モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「ザ・ザ・コルダのフェニキア計画」感想ネタバレあり解説 金では買えない富を手に入れました。

ザ・ザ・コルダのフェニキア計画

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」、そして「アステロイド・シティ」と、僕の中のウェス・アンダーソンが終わったと感じたのに、どうしたって見たくなってしまうのはなぜだろうか。

 

特に前作はアメリカを舞台にしたあたりで戻ってきた感覚があったのに、内容は3重構造で物語を追えないことはおろか、一人よがりすぎる面も見えてしまい、もう彼の作品を追うのはよそうと、相当気分が凹んだことを記憶しています。

 

だけど本作は評判も良く、原点回帰したなんてレビューも聞こえてきたので、ここはひとつ自分の気持ちを切り替えて臨んでみようと決心したわけであります。

 

…まぁ俺のウェスに対する所信表明は置いといて、いったいザ・ザ・コルダとは何ぞや。

主人公の名前だろうと冊子はつくけど、そのあとのフェニキア計画ってどんな計画よ?

相変わらずウェス・ワールドがむんむんしてますが、果たして俺はこれを面白がれるのか!?

早速鑑賞してまいりました!!

 

 

作品情報

シンメトリーを基調にスタイリッシュな作風でコアなファン層から愛され続けているウェス・アンダーソン監督の新作は、本年度カンヌ国際映画祭でのプレミア上映での反応や、アメリカで興行収入ランキングのベスト10入りを果たすなど、海外の反応が非常に高い1作。

 

架空の都市国家を舞台に、拝金主義だった大富豪が娘と共に資金調達をしながら旅をつづける姿を、現代社会に通じる辛辣な風刺を取り入れながら、監督の持ち味でもある家族の絆と再生をユーモラスに描く。

 

常にロケーションやセットに独特のこだわりを見せるウェス・アンダーソン監督。

今回は中東にありそうな国をイメージしたため、ドイツのスタジオで砂漠地帯のセットを作って撮影。

また美術品のコレクターである設定から、ルノワールをはじめ「本物」の美術品を使用して撮影に臨んだ。

他にも、キャラクターの所有物をカルティエヤプラダ、ダンヒルらが本作のために製作するなど、これまでにない「本物」指向の作品となっている。

 

主人公の大富豪ザ・ザ・コルダ役には、「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イブニング・サン別冊」、「ワン・バトル・アフター・アナザー」のベニチオ・デル・トロを起用。

他にも「オットーという男」のトム・ハンクス、「ジュラシック・ワールド/復活の大地」のスカーレット・ヨハンソン、「パワー・オブ・ザ・ドッグ」のベネディクト・カンバーバッチ、「バービー」のマイケル・セラなど主演級のキャストが勢ぞろい。

 

中でも注目なのは、ザ・ザ・コルダの娘役をケイト・ウィンスレットの実娘であるミア・スレアプレトンが演じること。

何百人ものオーディションの中から選ばれた彼女が、クセツヨなキャスト陣の中でスター性を放つ瞬間を見逃すなかれ。

 

他にも、マチュー・アマルリックジェフリー・ライトウィレム・デフォー、そしてビル・マーレイらウェス・アンダーソン組常連も顔を出し、物語にユーモアと奥深さを与えていく。

 

悪事も働いたことで幾度も暗殺の危機を経験した大富豪は、娘と共に巡る旅路の果てに何を見出すのか。

 

アステロイド・シティ (字幕版)

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  • ジェイソン・シュワルツマン
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あらすじ

 

舞台は1950年代、“現代の大独立国フェニキア”。

6度の暗殺未遂から生き延びた大富豪ザ・ザ・コルダ(ベニチオ・デル・トロ)は、フェニキア全域に及ぶ陸海三つのインフラを整備する大規模プロジェクト「フェニキア計画」の実現を目指していた。

 

そんな中、とある妨害によって赤字が拡大、財政難に陥り、計画が脅かされることに。

ザ・ザは離れて暮らす修道女見習いの一人娘リーズル(ミア・スレアプレトン)を後継者に指名し、彼女を連れて旅に出る。

 

目的は資金調達と計画推進、そしてリーズルの母の死の真相を追うこと。

果たして、プロジェクトは成功するのか? 

リーズルの母を殺したのは誰か? 

そして、父と娘は「本当の家族」になれるのか──? (HPより抜粋)

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キャラクター紹介

  • ザ・ザ・コルダ(ベニチオ・デル・トロ)…6度の暗殺未遂から生き延びた大富豪。9人の息子と疎遠の1人娘がいる。フェニキア全域に及ぶインフラ整備プロジェクト「フェニキア計画」の実現を目指しているが、妨害が入り資金難に陥る。疎遠だった娘を後継者に指名し、ともに資金集めの旅に出る。
  • リーズル(ミア・スレアプレトン)…ザ・ザの娘で、月末に誓願を立てる予定の修道女。5歳のときに母を亡くして修道院に入れられた。6年間あっていなかったザ・ザの莫大な財産の後継者に突如指名される。母の死の真相を知りたいと思っている。
  • ビョルン(マイケル・セラ)・・・オスロから来たザ・ザの家庭教師で、あらゆる種類の虫を知り尽くす昆虫の専門家。ザ・ザ、リーズルとともに資金集めの旅をすることに。

 

  • ファルーク王子(リズ・アーメッド)・・・出資者のひとり。第7代南西独立フェニキア国王陛下領で山脈鉄道トンネルの建設を監督している。彼のシュートは得点にならないが、リーランドも見たことがないやり方だった。
  • リーランド(トム・ハンクス)…出資者のひとり。60代半ばのアメリカ人実業家で、兄弟のレーガンと組んでサクラメント連合を経営。現在は山脈鉄道トンネルの建設に従事中。 堅物だがバスケの対決だけはいつでも受ける。
  • レーガン(ブライアン・クランストン)…出資者のひとり。リーランドとサクラメント連合を経営している。交渉の達人で、時に毒舌になる。

 

  • ヒルダ・サスマン=コルダ(スカーレット・ヨハンソン)…出資者のひとり。ザ・ザのはとこ。現在は中部独立フェニキアにあるヒルダ・サスマン=コルダの理想郷の私有開拓地内で、流域水力発電ダムの建設を監督中。ザ・ザはヒルダがずっと自分に恋愛感情を持っていると思っている。
  • マーティ(ジェフリー・ライト)…出資者のひとり。アメリカ人の海運王でニューアーク・シンジケートの親分。現在は北東独立フェニキア公国の砂漠横断内陸水路に停泊中。ニューヨークのダウンタウン流の早口。
  • マルセイユ・ボブ(マチュー・アマルリック)…出資者のひとり。ナイトクラブのオーナーで、サヴァラン=モンラシェ・ギャングの親分。礼儀を知る粋なフランス男。

 

  • ヌバルおじさん(ベネディクト・カンバーバッチ)…出資者のひとり。ザ・ザの異母兄弟。仕立てのいい服をまとい、ヴァン・ダイク型のヒゲが決まっていて、謎が多く傲慢でありながら、気味が悪いほど底知れぬ余裕を感じる男。リーズルの父親かもしれず、彼女の母親を殺した可能性がある。
  • セルヒオ(リチャード・アイオアディ)…大陸間過激派自由民兵団ジャングル部隊のリーダー。組織の政治活動に身を捧げているが、孤児、未亡人、盲人、病人、負傷者、農民、教師、そして衛生的な排水処理施設の構築にも心を砕いている。
  • エクスカリバー(ルパート・フレンド)…アイビーリーグ出身のアメリカ人。ザ・ザの事業の監視(と妨害)という秘密のお役所仕事を政府から任じられ、このコードネームを使っている。
  • 修道院長(ホープ・ディヴィス)…聖ローマカトリック使徒教会の代表で、リーズルの宗教的指導者。

(以上HPより抜粋)

 

 

 

 

 

 

 

 

毎度の如くキャスト豪華でキャラ多すぎですが、ちょっとずつ登場するんでしょう。

ここから鑑賞後の感想です!!

 

 

感想

散々悪いことしてきたおっさんが、紆余曲折の末手に入れた富。

ウェス・アンダーソン史上一番速いテンポの会話により、ほとんど内容についていけず…

でも、そのテンポの速さがユーモアを生んでいたのは事実。

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

ざっくりあらすじ。

1950年、バルカン高原のどこか上空で、ザ・ザ・コルダは自家用機に乗ってくつろいでいた。

すると突然彼の助手が爆弾で吹き飛ばされる。

機体に穴が開いたことで文句ばかり言うパイロットを外へ放り出し、自ら操縦しトウモロコシ畑に不時着する。

当初は死亡したと思われたザ・ザだが、報道陣の前ですぐに生きていることが明かされる。

意識を失ったザ・ザは、死後の世界で、ある集団によって裁かれることに気づく。

 

政府から依頼されて組織の指揮を執るエクスカリバーが、ザ・ザの怪しい商取引を密告。

ザ・ザはその手口から「ミスター・5%」の異名を持ち、脱税、不当利得、価格操作、贈賄といった犯罪で起訴されている。

そのせいもあり、ザ・ザは世界各国の政府や組織から標的とされ、幾度となく暗殺未遂に遭っている。

エクスカリバー率いる組織の目的は、ザ・ザの事業を永久に崩壊させることだ。

 

ザ・ザは、疎遠になっていた娘で修道女のリーズルと会うため帰宅。

フェニキアのビジネスを乗っ取るための「フェニキア計画」の計画をまとめ始めると同時に、リーズルにビジネスを継ぐ手伝いを頼む。

 

リーズルは、父親が長い間会ってくれなかったこと、5歳の時に修道院に預けられたこと、そしてザ・ザが母親を殺した疑惑のせいで、父親と一緒に働くことに抵抗。

ザ・ザはリーズルの母親殺害の真犯人は血の繋がっていない弟ヌバルではないかと告げる。それに対しリーズルはザ・ザに強く迫るのだった。

 

一方、エクスカリバーは鋼材を止める材料となるリベットの価格を大幅に引き上げる。それにより、ザ・ザは計画を前倒しせざるを得なくなる。

 

リーズルのために雇った家庭教師ビョルンを含めた一行は、これ以上資金が膨らまないことを願って、資金調達の旅に出るのだった。

 

 

第1章

エクスカリバーの組織は、ザ・ザがフェニキアの特定の地域を訪れ、他の共謀者たちと会って計画を進めようとしていることをザ・ザはリーゼすでに知っていた。

 

リーズルとビョルンと共に鉄道トンネル跡地へ向かうザ・ザだったが、早速武装集団が現れ殺されそうになる。

そこにファルーク王子が現れ、彼のボディガードによって救出され難を逃れる。

 

一行はトンネルの中で投資家の兄弟、リーランドとレーガンと会う。

彼らは、ザ・ザが協議もせずに契約をいじったことに不満を抱いている。

わだかまりを無くすため、ザ・ザはバスケットボールの経験が浅いファルークとフリースローで勝負を挑む。

終盤同点になるが、ファルークが決勝点を決め、リーランドとレーガンとの取引は無事解決することに成功する。

 

 

第2章

別の死後の世界でザ・ザは、3人の妻と対面する自分を見る。

リーズルの母親はザザに、彼女は彼の娘ではないと告げる。

 

一行は、マルセイユ・ボブと会うために彼が経営するナイトクラブに出かける。

 

ボブは、ザ・ザが取り分を負担するよう脅迫しようとしていることに不満を抱いている。

話し合っている最中に、セルジオ率いる革命軍が店を襲撃しにやって来て、銃撃戦が勃発。

ザ・ザが問題を解決しようと介入するが、ボブに向けられた銃弾を自ら受けることになる。

ザ・ザの体に隠してあった紙幣のおかげで一命をとりとめた。

ボブはザ・ザに命を救われたことに感謝し契約を決意する。

 

その後ザ・ザは、アメリカの海運王マーティに輸血のために連れて行かれる。

 

ザ・ザは、彼女の母親がヌバルと寝たことへの報復として、秘書と寝ていると密告したこを告げたことが、母親が殺される原因となったと明かす。

 

ザ・ザはヌバルと今も取引関係にあることを認める。

リーズルはザ・ザに、本当に母親を愛したことがあったのかと尋ねる。

ザ・ザはそうではないというと、リーズルは彼を平手打ちする。

 

彼女はヌバルが裁きを受けるのを見届けるために、この事業を続けることを選んだ。

 

ザ・ザとマーティは、ザ・ザがマーティに取引契約書を見せた際に口論になるが、彼はそれにも「手を加えていた」。

ザ・ザは手榴弾を取り出してピンを引き抜き、マーティに自分の条件に同意するよう強要する。

二人は笑い合い、マーティは快諾するのだった。

 

 

第3章

3人はザ・ザのいとこヒルダを訪ね、ザ・ザとの結婚を提案する。

ヒルダはコルダ家の財産の一部を所有しており、ザ・ザは助けを求めたくないが、ヌバルに助けを求めるならヒルダの方が良いと考え、助けを懇願する。

ヒルダは要求に折れるが、その穴を埋める手伝いはしないと告げる。

 

次の目的地へ向かう機内で、パイロットが毒を盛られ、戦闘機が彼らを撃墜しようとしていることに気付く。

飛行機は森に墜落、そこでビョルンがエクスカリバーの下で働くアメリカ人スパイであることが明らかになる。

 

ビョルンはザ・ザと敵対していたが、リーズルに惚れたため寝返ろうとしていた。

ザ・ザはビョルンを攻撃するが、一瞬でやられてしまう。

そのはずみで底なし沼に落ちてしまうが、ビョルンが救出。

 

ザ・ザは死後の世界で再び神と話している自分自身の姿を見る。

3人は夜を過ごすためキャンプをした後、革命軍のセルジオに助けられる。

 

一行は一時帰宅、リーズルは修道院長と面会する。

修道院長はリーズルに、もしかしたら修道生活には向いていないのかもしれないと告げ、彼女を修道院から追放する。

 

夕食の間、ザ・ザは他の投資家たちがデザート・パレス・ホテルに集まり、「フェニキア計画」のプレゼンテーションを観覧することになると説明する。彼はヒルダとの結婚を早めるなど、残りの計画を実行に移す。

 

 

第4章

出資者に向けたプレゼンテーションをするためホテルにやってきた一行は、ついにヌバルと対面する。

リーズルの母親について、ヌバルは自分父親であることを否定するが、彼女と秘書の不倫は事実であることを認知しているヌバルは、おそらくその秘書がリーズルの実の父親だろうと主張。

 

プレゼンテーションの前に、ザ・ザは計画への資金不足を自分の資産から捻出する決意をする。

破産することになるが、奴隷に給与を与え、飢饉も解消できるなど、これまでの生き方を改めるために一大決心するのだった。

 

プレゼンテーションを始めるや否やヌバルに呼び出されれるザ・ザ。

ヌバルはザ・ザを殺そうとしていたことを明かす。

 

格闘することになった二人だったが、ヌバルが投げた毒ガス入りのカプセルをザ・ザ・は逆に投げ返しとどめを刺す。

 

狂暴化したヌバルは、手榴弾を手にコルダダムの模型の上に立ち、手榴弾を投げようとするが模型と共に自爆する。

 

死後の世界では、ザ・ザとリーズルが一緒に歩いている姿が映し出される。

リーズルはザ・ザを父親として受け入れたのだ。

 

・・・というのがざっくりしたあらすじです。

 

前作よりはマシだったけども

色んな悪さをして財を成した男ザ・ザ・コルダ。

一応監督の妻のお父さんや、実在した石油王をモデルにしたそうで、資金調達のためならギリギリの嘘やハッタリでもやったるで!な精神で計画を遂行する辺りや、古美術品の収集やそれを学ぶために読書を欠かさない姿は、今でも実在しそうな富裕層そのもの。

 

そんな彼がいる世界に自分の娘を巻き込もうとするザ・ザは、この旅を介して娘に「父」として受けれ入れてほしかったって話だと思うんですね。

娘としてはそんなのお見通しだから、それよりも母親の事の方が気がかりだと告げることで、ただの金集めだけでは済まされない重要な旅へとなっていくと。

 

ザ・ザ的にはお父さんらしいことをしようと贖罪の意志を持っていくけど、どんどん計画に必要な資金が膨らむし、ヌバルにはあんまし会いたくねえし、でも娘の事もある使徒悩ましいものになっていくと。

 

 

ウェスっぽいいつも通りの映像と演出の中で、おっさん俳優たちが急に激昂したり喧嘩にまで発展していく様、いつもより早いテンポで纏められた内容と会話の把握のしづらさに困惑したのは事実。

前作の様な入れ子in入れ子構造の独りよがりな物語より優しいけれど、ザ・ザ視点による画的な面白さと内容の難しさが同居したことで、俺としては複雑な気分でした。

 

また、結局ザ・ザが最後に決心したことには大いに賛成だけど、果たしてラストシーンを見てあれはあれでいいけれど、フェニキア的にはどうなのよ?ってのはある。

せめてインフラ計画が無事終了し、街が潤うみたいなその後を見せてほしかったなと。

 

そんな中でスカヨハがいった「争いの大半はどっちが強い?って目的から始まってる」って言葉が、このユーモアにまみれた物語の中で一番刺さった言葉ですかね。

だからこそザ・ザがヌバルに対して「話し合おう」といった言葉は、まだ救いのある閉じ方でよかったかな。

 

 

最後に

一応原点回帰?なのかどうかはわからないんだけど、ウェス的には今後もこの道で映画を作ってほしいなとは思います。

マジで前作がきつかったのでw

 

まぁざっくりまとめるならば、親父は家族という金では買えない富を、金を捨てて手に入れたってオチってことですかね。

それはそれで素敵なことだとは思います。

色々家族に対してワケアリな人生を送り、色々な人たちを欺いて財を成した過去を、あっさり捨てたわけですから。

 

レストラン終了後に娘と淡々とトランプをする姿は微笑ましかったですね。

とりあえず、不満というよりは半分ついていけなかったことに対する満足度ってことで。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10