ONE PIECE FILM RED/ワンピース フィルム レッド
僕が唯一追いかけてる漫画。
あと10年くらい続いてほしいし、むしろ終わってほしくない気持ちもあるんですが、一体どんなラストスパートをかけるのか楽しみで仕方ありません。
今回観賞する映画は、そんな国民的コミック「ONE PIECE」の劇場版第15作目。
単行本も100巻、アニメも1000話、連載25周年などなどとにかくアニバーサリーイヤーに相応しい最高の盛り上がりを見せてほしいですね。
あれだよ、ドラゴンボールと一緒でもんのすげ~ドッカンバトルを見せてくれりゃあ大満足ですw
でも「シャンクス」をここで引っ張り出してくるあたりが尾田先生うますぎでしょうとw
どこか原作に関わってくるんじゃないかと妙な期待をしておりますw
今回完成披露試写会にて観賞してまいりました!!
作品情報
1997年より「週刊少年ジャンプ」にて連載中の大人気コミック「ONE PIECE」。
コミックスの全世界累計発行部数は5億冊に迫る勢いで、巻数も「100巻」の大台を突破。
TVアニメも「1000話」を超える長寿作品となり、アメリカでドラマの実写化が始動、さらに連載開始25周年を迎えるなど、全てが記録尽くしな日本が誇る作品となった。
そんなワンピースの劇場版第15作は、原作者・尾田栄一郎が再び総合プロデューサーとして製作指揮。
記念すべき年に相応しい力作として映画館を「赤色」に染める。
長きに渡って四皇の一人として君臨するシャンクスの娘「ウタ」を中心に、麦わらの一味や他の海賊たち、海軍や世界政府を巻き込んだ壮絶な争いを描く。
「コード・ギアス」シリーズで知られる谷口悟朗を監督に、そして「ONE PIECE FILM GOLD」の黒岩勉を脚本に迎えた本作は、前作「STAMPEDE」と同様に、原作のキャラクターたちが総集結する「お祭り感」がありながら、歌で世界を変えたいと願う少女と、海賊王になるために邁進するルフィの二人が、来るべき「新時代」への想いをぶつける作品となっている。
また主題歌を中田ヤスタカ作曲、劇中歌を秦基博はじめ豪華アーティストが楽曲提供し、Adoが歌唱を担当。
ウタの歌唱パート役も担う彼女が、圧倒的な歌唱力と表現力でワンピースの世界を「ウタ色」に染めていきます。
原作もいよいよ「最終章」へと突入するなど、クライマックスに向けてギアを上げてきた「ONE PIECE」の劇場版。
タイトル「RED」は”赤髪”のシャンクス以外に何の意味を持つのか。
あらすじ
素性を隠したまま発信される歌姫ウタの歌声は「別次元」と評され、世界中を熱狂させていた。
そんなウタが初めて公の前に姿を現すライブが、ある島で行われようとしていた。
彼女の歌声を楽しみに会場に訪れた世界中のファンのなかには、ルフィ率いる麦わらの一味や、海賊だけでなく海軍の姿もあった。
だが、ライブが始まろうとしたその時、ウタが赤髪のシャンクスの娘であることが明らかになる。(Movie Walkerより抜粋)
監督
本作を手がけるのは、谷口悟朗。
アニメーションには非常に疎いのでたいした情報はないんですが、「コードギアス」の監督として有名な方。
またONE PIECEを初のアニメ「ONE PIECE 倒せ!海賊ギャンザック」を手掛けた方だそうです。
そんな24年ぶりに「ONE PIECE」の監督を務めた谷口さんは、今回「ガヤ」でアフレコに挑戦したそう。
恥を捨てて挑んだそうですが、ご本人曰く「及第点」とのこと。
まぁ本業じゃないですもんねw
また長く続く本アニメで出来上がった「お約束」を監督という立場から壊していこうと試みたそう。
壊していけない部分は残し、変えられるところは変えていこうというスタンスで作り上げたそうです。
どんなONE PIECEになったのでしょうか。
『ONE PIECE FILM RED』谷口悟朗監督が語るガヤの重要性「アニメーションは情報の整理」 原点は『男はつらいよ』(オリコン) - Yahoo!ニュース
オリジナルキャラクター紹介
- ウタ(CV:名塚佳織/SV:Ado)・・・本作のキーパーソンである世界の歌姫。シャンクスの娘。赤色と薄いピンク色のツートンカラーの髪が特徴的で、ヘッドフォンらしきものを耳に装着しており、羽が付いた衣装を着ている。その歌声は「別次元」と評され、世界中が熱狂している。
- ゴードン(CV:津田健次郎)・・・頭に大きな傷を持つ大柄な男。シャンクスとウタのことを知っていると思しき人物。
- サニーくん・・・麦わらの一味の海賊船「サウザンドサニー号」が何らかの理由で変貌した姿。子供のライオンがぬいぐるみ化したような愛らしい外見で、言葉を話すこともできる。
- ロミィ(CV:新津ちせ)・・・ウタにあこがれる少女。
- ヨルエカ(CV:梶裕貴)・・・羊飼いの少年。
- エボシ(CV:山田裕貴)・・・クラゲ海賊団団長。
- ハナガサ(CV:粗品)・・・クラゲ海賊団団員。
- カギノテ(CV:せいや)・・・クラゲ海賊団団員。
(ウィキペディアより抜粋)
原作には直結しないアナザーストーリーとはいえ、シャンクスが登場するというだけで感じる「胸騒ぎ」。
まさか、まだアニメでは見せていない「ルフィのあの姿」が見れたりして???
ここから観賞後の感想です!!
感想
#ONEPIECEFILMRED 完成披露試写にて。
— モンキー🐵@「モンキー的映画のススメ」の人 (@monkey1119) 2022年7月22日
Ado無双。とにかく内容もテーマも分厚い。
「新時代」の如く色々ぶっ壊した映画でもあるかな。
マジ腹いっぱい。#OP_FILMRED#心に響くFILMRED pic.twitter.com/3MG4F4AIjf
ウタで世界を幸せにする。
今の僕らにも共通するテーマと問題が根底にあったように思う。
さらにライブに圧倒、バトルに圧倒、そしてルフィとシャンクスに圧倒!!
以下、ネタバレします。
ざっくりあらすじ
海賊王ロジャーの掛け声とともに幕が開けた大海賊時代。
王の称号を得るべく海を出た者たち、それを取り締まる海軍や世界政府。
海をまたいで数々の争いを繰り広げる中で、ただ街や島を荒らす者も横行。
そんな彼らに日常を奪われ貧困にあえぐ者たちは数多く、未来も希望も失われていた。
そんな世界を変えるために、音楽の島・エレジアを会場に、とある少女・ウタがライブを行う。
配信用の電電虫を使うことで、会場に足を運べない人たちもライブを観賞することができる大掛かりなライブに、ルフィ達麦わらの一味たちも足を運んでいた。
ウソップもチョッパーもサンジらも彼女のファンであり、今回のライブに足を運べたことに大喜び。
そんな中ひとり肉を焼きながら頬張るルフィは、会場のセンターに立つ少女を見るや否や会場に飛び降り、少女に声をかける。
「ウタ!ウタじゃねえか!」
「え?ルフィ!?」
2人は共に子供時代に仲良く遊んだ幼馴染だった。
しかもルフィ曰くウタはシャンクスの娘であることが明かされる。
一瞬顔を曇らせたウタだったが、ライブを楽しんでほしいとルフィを歓迎。
しかし、それを聞いたクラゲ海賊団の面々やビッグ・マムの部下であるシャーロット・オーブンとシャーロット・ブリュレがウタを拉致してシャンクスを出し抜こうと画策。
舞台に上がり込んでしまう。
拳を交えた戦いを始める海賊たちだったが、ウタは彼らを悪魔の実の能力で抑えつけ、壁に張られた五線譜に貼りつけてしまう。
歌で世界を変えたいと願うウタは、暴力や力で変えようとする海賊では世界を変えることはできない、「新時代は歌で未来を変える」ことを観客たちに強く訴える。
一方海軍は、エレゾアで行われているウタのライブを危険視しており、元帥の赤犬や大将・黄猿、藤虎らを送り込んでいた。
会場にはコビーやヘルメッポらもおり、何やら不穏が漂う状態だった。
一旦パフォーマンスを終えたウタは、再びルフィらと再会。
久しぶりに勝負をしようと持ち掛けるウタに対し、望むところだと乗るルフィ。
チキンをどちらが早く食べ、後ろに待ち構える牛に吹っ飛ばされないかを競う「チキンレース」を行うが、ウタの不正にまんまとハマリ負けてしまうルフィ。
卑怯だぞ!へへへ~負け惜しみw
当時からの仲の良さが窺える2人を見た一味たちは、彼らがどうして出会ったのか経緯を聞くことに。
出会いは遡ること12年前。
ルフィの故郷フーシャ村にシャンクスら赤髪海賊団が停泊していた頃、ルフィはウタと出会う。
赤髪海賊団の音楽家と自称するウタは、ルフィにたくさんの自慢話をしたり、何度も勝負をしながら、どちらが海賊に相応しいかを競っていた。
その頃から彼女の歌は抜群な才能を持っており、村のみんなもシャンクスたちも彼女の歌に惚れていたのだ。
しかしある日を境にウタはいなくなっていた。
ウタを探すルフィに対し、何も口にしない海賊たち。
シャンクスは心配しているルフィに「ウタは音楽の道に進むために船を下りた」と告げる。
それから現在に至り、夢を叶えたウタに「よかったな」と励ますルフィ。
しかしウタは海賊を続けているルフィに「海賊をやめなよ」と告げる。
ここで私の歌を聞きながら、美味しいものを食べたりずっと笑って過ごせるんだから、それでいいじゃない。
それが幸せじゃない、と。
するとルフィは「俺は海賊王になるからそれは無理だ」と突っぱねる。
するとウタの表情が一変。
悪魔の実「ウタウタの実」の能力を使って、ルフィらを捕らえようと動き出す。
船長に危害を加えることに一味らも動き出し、伏兵を一網打尽にしていく。
しかし攻撃もウタの能力によって作られた伏兵には歯が立たず、五線譜の磔になってしまう。
ルフィにも危機が訪れるが、そこへバルトロメオが登場。
バリバリの実でルフィの前にバリアを張り、見事守備に成功する。
そこに「ROOM」の呼び声と共に、ルフィらと木が入れ替わる。
なんと会場にはトラファルガー・ローも来ていたのだった。
(ウタファンのベポの付き添いで)
ピンチを仲間たちによって切り抜けたルフィは、ローと共に逃亡を図るが、ウタと彼女を親衛するファンらに追いかけられてしまう。
そこへゴードンと名乗る男が現れ、ルフィらを匿うことに。
ゴードンは、ウタに何があったのかを話し始めるのだった。
音楽の島エレゾアで二人きりで住んでいたというウタは、時折悲しい表情を浮かべながらも、ゴードンの前では気丈に振る舞っていた。
彼女の才能に惚れこみ、何とかして彼女の歌を世界に広めたいと願ったゴードンだったが、2年前に浜辺に漂着した電電虫を拾い、世界の惨状を目の当たりにしてからウタの中で何かが変化し始めていた。
海賊によって貧困にあえぐ人たちが大勢いることに深く悲しんだウタは、自分の歌で世界を幸せにしたいと願う気持ちが強くなり、このような事態に陥ってしまったのだった。
一方コビーはヘルメッポと別れ、ウタを詮索することに。
ファンの列に混じって歩いていると、前方にCP9のメンバーであるブルーノが並んでいた。
海軍と諜報機関が手を組むことなど普段ならあり得ないが、同じ目的で潜入していることから、二人は手を組み、このライブを止めるために動き出す。
なぜウタはシャンクスと離れ離れになったのか。
海軍や世界政府が彼女を危険視する理由とは何か。
そして全く歯が立たないウタの能力を前に、ルフィ達はこのピンチをどう脱するのか。
全ては、シャンクスとの別離から始まったのだった…。
…というのが序盤までのあらすじです。
ウタで世界を変えたい。
劇場版第15作は、ウタというポップアイコンによってVtuber並みのライブをミュージカルテイストで圧倒させながら、拳でなく歌で平和をもたらそうとするささやかな願いがやがて狂気に変わり、歪んだ正義として麦わらの一味に襲いかかるという設定から、前作同様懐かしのキャラたちが総出演というサービス精神、さらにはCGアニメーションを駆使しての大盛り上がりなクライマックスと、これまでのONE PIECEを壊して新しい試みをしつつも、誰でも楽しめる娯楽大作でございました。
音楽を志す人がたどり着く境地って、やっぱり自分の歌が世界の誰かを救えることが出来たらいいっていう願いだと思うんですね。
リスナーは昔こそCDを買ったりラジオを聞いたりTVでのパフォーマンスを見て音楽を親しんできたけど、今はYouTubeだったりサブスクで昔よりももっと身近なモノになってきたと思うんです。
音楽の歴史はそうした流通のや発信の変化と共に多様化もしてきていて、今回ウタの歌唱を担当したAdoさんのような「素性はわからないけど圧倒する歌声の持ち主」も今や当たり前の時代になってきたんですよね。
今回の映画は、そんな今の音楽シーンを代表する彼女が、ウタを通じて様々な楽曲を披露するような映画だったんですよね。
実際色んなアーティストが楽曲提供をしており、それを劇中で全部披露するんですよ。
それもウタとして。
僕はボーカロイドとか全くわかってないんですけど、要するにウタという架空のキャラクターのコンサートを見てるかのような構造になってるんですよ。
それも結構な尺を使って。
主題歌にもなってる「新時代」とか「わたしは最強」とか、フル尺で歌ってるのもあれば、Aメロだけとかいろんなパターンでウタが楽曲を披露するんです。
恐らくですが、監督が壊したかったのはこういう序盤でありがちば通例のような流れを壊したかったのかなと。
推しを少しでも長く見ていたいっていう見方をする人が増えている中で、ONE PIECEという国民的アニメでこういう試みをしたのは、かなりの大冒険だったように思えます。
僕は、僕はですよ、正直言うともっと削ってもよかった。
でもウタの歌唱パフォーマンスはすごかった。
もしかしたら序盤で「これはワンピじゃない」っていう人もいるかもしれないけど、ラストには満足して帰れる作品になってるはずなので、受け入れられないかもしれないけどグッと堪えて彼女の歌を聞いてほしいなと。
これだけ尺を使ってまで描いたということは、それだけウタが「歌で世界を変えたい」想いが強いってことだと思うので。
そんなウタが掲げる「世界を変えたい」という思い。
自分の歌によって現実を忘れられる、心が豊かになる。
エンタメの役割ってのは正にそういう思いにさせたうえで、現実を豊かにする効果があるし、安らぎを与える役割を担ってるわけです。
でもウタの場合、それを永遠に見せれば皆が一生幸せになれると誤解してるんですよね。
確かに理想だと思うんですよ。
辛いことばかりが続く現実よりも、ずっと楽しい瞬間を目の当たりにしながら巧い飯を食ってひたすら笑ってられるって。
でも、そうした瞬間を味わうから嫌なことも乗り越えられるのが、現実世界の良い所でもあるわけで。
洋画でも仮想現実も素晴らしい空間だけど結局は「仮想」なわけで、現実で得ることの方がよっぽど有意義な瞬間なんですよってテーマ性を描いた作品が最近は多いですよね。
劇中でもウタのからくりがバレてくると、皆が「そこまで頼んでない」とか「おうちに帰ってやらなくちゃいけないことをしなきゃ」という声が出てくるわけですよ。
ただずっとぬるま湯につかるだけの人生が、本当に素晴らしい人生なのかと。
ただウタも決して悪い人間でなくて、自分の能力によって多くの犠牲を生んでしまった過去があるから、より一層自分の力で変えたいって思いが強くなっちゃって。
なんていうのかな、海軍が保守派だったら、海賊はリベラルなんですよね。
でもってウタが掲げるのは新自由主義といいますか(正しい使い方ではないけど)。
なんにせよ、「新時代」と謳ったキャラの登場によって、作風もテーマ性もより新時代を意識した内容になっていたのではないでしょうか。
最後に
しかしまぁ~シャンクスのバトルっぷりは見事でしたね~!
黄猿とのバトルや、とんでもねえ威力の覇気、そしてルフィとの共闘ですよ!!
しかもルフィ!あなたもしかしてその姿!!
クライマックスのバトルはとにかくすごいです。
ウソップとヤソップ親子の連携プレーも泣けるし、コビーの指揮もアガるし、トットムジカなる魔王をそうやって倒しますか!なんて熱いんですか!!と。
またこのシーンでは、Adoの「新時代」の曲調に「ウィーアー!」のメロディが重なっるというマッシュアップなBGMで盛り上げてくれるんですよね。
ここむっちゃアガった!!
他にも、麦わらの一味みんなそれぞれ見せ場があるので、監督も守るところは守ったのねって思ったりw
すごくどうでもいいんですけど、ゴードンの元ネタは内田裕也ですかね…?
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10