❝それ❞がいる森
ある~ひ 森の中 クマさんに であ~った♪
実際にクマに出会ったら「死んだふり」した方がいいとか言いますが、本当はダメみたいですねw
そもそもクマに出会ったことないんで、いかに危険な動物なのか僕はよく理解してませんw
今回鑑賞する映画は、そんなクマと遭遇した親子・・・かと思いきや、熊ではない「それ」と遭遇しちゃってさぁ大変!というホラー映画。
お化けなのか幽霊なのか、それとも未知の生物なのか。
個人的には殺人マシーンみたいなヤバい奴だったら最高なんですが、それだとやりすぎなのかな?w
早速観賞してまいりました!!
作品情報
「リング」、「スマホを落としただけなのに」シリーズなど、30年にわたってJホラー映画ブームをけん引してきた中田秀夫監督の最新作は、不可解な現象が起きる目撃情報のある実在の森をベースにした物語。
元妻のもとからやってきた一人息子と共に暮らす主人公が、近くの森で得体の知れない生物に遭遇し巻き込まれていく姿を描く。
ハリウッドでも手腕を発揮した監督が挑むのは、新感覚のホラー映画。
時代とともに空気を敏感に吸い込んできたホラー映画を、さらに新たなものへと進化させるため、毛色の違う作品に仕上げた。
そんな挑戦的な作品の主役には、現在活動休止中の嵐のメンバーであり、バラエティ番組を中心にソロで活躍する相葉雅紀。
ホラー映画には初出演であるが、バラエティで鍛えたリアクションを武器に、観る者をきっと驚かせるに違いない。
他にも松本穂香や江口のりこ、眞島秀和、宇野祥平、そして小日向文世といった個性派俳優陣が脇を固める。
「森のくまさん」の歌とともに描かれる本作。
熊ではない物体とは一体何なのか。
それを知ったとき、どんな恐怖が訪れるのだろうか…。
あらすじ
田舎町でひとり農家を営む田中淳一(相葉雅紀)は、元妻・爽子(江口のりこ)と東京で暮らす小学生の息子の一也(上原剣心)が、突然ひとりで訪ねてきたのをきっかけに、しばらく一緒にくらすことになる。
ちょうどそのころから、近くの森では不可解な怪奇現象が立て続けに発生し、淳一が住む町でも、住民の不審死や思想事件が相次いでいた—
そんな矢先、淳一と一也も偶然得体の知れない❝それ❞を目撃してしまう。
淳一は一也の担任教師・絵里(松本穂香)と共に、怪奇現象に巻き込まれていくが、それは未知なる恐怖の始まりに過ぎなかった—(HPより抜粋)
監督
本作を手掛けるのは、中田秀夫。
これまで「リング」、「仄暗い水の底から」といったJホラー映画の礎を作った作品から、ハリウッド版リメイク作である「ザ・リング」と世界をまたにかける活躍を見せ、近年では「スマホを落としただけなのに」シリーズ、「事故物件」、「嘘喰い」など新しいホラーの形を模索した作品を制作し続けています。
個人的には近年の作品に関しては整合性のおかしいツッコミどころが目立ち、恐怖感よりも「おかしい」方が先行してしまうことが多いです。
正直今回もそれに倣っての期待値なんですが、どうやら本作は監督曰く「アクティブホラー」という名目の作品なんだとか。
例えば「リング」では幽霊に対して登場人物はただ怯えるだけでしかなかった作品でしたが、本作は「それ」から子供たちを守るために行動するアクションを加えたことで、これまでとは違うホラー映画にしたとのこと。
じめっとしたホラーではなく、爽快感のある内容にしたということで、後味はさっぱりしてるのかと予想します。
相葉雅紀×松本穂香×中田秀夫監督「“それ”がいる森」は、人間が“どうしようもある”ホラー 3人が怖いものとは?(3/4) | WEBザテレビジョン (thetv.jp)
キャスト
主人公・淳一を演じるのは相葉雅紀。
本人としては「MIRACLE デビクロくんの恋と魔法」以来8年ぶりの映画出演とのこと。
嵐が活動休止してからはバラエティタレントとして活動を行っていますが、本作への出演を皮切りに舞台などにも挑戦するそうで、ファンは再び忙しくなるのではないでしょうか。
今回息子役であるジャニーズJrの上原剣心くんが初の映像出演ということで、相葉君は彼のために何回もリハーサルに顔を出して相手をしてあげたそうです。
親子という関係性もそんな時間を費やしたことで構築していったのではないでしょうか。
また今回は父親が成長を遂げていく物語でもあるということで、演技をするうえで監督のわかりやすい指示を受けながら模索していったとのこと。
久々の映画の主役ということもあり、それ相応の覚悟を持って臨んだそうです。
他のキャストはこんな感じ。
担任教師の絵里役に、「みをつくし料理帖」、「桜のような僕の恋人」の松本穂香。
淳一の息子一也役に、ジャニーズJr.内グループ「Go!Go!Kids」のメンバー上原剣心。
淳一の元妻爽子役に、「愛がなんだ」、「スマホを落としただけなのに 囚われの殺人鬼」の江口のりこ。
刑事役に、「大怪獣のあとしまつ」、「ある男」の眞島秀和。
淳一の農業仲間・長尾良平役に、「罪の声」、「アキラとあきら」の宇野祥平。
60年前の目撃者・児玉勉役に、「HERO劇場版」、「コンフィデンスマンJP」シリーズの小日向文世などが出演します。
「それ」で煽る感じがいかにも昨今のホラー映画トレンドになってて、さすが時代の空気を読んでらっしゃる!と思いますが、煽る以上は相当な正体でないと大変なことになりそうな予感w
僕も正直に感想を言いたいと思いますw
ここから観賞後の感想です!!
感想
#それがいる森 観賞。
— モンキー🐵@「モンキー的映画のススメ」の人 (@monkey1119) 2022年9月30日
森にいる「それ」に遭遇した親子が、絆を深めながらなんとか抗う話。
中田秀夫がとうとうそれに手を出したかってことへの驚きと笑い。
まぁ大したことはないし、親子の絆の深め方が浅いw
ぶっちゃけ隠さない方が一定層を取り込めると思うんだけどなぁ。 pic.twitter.com/kiI2Wnxyi2
結局「それ」って❝それ❞かよww
それの存在に肩透かしを食らったのではなく、それのビジュアルが全然怖くないw
中田秀夫という名前からは想像つかない展開ではあったものの、単純にお話が面白くない…。
以下、ネタバレします。
それの正体とは…
福島県にある天源森という架空の山と近隣の小さな田舎町を舞台に、一人息子を「それ」から守るために奮闘する父の物語を描いた本作は、いわゆるオカルトやSFの類という中田秀夫の新たな挑戦に歓迎はしたものの、肝心の親子のきずなや父親の成長を見せる演出や脚本が陳腐でグッとくるものがなく、閉じ方に関してももっと不気味を漂わせるようなものになっておらず、Jホラーの新たな見せ方としてはよく言えばマイルド、悪く言えば駄作の領域になってしまった、非常に勿体ない作品でございました。
きっと本作の一番の魅力は「それの正体」に対するサプライズや意外性、対象に対して演者がどのようなリアクションを見せ、どのように抗い、どのようにして撃退ないし駆除するかだと思うんです。
公開する前にネタバレにならないよう舞台をぼかす配慮もしており、宣伝方法としてはよく出来ていたと思います。
現に自分も「それの正体」を知りたくて見に行ったミーハー野郎であり、一体どんな奴が出てくるのか楽しみではありました。
熊ではないバケモノ。
もしかしたらプレデターのような狩りを楽しむ種族かもしれないし、ペニーワイズのように子供ばかりをさらって森の中で宙に浮かせてほくそ笑んでるヤバい奴かもしれない。
もしくは中田秀夫の原点回帰で貞子のような恨みを持った幽霊かもしれないし、殺人鬼のような実態を持つ人間なのかもしれない。
一体それの正体は何なのか。
宇宙人でした…。
これ、隠して語るの無理ですw
結局それかよぉ~!!っていう人もかなりいると思うんですが、僕は「え?監督ってこっち系もイケるの!?」と、寧ろ歓迎した側です。
物語自体中盤くらいまで進行しないと正体が明らかにならないんですけど、序盤では大人は殺され、子供は行方不明になるという不可解な現象が続き、その過程でちょいちょい姿をチラ見せしながら観衆の興味を引き付けるという演出。
一也の一番最初のお友達が連れ去られた際は、濃いめのグレーでは異色された小柄な物体の手だけが映る見せ方で、長く鋭い指が三本ある、この世のモノとは思えない手をしたヤツで、パッと見ロードオブザリングのゴラムみたいなバケモノなのかと。
あ~これは今回のために作ったオリジナルのバケモノなのか、全体像を見せた時に我々を驚かせてくれるんだね、なるほど、とまずは静観モードで物語を楽しんだわけです。
すると今度は主人公の淳一がオレンジの栽培をしているビニルハウスで異変。
長い棒と懐中電灯を持って恐る恐る中に入ると、照らされた車のライトによってビニルハウスの外側へと視線は変わり、そこには全体像がお目見え。
といってもビニルハウスのビニール自体がちょっとしたボカシとして使われていて、はっきりと見せない演出が施されていました。
これは勿体ぶるね~見せ方巧いね~小出しにするね~なんて感心しつつも、そこで見た「それ」の全体像が、俺的にはどう見えてもロダンの考える像にしか見えなくて、一瞬戸惑いを隠せませんでしたw
え!?考える像!?
は?何、銅像が今回襲ってくるの!?
それが森にいるの!?
いやいやそれ面白いのか!?と。
いや待てよ、もしかしたら考える像以外にも、小便小僧とか二宮金次郎像とかミロのヴィーナスとか、ありとあらゆる銅像が集結して「銅像ユニバース」として町の人々に襲い掛かるのか!?
そしたら「それがいる森」じゃなくて「それらがいる森」じゃん!
…と、くだらない妄想をしながら、それの正体にワクワクしていた私でしたが、ただの宇宙人だったことで、一気に妄想熱は冷めました・・・。
見た目はいわゆる色んな雑誌やら映画やらでみかける「グレイ」と何ら変わりのない姿。
大きいのもいれば小さいのもおり、頭は小さく、体はがりがりでお腹が少し膨れている餓鬼のような感じ。
ただよく見るそれと違うのは、口が横にはなく縦にひらくことや、人間、特に子供を捕食する際、胃の辺りまで口が開き、虫食い花のような感じで鋭利な歯が細かく連なっていることでしょうか。
それは子供たちが持つ成長盤欲しさに捕食、すると二体に分かれ増殖するという繁栄方法で街の子供たちを襲っており、既に成長した大人には北斗神拳のように指で突き刺し殺害するという算段。
お前はもう死んでいると言わんばかりに次々と殺される大人たちは、それへの対処法がひとつもなく、ただただ無残に殺されるだけというなかなか可哀想な処理のされ方をしていましたね。
もちろんこいつらを撃退するための策はあり、それが主人公淳一だけが知る手がかりだったわけで、ここでようやく父親としての務めを果たす要因が出来上がるという流れだったのであります。
妄想がどうたらいってましたが、既に序盤から思いっきり「それの正体」に直結する大きなヒントは映ってたんですよね。
それが一也と最初のお友達「ゆうじくん」と遊んだという秘密基地からの帰り道。
田舎町の森の奥深くに作られた秘密基地ってのがいかにもスティ―ブンキング的な設定で、この場所にある仕掛けが、ラストの展開に大きく関わっていく設定になってるんですね。
それを最初に提示した後、帰り道で「大きな鉄の塊」と遭遇するんです。
きっと我々が良く知る未確認飛行物体の形状ではすぐ見透かされると思ったんでしょう。
鉄の塊は確かに未確認飛行物体と思わせる形状なんですが、いわゆる円盤ではなく、丸みを帯びたロケット状の外見だったんですね。
それこそドラゴンボールのカプセルコーポレーションが作ってそうな形で、悟空がナメック星に向かう際に乗ったヤツに近い(あれまんまるだったかw)。
だからこの時点では「宇宙人」とはいえ、やっぱりプレデターのようなバケモノを想像していたんですよ。
でも結局ただの宇宙人だったんですよ…。
本作を鑑賞後にアクセスしてと書かれたポストカードを見てみると、本作の舞台は福島県の千貫森という場所を舞台にした話だったそうで、実際にUFOを見ただの、姿と声を聞いただの、体に謎の傷ができてただの、ありとあらゆる目撃や体験談が記されていました。
マニアの間では有名なスポットだそうで、こうした超常現象をホラー映画にすることも日本映画ではあまり例を見ないパターンだと思うので、今回の試みは決して悪くはないかなぁとは思うんですよね。
父親はこれで成長したの?
ただやっぱり映画ですから、どうにかしてこのバケモノを追い払わないといけない。
そこへの面白さがまるで感じられないのが本作への不満でしたね。
淳一が夜中のビニルハウスでそれに襲われた際、一体が細菌によって腐食したオレンジに触れたことがきっかけで退散したシーンがあり、これを体験した淳一は「バケモノには身体がまだ順応できない細菌があるのではないか」と分析。
それを基に作られたオレンジの液体をタオルに沁み込ませ、棒で突くという撃退法を編み出し、無事息子の危機を救うというものでした。
あまりにもわかりやすい流れだったことや、何のひねりもない見せ方をしてるために、どうしてもバケモノを撃退した時と種明かしへの爽快感が薄いんです。
確かに普通遭遇した際に弱点のヒントとなるべき映像を見せるのはセオリーだと思うんですが、もっと工夫して見せるべきだったのではと。
例えば淳一がヒントを見つけたのではなく、ただ黙りこくっていた息子が「そういえば…」とふと思い出して話し始め、淳一が遭遇した際にその話を思い出してオレンジをぶつけて退治するというような、大ピンチの時に見てるこっちが「あの話を思い出せ!!」となるような見せ方をしたら、もう少し対峙のシーンは面白くなると思うんですよね。
それも息子が「細菌」に結び付くようなワードを出さずに「腐った食べ物」みたいにしたヒントのぼやけた話をさせておいて、淳一に「もしかしたら」と想像させる見せ方というか。
さらにこの物語は「未知の恐怖におびえる」X軸と、「息子の信頼を取り戻す父親」というY軸のバランスが非常に悪く、ホラーとしてもドラマとしても作りが微妙だなぁと感じたんです。
序盤は息子がやってきてから、なぜ淳一がこの田舎町で一人農家を営んでいるかを説明することと設定づけるためのエピソードに特化した内容で、ホラーはとりあえずお預けのような見せ方でした。
簡潔に見せればいいのに、そこそこ長い尺を使って一也とクラスメイトの役割を説明させ、ほのぼのとした空気が続くので、「あれこれホラー映画だっけ?」と一瞬忘れる始末。
5分に一度くらい怖がらせろよ!と。
それこそ森に行ったら「熊が出る」って内容なんだから、冬眠の季節とはいえ「熊かもしれない」と不安を煽る演出の一つがあってもよかったでのはと。
肝心なのは、父親の成長部分です。
今回設定が複雑で、淳一は妻の父親の会社を立て直したにもかかわらず、ワンマン義父から「俺の言うこと聞かねえ奴は出てけ!」と言われ、妻と息子を残してひとり福島へ引っ越したという設定。
妻を立てるために会社から離れた優しさはありつつも、息子にとっては「俺たちを残して逃げただけ」ということにされる。
なのでこの物語は「息子のために逃げない父親になる」というのがゴールになるわけです。
もちろん息子を守るというゴールテープは切るんですが、果たして息子の信頼を取り戻せたような終わり方をしたかどうかは疑問です。
要は守るだけでなく、息子の話にちゃんと耳を傾けたのかってことなんですよ。
終盤では一人バケモノに立ち向かった友達が連れ去られてしまい、彼を助けたい一心で一也はバケモノの場所へ戻ろうとしますが、淳一は「お前を守るためだ」の一点張りで息子を制止、抱擁して和解という流れなんですが、これでは息子的には自分の願いを聞いてもらえてないような締め方になってやしないかと。
他にも危険だから東京へ戻れという淳一の言うことに一也が反発する件も、淳一的には「お前は責任を背負ってる故に帰りたくないんだろ」みたいに片付けてるんですよ。
一也が固執してる点は確かにそこかもしれないけど、要は「親父のように逃げたくない」わけで、淳一はそこを理解したうえで逃げない姿勢の息子を褒め、自分もそういう父親にならなくてはと意識を高める方が、ゴールまでの過程としては自然なのではと。
このように淳一は息子の話を全然聞いてないように見えるんですよね。
対話ができてないというか。
しかも結構な具合で怒鳴ってるし(まぁ気持ちはわかるけど)、俺の言うことは聞かせて息子の真意は汲み取らない、みたいな。
一応逃げずにバケモノと戦ったことで息子を守る父親にはなったけど、実際息子の話は聞いてないよなぁと思った私の感想です。
最後に
総じてドラマとしての盛り上がりとホラーとしての盛り上がりの曲線が歪な上に、その盛り上がり自体もかなり低い流れになっていたように思えた映画だったなと。
きっと親子で見られるようなマイルドな仕上がりにしたのかもしれないので、薄いなぁと思ったのかもしれませんが、そもそもお話の作り方が巧いとは思えない残念な作品でした。
冒頭しれっとパンサー尾形が「歌舞伎町のホストクラブの売り上げを強奪した犯人役」として登場しており、森に現金を隠そうとするも、ヤツに襲われ残忍な死体になってしまう役柄だったんですが、非常にナチュラルなお芝居をしていて好印象でしたw
とにかくSFホラーへのチャレンジはいいことです。
ですが、果たして隠す必要があったのかは疑問です。
隠すならもっと意外性のあるモノでないと、レビューが荒れますから…。
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10