スパイダーマン3/ノー・ウェイ・ホーム
「ワンダ・ヴィジョン」も「ロキ」、さらにはアニメシリーズ「ホワット・イフ」などのMCUフェイズ4では、ほとんどの作品で「マルチバース」を意識した内容が続いてます。
待て待て「マルチバース」って何よ?と思う人は多いはず。
MCUを追いかけてきた人なら簡単でしょうが、まだファンになったばかりの人にはちんぷんかんぷんでしょう。
ざっくり言えば「マルチバース」とは並行世界や多元宇宙と呼ばれています。
今自分がいる世界ではない世界、または別の選択をした場合の世界のことなんだそうです。
パラレルワールドなんて言葉を耳にした方は多いと思いますが、その類と思ってください。
その「マルチバース」がいよいよ本作でメインとして扱われるのであります。
かつて「スパイダーマン:スパイダーバース」なんてアニメ映画がありましたが、本作はそれ以上の豪華さ。
これまで作られてきた「スパイダーマン」の敵たちが、マルチバースによって一気に集結してしまうのであります。
なんというお祭り感。
さてここで一つ疑問。
敵はいっぱい出てくるのに、味方は???
全部ピーターが戦うの?
ストレンジは一応いるけれど、他の「ピーター・パーカー」は登場しないの?
ファンの間ではこの話題で持ち力ですが、果たして登場するのでしょうか。
そして、ピーターに降りかかる問題とは。
早速鑑賞してまいりました!!
作品情報
マーベル・ヒーローの中で圧倒的な人気を誇るヒーロー「スパイダーマン」。
高校生という思春期真っただ中の少年が、「大いなる力には大いなる責任が伴う」という大義名分を背負いながら、ヒーローとは、大人になるとはといった問題にぶつかり、苦悩し葛藤しながら成長を遂げていく姿に、誰もが共感し応援をし続けてきた。
ジョン・ワッツ監督によって3部作の最終章という位置づけになる本作は、前作で「スパイダーマン=ピーター・パーカー」であることを知られてしまったがゆえに、「みんなの記憶を消したい」というエゴによって大きな問題が生じていく。
「ホームカミング」では力を過信し、「ファー・フロム・ホーム」では師の不在と己の情けなさを痛感したピーター。
しかし、周囲の叱咤激励によって一つずつ「スパイダーマン」であること、ヒーローであることの責任を受け止め成長を遂げてきた。
本作はそんな過去作よりも更なる選択と決断を迫られていく。
マルチバースによって2つの人生を歩む羽目になったピーター。
果たして、彼は何を選択し、何を決断するのか。
若き少年の苦悩と葛藤を見届けよ。
あらすじ
全ては僕の責任だ
全ての命は救えない
ピーター(トム・ホランド)がスパイダーマンだという記憶を世界から消すために、危険な呪文を唱えたドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)。
その結果、このユニバースに、ドック・オク(アルフレッド・モリーナ)、グリーン・ゴブリン(ウィレム・デフォー)、エレクトロ(ジェイミー・フォックス)、サンドマン、リザードといった強敵たちを呼び寄せてしまう。
マルチバースが現実のものとなってしまったのだ。
彼らがこのユニバースに同時に存在することだけでも危険な状況に。
ストレンジは、ピーター、MJ(ゼンデイヤ)、ネッド(ジェイコブ・バタロン)に協力を求め、彼らを各々のユニバースに戻そうと試みるが、次々とスパイダーマンに襲い掛かるヴィラン達。
その脅威は、恋人のMJ、親友のネッド、さらにはメイ叔母さん(マリサ・トメイ)にまで。
最大の危機にさらされたピーター。
このユニバースを守り、愛する人たちを守るために、彼に突き付けられる≪選択≫とは——。(HPより抜粋)
監督
本作を手掛けるのは、ジョン・ワッツ。
これまで「スパイダーマン」シリーズは、サム・ライミやマーク・ウェブなど、シリーズごとに同じ監督を起用することで、ピーターの成長はもちろん、作品の世界観を統一してきたことが窺えます。
トム・ホランド版も同様ジョン・ワッツがすべて監督としてクレジットされているということから、全シリーズのように世界観や演出、ユーモアセンスや作家性に至るまで統一されていることでしょう。
しかし、今回のスパイダーマンはどこか違うと考えます。
確かに過去のヴィラン大集合な点やマルチバースなど、これまでと今後のMCUに欠かせない物語になっているはずなんですが、ピーターが決断しなくてはならない問題の大きさが、前2作とは違うテイストだからです。
前2作はピーターの未熟さや不甲斐なさから問題が大きくなってしまうことを強調していました。
その反面、高校生らしい爽快さや甘酸っぱさが漂うことから親近感の湧く「親愛なる隣人」感が醸し出されていたように思えます。
しかし本作でピーターが直面する問題は計り知れません。
世界が混ざってしまうわけですし、敵が多い分、守るものも多い。
今まで何とか折り合いをつけて答えを出してきたけれど、今度ばかりは自分の信念を曲げなくてはいけない事態になる可能性もある。
そんなピーターの内面を強調した物語になっているのではないでしょうか。
「コップ・カー」での心理描写は抜群でしたので、監督なら問題ないでしょう。
大いに期待したいと思います。
ただ、長尺なんだよなぁ・・・
キャラクター紹介
- ピーター・パーカー/スパイダーマン(トム・ホランド)・・・放射能を浴びたクモに噛まれ、クモの特殊能力を得た高校生でありアベンジャーズのメンバー。前作でミステリオの罠により世間に正体はを暴露され、更にミステリオ殺害の容疑をかけられてしまう。
- MJ/ミシェル・ジョーンズ(ゼンデイヤ)・・・ピーターのクラスメイトであり恋人。
- スティーヴン・ストレンジ/ドクター・ストレンジ(ベネディクト・カンバーバッチ)・・・元神経外科医で、マスターズ・オブ・ミスティック・アーツの魔術師。ピーターの頼みをかなえようと、ある禁断の呪文を使ってしまいマルチバースへと接続してしまう。
- ハロルド・”ハッピー”・ホーガン(ジョン・ファヴロー)・・・元トニー・スタークの運転手。
- ネッド・リーズ(ジェイコブ・バタロン)・・・ピーターのクラスメイトにして親友。
- メイ・パーカー(マリサ・トメイ)・・・ピーターの叔母。
- ウォン(ベネディクト・ウォン)・・・マスターズ・オブ・ミスティック・アーツのマスターであり、ストレンジの盟友である魔術師。
- ユージーン・”フラッシュ”・トンプソン(トニー・レヴォロリ)・・・ピーターのクラスメイト。
- ベティ・ブラント(アンガー・リー・ライス)・・・ピーターのクラスメイト。ミッドタウン高校のニュースチャンネルのパーソナリティ。
- J・ジョナ・ジェイムソン(J.K.シモンズ)・・・デイリー・ビューグルのニュースキャスター。「スパイダーマン」3部作でピーターが働いていた新聞社の編集長として登場したキャラ。
- ノーマン・オズボーン/グリーン・ゴブリン(ウィレム・デフォー)・・・天才科学者であり、実験用のパワー増強剤を自ら服用し、「グリーン・ゴブリン」としての別人格が覚醒した男。サム・ライミが監督した「スパイダーマン」でのヴィラン。
- オットー・オクタビアス/ドック・オク(アルフレッド・モリーナ)・・・公開実験中に爆発事故を起こしてアームが取り外せない体となった天才科学者の男。「スパイダーマン2」のヴィランであり、本作の彼は2のその後を描いてるとのこと。
- マックス・デイロン/エレクトロ(ジェイミー・フォックス)・・・ある事故により電力を操る力を得る男。「アメイジング・スパイダーマン2」のヴィランだが、本作では肌が青くなっておらず、アークリアクターのようなものを身に着けている。
(以上ウィキペディアより抜粋)
モンキー的には期待してるサプライズや、予想だにしないサプライズも期待してますが、それありきの物語になってないことを祈っております。
ピーターの覚悟を見届けます!
ここから鑑賞後の感想です!!
感想
#スパイダーマン ノーウェイホーム観賞。
— モンキー🐵@「モンキー的映画のススメ」の人 (@monkey1119) 2022年1月6日
これしかない。
😭😭😭😭😭
みんな急いで観に行って。 pic.twitter.com/lXTPE1uPrI
見たいモノを見せてくれた!
泣くだろこんなの!!
でも冷静に考えるとやってることは「エイジ・オブ・ウルトロン」なんだよな…。
以下、ネタバレします!
ご注意を!!
ざっくりあらすじ
第1幕
物語は前作「ファー・フロム・ホーム」のエンドクレジットシーン直後。
デイリー・ビューグルが入手したミステリオの映像によって、スパイダーマンだと世間にバレてしまったピーター。
急いでMJと共に自宅へ帰ると、ハッピーとメイ叔母さんはひと夏の情事に終わりを告げた直後だった。
色々と慌てふためくピーターは事の事情を説明。
フェイクニュースの脅威は留まることを知らず、自宅の外には市民やメディアなどが押し寄せ、連邦保安局まで駆けつけてしまう羽目に。
ピーター、メイ、MJ、ネッドは連行され事情聴取をされてしまう。
弁護士をつけないと何も話さないと強気な態度を取る一行の中、ネッドはついつい過去をべらべらしゃべってしまう。
そんな彼らを助けてくれたのは、盲目の弁護士マット・マードック。
何とか不起訴に持っていったことで彼らは釈放できたが、ミステリオが操っていたドローン機などはスターク・インダストリーズ製。
それをピーターが操作していたことになっているため、そちらはかなり難しいとマードック。
突然窓の外からミステリオ派の過激な信者によってブロックが投げられる。
ピーターがすかさず反応するも、彼よりも先にキャッチするマードック。
彼は一体何者なのか…。(みんな知ってるよねw)
あまりのヤジから身を守るため、ピーターとメイはハッピーの自宅へ移ることに。
夜な夜なMJとフェイスタイムをしても、ハッピーに全部聞かれてしまうイレギュラーも発生してしまうが仕方のない事。
翌日、ピーターとMJは学校へ通学。
多くのメディアとスパイディ派ミステリオ派のやじ馬がひしめき、校内でも生徒たちから動画や写真を撮られまくるピーター。
屋上でネッドを含む3人は、MIT合格を信じることで今を乗り越えようと固い握手を交わす。
しかし送られてきた手紙は「スパイダーマン、および彼に関わる者は当校への入学は控える」との文字が。
ミステリオによる最後の悪あがきはピーターはおろか、彼の親しい者たちにまで飛び火。
何とかもとに戻す方法はないかと考えた時、ピーターはある事をひらめいた。
彼がやってきたのはサンクタム。
ドクター・ストレンジが住む屋敷だ。
室内はシベリアの気候が入ってしまったことにより雪景色になっていた。
サノス退治で共に戦った仲間であるピーターは、ダメ元で「時間を元に戻してほしい」とお願いする。
しかしタイムストーンは「エンドゲーム」で無くなったため、時間を元に戻すことはできない。
ただ、記憶を消去する呪文ならできるとストレンジ。
ウォンに危険だと忠告されるも、カーマタージでの宴の一件を忘れていたウォン。
実はストレンジによるものだった。
早速ピーターがスパイダーマンである記憶を消す呪文に取り掛かるストレンジだったが、メイやMJ、ネッド達に走っていてほしいと、呪文の最中に何度も修正を容姿Ⓢるピーター。
そんな彼の優柔不断さが悪い方に出てしまい、儀式は中断。
危くマルチバース化してしまうところだったとストレンジ。
第2幕
ストレンジの助言によってMITの理事長に嘆願しようと試みるピーター。
フラッシュに頼み込んで場所を聞きつけたピーターは、渋滞中の高速道路で往生する理事長を発見。
しかし、そこへドック・オクが登場。
彼に挨拶されるが全く身に覚えのないピーター。
スパイダーマンによって太陽エネルギー装置を破壊された恨みからピーターに襲い掛かるドック・オク。
理事長の車が宙づり状態なのを気にしながらドック・オクと戦うピーターだったが、あまりの強さに防戦一方。
アームによって羽交い絞めにされたピーターだったが、彼のアームによって剥がされたスパイダースーツのナノ粒子がアームを覆い、ペアリングに成功したことで操作できることに。
これにて一件落着かと思いきや、空から緑色で覆われた不気味な飛行体が襲来。
再び万事休す、かと思いきやストレンジの魔術によってテレポーテーションとドック・オクの確保に成功。
どうやら例の呪文によってピーターの元へ別世界のヴィランたちが集結してしまったらしい。
ピーターに課せられた課題は、この世界に迷い込んでしまった他の敵たちを見つけ出し、元の世界へ帰すことだと告げられる。
MJとネッドの協力の下、他の者たちを探し出す一行。
変電所で謎の現象が起きていることを掴んだピーターは、ミステリオ派によって汚れてしまったスパイダースーツを裏返しで装着し出動。
ストレンジから預かったガントレットで敵を瞬間移動させようと試みだ。
すると電線の上から光る物体が現れる。
アメイジング・スパイダーマン2に登場したエレクトロだ。
ガントレットの攻撃は彼をすり抜けてしまい、なかなかうまくいかないピーター。
すると地上から砂埃が舞い、エレクトロの攻撃を防ぐ者が。
スパイダーマン3に登場したサンドマンだった。
彼らに事の事情を説明し、ストレンジの屋敷の地下室に転送することに成功したピーター。
あらかじめストレンジが捕獲したリザードマンも合わせ4人の捕獲に成功。
彼らの供述によれば、皆何かの変異によって力を得たことや、スパイダーマンとの格闘によって死ぬ寸前まで記憶があること、そしてまだ見つかっていないグリーン・ゴブリン=ノーマン・オズボーンはすでに死んでいるはずだという情報を得る。
一方オズボーンは、もう一人の人格から逃れようと街を彷徨っていた。
やってきたのはメイ叔母さんが主催するホームレスの支援所。
急いで駆け付けたピーターは事情を説明すると、メイ叔母さんから「ただ帰すのではなく、ちゃんと救わなきゃダメ」と告げられる。
全員捕獲できたが、メイ叔母さんから言われたことが引っ掛かるピーター。
ストレンジによれば彼らは別の世界のスパイダーマンによって殺される運命にあることを知ったピーターは、呪文を封じ込めた箱をストレンジから奪い逃走を図る。
無策で逃げるピーターに対し、あらゆる魔術で彼を捕まえようとするストレンジ。
ミラーディメンションに誘導し、優位な立場で追いかけるストレンジだったが、数学が得意のピーターの作戦によってストレンジは蜘蛛の巣にかかってしまう。
まさかの勝利を収めたピーターは箱をMJとネッドに託し、敵たちをハッピーの自宅へ招きスタークが遺した装置によって、彼らを元の人間に戻すことを約束。
科学者であるノーマンの協力を経て、まずはドック・オクの脊髄に刺さったままの制御チップを修理することに成功。
これまでAIに操られていた彼だったが、ピーターによって自分で制御できるようになった。
エレクトロも体内の電気を吸収する装置を胸に付けていたが、内心この力が消えてしまうことに躊躇していた。
しかもこの世界では彼の世界にはない技術、特にアークリアクターがあり、欲求を抑えられないでいた。
ハッピーの自宅の外にはデイリー・ビューグルの面々が張り付いていた。
するとピータームズムズが発動。
危険を察知したピーターは鬼の形相で辺りを見回す。
すると、ピーターはノーマンの左手に糸を飛ばし縛り付ける。
そう、彼が感じていたのはノーマンの悪意であるグリーン・ゴブリンだった。
ノーマンはわざとメイ叔母さんに近づき、ピーターのところまでやってきたのだった。
ノーマンは「この力は神に与えられたもの、何故奪われなければならないのか」とヴィランズたちを焚き付け、結託してスパイダーマンを倒そうと襲い掛かってきます。
ゴブリンのあまりの強さにやられっぱなしのピーター。
メイ叔母さんが背後から血清を注射するがゴブリンには効きません。
それでも戦う姿勢を見せるメイ叔母さん。
「逃げて!」とピーターの言葉を無視し、「正しいことをするの。」と鉄製の棒を振り回すメイ叔母さん。
しかしメイ叔母さんはグライダーを腹部に喰らい、命を落としてしまいます。
「大いなる力には、大いなる責任が伴う」
ピーターは彼女を最後の言葉を受け取るも、悲しみが押し寄せ動くこともできない状態に。
駆けつけたハッピーの言葉にようやく我に返ったピーターは、警察らの突入寸前で、涙を拭いながら必死で逃げるのでした。
果たしてピーターは、反旗を翻したヴィランズを無事元の世界へ帰すことができるのか。
…というのが第2幕までのあらすじです。
大いなる力には大いなる責任が伴う
正体がバレてしまったことで、先の人生を狂わされた少年がとった軽はずみな思いつきが、世界を揺るがす大事件へと発展してしまう本作は、これまで「スパイダーマン」を見続けてきた私たちに「その後の物語」というサプライズを提供し歓喜させる一方で、これまで以上に「スパイダーマンとピーター・パーカー、2つの人生どちらを歩むか」を突き付ける残酷さも見せる、ハッピーサッドな物語でございました。
スタークさんに気に入られたくてはしゃいでいた「ホームカミング」。
MJとの恋路ばかり考えていた「ファーフロムホーム」。
まだ物語を一つ終えるごとに、スパイダーマンであることへの自覚を強く胸に刻んできたピーター。
それでもまだピーターは、スパイダーマンと自分の人生を両立したい気持ちが確かにあった。
今回は「一緒に大学に行きたい」という気持ちが先行してしまったために、みんなの記憶から自分がスパイダーマンである情報を消して欲しいというものだった。
こんなことというと語弊があるが、まだピーターはこの時点でピーター・パーカーとスパイダーマンを両立させよう、いや両立できると思い込んでいた。
確かに彼はまだ未成年で多感な時期。
スパイダーマンでなければごく普通の日常を送っていたに違いない。
でも、スパイダーマンになってなかったら、MJと恋人になることもままならかったろうし、大人の階段の登り方が違ったかもしれない。
そう、彼は大いなる力を手に入れた。
だからそれを全うしなくてはならない義務があり、使命がある。
今回の一件でようやくそのことに気付いた彼の選択は、スパイダーマン史上とにかく切ない。
寧ろ残酷にも思える。
他の方法や手段はなかったのかとさえ考えたくなるほど、ピーターに与えられた試練は計り知れないほど大きい。
しかし「親愛なる隣人」とは、ただのご近所トラブルを解決するだけの役目ではない。
これ以上自分の大切な人を失わないために、大事な人たちを守るために「隣人」でなくてはならないのだ。
ピーターがこれまでスタークインダストリーズ製のスパイダースーツを着ずに、訂正のスーツでビルから落下する姿は、ホーム3部作にしてようやく「本物」のスパイダーマンになったと解釈できる。
どんどん「ホーム」から遠ざかったサブタイトル。
「帰れない」と銘打った本作は、文字通り「帰れない」ことになるが、いつか、いつのひか彼に「ウェルカムホーム」と告げたい。
その日が来るのかわからない。
その日が来ないかもしれない。
でも僕らは、逞しくなった彼の帰還を待ち続ける事だろう。
サプライズだらけ
なんかレビューぽいこと書いてしまいましたけど、単刀直入に言えばですよ、
最高だろ
これに尽きます。
もう予想できたことじゃん正直。
予告の時点でグリーン・ゴブリンにドック・オク、エレクトロにサンドマン、リザードマンが集結して、じゃあスパイダーマン側はどうするよ?と。
そりゃ、過去のスパイダーマンも集合するに決まってんじゃんw
だから「見たいモノを見せてくるかどうか」が本作の大きな基準になったと思うんです。
とはいえ予想をはるかに超える絡みと、コンビネーションプレイ、彼らの会話の端々から感じ取れる背景が、過去作を何度も見てきた僕らに「予想をはるかに超える感動」を与えてくれるわけですよ。
その辺はおいおい語るとして、まずはマット・マードック!!
Netflixオリジナルドラマ「デアデビル」で主人公を演じたチャーリー・コックス本人がマードックとして今回出演していたのは予想外。
一応ディズニー・プラスで配信されているMCUドラマ「ホークアイ」でも、デアデビルの敵であるキングピンが登場したことが話題になりましたが、要するに彼の登場が伏線になっていたわけですよね。
ニューヨークなんだかヘルズキッチンなんだかよくわかんねえけど、これで晴れてNetflixのマーベルドラマがMCUにも加わったと考えていいでしょう。
残念ながら本作ではデアデビルとしての登場はなりませんでしたが、今後どこかで登場するはずです。
他には「アイアンマン」で度々トニーの作業や日常生活をお世話するアームロボット「DUM-E」が登場したしましたね。
まさかハッピーの自宅にあったなんて驚きです。
本作では大学から手紙が来るたびにピーターの横で何やらお手伝いしてたみたい。
一旦何か落としてたのはツボw
ヴィランズのキュアを製作してる時も隣で頑張って作業してたのが微笑ましかったですね。
そして本題。
スリングリングを手にしたネッドが、ピーターのことを念じて穴をあけると、アンとそこにはアンドリュー・ガーフィールド演じるスパイダーマンの姿が!!
場内が騒然となりました。
まさかこんな形で登場するとはw
ピーターはピーターでも違うピーターで、スパイダーマンである証拠を見せろ!とパンを投げながら訴えるMJは面白かったですねw
それに応えるかのように部屋の隅っこに着いた蜘蛛の巣を天井を張って取るガーフィールドも爆笑w
そしてもう一回ピーターを念じて穴をあけると今度はトビー・マグワイア!!
あれ?普段着かよ!と一瞬ポカンとしましたが、本作のピーターが世間にバレてしまったことに対してのトビーの返しってのが「なるほど」と。
要はバレちゃダメだよ!ってことですねw
MJたちでさえ戸惑うのにピーター本人はどんなリアクションを取るのだろうとワクワクしながら物語を見続けていると、案の定テンパってましたねw
とにかく3人のスパイダーマンたちの掛け合いが超楽しい!
みんなピーターだから、ネッドが「ピーター!」って声をかければ3人とも返事するし、敵と戦う際にどう呼び合えばいいのか事前に打ち合わせしたのに、結局「あれ?おれがピーター2だっけ?」とか、「スパイダーマン×2、ピーター・パーカー×2」とか言い合って、なんだこれwと。
他にもトビーは体内から糸を出せるのに対し、他の2人はウェブ・シューターを使って糸を出すため、君は一体どんな体をしてるんだい!?と聞きまくるシーンは爆笑でしたねw
またとビートアンドリュー2人の会話もグッとくる。
「今恋人は?」というトビーの問いに、アンドリューは「グウェン以来してないね」と上を見上げて話し出すんです。
実際トビーの世界にはMJは生存してるけど、恋人関係では無い様子。
お互い恋愛はからっきしダメみたいだね!と慰め合う会話はグッときました。
他にはトムホランド演じるピーターが、メイ叔母さんがゴブリンに殺されたことに対して怒りをあらわにしている姿を見せた時、アンドリューが「僕も怒りに震えたよ、相手をめっぽう殴った」と語るシーンや、そこからメイが遺した「大いなる力には大いなる責任が伴う」という言葉が重なる瞬間。
ご存じのとおり、トビーもアンドリューも劇中でベンおじさんに言われた言葉。
この言葉があるから最愛の人の死を乗り越えて今もこうしてスパイダーマンであり続けているわけですよ。
それをトムホピーターがどう感じ取ったのか、彼の表情を拝んでいただきたいですね。
そしてモンキー涙の瞬間。
スパイダーマンではお決まりのシーンですが、必ず恋人が高い場所から落下するシーンが挿入されます。
キルスティン・ダンスト演じるMJも、エマ・ストーン演じるグウェンも落下します。
キルスティン演じるMJは助かってますが、グウェンは寸でのところで助かりませんした。
そして本作。
ゼンデイヤ演じるMJも落下します。
もちろんトムホピーターも急いで助けに行きます。
しかし、ゴブリンのグライダーによって邪魔されてしまいます。
ドンドン落下するMJ!
するとそこへスパイダーマンが助けるではありませんか!
彼女を助けたのは、なんとグウェンを助けることができなかったアンドリューピーター!
ただ「ありがとう」と声をかけるMJでしたが、アンドリューは涙目…
「大丈夫、大丈夫」としか言ってませんでしたが、僕らは知ってます、彼がこの世界でようやく「できなかったことができた」ことを。
「救えなかった命を救えた」ことを。
こんなの泣くだろ!
最高だろ!
もちろんトビーも活躍。
怒り任せでゴブリンを殴りまくるトムホピーターが、グライダーでとどめを刺そうとするところをトビーが制止。
親友の父親であるわけですし、そんな親友に殺されそうになりながらも目の前で死なせてしまったことに対する「この世界で救う」というせめてもの償いだったのではないでしょうか。
アクションに関しても微妙にウェブスウイングが違ったり、敵とのやり取りが違ったりといった差が出てましたし、なにより「ムズムズ」によってそれまでバラバラだった攻撃にもコンビネーションが生まれるという、今まで見たくても見ることができなかった映像の数々。
しかも「アベンジャーズ」として宇宙でいろんなヒーローと戦った経験のあるトムホピーターが指揮を執るのが面白いw(一番未熟なのにw)
さらに二人は「アベンジャーズ」を知らないから、「何それバンド?」とか言ってるしw
最後に
ぶっちゃけ今回の「ノー・ウェイ・ホーム」、「エイジ・オブ・ウルトロン」同様、壮大な尻拭い映画になってるってのも忘れちゃいけないんですよね。
全てはトムホピーターが引き寄せた問題。
それをスタークの代わりに指名されたメンター、ストレンジがさらにややこしくさせちゃったわけで。
二人して仲違いしてる場合じゃねえし、協力してさっさと片付けろよと。
この尻拭いは次回作「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」に続くという。
何が巧いってこの監督が「スパイダーマン」3部作を撮ったサム・ライミってとことろですよ!
円環や。
あとは「ヴェノム/レット・ゼア・ビー・カーネイジ」の最後でこっちの世界にやってきたエディ・ブロックがさっさと帰っちゃうだけっていうw
まぁ面白かったんだけど、もっと絡んでほしかったなぁと。
どう絡むかは残されたシンビオートの細部がつなげてくれると思うんで、今後に期待ではありますけど。
色んな不満はちょっとずつあるんですけど、そんなの吹っ飛ぶほどのサプライズです。
祭りだし、笑えるし、切ないし、残酷、非情、悲痛。
いろんな要素がてんこ盛りです。
そりゃ世界中で大ヒットするわけだ。
マルチバースへと舞台を移行し始めたMCUですが、まず全員が喜ぶような形でスタートを切れた気がします。
きっと「なんでもあり」なマルチバースなんだろうと軽んじてましたが、こういう使い方は大歓迎。
過去作に登場した役者全員が同じ役で登場するってのも、かなりの極秘撮影だったことでしょう。
これだけ強大なスタジオになったからこそできた芸当です。
やはり同じシーンで号泣した私のブログ仲間Machinakaさんの記事はこちら。
なぜか織田裕二の歌に乗せた感想ですw
とにかく、ありがとうという思いでいっぱいです。
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10