モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「ホリック xxxHOLiC」感想ネタバレあり解説 吉岡里帆がセクシー過ぎてやられた。

ホリック xxxHOLiC

人の心の闇が見えてしまうのと、幽霊が見えてしまうのとどっちが楽なんでしょうか。

どっちも楽じゃねえか。

 

今回鑑賞する映画は、人の心の闇が見えちゃう能力を消してもらうための対価を探しに、仲間と共に闇退治するっつうお話(あってるこれ?w)。

 

原作未読なので全くお話が予想できないんですけど、いわゆるゴーストハント的なものなんでしょうか。

実際「アヤカシ」ってのが見える対象に何もしないってなら無視すりゃいいだけなんだと思いますけど(そもういかねえから主人公は頼むんじゃねえのかw)、きっとなんかするんでしょうね、悪さを。

 

正直不得意な監督ですし、ビジュアルありきの方なので映像が眼福なら一応満足かな程度の期待値です。

早速鑑賞してまいりました!!

 

 

作品情報

魔法騎士レイアース」や「カードキャプターさくら」などでカリスマ的人気を誇る創作集団・CLUMPの代表作にして、累計1400万部もの大ヒットを記録した伝説のコミックを映画化。

 

人の心に憑りつく「アヤカシ」が視えてしまう孤独な高校生が、不思議な「ミセ」の女主人に力を取り除いてもらうために、同級生ら仲間と共に大切なものを探すとともに、アヤカシと対峙していく姿を描く。

 

劇作家を父に持ち、写真家として活躍してきた才能を武器に、女性たちの姿を時に艶やかに、時に煌びやかに映し出してきた蜷川実花が、本作を映画化するため10年の構想をかけて実現。

原作が持つダークでカラフルな世界観を、監督の抜群なセンスによって圧倒的なビジュアルで魅了する。

 

そんな監督のもとに、神木隆之介はじめ豪華キャストが集結。

誰もが色気を放つキャラクターになりきったことに、きっと原作ファンも納得するに違いない。

 

妖しく美しい、究極のビジュアルファンタジーを体感せよ。

 

 

 

 

 

あらすじ

 

ようこそ。ここは、何でも願いが叶う【ミセ】。

 

人の心の闇に寄り憑く”アヤカシ”が視える孤独な高校生・四月一日(わたぬき)(神木隆之介)。

その能力を捨て普通の生活を送りたいと願う四月一日は、ある日、一羽の蝶に導かれ、不思議な【ミセ】にたどり着く。

 

妖しく美しい女主人・侑子(ゆうこ)(柴咲コウ)は、彼の願いをかなえる代わりに、”いちばん大切なもの”を差し出すようささやく。

 

同級生の百目鬼(どうめき)(松村北斗)やひまわり(玉城ティナ)と日々を過ごし、”大切なもの”を探す四月一日に、”アヤカシ”を操る女郎蜘蛛(吉岡里帆)らの魔の手が伸びる。

 

世界を闇に堕とそうとする彼らとの戦いに、侑子や仲間たちと共に挑んだ四月一日の運命は——(HPより抜粋)

youtu.be

 

 

監督

本作を手掛けるのは、蜷川実花。

 

本ブログでは「Diner/ダイナー」や「人間失格/太宰治と3人の女たち」などを取り上げてますが、基本的にはイイ男とイイ女をキャスティングして自分好みのビジュアルなりショットを撮りまくって楽しんでるとしか思えない作品ばかりです。

 

そもそも写真家ですからビジュアル重視なのは作家性であり個性なのでいいと思うんですが、一応映画監督なわけですから物語にもちゃんと目を向けてほしいし、画を最優先し過ぎておかしな構成にならないようにお願いしたいところです。

 

とはいえ構想10年かけたこともあり、気合は入ってる様子。

父である蜷川幸雄が亡くなったことや自身の子供が思春期を迎えたこと、そしてコロナ禍という非常事態を受けて、当初の内容からキャラクター面に関しては色々肉付けしたそうです。

 

さらに「ヘルタースケルター」も「さくらん」も「自立すること」をテーマに作られたそうですが、本作は子供たちに見てほしいという思いが強く、「自立すること」以外に、「許す」ような「自己愛」へ繋がるような物語にしたんだそう。

 

一体どんな物語に仕上がったのでしょうか。

 

キャラクター紹介

  • 四月一日君尋(神木隆之介)・・・人の心の闇に寄り憑く”アヤカシ”が視えるおk読な高校生。
  • 壱原侑子(柴咲コウ)・・・対価の代わりに人の願いをなんでも叶えるという【ミセ】の妖しく美しい女主人。
  • 百目鬼静(松村北斗)・・・クールでミステリアスな、四月一日の同級生。寺の息子で、巧みな弓の使い手。
  • 九軒ひまわり(玉城ティナ)・・・四月一日と百目鬼の同級生。笑顔の陰に謎を秘めた、ツインテールの美少女。
  • 女郎蜘蛛(吉岡里帆)・・・”アヤカシ”を操り、四月一日を襲う妖艶な悪女。
  • アカグモ(磯村勇斗)・・・ヒトでありながら女郎蜘蛛を崇拝する手下。
  • 美咲(趣里)・・・【ミセ】に訪れる心に闇を抱えた女。
  • マルダシ(DAOKO)、モロダシ(モトーラ世理奈)・・・【ミセ)に棲む謎の少女たち。
  • 猫娘(西野七瀬
  • 女性客A(大原櫻子
  • 女性客B(てんちむ
  • 座敷童(橋本愛

以上HPより

 

 

 

 

 

 

モンキー的にはチームラボみたいなきれいな世界と吉岡里帆が拝めれば文句はありません。

とか言ってすげえ文句言ったらごめんなさい。

ここから観賞後の感想です!!

 

感想

視る角度を変えれば「運命」もまた変わる。

監督の息子への思いが強く現れた意欲作でした。

…が、やっぱり話は薄っぺらい…。

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

目の前のことから逃げずに考えろ

人の心の闇が見える孤独な高校生が妖しくも美しい女主人との出会いによって、人生を生きていく上で一番大切なモノを見つけていく姿を、監督得意の圧倒的美ジュアルと容姿端麗なキャラクター達に眼福以外の言葉が見つからない一方で、規則的に配置された立ち位置や唐突に展開するストーリー進行、画と対比するかのように深みのない脚本と説得力など、相変わらず課題をクリアできてない点はどうしても許しがたい作品でございました。

 

監督の欄でも書いたように、構想に10年をかけて実現させた意欲作だったようで、彼女が本作を通じて息子はじめこれからの社会を担う若者たちに伝えたいメッセージや意図は非常に理解できました。

 

結局のところ四月一日は人の心の闇である「アヤカシ」を見たくない、寧ろ逃げたい一心で命を絶とうと願ったわけですが、そりゃ生きてりゃ見たくない事象もあるし、逃げたいこともあるわけです。

自分だって何度そう決断したかわかりません。

だって、その方が楽ですから。

 

ただ大人になった僕から言わせてもらうと、幼いころから「逃げ癖」を付けちゃうと、ここぞって時に何にも考えずに「逃げちゃう」って選択を下しやすいんですよ。

果たしてそれでいいいのかと。

 

劇中では、とにかく目の前の事から逃げたい、今見えてるモノを消し去りたいと願う四月一日の前に「願いを叶える代わりに対価を払いなさい」という女主人の侑子が登場し、彼女の近くで穏やかな日々を過ごしていくうちに、四月一日は「今が一番幸せ」と錯覚をし始めてしまうんですね。

そんな彼に侑子は「ちゃんと考えろ」と忠告をするんです。

 

しかし四月一日は特に考えもせず選択をしてしまう。

友達を助けたいと願い自己犠牲するけれど、結局自分を助けるために友達は対価を払う。

他人に迷惑をかけてしまうのなら、自分が傷ついて済むのなら、いっそのことこの【ミセ】で家政婦やってた方がいい。

 

実際社会で生活するということは、誰かと出会い別れ交わっていくこと。

自分が対価を払う時もあれば、相手が自分のために対価を払う時もある。

人と付き合うということはそういうことだと。

そうして人は痛みを理解し合い手を差し伸べ合っていくのだと。

それを拒んで閉じこもったままでいいのか、ぬるま湯につかったままでいいのかと侑子は四月一日に忠告をしているわけです。

 

では劇中で四月一日がぬるま湯につかることを選択するとどうなるか。

人の心の闇「アヤカシ」を欲しがる女郎蜘蛛が誘惑し、彼の誕生日である4月1日に閉じ込めてしまうわけです。

 

女郎蜘蛛はちょっとでも心に隙を作ると、長く伸ばした爪を光らせ近づいてくるのです。

アヤカシが視えてしまう力を奪う彼女は、ある種四月一日にとっては願ったりなことですが、結局それは逃げてるだけだという答えにたどり着いた四月一日は、彼女と対峙するという流れ。

 

どう決着をするかは見てのお楽しみですが、総じて本作は四月一日という孤独な少年が、どうやって大人へと成長を遂げるかを描いた通過儀礼のような作品だったのではないでしょうか。

 

四月一日はエヴァのシンジ君みたいなキャラだったと思いますが、劇中では得意の家事を披露する一面もあり、決して何もできないただ「どうせ自分なんて」なんてきゃらではないんですよね。

でも、自分が作ったご飯を食べられないんですよ。

 

ここはきっと「自己愛」ができない面を現すメタファーだと思うんですけども、最後に自分で作ったご飯を食べて笑みを浮かべるシーンが挿入されてるので、最後彼は「自己愛」に目覚めたってことなんでしょうね。

 

そう、本作はまさに「自己愛」もテーマに入っていて、能力のせいで自分を呪っていた四月一日や、アヤカシまみれになって不幸極まりないひまわりが、どう自分を受け入れ愛するかも描かれていました。

 

これから大人になる人たちへ向けた、監督らしい作品だったように思えます。

 

吉岡里帆がまぁエロい

過去作を見続けてきた僕は、結局のところ蜷川作品と相性が良くないです。

相変わらずビジュアルゴリ押しですし、自分が「美」と思う俳優を起用し、まるで着せ替え人形でもしてるかのようにガンガンメイクしてガンガンライト当てて、普段よりもさらに美しく見せることしか頭にない。

映画を製作するにおいて、確かにビジュアル面も大事ですが、お話を作るわけですから、もっと脚本だったり人物描写、心理描写などにも目を向けるべきではないかと僕は思います。

 

それこそ今回のように強いメッセージ性を込めた作品なら尚更。

良い大人がこれだけたいそうなことをいってるのだから、外面ばかりでなく内面ももっと作り込んでくれないとってのは思います。

 

…とかいっておいて、今から話す内容は「吉岡里帆がとてつもなくエロかった」という話です。

結局お前も監督の術中にハマってんじゃねえかといわれればそれまでなんですが、今回なんで苦手な監督の作品をまた見に行こうと思った最大の理由が「吉岡里帆」だからです、文句あるかい!

 

というわけで今回四月一日を誘惑する女郎蜘蛛を演じた吉岡里帆さん。

悪女を演じるために「セクシー所作指導」の先生をつけてまで挑んだそうです。

 

まずビジュアルですが、金髪に長い爪、露出度の高いボンテージファッション。

道化師を思わせる赤い涙に長いまつげ、真っ赤なルージュが印象的なお顔立ちでした。

 

登場するや否や四月一日を横断歩道のど真ん中で誘惑。

ゆっくり近づき背後に回ってバックハグ!からの、長い爪でゆっくり素肌をこすり、やがて顔を近づけながら、「食べごろになったらまたくるね」と囁く。

 

おい神木!そこ代われ!!

既に熟して腐りかけてる俺だったら女郎蜘蛛様もすぐ召し上がってくれるにちがいないんだ!

青いバナナよりも黒い部分が少し出てきたバナナの方がうまいだろうが!

 

…と、あらぬ妄想を抱いてしまうほどの美、美、美。

 

なかなか四月一日が墜ちてくれないんで、女郎蜘蛛様も行動がエスカレートしていきます。

仰向けに倒れていた四月一日を、何と上からマウント。

這いつくばって下から顔めがけて近寄ってくる女郎蜘蛛様は、再び甘いささやきをこぼしながら再びゆっくりと長い爪で素肌を行ったり来たり。

 

おい神木!お前不感症か!

世の一般男性ならそこは悶絶の表情だろうが!

何ビクビクしてんだよ!

 

…おっと、これはお芝居だった。一体何を取り乱しているのかモンキー。

モンキーの「M」はドMの「M」なんで許してつかぁさい…。

 

それでも墜ちない四月一日に対して、女郎蜘蛛様がとった行動は、なんと首筋を舌でなめ回すという秘技。

男のツボを熟知したであろう女郎蜘蛛様ならではのテクニックにさすがの神木も白旗。

こうして四月一日は目玉を持っていかれたのであります。

 

きっと吉岡里帆の強調した胸に目を奪われて、物語が頭に入ってこないだろうなぁと思ったら、ここまで体を張って演じてくれるなんて思いもよらず。

 

クライマックスでは赤い糸を放出し、四月一日の身体を縛り上げるというSMチックな技で翻弄させるんですが、正に女郎蜘蛛の名にふさわしいヴィランでございました。

 

やっぱり話は淡泊。

とまぁ、ビジュアルに関してはホント美しいの一言に尽きるんでんすが、やっぱりお話は薄っぺらい。

 

冒頭から黒い煙上の何かに追われ、こんな人生嫌だ、もう死のうとなった瞬間に、蝶々に魅せられ、追いかけていったら【ミセ】の前にたどり着く。

もうこの時点で「?」なわけですよ。

 

孤独な高校生って設定なら、まず孤独な日常生活をみせてから「アヤカシ」に追われないと説得力がないんですよ。

急に暗い場所からアヤカシに追われて自殺しようって決断するのが「なぜ?」と。

どうしてそこまで追い込まれてるのかを端折ってるから没入できないんですよね。

 

物語を追っていくと、アヤカシというものが人の心に寄り憑くモノだと分かります。

とにかく嘘をつきまくって他人と接し優越感に浸ってる女性は、侑子に対価を払う約束をしておきながら平然と人前で嘘をついてしまう。

嘘で塗り固めた自分でなければ社会と接することができないせいか、アヤカシの量は多く、結果彼女はアヤカシに飲み込まれてしまうんですね。

 

こういう案件、せめてあと2つほどあると、四月一日の心境の変化が分かりやすいのになぁと。

 

それこそダイジェストで西野七瀬や橋本愛といった著名なキャストが名を連ねてるんですよ。

1シーンのみの出演なんですけど、登場する箇所が【ミセ】を訪ねて悩みを話すだけっていう。

ここで侑子の能力だとか、願いと対価がどれほどのものか、約束を破るとどうなるかをダイジェストで見せることで、四月一日が侑子へ抱く信頼度とか、自分が払うべき代償がどれほど大きいのモノかってのを自然と彼も客も理解していくと思うんですよ。

 

これをすっとばしてひまわりや百目鬼と仲良くなっていく描写に入っていくから、順番が違くない?とか、主旨が変わってきてない?と。

一応友達ができることで、これまで孤独だった彼の表情に変化が訪れたり、一番初めにぶつかる「自己犠牲」へと繋がっていくので、決して悪くないんです。

 

だけど、侑子の能力を信じ始めていくことで大切なモノ探しへとステップを踏んだ方が単純にスムーズな気がするというか。

要は見せ方の問題で、本作をよくかみ砕けばその通りに進行してるんだけど、唐突に話題が切り替わってしまっているから、四月一日の内面の過程が全く見えないんですよ。

 

この唐突な進行がこの後も随所に登場して、急に夢の中だったりとか、急にタイムループするとか、「今何の場面?」てのが幾度も訪れて。

現実世界が既に煌びやかなモノになってるから余計境目が無く、さらに話も唐突に切り替わるから、結構話に追いつかない人が多いんじゃないかと。

 

それこそ急に母ちゃんが事故死した件とかも唐突だったし、ひまわりちゃんが実はアヤカシだらけだったとか、アカグモがどうやってひまわりに怖い話をさせたとか全く持って唐突なんですよね。

 

しかもこれらが四月一日が行動を起こす理由づけとして活きてないし。

 

 

最後に

四月一日は成長してるのに、監督は全然成長しないんだなという感想でした。

きっと原作はもっと面白いのだと思います。そうであってほしいです。

 

しかし神木君て今何歳ですか?

30手前くらいですよね?

吉岡里帆と同じくらいですよね。

まだ高校生させるんでんすか?

 

柴咲コウの抜擢もいいですけど、なんていうかこういう作品にしては年齢層が高い気がするんですよね…。

せめて主役扱いの俳優は10個くらい年齢の若い方の方が良かった気がするんですが。

 

とはいっても、全員良く演じられてたと思います。

磯村くんも相変わらず悪役ハマってたし、松村北斗君はクールビューティーでしたし。

あ、松村君の乳首ドアップあんなにいります?

ファンは喜ぶと思いますけど、この時代にこれ見よがしに入れてくるのってどうなんだろうか。

まぁ吉岡里帆で喜んでる俺が言える立場でないんですけどw

 

そういえな「桐島、部活やめるってよ」コンビが一つのカメラに収まって競演してたのは嬉しかったですね。

思いが叶わなかった前田が、まさか年月を経て逆アプローチされるなんて最高じゃないですかw

 

色々妄想の感想になりましたが、吉岡里帆ファンは見て損はありません。

ファンを代表してこれだけは強く言っておきます。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10