貞子
僕と貞子のファーストタッチは、TVのスペシャルドラマでした。
高橋克典が事件の真相を追う、みたいな感じでストーリーが展開され、貞子がいわゆる「両性具有」であったことから悲劇の運命をたどっていく、というお話だったことを記憶しています。
このあと映画でブームとなり、日本中を震撼させるキャラクターになるなんて当時思いもしませんでしたね。
貞子は映画になるとその設定を無くし、「リング」、「リング2」、「リング/バースデイ」、「貞子3D」、「貞子3D2」、「貞子VS伽椰子」と日本映画だけでこれだけのシリーズと化し、TVドラマ、ハリウッドリメイクなど、手を変え品を変え延命してきました。
そしていつもビデオテープの映像から現れていた彼女は、今回時代の波に乗って、Youtubeから出現することになります。
撮影したら呪われる、そうです。
おい貞子、時代に迎合してまで呪いをかけたいのか。
おまえの怨念はそこまで根が深いのか。
プライドはないのか。
Youtubeって。
でも、なんでも許可なく撮影してしまう現代人への警鐘とも取れる気もするんだけど、そういうのも本編に含まれてるのかな、メタファーとして。
とりあえず、怖いの苦手なモンキー、超久々のJホラー映画鑑賞です。
ぶるぶる…早速鑑賞してまいりました!!!
作品情報
悲劇の運命によって誕生してしまった呪いの主と、見ると1週間後に殺されてしまう「呪いのビデオ」の恐怖を描いた鈴木浩司の小説「リング」。
映画化されたことで、今やもっとも有名な幽霊となった「貞子」がいま再びスクリーンに帰ってくる。
我々の前に現れてから20年、今作では時代の変化に伴い、観たら呪われるのではなく、撮ったら呪われるという大胆な設定に変更。
SNSへの投稿が日常化する現代に、貞子はどんな恐怖を我々に植え付けるのか。
もしや彼女なりのメッセージなのか。
もはや井戸から出てこないのか。
映画「リング」とのリンクも用意された、貞子ユニバースが今、あなたを再び恐怖に陥れる!
あらすじ
心理カウンセラーの茉優(池田エライザ)のもとに、ひとりの記憶障害の少女が入院してくる。
やがてその少女は、1週間前に公営団地で起きた放火事件の犯人・祖父江(ともさかりえ)が人知れず生み育てていた子供であることが判明。
少女と真摯に向き合う茉優だったが、次第に彼女のまわりで奇妙な出来事が起こり始めるー。
一方、WEBマーケティング会社に勤める祐介(塚本高史)の薦めで
動画クリエイターとなった、茉優の弟・和真(清水尋也)はアクセス数の獲得に焦るあまり、心霊動画を撮ろうとその火災跡に忍び込むが、動画をアップしたのちに消息を絶ってしまう。
茉優は拡散された動画を探し出し、再生してみると、和真の背後に長い髪の女が立っていて……。(HPより抜粋)
監督
今作を手掛けるのは中田秀夫。
Jホラー映画ブームを築き上げた一人と言っても過言ではないでしょう。
そんな彼の代表作である「リング」を再び自身で制作するなんて、彼からしたら大変な喜びであり大変な重圧だったのかもしれません。
なんせ、「スマホを落としただけなのに」は、がっつりTV局制作の映画になっていたせいで、監督得意のホラー描写が全く活かされていない、いや、やらせてもらえなかった、というほうが適切なのか。
とにかく、まったくもって面白いとは言えない映画でした。
とりあえず、今回は原点回帰にあてたい作品なのかもしれませんね。
何にせよ、怖がらせてくれ。ビビりな俺を。
キャスト
主演の心理カウンセラー、秋川茉優を演じるのは池田エライザ。
お綺麗です。これ以上の言葉はないってほどお綺麗です。はい。
「みんな!エスパーだよ!」って映画がありまして。
ドラマ版では夏帆がやっていて抜群にエロくて、映画版も見るぞ!って思ってたらキャスト降板で、池田エライザって聞いたことねえモデルだか女優高が出るってんで、ふざけんなよ!!夏帆のエロい姿また見たいんだよ俺は!!って思ってたんですよ、当初は。
でもまぁこれがたまらないほどのプロポーションで美貌で、そりゃあもう、はい、虜です。
ただまぁ、映画そのモノは全然面白くなくて。
それでも感想をブログに書いてアップしたんですね。
そしたらなんと、エライザちゃんんがRTしてくれまして…。
おい中身読んだか?俺酷評したんだけども・・・と。
もちろん有名人がRTしたわけで、まぁそれなりに拡散してしまい、アワアワした思い出がございます。
今では、「億男」や「SUNNY/強い気持ち強い愛」、「映画 賭ケグルイ」などに出演したり、写真集出したり(欲しい)、なんと映画監督デビューまでするほどの大活躍。
今後から目が離せないお方です。
他のキャストはこんな感じ。
事件に巻き込まれ、茉優とともに貞子の謎に迫る男、石田祐介役に、「バトル・ロワイヤル」、「アウトレイジ」の塚本高史。
茉優の弟、秋川和真役に、「ちはやふる」、「ソロモンの偽証」の清水尋也。
放火事件の犯人・祖父江が育てた少女役に、今作で映画初出演の新人、姫嶋ひめか。
茉優の同僚、藤井稔役に、「新宿スワンⅡ」、「曇天に笑う」の桐山漣。
放火事件の犯人、祖父江初子役に、「SUNNY/強い気持ち強い愛」、「ちょんまげぷりん」のともさかりえ。
20年前の貞子の呪いを見てから精神病院にずっと入院している倉橋雅美役に、「リング」「リング2」と同名役で出演した佐藤仁美などが出演します。
最近ホラー映画にも免疫が付いたこともあって、今回鑑賞するわけですが、たぶん洋画よりも邦画の方が怖いんだよなぁ、脅かすんだよなぁ・・・ヘイポーみたいに騒いだらごめんなさいw
ここから鑑賞後の感想です!!!
感想
・・・。
「リング」に繋がるような意味合いを持たせているのに、Youtuberを食い物にするような話になると思ったのに、どうしてこうなった?
以下、核心に触れずネタバレします。
苦し紛れの解析。
臨床心理士の主人公のもとに入院してきた謎の少女の過去、そして主人公の弟に襲いかかる呪いが徐々に結びついていき、やがては主人公姉弟が子供の頃に感じてきた孤独と絆を感じさせる物語へと流れていく、ホラーの仮面をかぶった感動映画でございました。
孤独の辛さが怨念となり現代に再び蘇った貞子が霊能力者の娘に憑りつき巻き起こった今回の騒動。
子にとって必要不可欠な存在である親にもかかわらず、大人の都合で勝手に捨てられてしまう問題は今も昔も変わらず、という部分にスポットをあて、そこに恐怖のアイコンである貞子を使って思い知らせるってのは巧いとは思います。
その悲しみを随所にちりばめ我々に考えさせるのは、映画としての役目を十分に果たしてたのではないでしょうか。
そして一線を越えてでもバズを狙いたいと画策するYoutuberたちが起こしている社会問題にもスポットを当て、貞子の呪いを用いることでモラルの在り方にも触れさせる部分もまた、警鐘を鳴らすかのような作品にも見えました。
また大ブームを起こした「リング」に繋がるような伏線を含むことで、貞子の呪いの恐ろしさを助長させるかのような箇所も見て取れ、リアルタイムで見た人があの時の怖さを思い出させるような演出も施されていました。
二つの問題がこれ以上増加すれば第二第三の貞子が生まれてもおかしくない、というようにも見えるし、それでも繰り返すようなものには制裁が加えられるぞと貞子は我々に教えてくれる、そんな映画だったのではないでしょうか。
どこを褒めようか・・・。
・・・とかなんとかクソまじめに作品を解析して観ましたが、どこをどう切っても話が面白くなくてこりゃまいりましたw
ザックリ言いますと、ホラー演出は所々怖いと感じる映像があって楽しめたものの、ずば抜けた怖さは感じないし、何より脚本が結構荒いといいますか、手抜きに感じたといいますか。
さっき挙げた二つの問題をもっと掘り下げ、貞子の呪いを止められないような怖さを秘めていればよかったのにと。
「リング」って呪いのビデオが出回って、それ見たら死ぬんだってって噂そのものが、不気味感を持たせていて、漂わせていたから怖かったと思うんですね。
だから今回もモラルを逸脱したYoutuberが次々と行方不明になってるっていう空気感を劇中に漂わせればもっと面白くなるのになぁと。
劇中では動画のコメントをバーッとみせてそれを色んな人が読み上げるっていう風に支えることで、色んな人の声を表現してるんですけど、これじゃあ全然空気感作れてねえよと。
せめて、街で座ってくっちゃべってる若い子たちが、ねえ?これ知ってる?なんか心霊スポット巡りとか言って、勝手に人の家入って撮影したYoutuberが行方不明なんだって~、え~うそぉ~何それ~超怖いんですけどww
みたいな声を重ねまくって世間の声を生み出す方が効果的というか。
で、それを信じずに一線を越えてしまった弟・和真にも身の危険が迫るって方が説得力があるというか。
またね、動画を投稿して行方不明になったのが和真だけってのがね、リアリティがないというか。
それこそスクランブル交差点で青信号の時にそこに布団敷いて寝る!みたいな明らかに迷惑行為をして動画撮影しているようなYoutuberいるじゃないですか。
そういう奴らにも貞子が忍び寄って行方不明っていう、複数の動画投稿者にも被害が及んでほしかったというか。
じゃないとせっかく今の貞子を使って現代を投影してるのに、活かせてないよなぁと。
疑問も多い。
てかね、不満な点というかおかしな点がいくつもありまして。
まず茉優と石田ね。
2人とも行方不明になった和真を探すのに、電話やメールで応答を促してましたけど、なぜ部屋を訪ねない!
普通応答なかったら家に行かないか?
それで部屋を捜索して手がかり見つけて、茉優と石田で大島へ行くって方が自然とコンビ組む流れだし、また男女がコンビ組んで謎を追うって流れは「リング」とリンクするから全然アリだとは思うんですよね。
まぁ最後そうなってたけども。
あとは何ですかね、倉橋。
「リング」以来精神を病んでしまっていた彼女は、今回ようやく回復したような姿を見せてくれるんだけど、結局先生に依存し過ぎていて直ってない、しかも再び貞子をみてしまい病床で震えあがってしまう、って役回りなんですね。
で、茉優が貞子の存在を唯一知っている倉橋に問い詰めるんですよ。
ここで倉橋が貞子の経緯を話し出すんですけど、なんでお前そんなこと知ってんの?と。
「リング」でも「リング2」でもそんなこと知るような機会ありましたっけ?
普通にね、貞子のお母さんの話とか、親父に井戸に落とされた話とかしだすんですよね。
もうなんでこいつが知ってるんだろうって疑問が頭から離れなくて。
確かに倉橋って昔の貞子と今の貞子を知っている唯一の人物ですし、物語を結びつけることができる橋渡しのような役目も担ってますから、仕方ないっちゃ仕方ないんですけど、なんというか整合性が無いというか果たして橋渡しになってるのかというか。
まぁ他にも祖父江の娘は、なぜ貞子の生まれ変わりって言われて監禁されてるのかにも言及がなかったですね。
倉橋の言ってたような井戸に落とされて死んで作り出された貞子ではないんですよ。
具体的なことは伏せますが、要は孤独によって生み出されたものでして。
祖父江によって生まれてからずっと監禁されていたことで孤独な状態だった娘は貞子に憑りつかれた、ってことだと思うんですけど、その孤独な状態にさせたのは祖父江本人なので、貞子の生まれ変わりだっていう確証はどこにもないというか。
あれか?単に孤独だから憑りつかれたとかっていうんじゃなくて、祖父江の霊感が働いたから監禁してたってことなのか?
なんにせよ、ここ説明する必要はあったよなぁと。どっか見落としたかな。
てかあれですよ、じゃあ倉橋が話した貞子は何だったのかって。最後茉優が見た貞子と違うじゃんって。
もうわけわからん。
そこまで怖くもない。
ホラー苦手な、とか自称しているんで、今回どれくらいの怖さだったのかも触れてみますか。
率直に言うとそこまでの怖さは感じませんでした。
これは多分僕に耐性が付いたからってのが大っきな理由だとはおもうんですが、それでもビクッともしなかったし、ゾクッともしなかったですね。
こんな風に言ってしまうとちっとも怖くないみたいになってしまうんで解説します。
一番怖いなぁと感じたのは和真の動画です。
石田からのアドバイスで1か月前に祖父江が放火した団地に勝手に侵入して撮影をした動画を姉の茉優が観るシーンなんですけど、燃えた部屋がかなりリアルなんですよね。
立ち入り禁止の張り紙をくぐって部屋に入ると、近隣住民によっていたずら書きされた文字や張り紙が焦げ跡を残しながらもまだ残っているのが怖さを助長させていました。
そして玄関を開けて入ると、和真が「うわ、これ見てる人には伝わらないかもしれないけどものすごい焦げ臭いにおいが充満してます」とか言うんですね。こういう実況もリアルさを膨らませていてグッドでした。きっと何とも言えない臭いだったんでしょう。
どんどん中へ入ると壁が焼けはがれていたり、CDプレーヤーやエアコン、椅子に至るまでいい感じに焼けて溶けている。
不気味。
さらに奥へ行くと、祖父江の遺体があった場所。
遺体位置がはっきりとわかるテープの場所を見ると、そこだけ焼けてないのがまたリアル。
その前には娘が監禁されていたクローゼット。
意を決して和真が開けると、沢山の人形やつるされたオモチャ、そして壁にはたくさんのお札!
お~ゾクゾクするぅ~!!
これはヤバイ、とんでもないものを見てしまった、と締めの感想に入った和真が急に血相を変えてダッシュで部屋を後にします。
で、動画は和真が一体何を観たのかは言ってないまま終わるんですね。
これも怖さを増幅させていてよかったです。
きっととんでもない物を見てしまったんだろうと想像できます。
で、あとはもう一瞬の怖さばかり。
茉優の背後に貞子、井戸の中から貞子、そこから床を這って倉橋に襲いかかる貞子(すげえ速いw)、病室で震える倉橋に足元から髪の毛で絡みつく貞子、終盤で仰向けになった茉優の顔から体へとへばりつく貞子、そして一番最後に・・・、などなど瞬発的に怖い箇所はいくつもあるのでその都度ビビッてほしいなぁと。
あ、忘れてた。
茉優が倉橋の手を握った瞬間に、当時の倉橋が遭遇してしまった貞子の映像がとボコんでくるんですね。
この時取り直したものでなくて、当時の映像をそのまま白黒にして映してるんですけど、やっぱり昔のやつの方が悍ましくて怖かったなぁと。
あのフィルムならではのザラザラな映像の質感てのが余計怖いんですよね。
そういや冒頭で団地が映るんですけど、妙にオレンジがかっててるせいで映像がクリじゃないんですよ。
しかも映してるのが団地ってのがね妙に恐怖感を煽ってる気がして、入りはよかったなぁと。
最後に
「リング」って呪いのビデオを見た人が死んでしまうってお話でしたが、これを現代に置き換えたら自然とYoutubeに投稿されている動画を見たら呪われる、って話になると思うんです。
で、ビデオをコピーして他の人に見せれば呪いは解けるって解決方法だったなじゃないですか。動画だとその解決方法は通用しない、どうしよう、そうだ当時を知る倉橋なら何か手掛かりがって流れにして、茉優と石田でバディを組ませる。
これだったらもっと今に適した呪いのパニックホラーになって面白くなるよなぁと思ったんですが、さすがにその規模では今回出来なかったんでしょうね。
あとでこれ製作してくれねえかなぁ。
色々不満ばかり書いてしまいましたが、エライザちゃん頑張ってましたね。
子供時代に孤独を経験した過去を引きずってるような暗さを出しながらも、患者と適切な関係を保って接するって掟を守りたいんだけど強く言えないっていう優しさも兼ね備えてて、要するにステキ。
最後の怯えてる表情もなかなかでした。
あとまつげ長いんですね。
マスカラ付けてると思うけど。特に下のまつげ。
それだけ顔に寄った映像ばかりだったってことですけど。
あとなんだろうなぁ、和真の「必殺顔面シワダラケ」は全然面白くないです。
ファンタスティック和真って名前に、姉の茉優はダサいって思わなかったのだろうか。
コーラロケット失敗動画が8000回も視聴されるって、なかなかの人気だと思うんですけどね。
やはりYoutuberになるには何万回って再生されないとダメなんでしょうね。
そして編集も大変なんだろうなぁ。
ブログの方が楽だなぁとも思った映画でしたw
というわけで以上!あざっした!!
満足度☆☆☆★★★★★★★3/10