ロマンティック・キラー

英勉監督の凄いと思うところを「遺書、公開。」でも語ったと思いますが、彼の本領が発揮されるのは、ギャグ満載の映画の時です。
「ぐらんぶる」や「トリガール」なんかがその部類にあたると思うんですが、基本パッション押しでクドクドやるのが主流。
シーンの沸点が上がってくる中でしょうもないギャグとか入れるので、僕は不意を突かれて爆笑してしまうことが多々あります。
世間は福田雄一が映画でよくやる緩いやりとりがお好きなんでしょうけど、英監督の場合笑いのキレが違います。
四枚刃くらい違います。
そんな彼が新たに世に送り出すのが、これまたくだらなそうで演者の本気の芝居が見れそうな痛快ラブコメ。
なんでも、ロマンスに全く興味ない女の子にロマンスが押し寄せてくるからさぁ大変というもの。
恐らく昨今の「キラキラ映画」ネタをふんだんに取り入れることで、すべての多感な乙女に「恋愛こそ青春」と押し付けることに対する風刺を見せつけてくれる…ことなんてあの監督は考えてません、たぶんw
圧倒的な笑いを期待して、早速鑑賞してまいりました!!
作品情報
「第1回 LINEマンガ大賞」で銀賞を受賞、『少年ジャンプ+』でも連載され、2022年にはNetflixにて全世界配信でアニメ化された百世渡の原作コミック『ロマンティック・キラー』を、映画「おそ松さん」や「ぐらんぶる」など多感なティーンズたちを主人公に様々な青春模様を切り取って描く英勉監督の手によって実写映画化。
絶対に恋愛したくない女子高生の前に、恋愛エネルギーを糧にする魔法使いが登場。恋に落とすべく胸キュン展開(ロマンティック・トラップ)を、恋したくない杏子がぶっ飛ばし続ける…という前代未聞の恋愛ぶっ飛ばしコメディ。
二年強の準備を経て臨んだといわれる本作は、英勉監督自ら監督を希望としたといわれるほど気合の入った作品とのこと。
様々なアイディアを用意したという監督が、本作にどんな魔法をかけるのか期待がかかる。
本作の主人公・杏子を演じるのは、「366日」の大ヒットが記憶に新しい上白石萌歌。
事前に原作を読んで臨んだ彼女が、押し寄せるトラップをどう回避していくのか楽しみだ。
他にも、「なにわ男子」の高橋恭平、「INI」の木村征哉、「FANTASTICS」の中島颯太といった、事務所もレーベルも異なるアイドルグループのメンバーが共演、さらに3つのグループが新曲を提供、「トリプルテーマソング」が流れることも話題となっている。
さらに、杏子の前に現れるロマンス男子役に、與那城奨(JO1)、佐藤大樹(FANTASTICS)、藤原丈一郎(なにわ男子)、白濱亜嵐(GENERATIONS)、内藤秀一郎、豊田裕大、宮田俊哉(Kis-My-Ft2)、倉悠貴、醍醐虎汰朗、犬飼貴丈、西垣匠、ゆうたろう、高杉真宙、矢本悠馬らが登場することがアナウンスされた。
これだけのイケメン男子を前に、杏子は、魔法使いが仕掛けるトラップを回避できるのか!?
そんな杏子の逞しい姿に、きっと誰もが恋に落ちてしまう…かもしれない。
あらすじ
生きがいはゲーム・チョコ・猫という、恋愛キャンセル界隈の女子高生・星野杏子(上白石萌歌)。
ある日そんな杏子の前に、人間の“恋愛エネルギー”を糧とする魔法使い・リリ(CV:伊藤俊介/高橋ひかる)が現れる。
なんでも杏子が恋をしないことで魔法界は大変なことになっているらしく、「絶対に恋をしてもらいます」と言うと、杏子の大好きなゲーム・チョコ・猫を魔法で取り上げてしまう…
それから杏子の生活は一変!
リリの魔法で押し寄せる“恋愛あるある”なシチュエーション。
気になる転校生が隣の席に!?
クラスメイトと強制同居展開!
クラス替えで“花ざかり”な男子クラスに!?
さらには杏子の前に現れる謎のSAT、謎の兵士、謎の刀剣(!?)男子、などなどなど!
杏子を待ち受ける、ロマンティック・トラップの数々!そして杏子は、どこか陰のあるクールな転校生・香月司(高橋恭平)、野球部のエースで天然な幼馴染・速水純太(木村征哉)、某国の世間知らずの御曹司・小金井聖(中島颯太)という3人の同級生とも距離を縮めることに―。
押し寄せる恋愛をぶっ飛ばし、杏子は平穏な生活を取り戻すことが出来るのか!?(HPより抜粋)
キャラクター紹介
- 星野杏子(ほしの あんず)(上白石萌歌)…恋愛にまるで興味がないのに、ある日強制的にロマンティックな展開に巻き込まれることになる干物女子高生。迫りくる男子と恋愛トラップに抗う、ぶっ飛ばし系ヒロイン。
- 香月司(かづき つかさ)(高橋恭平)(なにわ男子)…どこか陰のあるクールな転校生。
- 速水純太(はやみ じゅんた)(木村柾哉)(INI)…野球部のエースで天然な幼馴染。
- 小金井聖(こがねい ひじり)(中島颯太)(FANTASTICS)…上から目線すぎる某国の王子様。
- 謎の兵士…與那城奨(JO1)…優しく包み込むように杏子に近づき、恋愛トラップを仕掛ける兵士。
- 謎のSAT…藤原丈一郎(なにわ男子)
- 謎の刀剣…佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)
- 謎の不良学生…白濱亜嵐(GENERATIONS)…“ハイロー系”不良学生のロマンティック男子。
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杏子に絶対恋してもらいたい魔法使い・伏木リリ…髙橋ひかる
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魔法使い・リリの声優…伊藤俊介
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杏子の友人・高峯咲姫…上坂樹里
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謎の女・岸優花菜…森香澄
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杏子のクラスの冴えない担任…本多力
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杏子のバイト先のバイトリーダー・コンビニ沢田…藤堂日向
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語りと魔法界の主審の声優…津田健次郎
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謎の秀才男子…内藤秀一郎
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謎の自転車男子…豊田裕大
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小金井聖の執事・土屋…竹財輝之助
(以上FashionPressより抜粋)
花男、イケパラ、君の名は、ハイロ―、刀剣男子などなどネタがこれでもかと押し寄せてきそうな展開。
また恋愛リアリティショー全盛期、「今日好き」なんてのが流行ってるくらいですから、その辺のネタももしかしたらぶっこんでくる、のか?
ここから鑑賞後の感想です!!
感想
#ロマンティック・キラー 鑑賞。女子高生が戦うのは押し寄せるロマンス展開!スピードに愛の不時着、ビューティフルライフと怒涛のネタオンパレードに抱腹絶倒!さらに東宝配給作品をぶっこむ荒業!恋愛を超越する愛がこの映画に詰まってた!
— モンキー🐵@「モンキー的映画のススメ」の人 (@monkey1119) December 12, 2025
1番すごかったのはモブの高校生たちの統率された演技。 pic.twitter.com/vT65nrPNxm
各事務所所属のアイドルたちが競演てのも、色んな映画やドラマやアニメネタをぶっこむのも、全てが統率され計算されたかのような予算内きっちりやりました映画。
ちゃんとコメディでアクションもあって、それでいてラスト壮大な着地にすべて笑うしかない。
以下、ネタバレします。
プロデューサーと話してたってのはこれか。
オンラインでゲームをやるのが主流の今、なぜか「地球防衛軍」を朝までやる女子高生・杏子。
なるほど、やり込み型のゲームに没頭する=周りが見えてない設定ってこと?
そんな深読みをしながら、彼女の「ゲーチョネ=ゲーム・チョコ・猫」を見つめること数分、いkなり物語が動き出す。
杏子が恋愛しないせいで魔法界の住人がいろいろ大変だから、強制的に恋愛してもらうようあらゆるトラップを仕掛けてやると、ダミ声過ぎて細部まで聞き取れないオズワルド伊藤の声で登場したリリに困惑する杏子。
チョコはうんこにされ、猫はクマムシ(キモカワ)にされる最悪の状態(あれ、ゲームは禁止にされなかった気が)を向開ける中、リリの罠に堂々と立ち向かう宣言をする姿まで、およそ5分少々という非常にコンパクトに映画の始まりを告げる見事なオープニング。
こういう仕事ができるのが英監督なのよね、安心安定の面白さを期待させたオープニングなのでした。
プロデューサーのコメントによると、英監督自身が本作をやりたいと志願したこと、そして製作するうえでの会議で、プロデューサーに「あんなことやこんなことをやりたい」と相当なネタを披露して爆笑をさらったという監督。
果たしてどんなネタをぶっこんできたのか、その全貌を語らせてもらいたい。
コンビニ前でぶつかって出会った謎の転校生・司との馴れ初めの後、リリは何も発展しない杏子にやきもきし、無謀なトラップを仕掛ける。
それは、帰宅途中のバスが突如暴走、時速80キロ以下になると爆発するというアナウンスによって運転手が気絶!
無意識にハンドルを握った杏子の前に、謎のSATが現れ、彼と共に乗客を無事に救出するミッションを遂行する。
そう、いきなりキアヌ・リーブスの「スピード」が始まるのだ!!
橋まで走ったバスから飛び降り、パラシュートを広げて落下した杏子に襲い掛かる次のトラップは、落下したものの木に引っかかっり身動き取れない杏子の前に兵士がやってきて始まるロマンス展開。
韓国語で話しかける兵士が杏子を救う姿は、正に「愛の不時着」のパロディ。
そこに間髪入れず登場するのがどう見ても場違いな2.5次元ミュージカル「刀剣乱舞」のパロディキャラ。
なぜか杏子の取り合いになり、刀VS拳銃というB級アクションバトルが行われるので、もう笑うしかない。
こちらも英監督の作品とはいえ、どんな作品をぶっこんでくるのか予想してなかったので、クソまじめに演じる役者たちの本気度を見て、胸を弾ませながら堪能したのであります。。
そして中盤、いきなり出てきた幼馴染の高校球児・純太が杏子を保健室に連れてくる姿が「セカチュー」っぽい演出だなぁと思ってたのもつかの間、担任教師から杏子以外男子しかいない「イケパラ」クラスに移動の指示が下り、さすがにリリやり過ぎだろと憤慨する杏子。
在り得ないロマンス展開にうんざりだからいいかげんにしろ、堂々と注意したい杏子の前にイケパラ男子がわんさか現れるではないか!
目の前にあったデッキブラシのブラシの部分を降り、押し寄せすぎるロマンス展開に真っ向勝負を挑む杏子の凛々しい姿に誰もが惚れることでしょう。
全ては今までの生活を取り戻すため、ゲーチョネこそ私の生きる価値、それを取り戻すためならば、恋愛なんてクソくらえ、そんな覚悟で男子たちをフルボッコにする杏子がま~~かっこいい。
何が凄いって普通にアクションがいいんです。
アクションの腕は東京リベンジャーズで折り紙付きの監督ですから、カッコイイ上白石萌歌をみせるべく、あらゆる角度からキメキメにやっつける杏子を捉えます。
途中デッキブラシを二つに折って戦う姿もあるので、バリエーション豊かなアクションも堪能できますよ。
そこから急に別のロマンス展開へ。
勉強できない女子に上から目線で小バカにしながらペンでおでこをこつんとあてて褒める「上から俺様男子」、自転車のパンクを「たまたま通っただけだから」という理由で、頬に自転車の油が付けながら直してあげる同級生男子。
キラキラ映画の中で「こんな恋の落ち方ありましたよね?」とばかりに、むちゃくちゃな展開に持っていくトラップ、しかも全てのシチュエーションに一度はのってあげる優しい杏子w
ここからテイストがおかしくなり、美容師に髪を切ってもらって「超似合うじゃん」「ちょまてよ」とどこかで聞いたことあるセリフが飛び交うだけじゃなく、超有名ロックデュオの大ヒット曲に酷似した歌が流れるパロディっぷり。
さらには、見た目は子ども頭脳は大人が目の前に現れるだけでなく、子供の後ろでイケメン高校生の残像が映る凝り具合。
異世界から現れた男子高校生と、RADWIMPSぽい歌が流れ階段ですれ違い、一瞬記憶がよみがえるアレ。
そこから余命半年を迎えた男子高校生がバックハグで告白してくる展開に、「膵臓食ってろ」と言い返す杏子。
さらには「龍」の姿をした紳士が、無限男子地獄から抜け出すのを手伝ってくれるという、伏線たらしめる展開。
ビューティフルライフ、名探偵コナン、君の名は(ぐらんぶるでもやってたなw)、そして君の膵臓をたべたい、などギリギリアウトじゃねえの?ってところから配給・東宝の冠をこれでもかと繰り出すパロディっぷりにモンキーは捧腹絶倒なのでした。
しかも、この龍、自分は当初「竜とそばかすの姫」のパロディなのかと思ったのです。
途中杏子に歌を歌わせる件で、なぜか「妖怪ウォッチ」のようかい第一体操を歌うんですけど、こんな展開「竜そば」にあったような…と。
でもこれがとんでもない伏線だったわけです。
終盤、突然杏子と別れを告げる男子3人に想いを伝えるべく奔走する杏子を助けようと、龍が空中飛行で移動を手伝います。
その際正体を告げるんですが、実はこの龍が「ジバニャン」だったという驚き。
なんと、「千と千尋の神隠し」をやってたわけです。
かつて夢中だった妖怪ウォッチ、しかも杏子はジバニャンがとにかく大好きで、一緒にゲームをして遊んでいた純太を嫉妬させるほど。
それが「ザ・レイド」と化した無限男子地獄から助けてあげようとし、さらに最後の力を振り絞って杏子を好きな人のいる場所まで届けようとする。
おもわず「すげえ!」とうなってしまいましたw
そういえば、本作が公開した12月は、かつて「妖怪ウォッチ」が年末興行を席巻していたことをお忘れだろうか。
気が付けば続編を作ることもなく、福田雄一作品が定番化した東宝の年末興行。
今年は彼と英監督が年末の東宝を背負うことになるわけだが、一体どちらが「東宝愛」に優れているのだろうか。
僕は見ませんが両方見た方はどちらに軍配があったか後で報告してくださいw
とにかく、宮崎アニメや妖怪ウォッチ、深読みすれば彼らが学芸会で行う「竹取物語」=高畑勲オマージュ?とまで考えると、相当なまでに東宝作品で固めたオマージュコメディだったわけですよ。
プロデューサーに話してたネタってこれなのか…よくもまぁ物語にこんだけぶちこんだなぁと。
おみごとでした!
恋愛の先にある「愛」
リりの仕業によって、真っすぐ帰宅してゲームに没頭できないくらいロマンス展開に翻弄される杏子。
郵便局員なのにアメリカへ転勤してしまった両親のせいで一人暮らしを余儀なくされた杏子の前に、司や純太が転がり込み、さらにはどっかの王国のどSな御曹司まで現れて、めちゃくちゃめんどくさい展開に陥ってしまう。
一体リリはどこまで追い込めば気が済むのか。
しかし彼女は時空を操っただけで、人の感情まではコントロールできないらしい。
しかがって、恋愛シチュエーションまでは作れるが、それによって杏子に恋愛感情を抱く男子たちの思いはホンモノであることが発覚する。
約束の期日まであとわずかの中、何も発展しなければ全ての記憶が消えてしまうことに戸惑う杏子。
彼らと離れ離れになりたくない彼女が下した決断は、少々拍子抜けしてしまうも、非常に納得できる決断だった。
それは「誰か一人を選ぶのではなく、全ての人たちに想いを告白する」というもの。
決断する前にあらゆる世界線で告白し幸せを掴んだ杏子たちが現れ、アドバイスを告げた後決断した杏子の答えに、確かに欲張りな部分も垣間見えたが、そうではなかった。
杏子が3人に想いを告げた後、夜空に無数のハートが降り注ぐ。
それを見たリリは「アガペーだ」とつぶやく。
アガペーとは、キリスト教における神学概念で、神の人間に対する「愛」を表す。 神は無限の愛(アガペー)において人間を愛しているのであり、神が人間を愛することで、神は何かの利益を得る訳ではないので、「無償の愛」とされる、のだそう。
記憶を失っても再び出会うために想いを伝えておく。
付きあいたいとかそういうことではなく、人間として大好きだということ。
恋愛してこそ人生、みたいな風潮が多い中、好きなことだけして生きればいいというメッセージ性を打ち出す作品なのだろうと勘ぐっていたが、そのどちらでもない、寧ろの先の、恋愛を超越した愛を謳う映画になっていたとは思いもしなかった。
オールユーニードイズラブって話だったわけです。
最後に
ストーカーと化して現れたモリカスが中々の怖さでしたし、ちょこっと登場するイケメン俳優たちも豪華でしたね。
犬飼くんはキムタクに扮した美容師で、高杉くんは工藤新一、そして矢本くんは龍だったという。
トリガールっぽさを期待していたせいで、萌歌ちゃんにはもっとぶっ飛んだ芝居を見せてほしかったですし、相手役の男子たちももう少し際立つ演技をして欲しかったですが、萌歌ちゃんが相手に合わせたってことで丸く収めたいと思います。
ちなみに萌歌ちゃんが出演している英勉映画「3D彼女」での彼女は泣けますので、是非。
おそらく本作を見た誰もが、アイドルグループのメンバーを推したくて鑑賞されてるんだと思います。
でも本作の本質は誰か一人を推すとか、好きでいる事とかではなく、全てを愛そうという想いだと思います。
事務所の垣根を越えて実現した映画だからこそ、この意味が深いのではないでしょうか。
・・・ときれいごとを言って締めたいと思いますw
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10


