モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「罪の声」感想ネタバレあり解説 グリコ森永事件の真相とは?

罪の声

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 警察庁広域重要指定114号事件。

通称「グリコ・森永事件」。

 

1984年から85年にかけて大阪で起きた、食品会社を標的にした脅迫事件。

グリコの社長を誘拐したり、お菓子に青酸カリを入れ脅迫したりと、企業を相手取り様々な脅迫をしたことで、社会を震撼させた事件があったそうです。

 

概要については全く記憶にありませんが、「かいじん21面相」、「キツネ目の男」なんて言葉は、TVか何かでよく見たことがあります。

 

この事件は時効を迎え、広域重要指定事件としては初の未解決事件となったそうです。

 

この事件の中で、森永製菓におよそ1億円を要求する脅迫状が届きました。

「要求に応じなければ、青酸ソーダ入りのお菓子を店頭に置く」と脅迫状に記されていたそう。

さらに犯人から電話があり、お金の受け渡し場所の指定がされたそうなんですが、声の主は、何と子供。

録音した内容を5回再生して電話は終わったそうなんですが、もちろん子供が犯人だなんて普通思わないですし、なにより犯行に子供を使って言わせるというのが、極めて恐ろしいことです。

 

今回鑑賞する映画は、この劇場型犯罪と呼ばれた事件をモデルに、当時事件に使われたテープの声の主が幼い自分であった男と、その未解決事件を追い続ける記者が、ことの真相と本当の罪とは何かを追う物語です。

 

早速鑑賞してまいりました!

 

 

 

作品情報

2016年の「週刊文春」ミステリーベスト10で第1位を獲得するなど高い評価を得た塩田武士のベストセラー小説を映画化。

 

当時日本中を震撼させ、時効となった未解決事件「グリコ森永事件」をモチーフに、綿密な取材と着想から、事件の真相と犯人像に迫る内容を、新聞記者と、知らないうちにこの事件に関わっていたことを知った男を中心に描く。

 

TBSで数々のヒットドラマや映画を生み出した監督と脚本家が、数々の実写化映画で主演を張り、ハリウッドにも進出した俳優と、音楽と役者の2足の草鞋で活躍する俳優を迎え、圧倒的な存在感と繊細な演技で、見るもの全ての心を突き刺していく。

 

35年の時を経て蘇る哀しき運命。

2人は真相にたどり着けるのか。

 

罪の声 (講談社文庫)

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  • 作者:塩田武士
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映画『罪の声』Official Interview Book VOICE 小栗旬 × 星野源

映画『罪の声』Official Interview Book VOICE 小栗旬 × 星野源

  • 発売日: 2020/10/16
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

 

 

 

あらすじ

  

35年前、日本中を巻き込み震撼させた驚愕の大事件。

 

食品会社を標的とした一連の企業脅迫事件は、誘拐や身代金要求、そして毒物混入など数々の犯罪を繰り返す凶悪さと同時に、警察やマスコミまでも挑発し、世間の関心を引き続けた挙句に忽然と姿を消した謎の犯人グループによる、日本の犯罪史上類を見ない劇場型犯罪だった。

 

大日新聞記者の阿久津英士(小栗旬)は、既に時効となっているこの未解決事件を追う特別企画班に選ばれ、取材を重ねる毎日を過ごしていた。 

 

一方、京都でテーラーを営む曽根俊也(星野源)は、家族3人で幸せに暮らしていたが、ある日、父の遺品の中に古いカセットテープを見つける。

 

「俺の声だ―」

 

それは、あの未解決の大事件で犯人グループが身代金の受け渡しに使用した脅迫テープと全く同じ声だった!

 

やがて運命に導かれるように2人は出会い、ある大きな決断へと向かう。

 

「正義」とは何か?「罪」とは何か?

 

事件の深淵に潜む真実を追う新聞記者の阿久津と、脅迫テープに声を使用され、知らないうちに事件に関わってしまった俊也を含む3人の子どもたち。

 

昭和・平成が幕を閉じ新時代が始まろうとしている今、35年の時を経て、それぞれの人生が激しく交錯し、衝撃の真相が明らかになる。(HPより抜粋)

 

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監督

本作を手掛けるのは、土井裕泰

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TBSに入社後、「愛していると言ってくれ」や「ビューティフルライフ」、「オレンジデイズ」などの演出に携わり、ヒット作を連発された敏腕TV監督。

 

映画もTBS製作であるものの、定期的に監督としてヒット作を連発されています。

亡くなった妻が現れたことで、残された家族と奇妙な共同生活を送ることになるドラマ「いま、会いに行きます」や、

夏川りみの大ヒット曲をモチーフに、沖縄で生まれ育った血のつながらない兄妹が互いに思いやる姿を描いた「涙そうそう」、

成績が学年ビリのギャルが慶應義塾大学合格を目指し奮闘する物語「映画 ビリギャル」などがあります。

 

映画「ビリギャル」【TBSオンデマンド】

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原作に忠実に描くと、ものすごい情報量を詰め込むことになり長尺映画になってしまう恐れがあることから、監督と脚本の野木亜紀子さんは、事件の詳細よりもフィクションを通じて犯罪に巻き込まれてしまった子供たちの顛末をメインテーマに描くように脚色されたそうです。

 

また、2人が事件を通じて出会い行動を共にするまでの経過に関しても、記者による聞き込みといった演者が動かない描写がメインになってしまうので、感情のアクションを多用したとのこと。

 

物語の「点」と「点」が、進むにつれ、どのように「線」となっていくのか。

そこにどのような動きと奥行きを見せていくのか。

TVドラマで培ったであろう演出に期待ですね。

 

 

 

登場人物紹介

 

  • 阿久津英士(小栗旬)…大日新聞大阪本社・文化部記者。かつては社会部記者として奮闘していたが、平成が終わるタイミングで、昭和の未解決事件を特集する特別企画班にシフトされ、「ギンガ・萬堂事件」の担当に。途方に暮れながらも、細い糸を辿って事件の核心に近づいていく。

 

  • 曽根俊也(星野源)…京都で「テーラー曽根」を営む。二代目店主。ある日、父の遺品から古いカセットテープを発見し、自分の幼い頃の声が、35年前の「ギン萬事件」で使われた録音テープの子どもの声と全く同じものであることに気づく。真相を知ることに恐怖を感じながらも、自らの宿命と事件の謎を追っていく。

 

  • 水島洋介(松重豊)…元社会部記者で、ギン萬事件発生当時は担当として現場に張り付いていた。今回、阿久津がギン萬事件を追うことになり、おせっかい気味に応援している。

 

  • 鳥居雅夫(古館寛治)…大日新聞大阪本社・社会部事件担当デスク。昭和の未解決事件の特集を企画し、ギン萬事件の担当に阿久津を指名する。

 

  • 生島総一郎(宇野祥平)…望の弟。声を事件に使用された子どもの一人で当時小学生だった。現在は消息不明。

 

  • 生島千代子(篠原ゆき子)…望と聡一郎の母。二人の子どもを想う優しい母親だが、運命に翻弄されることになる。

 

  • 生島望(原菜乃華)…映画字幕の翻訳家になることを夢見る中学生。犯行テープに声を使用されたことで事件に巻き込まれる。

 

  • 生島秀樹(阿部亮平)…望と聡一郎の父。元滋賀県警の警察官。警察では暴力団関連の事件を担当していた。

 

  • 曽根光雄(尾上寛之)…数年前に他界した俊也の父。テーラーの仕事に誇りを持つ立派な職人だった。

 

  • 曽根亜美(市川実日子)…俊也の妻。2歳になる一人娘の詩織の面倒を見ながら、事件を探る夫の行動を陰ながら支える。

 

  • 河村和信(火野正平)…俊也の父・光雄と長らく共に働いていたスーツの仕立て職人。当時の父をよく知る人物。

 

  • 曽根達雄(宇崎竜童)、若き日の達雄(川口覚)…曽根俊也の父・光雄の兄で、俊也の伯父にあたる。現在はイギリス・シェフィールド在住。35年前当時、父親が過激派に誤って殺されたのをきっかけに左翼活動に傾倒し、ヨーロッパと京都を行き来していたため、俊也に伯父の記憶はほとんどない。

 

  • 曽根真由美(梶芽衣子)、若き日の真由美(阿部純子)…俊也の母で、現在は病のため入院中。俊也の父・光雄とはお見合い結婚で、仕事に熱く打ち込む光雄の姿に惹かれテーラーを支える。

(以上HPより)

 

 

 

 

 

小栗旬と星野源という2大スターの共演も楽しみですが、フィクションであるとはいえ未解決事件の真相に迫るという点でも楽しみです。

原作未読ではありますが、どのような映画になっているのでしょうか。

ここから鑑賞後の感想です!!

 

感想

過去の事件を掘り返す「意義」とは。

長尺なのにのめり込んでしまうミステリーさは、さすが人気脚本家!

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホントに真相がこうだったんじゃないかと思える結末

昭和の日本を震撼させた未解決事件の真相を、原作者の調査や推測を元に構成された本作。

ひょんなことから事件の取材を担当する羽目になった記者と、犯罪に加担していたことを大人になって知ってしまった男の視点という2つのエピソードから事件を追い、二人が交わっていく後半からは、「テープに録音した声」によって人生を狂わされてしまった人の視点を中心に、当時どういうことがあったのかを追っていく。

 

 

見終わった後こみ上げた感想は、実際時効を迎えてしまったことで犯人が誰なのか、また動機や背景はどうだったのかわからずじまいなのに対し、あくまでフィクションであるにもかかわらず、本当のことのように思える説得力があったなぁということ。

 

 

劇中では小栗旬演じる阿久津が取材の中心にはなっているものの、他にも取材班のメンバーが事件を追っていて、犯人グループ9人が誰なのかを探している。

 

しかし阿久津が探していた「テープに録された声の主」=3人の子供たちに焦点を絞っていくことで、単なるミステリーに向かっていくのではなく、罪の意識を拭えないまま過ごしている人たちを、真相を追うことで救済しようというドラマに帰結していく流れは、お見事だったと思います。

 

 

また劇中ではグリコをギンガ、森永製菓を萬堂製菓と、犯人も「かいじん21面相」ではなく、「くら馬てんぐ」と名称を変えて語られているものの、当時あった事件と瓜二つのような流れになっており、全く事件の概要を知らなかった僕も、後々調べてみるとそっくりな流れになっていたことから、妙に真実味があってゾクッとするほど。

 

事件のターニングポイントになっている滋賀県での一連の事件も、現金欲しさに受け取りに行ったのではないか、金を手にしていない裏で企業の株価操作をして大金を手にしていたのではないかなども、調べてみると一説として囁かれている点から、益々この事件のことが知りたくなるほど。

 

原作者も事件史実通りに執筆したと語っている通り、相当な調査をされたんだろうなぁという印象を受けました。

 

 

時効を迎えてしまった事件とはいえ、当時声を録音した子供らはまだ生存されているのかな、など考えてみると、深淵に蓋をし目を背けて生きてきた人が、再び証言をして事件の真相が動き出すのではないか、結果社会全体を動かすようなことになったりしないのかな、など、消費するだけのエンタメがとんでもないきっかけを生むのではないか、虚構と現実の境目が無くなる瞬間が訪れるのでは、など、様々な妄想が脳内で飛び交っています。

 

 

 

ここまで真実味のある内容になっていたの大きな理由は、やはり脚本にあると思います。

この長きに渡って震撼させた未解決事件の概要を阿久津の語りから伝える展開になっていました。

 

新聞記者という立場を使って、様々な人に取材する傍ら、我々観衆にどういうきっかけから始まったのか、当時前代未聞だった劇場型犯罪によって、マスコミがどのように報道し、社会全体でどれだけの損害が出てしまったのかなどを回想しながら描いてるんですね。

 

また小栗旬の語り口が非常に聞こえが良く、且つ丁寧な口調でこちら側に伝えていることもあってすごく分かりやすく、物語を追いながら頭の中で事件の整理がしやすいよう工夫されていたと思います。

 

 

2人の芝居について

また、小栗旬と星野源演じる2人の中心人物が、事件を追うごとに受け取るスタイルが微妙に違うのも本作の魅力の一つ。

 

小栗旬は人物の設定上、追いたくもない事件を追う羽目になる役柄のせいか、内心「なんで俺が記憶にもない事件をここまで綿密に取材しなきゃいけないのか」という疑問を、心のどこかで抱えながら追っている感じがしました。

 

劇中でも鳥居とのやりとりで、「過去の事件を掘り返す意義」についてぶつかる姿が描かれていますが、曽根俊也を使ってまでも掘り返さないといけない理由に、腑に落ちないながらも取材を進めていく中で、自分なりに解釈しながら答えを見つけていく姿へと表情を変えていく辺りは、良かったと思います。

 

また、この表情による芝居も、星野源と違う受け取り方をしていたのが印象的です。

彼の場合、仕事ですから相手の目を見て、本当のことを言っているか疑いの目をしながら見つめていたし、大きな進展に繋がる重要証言を聞いたときは、「なんですって!」みたいなオーバーリアクションではなく、眉間にしわを寄せて重く受け止めるような芝居をされていました。

 

社会部にいた経験から、沢山の取材をしてきた過去があり、被害者に寄り添いながら聞く半面、事件を扱う度に取材をするたびにスクープ合戦を強いられてきたことへの疲労感があったことを吐露していたシーンなどから、話をどう聞くかという姿勢、それに対するリアクションは、大袈裟にすると違和感が出てしまう。

そういったバックボーンを意識した芝居だったように思えます。

 

 

逆に曽根俊也演じる星野源はどうだったのかというと、表面的にはぎこちない芝居に見えました。

というのも、彼はテーラーを営んでいる素人。

たまたま開けてしまったパンドラの箱によって、普段の生活を送りながらもどこか胸騒ぎを抱きながら過ごすことになり、表面的には平静を装っているけど、内心は落ち着きが無くてしょうがない。

 

自ら真相を追う前半では、「もしかしたら」が確信に変わっていくような流れになっていくんですが、重要証言を聞いた際のリアクションを、穏やかな性格という設定を崩さずに驚きを隠せない様子を、表情筋をたくさん使わずに相手を見つめて固まるしかない、そんな芝居をされていたように思えます。

 

この2人が後半では行動を共にして取材を進めていくんです。

いわゆるバディってやつですね。

普段バディになるときは、正反対の性格の2人が共にすることで絆を生むパターンが多いですが、本作の2人はどちらも穏やかな性格。

 

どうやって互いが影響されていくんだろうと見ていましたが、互いが相手に気を遣いながら腹を割って過去を語っていく流れになっていました。

 

阿久津はなぜ今になって事件を追っているのかを過去の人生を語ることで距離を縮め、曽根は客商売である立場から証言を得ることに成功するなど、互いの立場を活かしたり、腹を割って話すことで、柔らかに友情を育んでいくような関係になってました。

 

お互いが出会わなければ事件の深い部分にたどり着けない。

阿久津は過去の事件を掘り返す意義を探し、曽根は胸の中で閊えていたモヤモヤを晴らすために協力し合って真相を追っていく中で、この人なら身を任せられる、この人が真相を知った時意義が見つかるはず、そんな目的を抱きながら関係を深めていくような芝居をされていたように思えます。

 

なんというか、お互い我が強くない性格で、気を遣い合える2人だったように見えました。

なんか現代的な関係性というか。

変に土足で人の心に入っていかない、ガサツな感じがしない。

 

上手く表現できませんが、野木さんらしい男性像を作品に落とし込んでいたように感じます。

 

 

ギン萬事件の概要

一応ザックリ解説を。

 

俊也の父の兄で俊也の叔父にあたる達雄、そして俊也の母・真由美は、若かりし頃安保闘争に明け暮れていました。

警察に社会に権力に対して怒りをぶつけていた過去が明かされます。

 

真由美はその後、運動から身を引き、光雄との穏やかな暮らしを手に入れました。

テーラー曽根という店を出した矢先、光雄の兄である達雄が現れます。

 

2人は光雄に関係を隠して過ごしていましたが、達雄がロンドンへ向かう前に会う約束をします。

達雄はホープ食品を脅迫している最中で、身代金の受け渡しの支持をするためのテープを、足がつかないように子供である俊也の声を使って、テープに録音してもらうよう真由美にお願いしたのです。

 

阪神パークへ向かう前日、真由美は俊也に受け渡しの指示が書かれた分を読ませ、達也に渡します。

当日、達雄は真由美にギンガと萬堂製菓の株価などがかかれた手帳を真由美に託し、行方をくらまします。

 

そのテープと手帳が、大人になった俊也によって見つかったわけです。

 

 

1984年、達雄は未だに警察や企業、資本主義を憎み続け、左翼の過激派として活動をしていました。

何も変わらない日本に見切りをつけ海外へ行こうとしていた矢先、かつて警察のマル暴として勤めていた生島という男から、企業から金を奪うにはどうすればいいかを相談されます。

 

当時オランダで企業の社長が誘拐された事件に着目した達雄は、オランダへ向かい、独自で調査を開始。

しかしどうあがいても誘拐して身代金を得るには無理があるという答えにたどり着いた達雄は、企業を脅迫して報道されれば企業の株価が下がる、高い時に株を売り、安い時に株を買いまくる、いわゆる空売りをすることで、金を得ようと計画を立てます。

 

この計画に集まったのは、青木組の組長・青木龍一という経済ヤクザ、

元警察の生島秀樹、

産廃業者に務め青酸ソーダを手に入れることができる山下、

この計画のスポンサーである上東忠彦、

株価の操作をする係で、頭のキレる男、吉高、

そしてキツネ目の男や、自動車工場で働く車両係の金田など9人。

 

 

俊也のほかに、生島の娘・望と、総一郎が、テープに声を吹き込み、身代金の受け渡し支持の手伝いをする羽目になっていました。

 

最初は上手く脅迫をしながら、利益を得ていたように思えましたが、金主に払う分を差し引くと、手元に一人当たり300万しか渡らず、そもそも寄せ集めの集団のため一枚岩にならないメンバーは徐々に仲間割れをしていきます。

 

それまで上手くいっていた計画に黄信号。

手っ取り早く金が欲しくなった一行は、達雄が懸念していた身代金を受け取る流れに。

しかし、生島は前日青木によって殺害されてしまいます。

 

達雄と山下は、高速道路インター付近の道路に金を置く缶を用意する予定でしたが、生島が青木に殺されてしまったことへの報復として、缶を置かずに生島の家族を逃がすことに専念します。

 

 

生島の家族を奈良にある山下の親族の家に匿いますが、残念ながら青木組に見つかってしまい、家族らは監視下に置かれる羽目に。

人生を台無しにされたことや、犯罪に加担してしまった罪の重さに耐えられなくなった長女の望は、こっそり逃げ出す計画を立てますが、キツネ目の男に見つかってしまいます。

必至の抵抗をするも、キツネ目の男の瞬時の判断で通りかかった車に轢かれてしまい、望は死んでしまいます。

 

それを目の前で見ていた総一郎は、怖くて逃げだすことができず、青木組の工場で働くことに。

そこで仲の良かった組員と結託し、工場に火をつけて逃走するのでした。

 

様々な場所を転々としながら青木組の追手に脅え過ごしていた総一郎は、ラーメン屋の店主に世話になりながらも、迷惑をかけられないと自力で職探し。

しかし目が霞んで仕事にならないことからクビになり、現在無職として暮らしていました。

 

俊也と阿久津によって所在が判明し、事件の真相を知った総一郎は、記者会見を開き、離れ離れになってしまった母に自分の存在を訴えるのでした。

 

 

 

最後に

「過去の事件を掘り返す意義」とは。

劇中で鳥居は、当時起きた事件をスクープ合戦によって社会に多大な影響を与えてしまったことへの責任がある、それをとる為には平成が終わる前に決着をつける事ではないのかと語ります。

この言い分に対し阿久津は、それはマスコミの都合であって、曽根俊也を引っ張り出す理由にはならないと言い張り、腑に落ちません。

 

しかし、話が進むにつれ、事件に巻き込まれてしまった人は、事件が解決しようがしまいが人生を生きていかなくてはいけないことに気付き、彼らの未来を汚さないことが意義なのではないかという答えにたどり着きます。

 

本当の罪人は犯罪を犯したグループであり、知らずに加担してしまった子どもたちではない。

彼らが気持ちにふたをしながら過ごす辛さは彼らにしかわかりませんが、阿久津始めマスコミは、彼らに寄り添いながら世間に知らせる義務があるのではないでしょうか。

 

ただただ問題提起して世間に投げかけるだけの報道は今、ただの消費になってしまってないでしょうか。

 

また、自らの正義と称して無関係の人を巻き添えにするのは、本当の正義なのでしょうか。

 

 

と、ここまで褒め線で感想や解説してきましたが、正直これは映画かと問われると難しい所ではあります。

ここまで丁寧に概要や説明をされてしまうと、映画の醍醐味である行間が失われてしまっていることや、あまりにも画的なインパクトや転換が少ないせいで、演者の心情の変化や物語性が弱まってしまっているというか。

端的に言えば、ここまで丁寧にされちゃうと、ここまで浮き沈みが無さ過ぎると、TVドラマで十分じゃないかなんて思えてしまうんですよね・・・。

 

もちろんミステリー性も十分あったし、ドラマ性も全然ないわけではないんですけど、何というかサイズ感というか、惹きつける要素がTV的というか。

ごめんなさい、巧く言語化できませんw

 

こういう内容なら松本清張映画を意識した「加賀恭一郎」シリーズの方がより映画的だよなぁ、と。

これくらいドラマチックにしても良かった気がします。

が、好みの問題ということでw

 

 

とりあえず楽しかった、惹き込まれたことには変わりありません。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10