知らないカノジョ
SexyZoneの脱退を経てソロアーティストとして活躍中のケンティーこと中島健人。
TVじゃ菊池風磨ばかり見かけますけど、ロックフェスに出たりこうして映画にも主演したりと頑張ってますよね。
今回鑑賞する映画は、そんなケンティーが歌手のmiletと共演するファンタジックラブストーリー。
なんでも、朝目覚めたら妻と仕事の立場が逆転してしまうことから奔走するという「If」をメインにした物語だそうで、フランス映画のリメイクとのこと。
最近の映画が正直パッとしなかったので離れていた三木孝浩監督が、久々にキュンキュンしそうな恋愛映画をやってくれるというので、久々に鑑賞してまいりました!!
作品情報
恋愛映画の名手が、最愛の女性が自分のことを知らない、もう1つの世界に迷い込んでしまった男性を描いたフランス発のファンタジックラブストーリー「ラブ・セカンド・サイト はじまりは初恋の終わりから」を現代の日本版としてリメイク。
売れっ子小説家として成功した男が、歌手を目指すも志半ばで夢を捨てた最愛の人と、「出会っていない、ふたりの立場が逆転した〈もう一つの世界〉」に放り出され、“愛の試練”に立ち向かう姿を、80年代から90年代のハリウッドラブストーリーを意識した空気感や、現実とは違うファンタジックなムードを演出して描く。
「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」や「坂道のアポロン」、「思い、思われ、ふり、ふられ」など、淡い恋模様から音楽青春映画、SF色も絡めた男女の物語を得意とする三木孝浩監督。
元々ミュージッククリップを製作していたこともあり、「歌詞に物語のテーマや感情が乗っている作品にしたい」という思いから、オリジナル映画の女性の設定を歌手に変更。
それによって内容もより非現実的な世界感を生み出すことに成功した。
主人公の売れっ子小説家リク役には、グループ脱退後ソロアーティストとして活躍、「お前の罪を自白しろ」で主演も務めた中島健人を抜擢。
監督曰く「大人になったのび太くん」をイメージしての起用とのこと。
そして別の世界でスター歌手になっている主人公の妻ミナミ役に、本作で演技初挑戦の歌手miletが演じる。
1年の演技レッスンを受け臨み、音楽的な感覚で見事に表現している。
他にも、リクの親友恵介役に、「ソラニン」、「首-KUBI-」の桐谷健太、ミナミの祖母役に「きみの瞳が問いかけている」の風吹ジュン、アーティスト・ミナミのプロデューサーで恋人の田所役に、「ある男」の眞島秀和、編集者になったリクが担当する作家ルミ役に、「夜、鳥たちが啼く」の中村ゆりかなどが出演する。
ふたりが出会わなかった世界で、リクに訪れる試練とは。
驚きと感動に満ちた唯一無二の「IFの物語」がここに。
あらすじ
大学時代に小説家志望の神林リク(中島健人)はミュージシャンを目指す前園ミナミ(milet)と出会う。
二人は互いに一目惚れして結婚。
8年後、リクは超人気のベストセラー作家となるがミナミは志半ばで夢を諦めていた。
そんなある日ミナミとケンカした翌朝リクが目覚めると、なぜかミナミは大スターでリクは小説家ではなくいち編集者という世界に。
更に二人は出会ってもいなかったのだ。
困惑するリクは元の世界を取り戻そうと奔走し、なんとかミナミに近づくが、彼女の隣には愛する人がいた――(HPより抜粋)
感想
#知らないカノジョ 観賞。miletが可愛いので大目に見たいが、なかなかクサい芝居で回りくどくて無理矢理にも程がある映画だった。
— モンキー🐵@「モンキー的映画のススメ」の人 (@monkey1119) February 28, 2025
とにかくMVPは桐谷健太。美味しいところは全部彼が持ってった。
しかしあの新人作家、なかなかのヤバさだったな… pic.twitter.com/UXCYgIWwVx
嫌いな話ではないんだけど、パラレルワールドでの行動が無理矢理過ぎ。
そんな都合よく行くかよ!…ってでもパラレルワールドだったんだわ…。
しかし、なんて回りくどい話だ。
以下、ネタバレします。
さくっとあらすじ
大学時代に惹かれあったリクとミナミ。
互いが夢を抱きながら、自分の作った小説や歌を一番最初に受け取ってほしいと願う二人は、リクの成功をきっかけに結婚。
トントン拍子で出世していくリクとは裏腹に、彼のサポートばかりしていたミナミのライブの客席にリクの姿はなく、ついには衝突してしまう。
スーパームーンが浮かぶ夜、執筆作業を終えて眠るリク。
すると翌朝、担当の編集長に電話で起こされ、打ち合わせのために出版社へ向かうと、彼は作家としてではなく一般の編集者になっていた。
上司や同僚、そして親友であり大学の先輩のカジさんがフォローを入れる中、ミナミに電話をかけようとしてもスマホの電話帳にミナミの名前がない。
タクシーの横に留まったトラックを見て驚くリク。
そこには前園ミナミがトップアーティストとして成功している世界であることに気付く。
彼女がラジオ収録をしている場所を突き止め、本人を訪ねると、自分の存在をまるで知らないことに驚愕する、
頭の整理がまるでできてないリク。
とにかくカジさんにこのことを説明。
彼の話ではどうやら、神のイタズラか、誰かの願いによって別の世界線にやってきてしまったらしい。
どうにかして元の世界に戻る方法はないか模索するリクは、カジさんの提案でミナミの本の出版を目的に密着取材を申し込むことに。
ミナミの祖母がいる老人ホームにまで訪ねてしまったことでストーカーのレッテルを貼られてしまっていたリクだったが、ミナミは祖母がリクを一目置いていたことが気にかかりオファーを承諾する。
リクは彼女の密着取材をしながら、料理ができなかったことやプロデューサーの監視下によって日常を知らないまま生きていることを知る。
徐々に距離を縮めていく2人だったが、ミナミがプロデューサーと熱愛していることをリークしたと勘違いされ、さらに嘘の取材であったこともバレてしまい出禁になってしまう。
完全に修復できないことに落胆するリクだったが、祖母から託された指輪を胸に、この世界で頑張ることを決意。
新人賞に応募したもののボツになっていたある小説を発掘したリクは、作者の金子ルミと共に手直しをし、彼女を小説家デビューさせることに成功し、大ヒットを遂げるまでに。
さらに映画化の話まで舞い込み、その主題歌をミナミが担当することになる。
ダメだと思っていたリクに再び彼女に近づくことができるチャンスが舞い込み、大学時代に作りかけていた未発表の曲をリクと共に製作することに。
リクはミナミと結婚していることや自分が小説家になっているという本来の世界線の話を打ち明けるが、ミナミにはなかなか信じてもらえない。
その代わりミナミが描いてる将来の話を聞くリクは、再び彼女の知らない一面を目の当たりにし、如何に自分が自分の事ばかり考えていたかに愕然とし涙を流してしまう。
リクはミナミを自宅に招き書かなくなっていた小説「蒼龍戦記」を読んでもらおうとするが、プロデューサーからの呼び出しにより、二人の自宅に行くことに。
そこで海外進出の準備が整ったことを知らされ、リクは三度落胆する。
落ち込んだまま帰宅すると担当の小説家金子ルミが玄関の前でしゃがんで待ちぼうけしていた。
電話をかけても出ないリクに会うためにやってきたルミだったが、彼女はリクに対し仕事上パートナーの一線を越えた感情を打ち明け、リクを困らせてしまう。
正直な気持ちを打ち明け、ルミは家を飛び出してしまう。
翌日、ルミはマスコミに対し「リクからセクハラ被害を受けていた」ことを公表し訴訟を起こすと発表。
これによりリクは出版社から休暇を命じられることはもちろん、映画化の話まで頓挫してしまう。
マスコミに追われる中、カジさんの協力で煙に巻くことに成功したリクは、カジさんの自宅でしばらくかくまってもらうことに。
カジさんには一匹の犬と大学時代に付き合っていた彼女との写真が飾られていた。
今は一人だというカジさんを弄るリクだったが、実は彼女は3年前に事故死していたことを知る。
元の世界に戻りたいと願うリクの気持ちに内心腹を立てていたカジさんだったが、妻が亡くなった際に励ましてもらったことへの恩返しをしたくて協力をしていたのだった。
リクはそれまで蓋を閉じていた「小説家への思い」をこじ開け、蒼龍戦記を書き上げていく。
そしてなぜこの世界に迷い込んでしまった原因をようやく見つける。
果たしてリクは元の世界に戻り、ミナミとの夫婦生活を取り戻すことができるのか。
・・・というのがざっくりしたあらすじです。
恋人を大切にしましょうね。
リクが執筆していた「蒼龍戦記」は、主人公ガロナスと相棒のシャドウが追われながらも協力し合って戦う姿を描いたファンタジー小説なんですが、本作はリク=ガロナス、シャドウ=ミナミという立ち位置で映像として描かれており、重傷を負ったシャドウに救いの手を差し伸べることなく一人で茨の道を歩もうと決意するガロナスの思いで一旦結末を迎えるというものでした。
要するに、ミナミがいなくても自分はこの世界で戦っていくという決意表明とも取れてしまうわけです。
それを読んだミナミは深く傷つき、スーパームーンが浮かぶ夜に、自分が成功した世界を願ってしまったがために、リクは全く違う世界に迷い込んでしまうという物語でした。
色々端折って語れば、パラレルワールドに迷い込んでしまったものの、なんとかミナミと接点を作り試行錯誤しながら彼女の本心を知っていくことで、パラレルワールドで頑張ったことが実を結び、彼女と結ばれるっていう話でしたね。
なのにプロデューサーだったり、新人作家が邪魔をするという物語になっていて、いくつもの苦難が訪れるという、少々やきもきした展開。
もう少し登場人物を少なくしたり、彼らのせいで繋がりが絶たれてしまうような展開にせずに、あくまで障害はミナミの本当の気持ちという風にした方が、シンプルな構成で面白かったんじゃないかなと思ってしまいました。
そもそも物語的にツッコミどころが多すぎます。
自分の存在を忘れてしまったミナミに、自分を思い出させるためにまず行動したのが、アポなしで訪問したミナミの祖母がいる老人ホーム。
認知症っぽい設定のため、リクを把握してるのかしてないのかよくわからないようにしておきながら、めちゃめちゃ肝心なことをいう惑わせぶり。
「戻るということは大切なモノを失ってしまうかもしれないのよ」ってセリフが後々物語を動かすことになるんですよ。
それは終盤結末を書き換えた小説をミナミに読ませることで、自分が改心したことを知らせ、元の世界に戻れると思い込んだリクが、この祖母の言葉を思い出して小説を捨ててしまうというもの。
でも結果的にミナミはリクの思いに気付き、めでたしめでたしっていう。
じゃあそのセリフなんだったんだよって。
結果戻って大切なモノを取り戻してんじゃねえかよ。
そしてその老人ホームを訪ねたせいでミナミに遭遇してしまい、ストーカー扱いされてしまうんですね。
普通、タレントをマネンジメントする事務所からしたら、こんなことあってはならないし、仮にカジさんと共に一生懸命謝ったところで逮捕は免れたとしても出禁です。
なのにこのプロデューサーは2人の面会を許して、尚且つ密着取材を許可してしまうんですね。
は?です。
ミナミもミナミです。自分の身を守る行動をして欲しいものです。
それからというもの、リクの事を全く知らないことは愚か、ストーカー疑惑のあるリクと二人きりでの取材を受けるミナミ。
誰にも喋ったことのない情報まで知ってることに驚いてましたが、待ってください、この時点で彼はまだストーカーなんですよ。
普通中華街のエッグタルトが好きだってことを知ってる時点で、身の毛がよだつと思うんでんすけどね。
なんで赤の他人にこんなにも心を許してしまうのか。
いくら祖母が一目置いてるからって、お婆ちゃんは認知症なんですよ。
色々信用し過ぎてるってところでいうと、なんであんないかにもなプロデューサーについていって、しかも付き合ってるんですか。
世間知らずなんでしょうか。簡単に人についていってはいけませんて。
リクもリクです。
というかカジさんですかね。
会社に黙って密着取材を申し込んでる間、リクは出版社の仕事はどうしてたんでしょうか。
しかもそれが嘘だと会社にバレてしまったことに対する処分はなかったのでしょうか。
多分に、プロデューサーとの熱愛スクープをゲットしてしまったことでチャラにでもしてもらったんでしょうか。
さらに新人作家の金子ルミの描き方もやり様がなかったのでしょうか。
そりゃどう見ても内気な女性が、あんなイケメンに手取り足取り指導してもらって、それが評価されてデビューできたこともすごいですが、大ヒットまでしてしまう。
そりゃ恋心だって生まれるでしょう。
そんな初心な女性の恋心を傷つけられた腹いせがセクハラ訴訟って、一体どんなキャラだよ。
めちゃめちゃしたたかじゃねえか。
一体あの騒動はどう決着したんだ。明らかに不当だろ。示談で解決か?
いやいやケンティー、じゃねえリクや、普通逆に虚偽で訴訟返ししろよ。
サッカー日本代表の伊東を思い出せ、同じ状況じゃないか。小説書いてる場合じゃないぞ普通。
最後に
このように色々展開がぶっ飛びすぎてて終始半笑いでしたよ。
だけどこれが不思議なもんで、横浜のロマンチックな夜景がそれらを忘れさせるんですよね。
まぁ美男美女が互いの夢を犠牲にしないようにするために、距離を縮めて成就させようと試みるまでをムーディーな雰囲気とピュアな恋愛描写を入れてくるんだから。
とにかくMVPは桐谷健太ですね。
三木監督作品で言えば「ソラニン」での役柄が思い出されますが、あの時以上に成熟した年齢とキャリアだけあって、笑わせる所は笑わせ、彼の背景に触れるシーンでもなるべくウェットに持っていかないように気丈に振る舞う芝居を見せる。
あの立ち位置もこなせてしまう彼の俳優人生はこの先も順風満帆でしょう、俺が監督でも使いたいよ。
それにひきかえケンティーはちょっと芝居がかってますね。
大学時代でのミナミとの再会での気恥ずかしそうにはにかむ表情はわざとらしいし、涙を流すしぐさでさえもわざとらしい。
常にカメラに見られてるという意識が役を演じていても抜けてません。
どれもこれもクサい芝居になってしまっています。
こういう時位セクシーは家に置いてきてください、迷惑です。
ミナミ演じるmiletはそもそも女優さんではないので1年の演技レッスンをしただけの甲斐はありました。
それ以上に、かわいい。
アラレちゃんめがねがかわいい、大人になって付け替えるメガネ姿がかわいい、ライブハウスで一人緊張して手が震えてるのがかわいい、ケンティーに励まされて笑顔に戻る姿がかわいい、ウェディングドレス姿がかわいい、ダボダボのチェックシャツ姿がかわいい、ベレー帽がかわいい、エッグタルト食べてる姿がかわいい、エプロン姿もかわいい。
なのでオールオッケーです。
結局かわいけりゃいいのかよ、ええ、いいんです。ツッコミどころは目を瞑ります。
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10