ONE PIECE/ STAMPEDE ワンピース・スタンピード
僕は「ストロングワールド」から劇場で鑑賞している身で、原作こそガッツリ読んではいるものの、こと劇場版に関しては、まだまだニワカであります。
毎回思うのは、ワンピの映画って実際の航路の間で起こるお話ってことを描いてるんだけど、毎回敵の肩書が凄くて、原作でもしっかりやって欲しいなぁとか、どこでもいいから原作に繋がるような伏線とかあってもいいのになぁとか、もっと別モノにせずに本筋にガッツリ絡めてくれたら楽しいのにって。
せっかく尾田先生が製作に携わったことで、盛り上がった劇場版なんでね。
なかなかとんでもないこと言ってますけども、前作からおよそ3年ぶりですか。
アニメ放送開始から20周年記念という冠もついてるので、かなり豪華な内容になっている気がします。
ぶっちゃけここ最近の原作の内容がどうもゴチャゴチャし過ぎてるし、長いこと描かれてる錦えもんたちの登場からの物語が、なかなか終わらな過ぎて少々食傷気味というか…。
カイドウとビッグ・マムが出てきたので、いよいよ四皇との対決が近づいてきてるから、色々緻密な物語の展開になってるんでしょうけど、もうちょっとテンポ上げてもいいかなぁと。
そんなモヤモヤした気持ちを吹き飛ばしてくれるような作品になっていることを祈って、早速鑑賞してまいりました!!!!
作品情報
原作コミック、アニメ、その他さまざまなグッズなど絶大な人気を誇る国民的漫画「ONE PIECE」の劇場版第14作。
世界一の祭典「海賊万博」に集結する数多の海賊によるお宝争奪戦を、アニメ開始20周年記念の名にふさわしく豪華キャラクターたちの登場で繰り広げていく。
今作も原作の尾田栄一郎がオリジナルのキャラデザや衣装などの製作に携わり、監修として参加。
公開日前にTVで放映された特別編は今作と連動した内容になっており、後悔に向けて熱を上げる仕掛けも行われた。
オールスター勢揃いと噂の今作。
時代の覇権を巡る熱狂がいよいよ開幕する!!!
劇場版 ONE PIECE STAMPEDE (JUMP j BOOKS)
- 作者: 尾田栄一郎,浜崎達也,東映アニメーション(株)版権営業部,大塚隆史,冨岡淳広
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2019/08/09
- メディア: 新書
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ONE PIECE STAMPEDE OriginalSoundtrack
- アーティスト: 田中公平
- 出版社/メーカー: エイベックス・ピクチャーズ株式会社(Music)
- 発売日: 2019/10/30
- メディア: CD
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劇場版 ONE PIECE STAMPEDE ノベライズ みらい文庫版 (集英社みらい文庫)
- 作者: 尾田栄一郎,志田もちたろう,東映アニメーション(株)版権営業部,冨岡淳広,大塚隆史
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2019/08/09
- メディア: 新書
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あらすじ
海賊の、海賊による、海賊のための世界一の祭典、海賊万博。
「祭り屋」と呼ばれる万博の主催者ブエナ・フェスタ(CV:ユースケ・サンタマリア)からの招待状を手にしたルフィ(CV:田中真弓)ら麦わらの一味。
導かれるまま会場に着くと、華やかなパビリオンが所狭しと並び、世界中から海賊たちが群がる、大きな盛り上がりを見せていた。
そこには勢ぞろいした❝最悪の世代❞キッドやベッジ、ホーキンスやボニー、さらあにはバルトロメオ、キャベンディッシュの姿も!
全員の目的はただ一つ、万博の目玉「海賊王【ロジャー】の遺した宝探し」。
宝を手に入れ名を上げたい海賊たちによるお宝争奪戦の火蓋が切られた!
しかし、海賊たちが熱狂する万博の裏では、別名「最悪の戦争仕掛人」フェスタの凶行が張り巡らされ、海賊たちを一網打尽にしようとスモーカーたちによる海軍の潜入捜査までもが動き始めていた・・・。
時代の覇権を左右するお宝争奪戦が熱を帯びる中、突如、元ロジャー櫂遺族団「❝鬼❞の跡目」と呼ばれた男、ダグラス・バレット(CV:磯部勉)が乱入。
ルフィたちの前に恐るべき脅威となって立ちはだかる!
事態の収束を諮る海軍は大将❝藤虎❞イッショウ、❝黄猿❞ボルサリーノ、さらには王下七武海❝海賊女帝❞ハンコック、❝世界最強の剣士❞ミホークをも召集し、狂乱する海賊と激突!
加速する戦乱にはさらに❝元王下七武海❞クロコダイル、❝革命軍参謀総長❞サボ、❝CP-0❞ロブ・ルッチまでもが其々のの目的のため姿を現した!
お宝争奪戦と海賊万博は予測不能の大混乱へと陥っていく!!(HPより抜粋)
監督
今作を手掛けるのは大塚隆史。
毎度のことですが、アニメーターの方など全然存じ上げないモンキーなので、軽くご紹介を。
東映アニメーションから現在はフリーとなってご活躍されてるそうで、これまでにプリキュアシリーズや、ワンピに関しては「ONE PIECEエピソードオブ東の海~ルフィと4人の仲間の大冒険」を監督したりと、多数製作に携わっています。
今作でどんな映像を見せてくれるのか大いに楽しみですね。
【Amazon.co.jp限定】ONE PIECE エピソード オブ東の海 ~ルフィと4人の仲間の大冒険!!~ *通常版Blu-ray(オリジナルコルクコースター付き)
- 出版社/メーカー: エイベックス・ピクチャーズ
- 発売日: 2017/11/24
- メディア: Blu-ray
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キャラクター紹介
- 麦わらの一味
・モンキー・D・ルフィ(CV:田中真弓)
・ロロノア・ゾロ(CV:中井和哉)
・ナミ(CV:岡林明美)
・ウソップ(CV:山口勝平)
・サンジ(CV:平田弘明)
・トニー・トニー・チョッパー(CV:大谷育江)
・ニコ・ロビン(CV:山口由里子)
・フランク(CV:矢尾一樹)
・ブルック(CV:チョー)
- 劇場版キャラ
・ダグラス・バレット・・・元ロジャー海賊団「鬼の跡目」と呼ばれた男で、「ガシャガシャの実」の能力者で、覇王色の覇気の持ち主でもある。かつては英雄視されるほどの軍人だったが、あることをきっかけにロジャー海賊団の一員に。ロジャー処刑後は謎に包まれている。今回のお宝争奪戦に乱入。
・ブエナ・フェスタ・・・海賊万博の主催者で「祭り屋」と呼ばれる男。別名「最悪の戦争仕掛人」。アフロヘア―にひょうきんな表情が特徴。
・アン(CV:指原莉乃)・・・海賊万博の歌姫。そばかすが特徴の天真爛漫な少女で「ビジョビジョの実」の能力者。万博の司会進行を務める。
・ドナルド・モデラート(CV:山里亮太)・・・海賊万博の司会者。義手義足の怪しげな雰囲気だが、陽気で的確な実況で盛り上げる。(以上ウィキペディアより参考)
他にも最悪の世代や七武海、海軍、革命軍など豪華オールスターが勢ぞろいとのことです。
予告を見る限りでは奇跡の共闘!とありますが、まさか最悪の世代がコンビプレイとか見せちゃうわけ!?ヤバみが凄いぞこれは・・・
ここから鑑賞後の感想です!!!!
感想
ばんぱくばんざい!
ばんぱくばんざい!!
ワンピースのしんぽとちょうわ!!
最大級の祭りに参加しない理由なんてないぜ!!
以下、核心に触れずネタバレします。
キャラムービーの真骨頂。
海賊万博に集った海賊たちが、祭りの仕掛人により窮地に立たされるも、「個の強さ」よりも「仲間があってこその強さ」という、拳で立ち向かうルフィたちの姿を、手書き調の荒々しいタッチとCGを融合した作画によって、迫力だらけの映像をこれまでにないレベルで魅了し、本編では絶対実現しないキャラたちの共闘、アニメ開始から登場したキャラたちが集結し暴れまわる姿、画面の端々に映るレアキャラなどなど、どこを切り取っても祭り!祭り!祭り!としか思えない豪華な面々に、楽しい!以外の言葉が見つからない、「アベンジャーズ/エンドゲーム」と肩を並べるほどの熱狂のフェスムービーでした!!!
俳優ファーストでなくキャラファーストになりがちな近年の大作映画。
「ボヘミアン・ラプソディ」でフレディ・マーキュリーを演じたラミ・マレックは、これで知名度を上げたものの、フレディとして世間に認識されてしまい、その後の出演作「パピヨン」は、ボラプの恩恵を受けることなく平凡な興行収入になってしまった。
このような例を挙げて考えてみると、昨今の娯楽作品は公開するやいなや、SNSなどで俳優が演じたキャラクターを溺愛するがあまり、イラストやオリジナルの1コマを描いた画像が出回ったり、キャラの活躍を応援したさに応援上映に駆けつけるといった旨の発信が目立つ。
そんなキャラ推しは、映画のヒットにも繋がっているように思える。
自分も映画のキャラに感情移入し感動する一人であるが故に、決して否定的な意見はないが、今映画に求められていることのひとつは、明らかに好きなキャラの登場と活躍であることは事実のように思える。
好きなキャラが活躍すれば絶賛されるが、好きなキャラがあまり登場しない活躍しないなどの理由で酷評される。
特に今年は「アベンジャーズ/エンドゲーム」では絶賛評が多い中、推しのキャラがあまり活躍しなかったことで面白くなかった、などという声が出たのも事実だし、「トイストーリー4」ではウッディへの思い入れの強さあまりに、彼が下した決断に賛否が飛び交う事態となった。
キャラの活躍や決断などで評価の良し悪しが左右されてしまう「観たいものしか信じない」視点が、作品の本質を見失ってしまっている一因になっている気がするものの、それはそれで一つの見方であるということは尊重したいし、できる事なら距離を遠ざけて作品全体を楽しんでほしいという気持ちもある。
とはいえ、どんな形であれ映画館に足を運んでもらうために、万人のファンを喜ばせるためには、今の風潮を使わないわけにはいかないわけだし、ファンあっての作品であることは周知の事実。
だから今回のこの「ワンピース/スタンピード」は、「好きなキャラの活躍や登場」をしっかり抑え、さらに「アニメ放送20周年記念」の名にふさわしい、最高のキャラムービーであり、お祭り映画であったわけで、ファンを喜ばせるための最大級のおもてなしを心掛けた、非常に優れた娯楽映画だったように思えます。
ここ4~5年コミックを購入できておらず、色々と過去のエピソードやキャラの存在を忘れている僕でさえ、今作は純粋に楽しい!!!と思えた映画でした。
最悪の世代や海軍、革命軍、七武海、CP0など全ての組織のキャラが登場したかと思えば、懐かしのサブキャラが画面の隅っこにチラッと映っていたり、聞きなれた現象や場所、アイテムなどが飛び交う最高のおもてなし。
圧倒的な強さを誇るバレットを、まじまじと見せつけることで漂う絶望感、その強さに打ちひしがれるも何度も立ち上がるルフィの屈強な精神、ルフィを敵対視する立場や影で応援する仲間たちが、彼に呼応し今回限りの共同戦線を張るという、劇場版でしか見ることのできない最高のシチュエーション。
正に今、僕が見たい私が見たいワンピースの全てが、今作に集約された映画だったように思えます。
また今回立ちはだかる敵は、過去の出来事によって「強さ」の意味を屈折して捉えてしまった男。
ひとりこそが最強と謳う敵に対し守るものがあるからこそ強くなれる、という一見使い古された言葉だが、誰からも愛され誰よりも自由で純粋無垢なこの主人公が放つ啖呵によって心を震わされることは間違いなく、ワンピースが掲げる志やメッセージ性を強く胸に刻むことができる、原作の原点を直球で描いた作品だったように思えます。
あんなキャラやこんなキャラが!!
とまぁ、一丁前に語ってみましたが、ホントね何コレ!?めっちゃ豪華じゃん!最高じゃん!!って思える映画でしたよね。
夢の組み合わせが見れたり、レアキャラがちらっと登場したり。
麦わらの一味はもちろん、キッドやローたち最悪の世代が一堂に揃ってバレットに立ち向かう序盤のバトルなんかアガるに決まってんじゃん!!!
原作だとキッドやロー、ホーキンス辺りは騒動の渦中にいるからよく見かけるけど、ウルージとかアプーとかボニーとか懐かしいなぁってw
ベッジは妻子と合流できてたのねw
ここでは、みんながそれぞれの理由と覚悟で戦ってるから、一人の強さにこだわり強くなってきたバレットに歯が立たないってのも、後の伏線になってるからすごく分かりやすい。
その後もサンジVSスモーカーとか、ゾロVS藤虎、ロビンの前に現れるクロコダイルなんて構図も嬉しいし、
ルフィ大好きバルトロメオに、キャベンディッシュがサニー号フォローする件とか、コメディリリーフとして駆け回るバギーも相変わらずだし、
ルフィの言葉にいちいちホレてしまうハンコックも相変わらず美しく、
ヒナやヘルメッポ、コビーも登場する海軍の幹部たちの懐かしさ、
戦桃丸がくま引き連れてやってくるのも懐かしいし、
藤虎が落とす隕石を細かく切り落とせなかったゾロをフォローするミホークとか、
ミホークについてきたペローナのネガティブホローも久々に見たし、
フォクシー家族段とかワポルとかも出てたし。
てかなんてたって、終盤の共同戦線ね!!!
サポとスモーカー、ハンコック、バギー、ロー、そしてルフィという、海賊と海軍と七武海と革命軍という、それぞれの正義が目の前で暴れている巨大な敵を倒すだけのために、力を一つにして戦うという本編では絶対あり得ないタッグ!!!
ぶっちゃけね、予告の段階では最悪の世代が一つになって戦うとか思ってたわけですよ。
まさかこういうタッグになるとはつゆ知らず。
でもって最後のサボの粋な計らいね!!!
コアラと共に戦況を見つめていたアンの前に現れたサボが、紙に書かれたイラストをイメージしビジョン化して目の前に映すアンの能力「ビジョビジョの実」を使って、最高の演出をしてくれました。
あれはもう誰が見ても、っしゃあっ!!って思えるはず。
もう語ることが多すぎるううううぅっぅぅ!!!
あとあれね、ノックアップストリーム(突き上げる海流)が今回の舞台となるデルタ島にも存在してるって誰が想像しますかw
しかも今回のお宝が本編の結末に直結するのかおい!?と思えてしまうほどビックリ仰天な代物だったし、まさかのバスターコールまで発動されてしまうとんでもない展開。
他にもこれまでに登場したキャラがほんの僅か登場していたのもファンには堪らない演出でしたね。
自分が確認できたのは、最初の万博会場を空撮した時に海ネコがいたのと、屋台をやってた「はっちゃん」。
はっちゃんは最後にケイミーとパッパグと一緒に映ってましたね。
あとはあれだ、パッフィングトム号もちらっと映ってて、そこにモズとキウイが乗ってましたよね。
それと名前が出てこないんだけど、ナミが水着コンテストで優勝した時に隣にいた紫のショートボブの女性キャラ、あれ誰だ?
一応登場キャラ一覧が特典でもらった壱萬八九巻に書いてあるんだけど、ぶっちゃけどれが誰だか思い出せないし、どこにいたのかもわからずじまい・・・
マツゲとかサウスバードとかどこにいたよ?
パンダマンはそこら中にいたなぁw
さすがにビビとかのアラバスタ編に登場したキャラはほとんど出てなかったですね。
海賊以外があそこにいるのは確かに変だとは思うものの、中継を見てるとか写真が貼られてたりとか何かしらの形で登場してほしかったですけどね・・・。
作画について。
普段こんなことに触れないんですが、今回やけに目立ったので軽く。
今作ってやけにキャラの外枠というか、顔や体の線が太く描かれてましたよね。
あれ凄く気になって。
骨格の部分を太い線で描いてるからほどよく影が落とせていて、輪郭だったりボディラインが凄く前に出ているように見えた半面、やけに荒く描かれてるようにも見えたわけですが、一見雑にも感じてしまったんですけど、あれってTVアニメでも今ああいう作画タッチになってるんですかね?
でもあれのおかげでラストのルフィVSバレットのキングキングコング銃とバレットのアルティメット何ちゃら(技の名前忘れたw)からのとどめの辺りなんかめちゃんこ迫力あってよかったんですけどね。
バレットは一応3段階に分けて変形するんですね。
で、最後の大型バレットは周囲の全てを飲み込んで、とてつもなく大きな姿に変えるんですけど、土埃とか紫の煙とかをガンガンCGで描いていて、太い線で描かれていたキャラと対比するかのように区分けされてましたね。
ちなみにこの大型バレットの姿が、もうエヴァの使徒みたいだったし、サマーウォーズの最後のバケモノみたいだし、少々既視感はあったものの、これまでのワンピースの登場キャラとは一線を画した恐ろしさを秘めていて、こんなクソデカい敵をどうやって倒すんだよ!って絶望感ハンパなかったですね。
バトルもしっかり目で追える映像になってたので悪くないですね。
DBブロリーの時のような作画崩壊になってなくてよかったですw
でも海軍とか観客とか後ろに小さく映ってる人たちはどこか雑にも思えましたが・・・。
最後に
ゲストの声優について、ユースケと山ちゃんは上手い下手は置いといて、キャラ的にはハマっていたように思えたけど、さっし―の声は何をやっても合わねえなぁ…。
てかあの声嫌いやねん…。
歌姫って設定なのに、なぜ歌わないのかって歌唱力が乏しい指原だからなんだよなぁと。
GOLDの時はちゃんと満島ひかりは歌ってたんですけどね~。
とりあえずですね、ウソップというキャラが今回改めて大好きになりましたね。
あれだけ調子いいこと言ってる奴だけど、本気の時は命投げ出してでも立ち向かうんですよ。
狙撃手は船長を援護すること、なんて戦闘逃げてたのにさ、お前最高の狙撃手だよ。
あの言葉、活きたなぁ。
とにかく最高のお祭り映画だったのは間違いなく、最大の敵にボコボコやられながらも何度も立ち上がるルフィの姿に胸が熱くなる、劇場版の中では最高の出来だったと思います。
こんなワンピースが見たかった!という声がやまないことでしょう。
というわけで以上!あざっした!!
満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10