筆し書いた作品を褒めてもらおうと家に帰り妻に甘えるも全く褒めてくれない。

相当雁字搦めだったよなぁと。

もうどうすりゃいいのよ!?って。

で、また別の女に走ると。

でもあそこで妻が褒めてしまったらもう作家を辞めてましたよね。

妻あっての太宰治だったなぁと。

彼女の言葉が無かったら壊せなかったと思いますよ、何もかも。

 

 

しかしクズだったなぁw

とはいえ、まぁやってることはとてもとてもお手本にしたとは思えない生活ぶり。

冒頭での入水心中未遂から始まり、2人の女と浮気を重ね、家に帰れば奥さんに甘え、それ以外は酒浸りの毎日。

コンプラ激しい現代ではとてもできない行為だったぁと。

 

電報や文通でやり取りを繰り返し、ついには家にまで訪ねてきた静子とお出かけし、彼女からのアプローチが功を奏し、見事に結ばれる形に。

しかし太宰としては、彼女が書いた日記見たさに近づいたってのが真相で、1万円あげるから見せてと。

しかしタダでは轢かない静子はあなたの子供が生みたいと詰め寄る。

普通(いやすでに普通でないんだけど)この時点でこの女とは縁を切って家に帰った方がよかったろうに、どうしても彼女の日記が必要だったんでしょうね。

時期を見計らって家を訪ね、念願の日記を見せてもらう。

「人間は恋と革命をするために生まれてきた」という言葉に彼女が持つ才能を堪能し、再び筆を持つやる気が溢れてくる、のだけど、結局は彼女の身体に溺れていくわけで。

こうして生まれたのが「斜陽」だったと。

 

そしてバーで出会った富栄さん。

大丈夫、君は僕が好きだよ、ってw

俺絶対言わねえし言えないw

その資格ないわ~w

と、太宰から命がけで来い、と言われたので命がけで恋したわけで尽しに尽くす彼女でしたね。いわゆるメンヘラ的要素が冴えわたってましたけども。

太宰もこの辺りから彼女の家に入りびたり全然家に帰らないご様子。編集者の佐倉も太宰の家でなく富栄の家にいくくらいですから。

 

一番見ていてきつかったのは、結核が悪化して祭りの最中に遭遇した富栄と川の隅でイチャイチャしてるのを家族に見られてしまう太宰。

しかも奥さんは子供に対して、お父さんは今お仕事だから邪魔しないの、って説明ね。

これ辛いわ~どっちの立場も。

ガッツリ浮気現場見られた太宰の罪悪感なんかどうでもよくて、子供に仕事って説明して自分の気持ち押し殺す奥さんの心境ね。

太宰にあそこまでさせてでも傑作を書いてほしいと望む奥さんの気持ちに全く理解できない僕でしたが、それだけ太宰の才能に惚れてたってっ事ですよね~。

でも子供があれ見るのと、子供にあれみられる父って、中々つらいよなぁと。

 

 

とはいえ、静子は彼の子供を身籠り、奥さんは彼の傑作を書かせることに成功し、富栄は彼と共にあの世で過ごすという、3人の女たちが太宰によって狂わされながらも女としての望む幸せを手に入れるって運びは、簡単には言えないけどよかったよなぁと。

そして太宰自身も心身削りながらも作家としての生涯を全うしたわけで、凡人は到底理解できない人生だけど、よかったんじゃないのかなと。

 

 

ゴージャスでエキゾチックな色彩美

やはり今作も監督のこだわりが沢山詰まっていた映画でしたね。

子どもたちとあぜ道を歩く太宰の周りには真っ赤な花が敷き詰められていたり、太宰の書斎の壁の色が真っ青だったし、静子が最初太宰の家に向かう時は蕾だった木々が、太宰がやってくる頃には梅の花が満開で、それが静子の服の色とマッチしていたし、静子と逢瀬を交わす部屋の明かりが妙に白が強いのが今の二人を現してたし、逆に静子の家での夕食の照明が暖色強めってのもそれと対照的で、服装も沢尻も壇蜜も花柄のワンピースだったし、太宰が富栄と初めてキスを交わす場所も白い花が光を吸収していて二人が余計に輝いてたし、富栄との濡れ場も日光を当てることで二階堂ふみの身体を美しく際立たせていたし、とどれもこれも被写体の心情だったり美しさを照明や色彩で調整して描いてたのはお見事だったと思います。

 

一番印象的なのは赤と青を使って描いた部分ですかね。

当初太宰の書斎は青で、結核を発病してからは赤が付きまとう感じの演出でしたね。

もちろん血が赤だからってのはありますが、狂気とか情熱とかそういうのを現していたように思えます。

祭りのシーンで風車まわしながら子供たちが笑う幻に見舞われる太宰のシーンはちょっと怖かったですね。やけに音楽の音でかかったし。

それと対照的に奥さんには青が付きまとう。

次男坊がひっくり返した青い塗料の液体を長女と3人で顔に塗りたくるのは、悲しみを現した演出だよなぁと。そうなると太宰の書斎の青もそういう意図があったのかなぁと。

 

また終盤には太宰が雪道で倒れ生死の境をさまようという演出。

仰向けに倒れた太宰の身体に雪でなく白いバラが降ってくるというモノで、もはや彼に赤く染まった血はなく、真っ白な死体に変わったということでしょうか。

 

 

最後に

小栗旬よ、君はコミックの実写化ばかりやってた制で、こういう映画にしばらく出てなかったけど、やりゃあできるじゃねえか。

ちゃんと自分の艶と色気を加えて太宰像を作れたじゃないか。

楽しめたよ君のお芝居を。

・・・とエライこと言ってすいませんw

 

しかしまぁ美男美女を揃えるだけ揃えたってメンツでしたから、どのシーンも眼福でしたねぇ。

沢尻エリカはもう毒が表面から出ていない分、中から出してる感じに見えましたし、二階堂ふみは相変わらず掴みどころのない怖さと妖艶さを出していたという感じ。

宮沢りえは今作の柱ともいうべき存在感。彼女の夫に対する献身ぶりと影で苦しむ表情は一番の感情移入できる場面でした。

あとは成田凌は作品見るたびに俳優として風格が出てますね。もっと見たかったよ。

 

とはいえ、お話の作りはイマイチで、ヘルタースケルターの時も思ったんだけど、ここで終わればいいのに、なんで後半ダラダラするような空気にさせるかなぁと。

太宰のクズっぷりとそれに反対して苦しむ姿にスポットをあてた話でしたけど、肝心の人物像を上手く掘り出せてないというか、そこは蜷川監督の力量不足がモロに出たというか。

やはりカラフルでポップな映像と演出にこだわりがる部分で、肝心の映画を作るところは雑な面が目立ちます。

まぁダイナーよりかはマシに見えましたけども。

 

恋に生き、恋に溺れ、恋に死ぬ。

正に恋と革命をするために一生をささげた男の成功と堕落、そして覚悟を描いた映画でした。

太宰ファンはこれ怒るんだろうなぁ…そんな気がする。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10