ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド/ワンハリ
ブラッド・ピット、第92回アカデミー賞助演男優賞受賞おめでとうございます!!!
タランティーノをよく知らない人たちが、ディカプリオとブラピの共演見たさに劇場に駆け込んで、会話の多さとバイオレンスな描写に唖然となればいいなぁ…
そんな皮肉を思いながらも、是非俳優ファーストでもいいから、劇場に足を運んでほしいなと思っているモンキーです。
タランティーノ監督作品第9作目がいよいよ公開。
10作撮ったら引退と宣言している監督の作品もあとわずかではありますが、もしかしたらこれが大成功した場合、これで終わりとも言われています。
僕はきっと監督は10作以上撮り続けると予想しているんですが、だいぶ前から公言しているのでおそらく実行するんでしょう。
そんな監督の終わりを気にするよりも、まずはスター二人を主演にした今作を楽しもうじゃないかと、そんな気持ちであります。
何やら舞台が69年のハリウッドということで、当時アメリカで何が起こっていたのか、社会や若者の間にどんな変化があったのか、ざっくり頭に入れておいてもいいのかもしれないですね。
ベトナム戦争反対運動をきっかけに若者に根付いたヒッピー文化や、ブラックパワーならぬ公民権運動、ウーマンリブなど、これまでの社会に不満や反発を思う人たちの動きが強かった時代。
そこから生まれたカウンターカルチャーとして、音楽は反体制を歌うフォークソングや、フォークロックが流行し、世界では新しい波としてレッドツェッペリンやキング・クリムゾンなどが登場し、ビートルズやザ・フーらが名盤を発表。
映画業界でいえば、TVの普及によって50年代の華やかさや西部劇も陰りを見せ、アメリカンニューシネマが流行。
そしてハリウッドで起こる、ある事件。
これまで絶頂期ともいえたアメリカに何が起きたのか。
そんなことも念頭に置きながら、いや、置かなくてもいいかw
早速鑑賞してまいりました!!!
作品情報
映画オタクが実り、デビュー作から映画界を代表する屈指のクリエイターとして君臨する、クエンティン・タランティーノの第9回監督作品。
彼が少年時代を過ごした1969年のハリウッドを舞台に、落ち目の俳優とそのスタントマン2人の友情、そして著名な映画監督とともにハリウッドへやってきた新進女優の悲劇を軸に、黄金時代と呼ばれたハリウッドの光と闇を、タランティーノ節満載で描く。
稀代のハリウッドスター2人が初共演する話題性はもちろんのこと、あらゆる価値観が大きく変化していた時代を、5年の歳月をかけ、背景や舞台、ファッションといった細部に至るまで、徹底的にリサーチし、郷愁とリスペクトを込め再現。
訪れてしまった暗い影を落としていく時代よりも、映画という魔法を信じてやまない監督の本気度が感じられる作品として完成した。
ラスト13分、タランティーノがハリウッドの闇に奇跡を起こす。
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド オリジナル・サウンドトラック
- アーティスト: オリジナル・サウンドトラック
- 出版社/メーカー: SMJ
- 発売日: 2019/09/04
- メディア: CD
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あらすじ
リック・ダルトン(レオナルド・ディカプリオ)はピークを過ぎたTV俳優。
映画スターへの道がなかなか拓けず焦る日々が続いていた。
そんなリックを支える、クリフ・ブース(ブラッド・ピット)彼にやとわれた付き人兼スタントマン、そして親友でもある。
目まぐるしく変化するエンタテインメント業界で生き抜くことに精神をすり減らし情緒不安定なリックとは対照的に、いつも自分らしさを失わないクリフ。
この二人の関係は、ビジネスでもプライべートでもパーフェクト。
しかし、時代は彼らを必要とはしなくなっていった。
そんなある日、リックの隣に時代の寵児ロマン・ポランスキー監督と新進の女優シャロン・テート(マーゴット・ロビー)夫妻が越してくる。
落ちぶれつつある二人とは対照的な輝きを持つ二人。
この明暗こそハリウッド。
リックは再び俳優としての光明を求め、イタリアでマカロニ・ウエスタン映画に出演する決意をするが…。
そして、1969年8月9日、それぞれの人生を巻き込み映画史を塗り替える【事件】は起こる。(HPより抜粋)
監督
今作を手掛けるのは、クエンティン・タランティーノ。
猛吹雪の中に閉じ込められた8人が織りなす、ウエスタン風密室ミステリー「ヘイトフル・エイト」以来、約4年ぶりの新作でございます。
映画を愛するあまり、溢れる小ネタや会話やアクション、構図などなど、1度見ただけでは把握できないくらい情報量が多く、且つカッコよく楽しい作品を我々に提供してくれるタラちゃん。
僕も全作品鑑賞はしているものの、深く語れるほどの知識や情報をもちあわせておりませんで・・・。
でも好きなんですよ、それだけはわかってほしいw
冒頭でも書いた通り、10作撮ったら引退と豪語されてる監督ですが、今作が好評ならこれで辞めるかもしれない、と仰っています。
それだけは‼勘弁してくれ!!
とりあえず、いやせめて、あと1作やって下せえっ!
一応「スタートレック」の監督をやるかもしれない、というニュースがチラホラ見かけます。
JJエイブラムスの会社「バッドロボット」が打診しているようで、まだ決定ではないものの、かなり前向きに考えてるとのこと。
もし受けるのであれば、R指定にして「パルプ・フィクション」のようにしたいと。
おいマジか!
観たいっちゃあ観たいけど、それ最後にするつもり!?
なんか違う気がするんですけどねぇ…
出来ればスタートレックはJJにやってほしいんですけども、もし実現したら大歓迎です!
キャスト
主人公リック・ダルトンを演じるのはレオナルド・ディカプリオ。
監督の過去作「ジャンゴ 繋がれざる者」では、物語の悪役である大農園の主カルビン・キャンディを演じていました。
初の悪役だからなのか、ものすごい剣幕で声を荒げ、存在感を見せたデカプーですが、まさかクリストフ・ヴァルツに演技で食われてしまうとは。
デカプーって過去作を紐解くと、大体精神的に難ありな役が多いと思うんですけど、ジャンゴの時は激情型というか。
それもあって凄く記憶に残っています。
出演作としては「レヴェナント 蘇りし者」以来の出演。
しかもタラちゃん作品初の主役。
アカデミー賞主演男優賞を受賞後初の作品ですから、さぞ気合いが入っていることでしょう。
次回作はまだ未定のようですが、ギレルモ・デル・トロ監督の作品に出演交渉中だとか。
情報早く来い!
他のキャストはこんな感じ。
リックの相棒、クリフ・ブース役に、「イングロリアス・バスターズ」、「アド・アストラ」の公開が控えるブラッド・ピット。
リックの隣に越してくるシャロン・テート役に、「ウルフ・オブ・ウォール・ストリート」、「アイ、トーニャ」のマーゴット・ロビー。
プロデューサーのマーヴィン・シュワルツ役に、「ゴッドファーザー」シリーズ、Netflix映画「ジ・アイリッシュマン」の、アル・パチーノ。
ベテラン・スタントマンのランディ役に、「デス・プルーフinグラインドハウス」、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー・リミックス」のカート・ラッセル。
映画牧場のオーナー、ジョージ・スパーン役に、「ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅」、「ヘイトフル・エイト」のブルース・ダーン。
ヒッピーの少女、リネット・フロム役に、「アイ・アム・サム」、「500ページの夢の束」のダコタ・ファニング。
同じくヒッピーの少女キャット役に、「ナイスガイズ!」、Netflix映画「デスノート」のマーガレット・クアリー。
名優スティーヴ・マックイーン役に、「ドリームキャッチャー」、「オーシャンズ8」のダミアン・ルイス。
殺害事件の首謀者チャールズ・マンソン役に、「J・エドガー」、「ローンレンジャー」に出演していたデイモン・ヘリマン。
その他タランティーノ映画常連組も出演しているとのこと。
タラちゃんが描く、「昔々ハリウッドで・・・」なおとぎ話。
スター二人の共演を、彼の作品で拝めるというだけで既に奇跡なのに、映画は一体どんな奇跡をラストに放り込んだのでしょうか。
ここから鑑賞後の感想です!!!
感想
上映時間161分?長いと思うよね?
全然飽きの来ない映画ですよ!!
1969年のハリウッドはこんな景色だったんだなぁ~。
タラちゃん、夢見させてくれてありがとう!!!
以下、核心に触れずネタバレします。
夢見させてもらいました!
落ち目の俳優とスタントマン、隣に越してきた超美人女優の3人を軸に、1969年の斜陽に向かっていたハリウッドの、華麗で壮麗で光輝いていた時代を完全に再現し、後に訪れる凶悪事件を、タラちゃん流にアレンジすることで痛快に仕上げた、正に夢物語でございました!!
事前に何作かタラちゃんの過去作を復習し臨んだ今作。
一体どんな映画に仕上がっているんだろう。
血と肉が吹き飛ぶバイオレンスな描写は、どのあたりで出てくるんだろう。
登場するやいなやニンマリ顔で笑わせ、罵倒することで演者としての凄みを見せるムッシュ・キャンディとは違うレオ様を拝めるのだろうか?
ひたすら眉を顰め、顎をしゃくりながらマッチョな態度でスクリーンを埋めるレイン中尉のようなブラピがまた登場するのだろうか?
抑えきれないワクワクした気持ちを抱き鑑賞したわけですが、いやぁ~細かいこと全然わからないけど、なんでこんなに楽しいんだろう!と終始ニヤニヤしながら見させていただきました!
はっきり言って当時のハリウッドに僕は生まれてませんし、その辺の歴史も勉強不足だからわからないことだらけです。
しかしながら、リックが落ち目と自覚しながらも、クリフの助言や周りの助けもあって活路を見出す様や、立場上スタントマンであり雑用係でありながらも、彼のメンターとして支えるクリフの強さと余裕の表情、ヨーロッパで運命の人と出会い、ハリウッド女優としてのゴージャスな毎日を謳歌し踊り明かすシャロンといった主要人物が、うまく絡みあいながら展開されるドラマが楽しい!
これを時折、時系列をずらしたり、急に撮影本番が入ったり、劇中の登場人物が見ている映画を見せたりと、色々複雑に見せる構造もあって集中力も必要な作品ではあったんですけど、一つ一つのエピソードや構成、カット割りなどを、練りに練って作ったんだろうなぁ、監督の頭の中は映画のことで頭一杯なんだろうなぁ、よくここまで映像にできたなぁと、思う存分タラちゃんワールドを堪能できる映画でした。
僕が見たい映画ってのは、例え史実や事実を捻じ曲げたとしても、まして虚構だったとしても、娯楽映画として成立させてくれたら満足で、もっと言えば、時間を忘れれさせてくれるほど非現実を誘ってくれる、そんな映画が見たいんです。
で、今回の映画は正に「僕が見たい映画」だったなぁと。
核心に触れてしまうんですが、マーゴット・ロビー演じるシャロン・テートはマンソンファミリーと呼ばれるヒッピーコミューンの一味によって殺害されてしまうという事件がありまして、これが分からないとこの映画はさっぱりわかりませんよ~!って、媒体がこぞって伝えてるんですけど、映画もここまで描いてはいるんです。
ただ、その通りにはことは進まないんです。
事実と違う結末になってるんですけど、これは監督が見たかった夢であり、願いで、こんなことしやがって許さねえ!っていう復讐として描かれていて、それはそれは爽快で痛快で。
映画はあくまでフィクションで、こういう結末があってもいいじゃないか?ってのは全然アリで、とにかく夢を見せてほしい僕としては最高の結末だったなぁと。
ハッピーエンドでなく、マジカルエンド、これは寓話なんだと。
それでいいと僕は受け止めています。
実際の事件が転換期となって、リックのようなガタイのいいハンサムマッチョ系俳優が消え、西部劇も消え、マックイーンのようなスターが登場し、この1週間後にウッドストックが開催され、愛と平和を重んじるヒッピー文化が消え、結果、社会も経済も苦しくなっていくのだから、こんなパラレルワールドがあってもいい、と言っている気がします。
色々思うことを。
とにかくタラちゃん作品の中では上位に来る面白さだった今作ですが、僕が見ていて思ったことをグダグダ書いていこうかと。
- 時代の変化。
この頃はTVドラマから映画へと活動の場を変えるスターがたくさんいたようで、リック自身もその一人として設定されていました。
かつて山ほど作られたであろう西部劇は、時代の流れに沿って減少していきましたが、スターになった俳優もやはり姿を消していってしまったのでしょう。
リックもその一人で表向きには平然を装ってますが、いざクリフと二人になると「もう俺は終わりだ・・・」と涙を浮かべるリックを見て、この頃のスターは大変だったんだなぁと。
クリフもクリフで、後先のこと考えてなさそうだけど、今をしっかり見つめて自分のご主人であるリックを励まし鼓舞する姿が印象的です。
そんなリックが住む豪邸の隣に越してきたのがロマン・ポランスキーとシャロン・テート夫妻。
これから活躍するであろう二人と、徐々に影を落としていくリックという対比を、自宅を隣接させて比較させることで描かれるハリウッドの光と闇を描いていたなぁと。
- リックの出演作が最高
最近のポリコレだの多様性だのに特化した映画にちょっと食傷気味でして。
で、そんなときに60~70年代の映画を山ほどお借りしまして、それを少しづつ消化している最中なんですけど、まぁこの頃の映画は面白ぇ!と。
特にアクション映画とかだと、CGなんてないからどれだけリアルで演出できるかで勝負しているから、最近の作品とは別格で迫力が違うんですよね。
先日も「荒鷲の要塞」見て興奮しましたし。
と、自分の事は置いといて、リックの全盛期の作品てのは、69年よりも前の時代の話なんですけど、TVドラマ「賞金稼ぎの掟」っていうのが代表作で。
他にも劇中では、彼が悪役で出ていたTVドラマ「FBI」や、「マクラスキー 14の拳」、あとはイタリアに行って4本映画に出演しているんですね。
これがねぇ、普通にTVで見てみてぇ!って思わせる楽しそうなお話で。
マクラスキーはナチの中枢に潜入して、火炎放射器でザワークラフトのお待ちかねだぜ!みたいなこと言って思いっきり放射するんですけど、あ~タラちゃん好きなヤツだよなぁこれ、とか思ったり、劇中で撮影している作品(タイトル忘れたw)でも、長回しで撮影しながら、悪役として主人公を追い詰める姿とかをたっぷり時間かけて描いていたり。
調べてみると色々な作品をオマージュされてることが分かるんですけど、語れるほど当時の映画を見れてないので控えるとして、僕はこの当時の映画を今欲しているんだなぁということを、改めて知れた部分でもありましたね。
- どのシーンも構図が最高
で、僕が一番言いたいのがこの部分で。
ザックリ箇条書きになりますがご容赦くださいw
・冒頭、リックとクリフを左右におき、インタビュアーを真ん中に座らせてTVのインタビューを撮影する件。
この間にカメラを置いてインタビュアーのみ、リックとクリフ、ってのを交互に映してインタビューさせてるの最高。
・リックの家の駐車場に飾られてるリックの過去作の大きな看板を、車の中から映すシーン。
しかもそこからバックで運転してUターンするカット最高。
・クリフVSブルース・リー。
ひたすらアクションについて語るリーを鼻で笑うクリフ、そこからサシで対決して、クリフがリーを車にぶつけるまでをワンカットで撮る辺り、最高。
・リックの出演作「賞金稼ぎの掟」の1シーン。
馬に乗ったリックを上から見上げて話すマイケル・マドセン。
途中からアップで彼を映してくれるとこ、最高。
・多分その後だと思うんだけど、銃で撃たれた奴の前に立つ姿を影だけ映すとこ最高。
・TVドラマ「FBI」にて。
車を追いかけてブツを盗む悪役リック。
運転手めがけて銃で射殺するカットを車の窓ガラス越しで映すとこ最高!
しかも撃った後割れたガラス越しで笑顔を浮かべるリック最高。
・クリフがいつもばったり遭遇するヒッピーの少女キャット。
彼女のお尻を常に手前に置いたカットや、腋毛もしっかり見せる辺り、走行中助手席からクリフが運転する席に仰向けになって寝転んじゃう姿を、上から撮るとこ最高。
・クリフがスパーン映画牧場にやってくるシーン。
奥にある部屋までゆっくりと見せ、緊張感を増幅させたのち、網戸越しでダコタ・ファニング演じる赤毛の少女リネットと会話するカット最高。
・そこから車の置かれている場所まで歩くクリフ。
クリフの足並みと、遠くからヤジを飛ばすヒッピー少女たちを、ゆっくり映すカット最高。
・構図ではないんですけど、マックイーンが断ったらオレが「大脱走」の主役だったという妄想シーン。
途中変な編集で会話をカットして興味を引きつけ、さらに効果音が鳴る度に、大脱走の映像とリックを合成させて妄想シーンを何度も挟むクドさ、最高。
・リックがプールでプカプカ浮きながら酒を飲み、セリフを暗記しているシーン。
そのままカメラを引いて、隣のポランスキー邸までワンカットで映し、二人が出かける姿を映すの最高。
・事件当日の夕方から夜にかけて、町のネオンサインが点灯するシーン。
色んなネオンサインをひとつずつ見せて、ジジジジジって音まで再現しちゃう辺り最高。
・序盤、プロデューサーのシュワーズと面会するために車でやってくるシーン。
駐車している車の影から割と下の位置で走行しているのを映して、ドアを開けた瞬間吸殻を落とすカット最高。
・クリフがリックを家まで送り、自宅まで自分の車で帰るシーン。
ハリウッドの煌びやかな街並を当時の映画の質感で撮影し、ドライブインシアターの裏にあるトレーラーハウスまでずーっとワンカットで映すとこ最高。
・クリフの愛犬ブランディ。
クリフが餌の入った缶づめを開けて容器に落とすまでの生々しい音や間、鼻を鳴らすのを我慢してお利口にしてるブランディの可愛さまでをしっかり収めたシーン最高。
・スティーブ・マックイーンがシャロンの踊っている姿を見ながら、彼女の元恋人が未だに未練タラタラで、ポランスキーと別れたら隙を狙って再びよりを戻そうとしていることを淡々と語り、実は彼女を狙っていたけど俺は好みのタイプじゃないって理解しているってのを、ニヒルな表情で締めるシーン最高。
・セリフを噛んでしまったことへの後悔と、恥ずかしさから楽屋で荒れるリック。
8杯も酒飲んだのが悪いんだ!
3~4杯にしとけばかった!
いや酒なんか飲むから悪いんだ!
俺はリック・ダルトン様だぞ!
こんなことで失敗なんかしないんだ!
と散々暴れたのち、酒飲んじゃってドアから酒捨てて何やってんだおれは!と鏡に映った自分を鼓舞するシーンを、固定カメラで映すセンス最高。
・劇中の撮影シーン。
リックがセリフを忘れて、いったんカメラを止めようとお願いするけど、監督からそのまま回すことを言われ、途中からやり直すとこ。
明らかに中断する前と後で表情を変えて、こわばった表情を嘘くさくやるリックの顔最高。
あと酒2杯吐くとこ最高。
・ラスト13分、全て最高。
バカみたいにダラダラ好きなシーンとカットと構図を並べてみましたが、きっとまだあるはずだと思って、おかわり行こうと思います。
やっぱり彼は全てカッコよく撮りますよね~。
最後に
いやぁ、ちゃっかりいろんな人出てましたね。
最後のマンソンファミリーの中に、ストレンジャーシングス3で初登場したロビン役のマヤ・ホークね。
「パルプ・フィクション」のユマ・サーマンの娘さんてことで出演させたんでしょうか。
あとは、リックの奥さんフランチェスカを演じたのは、監督と仲のいいイーライ・ロス監督の奥さんでもあるロレンツァ・イッツォ。
パニクったらイタリア語(?)でまくし立てるシーンは笑ったなぁw
あとカート・ラッセル演じたランディの奥さん役が、「デス・プルーフグラインドハウス」に出ていたゾーイ・ベルだったりと、監督縁のキャスティングってのも冴えわたってましたね。
結局ディカプリオとブラピをなぜ起用したのかって、当時TVから映画へ移行しようと模索して失敗した俳優が多数いる中で、一度も落ち目に遭うことなく、長きにわたって一線で活躍している2人だからこそ、この夢物語をやってほしかったのかなぁと、僕なりに思いました。
あとはあれですよ、今俳優でお客さん呼べるのはこの2人くらいなもんですから。
てか、あれですよね、監督はこの映画を作ったことで、現実なんか気にせず映画という夢の世界で夢の続きを見ようぜ!とも言ってるような気もしないでもない。
それでいいし、それでもいいな、オレは。
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆☆☆☆☆★★8/10