モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「ストーリーオブマイライフ/わたしの若草物語」感想ネタバレあり解説 クリストファーコロンブス!!

ストーリー・オブ・マイ・ライフ/わたしの若草物語

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子供が全員女の子の場合、お父さんて大変だよね~。

奥さんも入れたら、男ってお父さんだけ。

肩身狭いよなぁ~、と今回の映画を観るにあたって思い出しました、モンキーです。

 

アカデミー賞作品賞にノミネートしたこともあり、授賞式前後に公開した方が興収が良い、という目論見もあっての3月公開だったわけですが、新型コロナウィルスの影響により延期となってしまい、映画ファンはいつ公開するか首を長くして待ちわびたことでしょう。

 

しかしだ、一昔前なんて大体アカデミー賞作品賞ノミネート作品なんて、だいたいこれくらいの時期にやってたのが普通じゃなかったか?

最近ですよ、授賞式前後にたくさん公開作品ぶつけるようになったの。

 

映画ファンみんなが「授賞式前に観たい!せめて授賞式直後で!」って、たくさん声上げた結果が、今の恵まれた環境を生んだのだと、僕は思います。

 

 

そんな運悪く遅れてしまった「ストーリーオブマイライフ」。

冒頭でも触れた通り、女の子4姉妹のお話。

何度もリメイクされた作品を、なぜ今、再びリメイクするのか。

 

きっと「女性」として生きていく上での問題を提示しながらも、夢を追いかけても良いという肯定的な意味を、当時不平等な立場にあった女性の姿を通じて伝えたいのかなと。

 

まだ見てないので勝手に決めつけてはいけませんねw

早速鑑賞してまいりました!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

 著者ルイ―ザ・メイ・オルコットが、自身の家族をモチーフに書き上げた自叙伝的小説「若草物語」は、当時男性向けの小説が主流であることから、この種の物語は重要でないと足蹴にされながらも、女性や少女たちを夢中にさせ、やがて世界的ベストセラーに。

 

さらに1917年に初めて映画化されてから、幾度も形や中身を変えリメイクされ、輝かしい未来を望む女性たちに愛され続けてきた。

 

そして2020年、女優としても監督としても秀でた才能を持つグレタ・ガーウィグの手によって、「若草物語」は、今の時代のテーマに沿うような新たな解釈と再構成によって、私たちの手に届けられたのです。

 

性格も将来の夢も違う4姉妹が織りなす人生の物語。

あなたはどの姉妹に共感しますか?

 

アカデミー賞作品賞含む6部門にノミネートされた作品、是非ご堪能ください。

 

若草物語

若草物語

 

 

 

若草物語(字幕版)

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  • メディア: Prime Video
 

 

 

若草物語 (字幕版)

若草物語 (字幕版)

  • 発売日: 2013/11/26
  • メディア: Prime Video
 

 

 

 

 

 

あらすじ

 

ジョー(シアーシャ・ローナン)はマーチ家の個性豊かな四姉妹の次女。

情熱家で、自分を曲げられないため周りとぶつかりながら、小説家を目指して執筆に励む日々。

 

控えめで美しい姉メグ(エマ・ワトソン)を慕い、姉には女優の才能があると信じるが、メグが望むのは幸せな結婚だ。

 

また心優しい妹ベス(エリザ・スカンレン)を我が子のように溺愛するも、彼女が立ち向かうのは、病という大きな壁。

 

そしてジョーとケンカの絶えない妹エイミー(フローレンス・ピュー)は、彼女の信じる形で、家族の幸せを追い求めていた。

 

 

共に夢を追い、輝かしい少女時代を過ごした4人。

そして大人になるにつれ向き合う現実は、時に厳しく、それぞれの物語を生み出していく。

小説家になることが全てだったジョーが、幼馴染のローリー(ティモシー・シャラメ)のプロポーズを断ることで、孤独の意味を知ったように─。

 

自分らしく生きることを願う4人の選択と決意が描く、4つの物語。(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのはグレタ・ガーウィグ。

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彼女がノア・バームバック監督との間に、子を設けたことを知った後の「マリッジ・ストーリー」は、なかなかの作品でしたね…。

 

壁にぶつかりながらも道を見つけようとする見習いモダンダンサーの役を熱演した「フランシス・ハ」を見て、彼女を大好きになった僕ですが、ここ数年は監督業に精を出しています。

 

彼女の初監督作品「レディ・バード」は、米アカデミー賞史上5人目の女性監督ノミネートという快挙を成し遂げました。

 

 

レディ・バード (字幕版)

レディ・バード (字幕版)

  • 発売日: 2018/09/20
  • メディア: Prime Video
 

 

 夢の一つを達成したこともあって、一旦女優業に戻るのだろうと思ってましたが、すぐさま制作に取り掛かってたんですね~。

 

幼いころから「若草物語」をこよなく愛してきた彼女は、今作を製作するにあたって、主人公の決断が過去と未来を行き来するような構成に変更したそう。

きっと歳を重ねるにつれ読み直した時の原作への想いが変わるのと同じように、4姉妹が抱く想い全てに共感できるようにするためには、時系列に沿う物語よりも思い出に浸れるような回想があった方が効果的だと思ったのでしょう。

 

 

映画でも歳をとって見方が変わることありますよね。

それって物語によりますけど、立場や環境が原因だったりすることってある気がするんです。

今作で言えば、幼い頃エイミーが嫌いだったけど、10年経ってエイミーの気持ちがわかるようになった、みたいな。

 

一体どんな中身になってるのでしょうか。

 

 

 

 

キャスト

4姉妹の次女、ジョーを演じるのは、シアーシャ・ローナン。

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相変わらず、お綺麗です・・・。

監督の前作「レディ・バード」でも主演を飾った彼女が、今作でも主演に抜擢です。

 

彼女まだ20代半ばなんですけど、既にアカデミー賞では常連なんですよね。

つぐない」でアカデミー賞助演女優賞にノミネート。

ブルックリン」でアカデミー賞主演女優賞にノミネート。

「レディ・バード」でもアカデミー賞主演女優賞にノミネート。

そして今作「ストーリー・オブ・マイ・ライフ」でもアカデミー賞主演女優賞にノミネート。

 

いやいやもう4回ノミネートされてるんですよ!!

次の作品は絶対受賞獲るでしょう!

次の世代を牽引するような女優さんになること間違いないですから、会員の皆さんお願いしますよぉ~。

 

彼女に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

長女メグ役に、「ハリーポッター」シリーズ、「美女と野獣」のエマ・ワトソン。

三女ベス役に、TVシリーズや舞台で実力を披露している期待の若手女優、エリザ・スカンレン。

四女エイミー役に、「ファイティング・ファミリー」、「ミッドサマー」、「ブラック・ウィドウ」が公開予定のフローレンス・ピュー。

四姉妹の母役に、「ジュラシック・パーク」、「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」のローラ・ダーン

ローリー役に、「君の名前で僕を呼んで」、「レディ・バード」、「デューン 砂の惑星」に出演予定のティモシー・シャラメ。

マーチ叔母さん役に、「マンマ・ミーア」、「ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書」のメリル・ストリープなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

パートナーであるノア・バームバックの精神を受け継いでいる監督の作風。

今作でもきっと影響を受けてると思いますが、果たして。

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

古典作品をしっかり現代版へとアップデートしたことが大正解!

これはあなたの人生の物語でもある!

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あなたの人生は決して間違いじゃない

19世紀後半のアメリカ・マサチューセッツ州を舞台に、貧しくも逞しく夢を追い求めていく4姉妹の人生を、過去と現在の時間軸を行き来しながら紡いでいく物語は、一見古臭く見えてしまう100年以上前の物語を、現代でも通用するような所作や振る舞いに改変することで物語をより身近に感じることができ、さらにはお金だろうが職業だろうが結婚だろうが、どの夢を追い求めたとしても決して間違いではないことを肯定してくれる作品でございました!!!

 

 

とりあえず見終わった直後の自分ですね、ボロ泣きでした…。

4姉妹がわちゃわちゃしたり、大げんかしたり、欲を抑えて献身したり、嫉妬とか羨望とか、どのエピソード見ても美しい。

 

男勝りで奔放で正直な性格で物書きとして自分を貫くジョーだったり、夢を捨て結婚することを望むメグだったり、音楽に触れたい思いが引っ込み思案な自分を変え、慈しむ行動を積極的にしていくベスだったり、末っ子ならではの我儘な面が実は自分を抑えていたことが理由だったと明かされてから一気に好印象になっていくエイミーだったり、彼女たちを羨ましく思って覗くローリーだったり、ベスに娘を重ねるおじいさまだったり、姉妹をしっかり支えるお母さんだったり、チクリと現実を突きつける叔母様だったり。

 

どの人物も過去や現在で苦しい時期があって、歩んだ道を間違えたのかもしれないという部分が出てくるんですけど、あなたがつけた足跡にゃキレイな花が咲くでしょう、みたいな流れになっていて、人と人が交差していくことで生まれる愛がね、溢れてるんですよ。

・・・あかん、何言ってるかわからなくなってきたw

 

 

なんでしょう、僕の好みってアメコミだとかSFだとか、とにかく男の子が好きそうな映画にグッとくるんです。

単純に味方と敵が戦って、味方が勝つような単純な構造で、熱い展開が待っているようなお話。

 

でも最近思うわけです、敵の気持ちになって考えてみると、結局味方を立てるためだけの役割でしかないのってどうなんだろうと。

それって今の時代に果たして適した内容なのかと。

 

敵味方関係なく、しっかり落としどころというか、誰に対しても幸せになれるような結末というか、難しいな…「その生き方でもいいんだよ」って肯定してくれるような?

今作には女性としてどう生きていくか、ってことに対して、しっかり問題提起するチクリとしたことを言う人物がいながらも「その生き方でもいいんだよ」っていう眼差しが全体にあって、俺バリバリ男なんですけど、自分にも言われてるような気がして。

 

だからなんでしょうね、ボロ泣きでしたw

また変な比較してしまったw

 

 

 

作り方が非常に面白い

今回鑑賞する前に1949年版の「若草物語」を見てから臨みました。

一体どんな話かも分からない時、予習するかしないかは、時間の都合だったり気分だったりするんですが、今回は予習しようと。

 

1949年版は4姉妹の幼い時から、大人になって突き付けられる現実、そしてそれぞれが歩んだ人生が違っても互いが尊重し合える姉妹の姿を映す、いわゆるオーソドックスな「起承転結」として構成されてました。

もちろん内容は素晴らしかったんですけど、やはり昔の作品てこともあって、展開が早く余韻も少なく、エピソードからエピソードへのつなぎがザックリで、だいぶ話を飛ばしてるような印象を受けました。

 

これを見て僕は「レディバード」で抱いたのと同じ感覚を得ました。

あくまで僕の推測ですけど、レディバードはノア・バームバックの作りを意識したせいか、余韻を残すことなくさっさと次のエピソードに行ってしまって、余韻というモノが少なく感じてしまい、せっかくの自伝的青春映画がもったいないなぁ、もっと余韻に浸らすような余白というか行間をたくさん用意すればよかったのに、なんて思いがあったんです。

 

だから、1949年版のような話の流れにしたら、これはちょっと不安だなぁと。

 

でも、その不安は冒頭のエピソードから一気に解放されました。

 

冒頭は既にNYで家庭教師として下宿しながら、自身が執筆した小説を売り込みに行くジョーの姿から始まります。

契約が結ばれた喜びから、群がる人の波を掻き分けて走っていくジョーを映し、エイミーがフランスでローリーと再会を果たしたあと、7年前のパーティーでローリーとジョーが初めて会う回想シーンへと向かっていくんですね。

 

最初だけ「7年前」という表記が出るので、あ、これは現在の時間軸が進むごとに何度も回想するんだな、と予測できたんですけど、話が進むにつれて「7年前」の表記は出てこず、しっかり意識して観ないと、どこで過去のエピソードに入れ替わったのか、分かり辛い不親切さも多少あったかもしれません。

実際7年前の姉妹が全員同じ役者が演じてますし、髪型もほぼ一緒。衣装の違いはあれど、パッと変わるので、あれ?今どっち?ってなる人も多いかもしれません。

 

ですが、居眠りをしたときや歩いてるとき、過去と同じ動きをしたときに入れ替わるという構造になっており、こちら側に投げっぱなしにするような演出にはなっていなかったように思えます。

また、意外とこの過去と現在を行き来する構造が繰り返し出てくるたびに、しつこいと思わせない自然な運び方になってたりもしていて、段々病みつきになってくる感覚に陥ります。

 

普通物語って「起承転結」ありきな所があると思うんです。

主要人物の紹介から本筋に入り、問題が起こり解決、みたいな。

 

だから今作は場面転換が多すぎる故に「起承転結」が一見アンバランスに見えてしまう恐れがあるんですけど、現在でついまづいたときに過去に戻ることで、現在で問題が解決したり、過去でつまづいたことや失敗や反省したことが、現在に戻って活きてくる、というような流れになってるおかげで、4姉妹たちが前へ進みやすい物語に構築されており、結果、この場面転換が多く一見見づらそうなお話の構成を、逆手にとって新鮮味あるお話に変換しているというわけです。

 

ベスが危篤状態になる現在のエピソードに悲観的になるジョーは、過去にベスが同じような状態になって乗り越えた時を思い出すってのも、この工夫があるからこそでしたし、貧乏な家庭に嫁いだメグが裕福に憧れて高価な生地を購入したことに対し、高価な生地のドレスを着ても好きになれないと話したローリーの事を思い出し改心するエピソードなどが、まさにそうでしたね。

 

うん、なにいってるかわかんないっすよねw

じゃあ、左から右へ色が青から緑へと変わる金太郎飴があったとしましょう(おい、大丈夫かこの例え・・・)。

これを均等に切って、並べ替えるとします。

最初は青から緑へと変わるグラデーションこそ美しいという概念があるかもしれませんが、均等に切って並べ替えるとどうでしょう?

これはこれで「美しい」のでは?と思える色味になるよ!って。

 

でもって金太郎飴ですから、どこを切っても同じ金太郎なわけでありまして、外の色が変わっても話はしっかり繋がるという・・・。

 

うん、余計わかんないですねw

もう、見てくれ、本作をw

 

 

 

最後に

今でも男性優位な社会があって、女性は二の次だったり女性らしさを求められがちですけど、今作はそれが外からどう見られたり言われても、どの道を歩もうとも肯定してくれることを物語ってたように思えます。

女性のお話ですけど、男性でも、そうじゃない人でも通じる物語だったなぁと。

 

実際ジョーが「結婚だけが全てじゃない、でもものすごく寂しくなる」みたいなセリフがね、むっちゃ刺さるんですよ…。

自分も独身で好きな事やり続けて生きてきてますけど、もちろんそれがしたくてその選択をしてきたんですけど、無性に寂しい時があるんですよw

あるでしょ?そういう時。

でも今作はそれが報われるように描かれてるので、尚涙を誘うんです。

 

役者陣全員が現在と過去のエピソードの演技を使い分ける巧みなお芝居をされてたし、音楽や衣装も素晴らしい。

当時あんなダンスしねえだろwとも思えるけど、逆にそれが良かったり。

 

今回いつも以上にまともな内容になってませんが、ご容赦ください・・・言葉にならないんですよ・・・素晴らしすぎて!!

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆☆☆★9/10