リメンバー・ミー
アカデミー賞長編アニメーション映画賞と歌曲賞を受賞した作品です。
メキシコで毎年盛大な祝祭が行われる「死者の日」をテーマにした作品だそうなんですが、これは日本で言うお盆みたいなものなのか?
アニメーション映画に関しては超がつくミーハーなので、やはりピクサーとディズニーは見ておきたいんですよね。
なんだかんだで「ディズニー+」にも入ったしw
特別好きってわけではないんですけど、まぁ映画ファンならマストなのかなと。
というわけで観賞いたしました!!
作品情報
「トイ・ストーリー」、「モンスターズ・インク」のディズニー/ピクサースタジオが贈る最新アニメーション映画は、みんなガイコツのメイクをしたり、音楽で盛大に賑やかに死者に思いを馳せる祝祭「死者の日」を舞台にした作品。
私達の何世代も前からつながっている家族の絆を、時を越えて美しい歌で繋いでいく感動のファンタジーアドベンチャーです。
ピクサーの魅力をたっぷり詰まめた、新たな映画の誕生です。
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あらすじ
主人公は、ミュージシャンを夢見る、ギターの天才少年ミゲル(声:アンソニー・ゴンザレス/石橋陽彩)。
しかし、厳格な《家族の掟》によって、ギターを弾くどころか音楽を聴くことすら禁じられていた…。
ある日、ミゲルは古い家族写真をきっかけに、自分のひいひいおじいちゃんが伝説のミュージシャン、デラクルス(声:ベンジャミン・ブラット/橋本さとし)ではないかと推測。
彼のお墓に忍び込み美しいギターを手にした、その瞬間──先祖たちが暮らす“死者の国”に迷い込んでしまった!
そこは、夢のように美しく、ガイコツたちが楽しく暮らすテーマパークのような世界。
しかし、日の出までに元の世界に帰らないと、ミゲルの体は消え、永遠に家族と会えなくなってしまう…。
唯一の頼りは、家族に会いたいと願う、陽気だけど孤独なガイコツのヘクター(声:ガエル・ガルシア・ベルナル/藤木直人)。
だが、彼にも「生きている家族に忘れられると、死者の国からも存在が消える」という運命が待ち受けていた…。
絶体絶命のふたりと家族をつなぐ唯一の鍵は、ミゲルが大好きな曲、“リメンバー・ミー”。不思議な力を秘めたこの曲が、時を超えていま奇跡を巻き起こす!(HPより抜粋)
監督
今作を手がけたのはリー・アンクリッチ。
ピクサーといったらジョン・ラセターくらいしか出てこないほどアニメーターに関しては無知なモンキーでございます。
ですので、この方も全く存じ上げません。
ただ肩書きを見れば、あんな作品やこんな作品と「超」がつく名作に携わってるお方だったんですね~。
ずっとピクサー畑で編集や声の出演まで果たす裏方ぶりを見せ、共同監督という形ではじめて手がけたのが、博物館へ売られてしまう親友を助けるオモチャたちの奮闘を描いた大人気シリーズの続編「トイ・ストーリー2」。
夜な夜な子供を脅かすも、コドモが苦手なモンスターたちが自分達の世界に来てしまった女の子と大騒動を巻き起こす愛と友情の物語「モンスターズ・インク」や、人間の世界にさらわれた我が子を懸命に探す父親の大冒険を描いた「ファインディング・ニモ」でも共同監督として参加。
そして、主人の元を離れたオモチャたちに再びピンチが訪れ、やがて心温まる感動ストーリーへと昇華していく「トイ・ストーリー3」で、ついに念願の単独監督作品を手掛けます。
しかも自ら参加した作品の続編を手がけることになり、絶大な評価を獲得しています。
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キャラクター紹介
左上より。
- ミゲル(声:アンソニー・ゴンザレス/石橋陽彩)
ミュージシャンを夢見る、ギターの天才少年。
心優しく素直だが、夢には一途。代々にわたって音楽を禁じられたまま育つが、音楽に対する情熱を持ち続けている。先祖の魂を迎えるお祭り“死者の日”の夜に、先祖たちが暮らす<死者の国>へ迷い込んでしまい、元の世界へ戻るため、そしてミュージシャンになる夢を叶えるため、ガイコツのヘクターを相棒に、奇想天外な冒険に出ることに。(HPより)
- ヘクター(声:ガエル・ガルシア・ベルナル/藤木直人)
ミゲルの冒険の相棒。陽気だけど孤独なガイコツ。
離れてしまった家族にもう一度会いたいと願っている。<死者の国>に暮らし、人情味があって気さくな男。だが、彼には、家族に忘れられると<死者の国>からも永遠に消えてしまう運命が待ち受けていた。<死者の国>に迷い込んできたミゲルと出会い、ミゲルに“ある願い”を託そうと考える。(HPより)
- エルネスト・デラクルス(声:ベンジャミン・ブラット/橋本さとし)
ミゲルが暮らす町が生んだ、伝説のミュージシャン。
ミゲルにとっての憧れの存在で、ミゲルが大好きな曲「リメンバー・ミー」が代表曲。彼の偉業とその早すぎる悲劇的な死によって、町は彼をリスペクトする大勢のミュージシャンが各地から集い町に音楽があふれている。<死者の国>の住人になった今もなおカリスマ・ミュージシャンとして華麗な“人生”を生きている。(HPより)
- イメルダ(ひいひいおばあちゃん)(声:アラナ・ユーバック/松雪泰子)
家族代々のリーダー的存在の強くて勇敢な女性。
その昔、彼女に起こったある悲しい出来事をきっかけに家族に音楽を禁じた、ミゲルのひいひいおばあちゃん。一人娘の幼いココを育てていくために靴作りを始めた。子孫たちは、今なお彼女の物語を畏敬の念をもって語り継ぎ、靴作りとともに<音楽禁止>の掟を受け継いでいる。<死者の国>に迷い込んできたミゲルの身を案じて行方を追う。(HPより)
- ダンテ(声:フランク・ウェルカー)
ミゲルといつも一緒にいる、元気なノラ犬。
ミゲルのことが大好きで、ミゲルが奏でるギターの大ファン。<死者の国>にもついて行き、ミゲルの冒険において信じられない底力を発揮! 犬種は、メキシコ原産のメキシカン・ヘアレスドッグ(通称ショロ犬)。(HPより)
- エレナ(おばあちゃん)(声:レニー・ヴィクター)
大家族をまとめ、いまや実権を握っているミゲルのおばあちゃん。
孫のミゲルを溺愛している。大切な家族を守るためなら何でもする気性の激しさと深い愛情を持ち合わせる。先祖を悲しませた音楽を憎み、<音楽禁止>という家族の掟を次の世代に伝え、厳守させることに使命を燃やす。(HPより)
- ココ(ひいおばあちゃん)(声:アナ・オフェリア・ムルギア/大方斐紗子)
100歳近い高齢で、ほとんど言葉を発することもなくなり記憶も失いかけているけれど、家族の皆から愛され敬われ、家族の強い絆の中で穏やかに暮らしている。
ミゲルも、彼女のことが大好きで、たとえ反応が何もなくとも、日々の色々なことを楽しく話しかけている。(HPより)
なぜミゲルの家は断固として音楽を禁止しているのか、そして死者の国に行ってしまったミゲルは無事帰ることができるのか。
ラストはどんな感動が待ち受けているのでしょうか!
ここから観賞後の感想です!!!
感想
やっぱりピクサーアニメは楽しいよね!
グラフィックもキレイ!
発想もおもしろい!
でもね、おいらこの映画好きになれなかった・・・。
以下、核心に触れずネタバレします。
死者の国で大冒険・・・?
僕はミゲル!
「消臭力♪~みんな大好き~トイレとお部屋に~消臭力~♪」
あ~西川さん元気かなぁ~・・・。
うんうんうん、そっちのミゲルじゃないってツッコミ、ありがとう!
ぼくはメキシコに住んでて、家族全員靴を作って生活してるんだ。
なんで家族で靴を作ってるかっていうとね、ぼくのひいひいおばあちゃんの代からずっと続いてるからなんだ。
なんでひいひいおばあちゃんが靴を作り始めたかっていうとね、ひいひいおじいちゃんが音楽で成功したくて家を出て行ってしまったからなんだ・・・。
だからひいひいおばあちゃんは、女手ひとつで娘を育てるために一生懸命働いて、それがぼくの代まで受け継がれてるの。
で、もうひとつ受け継がれてるものがあって。
じつはウチの家族は音楽禁止!
歌を歌うのも歌を聴くのも、鼻唄だって禁止!
音楽は家族を引き裂く呪いだからダメなんだって!
だからぼく今困ってるんだ・・・どうしてかって?
だってぼくミュージシャンになりたくて!!!
みんな知ってる?メキシコの大スターエルネスト・デ・ラ・クルス!!
彼最高だよね!
歌もいい歌ばかりだし、映画にも出てるメキシコが生んだ大スターなんだ!
え?メキシコっていったら今、ギレルモ・デル・トロだって?
誰だいそれ?
ぼくね、彼が歌う「リメンバー・ミー」って曲を聴いてから、音楽に夢中で夢中でむちゅムーチョで!!
それからは家族に隠れて天井裏の部屋にデ・ラ・クルスのポスターとか、彼のレコードとか映画とか見ながら、こっそりギターを練習してるんだぁ。
そして今日はメキシコにとってすごく特別な日なんだ!
「死者の日」っていってね、どこのうちも亡くなったご先祖様達の写真を飾ったり、好きな食べ物とかお供えしたりして、家族みんなで一緒に過ごす日なんだ!
だから外ではね、みんなガイコツのお化粧したりして音楽を聴きながら楽しむんだけど、ウチはダメ・・・。
でね!でね!
ぼくどうしても行きたいところがあって、町の広場で死者の日にやる音楽のコンテストにどうしても出て優勝したいんだ!
そしたらぼくの才能を家族も認めてくれるに違いないし、憧れのミュージシャンになれる!
デ・ラ・クルスだって言ってる、チャンスをつかめ!って!
でね、これ誰にも言わないでね?
内緒だよ?
こんなこと言ったらみんなにバカにされそうなんだけど、もしかしたらぼくデ・ラ・クルスの子孫かもしれないんだ!
祭壇に飾ってある、ひいひいおばあちゃんと、ひいおばあちゃんのママ・ココとひいひいおじいちゃんが写ってる写真があるんだけど、ひいひいおじいちゃんの顔は破られちゃっててどんな顔だかぼくわからないんだ。
で、ぼくコンテストに出る!って家族の前で言ったらおばあちゃんにすごく怒られて・・・逃げ回ってるときにちょっと走り回ったら、祭壇に飾ってあった写真たてが落ちて割れちゃって・・・。
そしたらね!
ひいひいおじいちゃんが写ってる左側を折ってあったんだ!
でね!ひいひいおじいちゃんデ・ラ・クルスが使ってるギターと同じものを持って写真を撮ってたんだよ!
これって!これって!
やっぱりそうだよね!
ぼくのひいひいおじいちゃん、エルネスト・デ・ラクルスだよね!!!
ぼくやっぱりミュージシャンの血を引いてるからこんなにも音楽が好きなんだ!
だからコンテストに行って絶対優勝するぞ!
でもおばあちゃんがカンカン!!
ぼくのギターを木っ端微塵にしちゃったんだ・・・。
普通そこまでする!?
いくらおばあちゃんでもひどいと思わない?
ぼく悔しくて悲しくて家を飛び出してコンテスト会場に向かったんだ。
ギターをもってくることが参加条件だから、広場で待機してるマリアッチたちに「お願い!貸して!!」って頼んでもダメで・・・。
やっぱりギターってその人にとって体の一部みたいなところあるし、手になじんだものじゃないとやっぱり弾きにくいよね。
どうしよう・・・と思いながらお墓の前に行ったら、デ・ラ・クルスのお墓の所にギターが飾ってあって。
ホントは中に入っちゃいけないし、ギターを触ってもいけないんだけど、ぼくどうしてもコンテストに出たいから、中に忍び込んだの!
で、デ・ラ・クルスのギターを鳴らした瞬間、お墓の周りにいた人がギターがないことに気づいて騒ぎだしちゃって・・・。
あぁどうしよう!
とりあえず警備員さんに必死に謝ろう!
そしたら警備員さん、ぼくの姿がまるで見えてないんだ・・・。
え?ぼくここにいるよ!?(ベイビーボーイ・・・)
ウソ!!どうしよう!!
なんで!?
え?えええっ~~~っ!!
あわてて外に出たらママとパパがいたから、お~いっ!!って向かっていっても体をすり抜けちゃうし気づいてもくれない・・・。
で、つまづいて穴に落ちたら、ガイコツのお化けが目の前にあらわれて、うわあぁぁあぁっ~~っっ!!!!って。
でもよく見たら、死んじゃったぼくの叔父さんや叔母さんたちだったんだ!
死者の日だから、どこの家族のご先祖様もみんな、マリーゴールドで敷き詰められたおっきな橋を渡って、家に行く途中だったみたい。
叔父さんや叔母さんもびっくりしてたよ、ぼくまだ死んでないのに何で見えるの?って。
どうやらぼく半分死んで半分生きてるような状態みたい。
とりあえず元の体に戻るために死者の世界ってところに行くことになったんだ。
どうもぼくがこういう状態になったのと、ひいひいおばあちゃんがこっちに来れないってのがなんか間係あるみたい。
「死者の世界」についたら、ひいひいおばあちゃんがすごく怒ってたんだ。
何でもぼくのいる生者の世界に写真が飾られてないと、死者の日に向こうの世界にいけないらしくて。
あ!そういえばぼく、ひいひいおばあちゃんの写真割っちゃったんだった・・・。
とりあえず、どうしたらぼくが元の世界に帰ることができるか専門の人にお願いして聞いてみたら、家族の許しが必要なんだって。
ちょうどみんな揃ってるから、マリーゴールドを持ちながらぼくに向かって「許します」って言ってもらうようにしたんだ。
で、ひいひいおばあちゃんにお願いしたら、「音楽をやらなければ許します」って。
それでなんとか元の世界に戻れたんだけど、ギターを鳴らした瞬間また戻っちゃって・・・。
なんでそんなにみんなしてぼくの夢の邪魔をするの!!!
なんでそんなにみんなしてぼくの夢を応援してくれないの!!!
なんでそんなにみんなしてぼくの夢に耳を傾けてくれないの!!!
確かに家族は大事だし、ひいひいおばあちゃんはすごくつらかったんだろうけど、それってぼくに関係あることなの??
こうなったら、デ・ラ・クルスに直接会って音楽を許してもらうんだ!
だってあの人はぼくのひいひいおじいちゃんなんだから!!
こうして死の世界でデ・ラ・クルスを探し、音楽をやることを許してもらい、元の世界へ戻るための冒険がはじまるのでした。
果たしてミゲルは無事にもとの世界へ帰れるのでしょうか。
本当意味の「死」。
メキシコを舞台にラテン音楽にのせて死者を奉る日。
実際に死者の世界の人たちによって、いかに家族があっての自分なのか、脈々と続いている禁止事項がどういう意味をもたらすのか、そこから見えてくる家族への思いを、ディズニーならではの煌びやかな世界と大人も子供もにやけてしまう発想やユーモアで描いたお話。
死んでしまうということは、生きている人からすればもう会えないわけですが、死んだものからすれば、生きている人が自分のことを忘れなければ下界であっても生きていけるという設定が非常におもしろいです。
この設定を「死者の日」という家族と共に思い出話に花を咲かせながら盛大に祝う日にすることで、「死者=悲しいこと」にせず、「死者=故人を想う」というように変換したのはすごく意義のあることだと思います。
どっかの映画でも死を描く場合、死んだとしても、想い続けていれば人は生きつづける、みたいなセリフをよく耳にしますが、ホントそうだと思うんですよ。
死んでしまった者が忘れられたとき、劇中でのヘクターのように本当の意味での「死」を迎えてしまう。
ほんとにその人が大事ならば、せめて1年に一度でいいから、国全体で盛大に彼らのことを思い出してあげようじゃないかと。
もうね、ファンだからどうしても思い出してしまうんですが、Mr.Childrenの「花の匂い」とか「旅立ちの唄」とか桜井さんのお父さんが亡くなったときに書いたであろう、生きている者から死んでしまった者へ向けたメッセージソングがどうしても頭をよぎってしまいまして。
日本公開のタイミングがちょうど東日本大震災とカブったこともあって、亡くなった人を思い出し続けようって言ってくれてる気がして。
そういう意味ではものすごく大きなことを言ってる映画なんじゃないでしょうか。
日本には死者を迎え送るお盆がありますが、メキシコとは違って厳かというかしめやかというか。
やっぱしんみりやるってのが定番というか当たり前というか。
それでも、親戚一同集まればやんややんやでドンチャン騒ぎだし、盆踊りで賑わうわけだからそこまでの差はないのかなと。
とりあえずですね、自分が死んだとしていく場所が、あんなキラキラした楽しそうな世界なら死ぬのも怖くねえなって話ですw
ピクサーはやっぱり画が素晴らしい。
製作期間にかなりの時間を費やしているだけあって、映し出される映像はやはり観る者をワクワクさせてくれます。
冒頭。
家と家のあいだに飾られている「パペルピカド」と呼ばれるガーランド。
ミゲルの家の歴史をミゲル本人が説明しながら動くという仕組みが非常にうまく、一気にメキシコの雰囲気を味わえます。
死者の日の夜になれば、町はろうそくを灯す家々が連なり、どこか幻想的でロマンチックな風景。
青とオレンジのコントラストが素晴らしく、こちらと死者の国をつなぐ架け橋となるマリーゴールドで敷き詰められた橋は、あたり一面がオレンジ色に染まり、一気にファンタジー色が強くなります。
死者の世界では木と石で作られたような建物が、今にも倒れそうな歪な建物ばかりなんだけど、バランスとって連なっていて、あらゆる建物が様々な配色の明かりを灯すことで非常にきらびやかな世界を描いています。
これをどう説明しようか考えたときに、ジブリっぽいとかじゃなくて、実際にありそうな、メキシコのスラム街でこんなのなかったけな~と思ったらありました!
パチューカという州都のなかにあるパルミタスというスラム街。
犯罪をなくすためにカラフルな色で町の中をアートチックにし、減少させたそうです。
勝手なイメージですが、これ意識したんじゃないかなぁと。
後ね、色遣いが完全に「スーサイドスクワッド」でしたw
で、一番ド派手な色をしたのが、死者の世界をガイドするアレブリヘ。
中でもひいひいおばあちゃんのイメルダに仕える、ぱっと見トラなんだけど、とがげみたいな尻尾だったり翼があるペピータは、人間の体内をサーモグラフィで見たような色合い。
このように色で楽しませてくれるのはさすがディズニーピクサーといったところでしょうか。
発想もおおしろい。
死者の世界へ行くこと自体非現実的なんですが、実際行ってみるとあれ?案外こっちの世界とやってること一緒じゃね?と思ってしまうような心当たりのあるものばかり。
特に一番好きなのは、死者の世界の出入り口。
やはり世界の玄関は厳重。
きちんと出国ゲートと入国ゲートがあり、まるで空港のよう。
入国するときは、みなそれぞれ家に帰ったときに置いてあったお供え物をきちんと見せる荷物検査をして入国。
出国する際は、きちんと祭壇に写真が飾られているかを確認する機械を通ってから出国可能になります。
ヘクターはメキシコの画家フリーダ・カーロに変装して強引に通るんですが、結局マリーゴールドの橋をまともに歩くことができず、見事に職員に連れてかれてしまうんですね。
で、ちゃんと空港警察みたいな人に取調べされるという、こっちの世界と変わりない世界。
他にもエルネスト・デ・ラクルスのワンマンショーや、オープニングアクトのフリーダ・カーロの謎の演出、その前に行われるデ・ラ・クルスのパーティーのゴージャス&バブリー感、それに入場できる音楽コンテストなどなど、なんら変わりなくガイコツたちが暮らしているのがまたステキ。
実は死者も死者らしく、生きていた時となんら変わりない生活を送っているというのが夢があって良いですよね。
でも、それは家族がいるから。
死者の日になっても写真が飾られないような身寄りのない人たちは、疑似家族となって狭い場所で暮らしてるってのも中々リアル。
生きている人から忘れられると死者の世界からも消えてしまうという掟があり、ヘクター自身もそこに住み、忘れられないように祈る毎日を送っていたんですね。
でも実はあまりハマらなかった。
音楽も素晴らしい。
画も素晴らしい。
内容も素晴らしいんだけど、僕は好みではありませんでした。
中身の話をすると、子供でも楽しく見られるように配慮して作っているから楽しいけど物足りなさはあります。
じゃあ具体的にどういうところがというと、まず物語に意外性がないということ。
ミゲルはデ・ラ・クルスが自分のひいひいおじいちゃんじゃないのか、と想像するんですね。
これがっつり序盤で明かされるし、かもしれないってことはまぁちがうってことなんですけど、ここにちょっとしたミステリーじゃないけど、もうちょっと工夫して本当のひいひいおじいちゃんを明かしてもよかったかなぁと。
え~モンキーさん、そこケチつけるの~?
そこはスルーできる部分なんじゃないのぉ~?
って思う人もいると思うのでいっておくと、そこまで不満ではないです、ここに関してはww
そんなこといったらフリーダ・カーロいらないんじゃないか、野良犬のダンテはどうしてミゲルと共に死者の世界へいけるのか、行けた理由は後にわかるとしても、こいつは既に実際の世界でめっちゃ死者と交流してるんじゃないか、ミゲルが帰ればヘクター消えずに済むんじゃないかと細かい「?」は多々あります。
これらのことより僕がどうしてもダメだったこと。
いくら4世代前に作ったしきたりだからって、それを末代まで禁止にして夢をつぶしてしまうような家族がすごく嫌です。
確かに、悲しいことが起きた。
そのせいでイメルダはめっちゃ苦しんだ。
だから音楽が憎い。
それを自分が死んでも家族に禁止させた。
イメルダが靴屋で頑張らなければ次の世代、その次の世代と続かなかったかもしれない。
わかる。
彼女あっての家族だってことは。
しかしだ。
しきたりとミゲルの夢はやっぱり別なんじゃないのか。
ウチの決まりってだけで子供の夢を摘んでしまっていいのか。
もちろんディズニーだから、きちんと家族のことと音楽のことをうまくまとめて解決してくれる。
でもそこも正直納得がいかない。
ココばあちゃんにミゲルは「リメンバーミー」を歌うんだけど、そこで誰も止めない。
むしろ親父はちょっと待って!と事情を察してミゲルに歌わせる。
ココばあちゃんが今にも死にそうなんだからそっとしてあげて!
みたいなことを言う家族が誰もいない。
一番厳しかったおばあちゃんも無理やり止めようとしない。
ちょっと待て、あれだけギターぶっ壊してまでミゲルの夢をつぶしたばあちゃんなんだからこの場面でも制止しろよ。
都合がよすぎると思いませんか、とクライマックスにもかかわらずイラっとしてしまった。
このばあちゃんは母にあたるココばあちゃんが若かりし頃、音楽によって相当ひどい目にあったのだろうか。
だとしたら、ココばあちゃんこそ音楽に厳しい人かもしれない。
そりゃあ母であるイメルダの苦労を見てきたのだから。
でも結局音楽によって彼女は思い出し、紆余曲折を経てミゲル家に幸せをもたらすことになるので、そこは嬉しかったんですけどね。
ここは自分の話になりますが、音楽やるために東京に行くといったらそりゃあ家族から反対されましたよ。
だから僕はてめえのケツはてめえで拭くの精神で、自分で学費稼いで学校行くから何も言うなと。
好きにさせろと。
なんというかミゲルと同じ気持ちになったんですよね。
ミゲルんちほどではなかったけども、やりたいことを真っ向否定されると腹立たしくなるわけで。
せめてこっちの言い分も聞いてくれよって。
ミゲルんち誰一人味方になってくれる人いないんだもんね。
家族だから認めて欲しいというかせめて許したげてとか。
そんな禁止事項なんかいつまでも引っ張らせんなよとか、お前の代で終わったことだろうがとか。
まぁどうしても僕はそこまで家族というものを大事に思ってないからこんな風に考えてしまうんだろうと。自己中ですいません。
最後に
ミゲルの視点でのあらすじから、ピクサービジュアル絶賛、そして単なる好みによる不満をダラダラ書きましたが、親子揃って楽しめる作品であることは間違いありません。
これを見た後、お彼岸も近いので墓参りなんてのも良いかもしれません。
亡くなってしまった家族を思い出したら、きっと喜んでくれることでしょう。
僕は「オズワルドシアター」という虎ノ門ヒルズにある場所で吹替え試写で観賞したんですが、ミゲルの声を担当した子の歌声がとんでもなく上手くて、それが一番の収穫でした。
その分、藤木直人の歌のひどさがあまりにひどくて耐えられなかったんですが、字幕でヘクターの声をやったガエル・ガルシア・ベルナルもアカデミー賞授賞式でのパフォーマンスで微妙な歌唱力だったことを考えると、ヘクター自身にそこまで歌の上手い人をキャスティングしたわけではないんだな、とも感じられた部分でした。
というわけで以上!あざっした!!
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