タリーと私と秘密の時間
細田守監督の「未来のミライ」。
主人公で4歳のくんちゃんが、ほんのちょびっとばかし成長するお話でしたが、同時に子育てに奮闘するお父さんお母さんの視点もしっかり描かれていました。
たどり着いた答えは「そこそこでいいんだよ」ということ。
何でもかんでも完璧にやろうとするから疲れてしまう、
イラついてしまう、
怒ってしまう、
結果、心が折れてしまう。
だから手を抜けるところは抜く。常に100点でなく、たまの100点でいい。
むしろ常に60点くらいでいい。
だって知らないうちに子供たちは育ってるのだから。
で、今回観賞する映画。
仕事も家庭も育児も手を抜くことができず、完璧にこなしてきたことで心の疲労が積み重なり、終いには爆発してしまう女性のもとに、謎の女性がお手伝いしにやってくるる、というお話。
毎日頑張りすぎて疲れてしまっている女性に手を差し伸べてくれそうな作品です。
早速観賞してまいりました!!!
作品情報
人に頼ることができない完璧主義により心が折れてしまった主婦と、彼女をサポートするためにやってきた素性のわからない若いナイトシッターの交流を境に、明るい将来を抱いていた若かりし頃とは違う現実を生きている大人たちに、つい共感してしまう女性の魂の叫びと、驚きの仕掛けによって目の覚めるエンディングを含んだ、ミステリアスな人生のリフレッシュムービー。
いい歳して未だに大人になれないヒロインによる、帰郷での騒動と悲哀をユーモアに描いた「ヤング≒アダルト」の監督主演タッグで贈るヒューマンドラマです。
タリーと私の秘密の時間 オリジナルサウンドトラック (180グラム重量盤レコード)
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あらすじ
もうすぐ3人目の子供が生まれるマーロ(シャーリーズ・セロン)は、大忙しの毎日を送っている。
娘のサラ(リア・フランクランド)は手がかからないが、息子のジョナ(アッシャー・マイルズ・フォーリカ)は情緒が不安定だ。
今日も姉弟が通う小学校の校長に呼び出され、ジョナをサポートする専属教師を自分で雇ってほしいと言われてしまう。
夫のドリュー(ロン・リヴィングストン)は優しいが、家事も育児も妻に任せっきりで、マーロもそれが当たり前だと思っていた。
ある日、事業で成功して贅沢な暮らしを送るマーロの兄のクレイグ(マーク・デュプラス)が、出産祝いに夜専門のベビーシッターを手配してくれると言う。
見知らぬ人に赤ん坊を預けることに抵抗と罪悪感のあるマーロは断るが、クレイグは妹に強引にシッターの電話番号を渡すのだった。
無事に女の子を出産したマーロだが、家事は膨大に増えていた。さらに、再び校長に呼び出され、ジョナには違う学校へ行ってもらうと言われ、遂に感情が爆発し、校長を怒鳴りつけてしまう。
帰宅したマーロは、もはや限界と夜間のベビーシッターを頼む。
22時半に現れたタリー(マッケンジー・デイヴィス)と名乗る若い女性を見て、唖然とするマーロ。
おへその見えるTシャツにジーンズのファッション、いきなりタメグチのイマドキの女の子だったのだ。
だが、戸惑うマーロにタリーは、「私を頼って」と自信たっぷりに宣言し、2階でゆっくり眠るようにと促すのだった。
翌朝、目覚めると、タリーの姿はすでになく、代わりに8年間全く掃除していなかった1階のリビングとキッチンが、ピカピカになっていた。
マーロは夫に、「彼女は何もかも完璧。なんだか、世界が明るくなった」と、久しぶりに晴れ晴れとした顔で微笑むのだった。
それからというもの、タリーは“完璧”を更新し続ける。
さらに、「人生の全部をケアしなきゃ」と、昔話や愚痴を聞いてくれ、悩みごとの相談にまで乗ってくれ、いつしか二人は友情を結んでゆく。
だが、タリーは何があっても夜明け前に姿を消し、昼間は何をしているかなど、自分のことは一切語らないのだった――。(HPより抜粋)
監督
今作を手がけたのは、ジェイソン・ライトマン。
久々の新作のような気がするんですが、どうやら僕が観てなかっただけのようですw
これまでの作品の中で10代の妊婦やクビ宣告人、クチの達者なPRマン、そしてこじらせバツイチ女などちょっと変わった主人公を描いてきましたが、今作は案外普通です。
でもいいんです。
この人の作品はちゃんとユーモアがあるから、例えヒューマンドラマだとしてもリラックスして観られる、笑いに走りすぎないのもいい。
丁度いい空気感とでもいいましょうか。
そんな監督の作品をサクッとご紹介。
「ゴーストバスターズ」や「ツインズ」などのコメディ映画を手がけたアイヴァン・ライトマンを父に持つ監督は、そのDNAをしっかりと受け継ぎ、自身の作品にもユーモアを取り入れています。
巧みな話術と情報操作でタバコを推奨するPRマンを描いた社会風刺コメディ「サンキュー・スモーキング」で監督デビュー。
その後、16歳で妊娠してしまったヒロインが産むのかおろすのか、はたまた誰かに育ててもらうのかなどの悩みや葛藤をコミカルに綴った「ジュノ/JUNO」がアカデミー賞4部門ノミネートと脚本賞を受賞することで注目を集めます。
続いて製作された、全米を飛行機で飛び回るリストラ宣告人が、2人の女性を通じて人間関係を見つめなおしていくヒューマンドラマ「マイレージ、マイライフ」でもアカデミー賞5部門にノミネートされます。
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そして今作でも主演するシャーリーズ・セロンとのタッグ作で、高校時代のイケイケっぷりを大人になって引き摺る30代バツイチ女性が、故郷で現実を突きつけられる様をユーモア満載で描いた「ヤング≒アダルト」や、父に捨てられた母と息子が、かくまうことになった脱獄犯と心を通わせていく「とらわれて夏」なども手がけています。
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最近はヒュー・ジャックマンとJ・K・シモンズを迎え、政治家ギャリー・ハートの大統領選挙予備選を描く「フロントランナー」を手掛けています。
今後は、父アイヴァンが手掛けた不朽の名作「ゴーストバスターズ」の続編を、何と息子である彼が監督をするという、これまで例にない親子2代に渡って映画を手掛ける(バトルロワイヤルがあるな…w)というステキな案件が2021年に公開予定です。
キャスト
主人公マーロを演じるのはシャーリーズ・セロン。
おおおぉ・・・ザ・3児の母な体格。
なんかリアルだなぁ。
過去にも、「モンスター」で醜い姿になったり、「マッドマックス/怒りのデス・ロード」で坊主頭になったりと、様々に風貌を変えての演技で我々を驚かせてくれますが、今回も18キロ増量しての演技。
これだけ美しいのに容姿を変えて挑み、撮影が終われば元に戻すためにまた努力する。
アクションもすんごいですからねこの方は。
「イーオン・フラックス」では柔軟な体を生かし、しなやかでアクロバティックなアクションを披露してましたし、「ハンコック」ではウィル・スミスとスーパーパワーを使っての夫婦げんか、上でも書いた「マッドマックス/怒りのデス・ロード」ではガンアクションもカーアクションも逞しく演じ、去年の「アトミック・ブロンド」では本格的に体を鍛えてリアリティある格闘アクションで魅了してくれました。
とにかく美しい美貌と努力を惜しまない超S級女優であります!
彼女に関してはこちらをどうぞ。
最近では、 マリファナの新薬開発をきっかけにトラブルに巻き込まれるアクションコメディを、ジョエル・エドガートンと共演で贈る「グリンゴ/最強の悪運男」、落ち目のジャーナリストが強大な権力を持つ女性の秘密を暴こうとするコメディ映画を、セス・ローゲンと共演で贈る「ロングショット~僕と彼女のありえない恋~」、そして第92回アカデミー賞にもノミネートされた「スキャンダル」と、地震がプロデュースした作品が多数公開されています。
その他のキャストはこんな感じ。
謎のナイトシッター、タリー役に、「ブレードランナー2049」で注目され、「ターミネーター/ニューフェイト」のマッケンジー・デイヴィス。
マーロの兄クレイグ役に、「ゼロ・ダーク・サーティ」に出演していたマーク・デュプラス。
マーロの夫ドリュー役に、「アダプテーション」、「死霊館」、「SEX AND THE CITY」のジャック役でも知られるロン・リヴィングストン。
マーロの息子ジョナ役に、本作が長編映画デビュー作となるアッシャー・マイルズ・フォーリカ。
マーロの娘サラ役に、こちらも本作が長編映画デビュー作となるリア・フランクランドなどが出演します。
「ヤング≒アダルト」が大好きなので、ある意味精神的続編みたいだったらいいなとは思うんですが、さすがにそれはないよなw
果たしてタリーとどんな交流をして心を開放していくののでしょうか。
そしてタリーは何者なのか?
ここから観賞後の感想です!!!
感想
またまたシャーリーズセロンが体を張った迫真の演技!
そして世のお父さん!
子育て奥さんに任せっきりで夜中ゾンビ倒してる場合じゃねえぞ!
以下、核心に触れずネタバレします。
人生のケアとは。
2人の子供を育て、家事も完ぺきにこなすが、3人目を宿し出産することで心身共に限界に達してしまう主人公が、ナイトシッターという救世主によって徐々に生気を取り戻していくまでの心の再生を、意味深な描写や優しさと穏やかな毒気のあるBGM、そしてグサッと心に刺さるセリフなどを要所要所に置き、ナイトシッターがいったい何者なのかという謎を少しづつ解き明かす手法で楽しませながら、子育てに苦労するお母さんたちへのエールと、過去に思っていた将来への憧れを思い出させるステキな佳作映画でございました。
正直言いますと、タリーがいったい誰なのか、勘のいい人なら予想はできてしまうかと思います。
しかし僕はその大オチよりも、もっと重要な部分がこの映画にはあるのだと感じました。
それは何でも完ぺきにこなすからと言って、家事も育児も奥さんに任せっきりの旦那さんへ向けてのメッセージ。
さらに、同じように繰り返す毎日にうんざりしてしまっているお母さんたちに、あなたが描いていた将来はこういうありきたりな日常で、明日には別人になってしまう成長の早い子供たちの一瞬一瞬を、ありきたりな日常だからと言って見逃すことなくちゃんと目に焼き付けてほしいということ、なのかなと。
旦那さんは大きな仕事を任されたり、出張の繰り返しで、さぞ大変な毎日を送っているのでしょう。
だから奥さんは子育てによってなかなか眠ることもできず、他の事がおざなりになってしまい疲弊してしまっているのでしょう。
多忙という窮屈な時こそ人生のケアが必要なのだということをこの映画は訴えているのではないでしょうか。
じゃあ人生のケアってなんだよって話なんですけど、例えば夫婦でもっと話し合って毎日の作業を分担制にするとか、もっと子供たちの事を考えてあげるとか、それこそ劇中に登場するベビーシッターを頼って、空いた時間を有効に使うとか、挙げれば百通りです。
お互いが疲れ切ってコミュニケーションをとらず、イライラを募らせれば逆効果だということです。
毎日の夜中の楽しみが、ヘッドフォンつけてゾンビ倒すゲームでいいんですか?
夜中にソファでお菓子食べながら、ジゴロのドキュメンタリー見てただただ悶々としていていいんですか?
劇中の2人で言うならば、必要なのはヘッドフォンを外し、奥さんと会話をすること。
奥さんは真っ直ぐ旦那さんの元へ向かい、肌を重ねること。
それでもだめなら、旦那さんのために趣向を凝らして、ウェイトレスの恰好したっていいんです。
まずは向かい合うこと、それが人生のケアへの第一歩なんじゃないかと。
あくまで映画に沿って感じたことを書いてるので、決してこれが正しいとは限りません。
なんてたって僕は独身ですし、こういう家庭も持っていないからあくまで想像です。
ただ、とにかく変わらない毎日を変えることが大事なんじゃないかということです。
序盤から痛々しすぎる・・・。
今作で特筆すべきなのは、18キロも増量し、3人の子供を産んだ奥さんの役を演じたシャーリーズセロンの演技でしょう。
冒頭、3人目の子をお腹に抱えながら、2人の子供の子育てに奮闘するお母さんが映るんです。
もう顔がですね、ひきつってるといいますか、目が死んでるといいますか。
生気がない状態で生活してるんですね。
学校に送る際も、次男坊がいつも違う駐車場だということに、グズり出すんですよ。
で、どんどんエスカレートしていくことで心と頭がパニックになるような演出になっていて、ヤバイ!!セロン姐さん爆発しそう!
みたいな気持ちになっていくんです。
この後も、次男坊にちょっとした障害があるんじゃないか?、と、学校側から指摘され、
特別に先生を雇った方がいい、
いやいや確かにうちの子はちょっと手がかかりますけどいい子ですよ?
それ以前にうちにはそんな費用出す余裕ないです、
と、悩みが一つ増えてしまう。
でもって、3人目の子供が生まれたことで、忙しく苦労の絶えない毎日を送っているのに、さらに負担が増えてしまう。
授乳の度に夜中に何度も起き、母乳を絞り、おしめを換え、泣き止まない子供をあやしながら毎日の炊事洗濯をこなしていく。
ここまでのシーンを、テンポよく秒ごとで刻んでいくことで、いかにこの日常が繰り返しなのかというのを表現し、徐々にイヤなBGMで感情を煽っていくんですね。
緊張感を高めるとでも言いましょうか、マーロ爆発寸前、心が崩壊寸前みたいな。
どんどんマーロの表情はやつれていくわけです。
そして、とうとう学校から「そろそろ先生を雇うことをする準備を始めたほうがいい」、と言われ、心が折れたのか本心むき出しで先生に八つ当たり。
車に子供を置いて、外でファ~~~~~~ック!!!!!と叫んでしまいます。
夕食も冷凍ピッツァに適当な野菜。
マーロのルールでは食事中のスマホは禁止ですが、これまでちゃんと指摘してきたルールですら注意することができないくらいくたびれています。
そこに追い打ちをかけるかのように帰宅した旦那さんの皮肉にも聞こえる一言。
「お、冷凍ピッツァか、ごちそうだな。」
マーロはようやく兄さんから預かったナイトシッターの電話番号に電話をかける決心をするのです。
この時のセロン姐さんの顔は冒頭の時よりもさらに悪化。
序盤はホント辛そうで泣きそうでした。
でも、こんな感情を抱くことが、既にお母さんたちへの苦労を知っていない証拠であり、今回そういう意味では、自分の母親がこんな風に自分を育ててくれたのかと思い知らされた次第です。
タリーへの疑問。
多分始まって10分もしないうちに登場してくるんだろうなぁと思っていたナイトシッターのタリー。
意外にもマーロの心の崩落までをじっくり忠実に描いてるので、中々登場しないんですね。
登場するの始まって20分くらいかなぁ、体感的に。
夜10時半に来て、授乳以外は彼女が赤ちゃんの面倒をみるんですが、朝起きるとこれまで8年間ほったらかしだった床掃除を完璧に終わらせていたり、
「有能なお母さんてのは、ホームパーティーしたりカップケーキ焼いたりするのが完璧なお母さんなのよ」と話すと、翌朝カップケーキが作ってあるなど、
赤ちゃんのお世話以外もしっかりやってくれる、超有能で万能なナイトシッターだったのです。
彼女のおかげもあって、夜は熟睡、日中も余裕のある生活を送れ、子供たちからも旦那さんからも表情の変化に気付いていきます。
ここで疑問がわくのは、一体彼女は何者なのか?ということ。
もちろん答えは終盤で明らかになるんですが、意外と、「え?これナイトシッターの割にこんなことやあんなこともしちゃうの?いや、させちゃうの?」
みたいな場面がいくつもあるのです。
まず僕が疑問に思ったのは、彼女が家に到着してすぐのシーン。
最初の2,3日はちゃんとノックをしたり、チャイムを鳴らして家に入ってくるんです。
しかし次第にノックもチャイムもせず入って来たり、他人の家の冷蔵庫を勝手に開けて腹ペコ~とか言ったり、終いにはちょっと不機嫌な表情で冷蔵庫を開けては、ぶつくさ文句を言う。
おいおい、いくら君の存在がマーロを助けているからって、図々しいにもほどがあるぞ!
アメリカじゃどうか知らんが、日本じゃ勝手に他人の家の冷蔵庫は開けないって!
お母さんから教わらなかったか!?
しかも何が怖いって、彼女の行動に何ひとつ文句を言わないマーロ。
う~ん、親しい関係だからとりあえずオッケーなのか?
タリーはマーロに夫婦関係は良好かどうかを、根掘り葉掘り聞いてきます。
きっかけは、気が付くと何気なく見ていた「ジゴロ」というドキュメンタリー番組。
女から金を得ることで生活する男を指す言葉ですが、番組の内容はそんなジゴロが、どうやって女を満たすかについて放送されていました。
なぜこんな番組を見ているのか。
タリーは不思議でしょうがなく、もしかして旦那とあっちの方はうまくいってる?と聞いてくるんですね。
マーロ自身、妊娠もしていたわけだし子育ても大変で。
もちろん返答は「ご無沙汰」。
ご無沙汰の原因はマーロではなく旦那の方なんじゃないか?とタリーは指摘。
パワーが足りないんじゃない?と。
そのパワーを引き出すためには、マーロの色仕掛けが必要、みたいなことを言い出し、旦那の性癖を聞いてきます。
旦那は基本ノーマルだそうですが、高校時代に見たダイナーのウェイトレスのタイトな制服に妙に興奮したというエピソードを思い出し、昔こっそり買ったことがある、でも着たことがない、とマーロは打ち明けます。
タリーはそれを私に着させて!とねだり出し、実際に着て寝ている旦那の上にマーロと一緒にまたがり、耳元で囁いたり、挙句の果てにはボタンをはずしだし、キスまでしてしまうんですね。
ちょっとちょっとスト―――――ップ!!!
おいマーロ!!
いくらタリーが完璧で人生のケアまで手伝ってくれるからって、自分の旦那の活力を発揮させるためにそこまでする必要あるのか!!!
確かに了承を得た上に?
自分の目の前で行為を始めるのだから?
まぁいっか?
じゃねえよ!
色々はみ出しすぎでしょうよ!
さすがにこれは見ていて引きました。
一体何考えてるんだマーロ。
もうタリーと契約解除しなさい。
きっと夫婦仲は向上しないが、破たんはしない。
うん、断言する。
翌朝昨日はどうだった?
と、旦那に聞くマーロ。
「良かったんじゃないか?」と、引きしまた顔で返答するダンナw
お前奥さん以外の女と、奥さんの前で寝たんだぞ。
普通ごめんとかあんだろ。
ぼ、ぼくは、き、君という存在がいながら、と、と、とんでもないことをしてしまった!
申し訳ないと思っている・・・ぼ、ぼくにできることは、も、もうこんな過ちは二度としない・・・か、神に誓って・・・
みたいなさぁ。
とうとうタリーは赤ちゃんをおき、マーロと車で小1時間かけて、ブルックリンの街へ夜な夜な飲みに繰り出します。
これまでの行動は百歩譲って目を瞑るとしよう。
しかし!!
今回ばかりは、本来しなくてはならない職務を放棄、加えて授乳中は控えなくてはならない飲酒を薦めるなど、とんでもないことをしでかしているではないか!!
タリーよ!!
君はいくら若いからって奔放過ぎるぞ!!
何を考えているんだ!!
バカ者!!
と、タリーの行動にいちいち怒り心頭だったわけですが、これ彼女の正体を理解するとすべてつじつまが合うのです。
なるほどぉ~~~!!と。
だからかぁ~~~!!と 。
彼女の行動のほかにも、いくつか謎の描写が存在します。
例えば水中を泳ぐ女性のシーン。
映画では大体水中を泳ぐシーンて、お腹の中の子供のメタファーだったり、何かが生まれる瞬間だったりを現す描写としてよく用いられるんです。
一応当てはまってはいるんです。
実際マーロはこの夢を見て起き上がり破水するので、あ、子供が生まれるからこの映像が出るんだ、と、合点がいくんですが、実はそれ以外でもこの映像が流れます。
さらにこの映像と並行して、マーロがマーメイドのアニメを何気なく見ているシーンがサラッと出て来たりするんですね。
他にも、久々に再会した女友達が登場するんですが、その後彼女は出てきません。
伏線になるはずが回収されていません。
実はこれも意味があるんです。
果たして一体彼女は何者なのか。
真実が明かされた時、彼女の行動を思い出してみてください。
最後に
女の20代。
それはそれは華やかで、何をやっても輝いて見えるけど、女の30代はあっという間。
ゴミ収集車に乗ってるかのような嫌な思いなのよ、これまで受けてきた傷をコンシーラーで隠してるだけ。
このようなセリフを吐くことで、いかに女性が毎日を生きるのが大変かということを物語っているわけですが、タリーはこう返します。
あなたが夢見ていた将来は、決して華やかな世界じゃない、毎日毎日同じことの繰り返しで苦労の絶えないことばかり。
でも見方を変えてみることで、人生はいつだって見違えるように変化する、明日になれば子供たちは、まるで別人のように成長してしまうのだから、ちゃんと眠るときはキスをしてあげて。
若干デフォルメしましたが、こんなようなことを言ってマーロを励ますんですね。
色々自分で抱え込んでしまったせいで、負のスパイラルを作り出してしまった主婦に、エールを送る映画でございました。
マーメイドの件とかすごく大事なんですけど、核心に触れてしまうので伏せます。
彼女の正体が分かった時、きっと腑に落ちるし、そういう意味だったのかと納得できるかと思います。
ここまで強調したら察しがついちゃうかなw
楽曲もいいですよ。007は二度死ぬ。なるほど!
冒頭で「未来のミライ」を引き合いに出しましたが、旦那さん、あなたたちはこっちの映画を見たほうがいいです!よっぽどリアルだ!
というわけで以上!あざっした!!
満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10