スマッシング・マシーン

ヒーローが怪獣を倒す勧善懲悪ものは好きなのに、なぜか格闘技全般が苦手なモンキーです。
僕の少年時代は、佐竹やアンディフグらが席巻したK-1や、辰吉VS薬師寺らでにぎわったボクシング、そして全日やら新日やら馬場猪木の後のプロレスと、普通に地上波のゴールデンで格闘技が放送されてました。
今ではPPVかサブスクでなければTV観戦できないさみしい時代ですが、本当によく放送してたんですよ。
でもね、クラスメイトとの話題についていくために見ていたものの、マジで面白いと思ったことがない。
え!?男の子ならみんな好きなんじゃ?なんて、こんな時代にとトキシックマスキニュリティをぶち込んでこないでほしいね(最近覚えたワード、合ってるかわからんw)。
今回鑑賞する映画は、そんな俺があまり好きではない総合格闘技全盛期の時代に活躍した選手の物語。
PRIDEといえば「出てこいや!」の高田延彦や桜庭和志、ヒョードルにシウバなど知ってる名前は多々あれど、マーク・ケアーという名前はマジで知らん…。
あと大体これ系の試合放送に藤原紀香と長谷川京子と畑野ひろ子がいたのはよく覚えてるな…あれ系の女性にウケてるぞ!っていう刷り込みだったよなぁ…。
一応サフディ兄弟の弟監督デビュー作で、兄ちゃんが作ったマーティ・シュプリームがクソ面白かったので期待はしてます。
早速鑑賞してまいりました!!
作品情報
ジョン・ハイアムズ監督が2002年に制作した総合格闘技選手マーク・ケアーのドキュメンタリー「The Smashing Machine」を鑑賞した元プロレスラーのハリウッド俳優ドウェイン・ジョンソンが、深く感銘を受けたことから映画化権取得に動き、主演兼プロデューサーとして実現した知られざる実話。
総合格闘技が隆盛を極めた90年代後半を舞台に、栄光の裏側で挫折と再生の道を選んだ総合格闘家マーク・ケアーの知られざる軌跡を、脆さと再生力を余すことなく見せることで、本当の人間の強さを見せた感動必至のドラマ。
本作の監督を務めたベニー・サフディは、「リコリス・ピザ」や「オッペンハイマー」など俳優としても活躍する傍ら、兄ジョシュとともに「グッド・タイム」や「アンカット・ダイヤモンド」など、どうしようもない人間のおかしさと必死さを表現し、世界で高い評価を得てきた映画監督でもある。
そんな彼が今回初めて単独での監督に挑み、ヴェネチア国際映画祭で銀獅子賞(監督賞)を受賞する快挙を成し遂げた。
「基になったドキュメンタリーを観てマーク・ケアーという男にすぐに興味が湧き、見た目の強さの中に優しさが秘められている、そんな人物をドウェインだったら再現できる」と、制作するきっかけを語った。
また本作は、兄ジョシュが制作した「マーティ・シュプリーム」同様、日本での撮影を敢行。90年代後半から00年代初頭の日本を再現すべく、経済産業省の補助事業「JLOX+」による「海外制作会社による国内ロケ誘致等に係る支援」を受け実現した。
そんな、知らぬ間に日本で撮影していた本作。
主演には、「ブラック・アダム」や「モアナと伝説の海」の実写映画が控えているドウェイン・ジョンソンが、元プロレスラーという肩書を活かしながら、繊細な内面を表現。
その演技が評価され、20年以上に及ぶ俳優キャリアで初めてゴールデングローブ賞主演男優賞(ドラマ部門)にノミネートを果たした。
そのほかにも、マークの恋人ドーン・ステイブルズ役に、「プラダを着た悪魔2」や「ディスクロージャー」の公開が控えているエミリー・ブラント、対戦相手マーク・コールマン役に現役総合格闘家ライアン・ベイダー、対戦相手イゴール・ボブチャンチン役に、ウクライナ出身のプロボクサー、オレクサンドル・ウシク、さらにPRIDE総合プロデューサー・榊原信行役に、「沈黙の艦隊」シリーズの大沢たかお、通訳役に光浦靖子、布袋寅泰が本人役として出演するなど、日本人キャストも多数参加している。
スマッシングマシーン、霊長類ヒト科最強の異名で愛された格闘家の、脆く弱い知られざる一面。
男は弱さを見せてこそ強くなる。
あらすじ
1997年の総合格闘技デビュー以降、無敗のまま頂点へと駆け上がったマーク・ケアー(ドウェイン・ジョンソン)。
UFCでの連覇を経て、日本のPRIDEでも快進撃を見せると「霊長類ヒト科最強の男」の異名で恐れられる存在となる。
しかし勝利を重ねるほどに、その重圧は彼の心を静かに浸食。
同棲する恋人ドーン(エミリー・ブラント)との関係も次第に悪化していき、鎮痛剤への依存を深めていく。
やがて初めての敗北を喫した“最強の男”は、ついに自らの弱さに向き合い、人生の再起をかけもう一度リングに挑むことを決意する――。(公式より抜粋)
感想
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— モンキー🐵@「モンキー的映画のススメ」の人 (@monkey1119) May 15, 2026
ドキュメンタリータッチにしたことで善い所と悪い所がくっきりしちゃった気がする。
弱さを克服するための尺と並行してかまってちゃんな恋人の痛い部分まで見せる必要ってあったんだろうか。
以下、ネタバレします。
やっぱり格闘技は好きじゃない。
97年から00年までのPRIDEでのマークを映した本作。
UFCでの無敵だった冒頭からすぐさまPRIDE挑戦へと移り変わっていく速さにまず驚く。
2時間ある尺の中で、いきなり渦中のPRIDEでのエピソードに行くには、マーク・ケア―という人物を描くのに急いではいないだろうかと。
病院で診察を受ける際に痛み止めへの関心がある姿を見せていたけど、もうPRIDEに行く前から痛みへの辛さが出てたってことなんだろうか。
とりあえずアメリカと日本を往復しながら、鎮痛剤に依存する姿が描かれ、恋人の献身的な支えや友人コールマンとの友情もあって何とか克服できたんだろうけど、正直弱さたる葛藤の描写が少ない。
依存を完全に克服することなんてそう簡単にできるわけがなく、そういう部分を引きずりながら進んでいくしかないってことから、描写が少ないという表現は適してないと思うんだけど、もっとつらい姿とか涙に暮れて苦しむ姿とかあってもよかった気はするんですよ。
鎮痛剤打ち過ぎてぶっ倒れて入院してようやく自分のヤバさに気付いてリハビリ施設に行くんだけど、例えばそういう弱さと向き合ってはいるけど、ほんの些細な出来事で再び薬に手を出してしまうような「依存症の怖さ」とか「こういう症状は簡単にダークサイドに落ちてしまう」みたいな危険性を描くとかあっても良かったような気がするんですよ。
それが原因でドーンと喧嘩ばかりしてしまうってのならわかるんですけど、後半はマークケアーよりもドーンの方がメンタル的にヤバいんじゃないか?って思ってしまうほど彼の物語、彼の問題から遠ざかってやしないかと。
確かに彼女がいなければもっと薬に手を出していたかもしれない。
そう言った意味での彼女の献身性は非常に高いモノが描かれてたけど、初めて日本に来てこれから試合だってのにベタベタし始めるとかどういう神経してんだよって俺は目くじら立てながら見てましたよw
アスリートを支える恋人がする姿勢じゃないですよね。
おまけにあの派手さから主張が強そうなキャラだろうな~と思ってたら案の定後半からガンガン「私はあなたにとっての何!?」って絡んでくるしw
構ってもらえないからって、リハビリしてる彼氏の前で頭痛薬を4錠飲むとかデリカシーなさすぎでしょw
そりゃマークもキレるってw
この辺はさ、マークも感謝してるって口では言うけど態度で示してなかったから衝突したんだろうね。
それもこれも鎮痛剤依存が原因ではあるんだろう。
そうした格闘家以外の一面を映画で観れるって部分は、ファンにとっては喜ばしいことなんでしょう。
しかし映画の構成的に感動の曲線が歪で、普通に映画として見づらい感動しづらい映画だったなぁとは思う。
実際あったことだから仕方ないんだけど、アメリカと日本の往復を繰り返しながら物語が進行するから、正直繰り返しがクドイ。
また、さっきも言ったように依存症が見つかってからの葛藤が真ん中になく、そこからどう這い上がっていくかへの曲線的構成がわかりにくい。
後半は、親友と試合をしなくてはいけないかもしれない状況下で、鎮痛剤を克服し復活を遂げようと意気込むマークだけど、まだ完全体ではないことを示唆する描写、それが再び恋人との喧嘩へと発展してしまうわけだけど、さっきも見たし、グレードアップした展開なんだろうけど、ガチでマークよりドーンの方が心配になってしまう、主人公は一体誰よ状態な終盤。
突然マイウェイ流しても効果が弱いし、ドラマチックに見せてるように思えないぶつ切りな編集に、心のやり場に困る映画だったなと。
やりようによってはめちゃめちゃ感動できる素材なんですよこの映画は、
だけど既にドキュメンタリーが存在すること、それを参考に映画を作ってるのはいいけど、こっちもドキュメンタリータッチなのはどうなんだという疑問、試合ですらドラマチックに演出できてない見にくさなど、なんかどれもスカされた気分というか。
確かにドウェイン・ジョンソン史上最高演技だとは思う。
そもそもあの人が映画で泣いた演技したのって、これが最初じゃない?
いわゆる有害な男性性を求められて苦しんだって話じゃないですかこれって。
ザ・ロック様自体そういうパブリックイメージが定着してる中で、この役はかなりの挑戦だったと思うんですよ。
だって弱い自分を演じなくてはいけないわけだから。
やっぱ彼が入院先で親友の前で強がってるのがバレて涙を流すとこ、グッときますよね。
役ではあるけど、彼もなくことあるんだって錯覚しちゃうくらい。
強さを競う仕事をするのに正直「向いてないんじゃない?」くらい優しい姿ばかり見せるんですよこの主人公は。
もしかしたらパフォーマンスかもしれない、恋人の前ではブチ切れるわけだから。
だけどやっぱり気を遣える性格なんですよ元から。
だからナチュラルにできる。
反則使われて、本当なら怒り心頭なのに、大丈夫かい?といえる気配り。
俺は大丈夫、じゃあ写真撮ろう、って普通言えないよ。
きっとドウェイン・ジョンソン自身もそういうサービス精神と気遣いでこれまでやってきた自負があって、苦しい時期もあったんだろう。
そうした思いがマークケアーという役を通じて見えてきたりもしたんですよね。
話がころころ変わりますけど、ドーンとの喧嘩は壮絶でしたね。
さすがアメリカンって感じのモノ投げるわドア壊すわコップ投げるの八つ当たりオンパレード。
男が女に暴力を振るうことはたとえどんなことがあっても許されないと思ってますが、だからと言ってモノにあたって力を見せつけるような行為も同等だと俺は思うんですよ。
で、もっと言うとそうさせようと仕向けるかのような憎たらしい反論をする女性側のやり口も俺は許せないんですよw
ドーンて、正に相手の神経を逆なでする才能の持ち主だったなぁって。
終盤での口論はなかなかでしたね。
日本へ連れてってほしいと頼むドーンでしたが、試合に集中したいから連れていけない。
たった2日間留守にするだけだから我慢してもらえないかというのがマークの言い分。
それに対し、いやいやちょっと待ってあたしあなたのために汗臭いシャツ選択して料理作って送り迎えもしてってサポートしてきたじゃない。
それを無視して同行させないってどういうつもり?私あってのあなたでしょ、と。
確かに感謝してる、でもこの仕事で稼いでる、今回の賞金は俺にとってかなりデカいモノなんだ、それを手に入れるためには集中できる環境が必要で、一人になりたいんだ、頼む留守番してて!
い~~や、あなたは私の事を邪魔だと思ってる、ほら邪魔だって言ってみなさいよ!
そうじゃない!
ほら言え!
だああああああっ!!
こうしてコップを投げつけ、相手を黙らせようとしますがドーンは逆に興奮、もっと挑発して「殴りなさいよ」と煽る始末。
結果、マークは「もういやだ、今すぐ出てってくれ」と関係を終わらそうと促すことに。
どうもこの日は試合前の壮行会的なパーティーだったようで、それは楽しみにしてたから明日でもいい?と急に弱腰になるドーン。
どうやらマークが本気であることを悟ったドーンは、いきなり拳銃を取り出して自殺しようと引き金に指をあてます。
急いで止めに入ったマークでしたが、体をすり抜けられて今度は洗面所に籠られる羽目に。
もちろんドアをぶっ壊して薬の過剰摂取を防ぐマーク。
泣きじゃくるドーンを抱きしめて拘束するマーク。
もう何なんだよこの彼女。
なんていうんですか、やっぱね、やってあげてるみたいにやってる人はサポートに六いてません。
必ず見返りを求めてきますから。
マークにも原因はあったかもしれないけど、俺としてはアスリートの恋人ならこういうことは覚悟してサポートしてほしいですね。
別にさ、日本に別の恋人がいるってわけじゃないんですから、一人で日本にいかせてあげたってえや。
浮気癖あるんなら何が何でも同行したほうがいいですけどねw
最後に
ほら、結局マークよりもドーンの方がインパクトある感想になっちゃった。
そういう映画は残念ながらうまくないですよ。
主人公が霞んじゃってるんだから。
当時を上手く再現した映画ではあると思いますし、大沢たかおも光浦靖子も自然体で演じられてた気がします。
エンセン井上を石井慧がやってたのハマってたなぁw
だけど藤田和之はなんか違ったなぁ。
ま、いっか。
当時の日本も良く再現してたけど、一瞬「喫煙禁止店」のステッカーが映ったのを見逃しませんでしたw
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10
