モンキー的映画のススメ

モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「スノーデン」感想ネタバレあり解説  我々は常にネットから監視されている!

スノーデン

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何かと個人情報を気にする方、多いと思います。

昔レンタルビデオ屋で会計の際、一度レンタルした商品はもう一度レンタルでよろしいですか?なんて声掛けしなきゃいけなかったんですが、お客さんに個人情報が洩れてるじゃないか!!なんて怒られたことあります。

 別にアンタ以外に教えてないから・・・。

という具合に個人情報に敏感な方もいるということで。

 

で、その個人情報を国が監視していたことを公に告発したっていうお話です。

おっかねぇ話です。

何がおっかねぇって実際に遭った話ですから。

そんな話が映画になりましたので早速見てまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

 

2013年6月、イギリスのガーディアン紙が報じたスクープで、アメリカ政府が秘密裏に構築した国際的な監視プログラムの存在が暴露され世界的に話題になりました。

 

しかも情報提供したのはNSA(米国国家安全保障局)職員・エドワード・スノーデンという青年。

なぜ自らの輝かしいキャリアや人生を捨ててまで重大な告発をしたのか。英雄か、それとも裏切り者か、そんな史上最大の内部告発を映画化したのがこの「スノーデン」です。

 

 

あらすじ

2013年、香港。

2013年6月3日、ドキュメンタリー作家ローラ・ポイトラス(メリッサ・レオ)、イギリス・ガーディアン紙のコラムニスト、グレン・グリーンウォルド(ザカリー・クイント)と合言葉を交わし、彼らを自分が宿泊するホテルの一室に招き入れた彼は、ポイトラスが回すカメラの前でエドワード・スノーデン(ジョセフ・ゴードン=レヴィット)と名乗り、自らが歩んできたCIAとNSAでのキャリアを語り始めた。

 

 2004年、ジョージア州。

9.11の同時多発テロに危機感を抱き、国家の役に立ちたいと考えたスノーデンは軍に志願入隊した。しかし特殊部隊の訓練は想像を絶するほど過酷で、足に大怪我を負ったスノーデンは除隊を余儀なくされてしまう。

 

2006年 バージニア州。

CIAの採用試験に合格したスノーデンは、CIA訓練センターでサイバー・セキュリティのノウハウを学んだ。そこで持ち前のコンピュータの知識を発揮したスノーデンは、厳格な指導教官コービン・オブライアン(リス・エヴァンス)に一目置かれる存在となり、オタク風のエンジニアで教官でもあるハンク・フォレスター(ニコラス・ケイジ)とも親しくなった。
 またプライベートでは、交流サイトで知り合ったリンゼイ・ミルズ(シャイリーン・ウッドリー)と出会い、ふたりは交際をスタートさせた。

 

2007年、スイス・ジュネーヴ。

 スノーデンは、ジュネーヴにあるアメリカの国連代表部に派遣された。そこで彼が目の当たりにしたのは、あらゆる情報を収集するNSAの極秘検索システムの存在と、それを利用してテロ活動とは無関係の人物をスパイとして抱き込むCIAの汚い手口だった・・・。(HPより抜粋)

 

 

 

 

 

 

 

 

監督

監督は、巨匠オリバー・ストーン

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ベトナム戦争を経験したことから数多くの社会派映画、メッセージ性の強い問題作を撮ってきた監督。最近見たのは「野蛮な奴ら/SAVAGES」でしょうか。

ブレイク・ライブリーがたまらなくエロかったくらいの記憶しかなく、話自体はあまり共感できるような作品でなかったのでノれなかったのを覚えてます。

 

かといって、彼の作品はこんなものだけじゃないです。半分も見てませんが、どんな作品を手掛けてきたのか簡単に紹介を。

 

映画業界でなかなか目の出なかった彼が、異国の地で麻薬所持のため逮捕され、地獄の日々を過ごしていく「ミッドナイト・エクスプレス」でアカデミー賞脚色賞を受賞したことで道が拓けます。

 

その後いくつかの脚本を手掛けたのち、自身の体験を基にした作品で、アメリカ軍が無抵抗のベトナム人に対する卑劣な行いや、戦争が生み出す狂気などリアルに描いた「プラトーン」で、その年のアカデミー賞を席巻します。

 

それからも、一攫千金を夢見て証券業界に足を踏み入れる男と業界の大物投資家との通俗ドラマ「ウォール街」や、

ベトナム戦争に参加した青年の苦悩と挫折の日々を描いた「7月4日に生まれて」、

ケネディ大統領暗殺事件の捜査に執念を燃やす捜査官たちを描いた「JFK」、

史上最悪の大量殺人鬼カップルの逃避行を描いた衝撃作「ナチュラル・ボーン・キラーズ」、

ウォーターゲート事件を基に紐解いていく激動と波乱に満ちた半生を描いた「ニクソン」など政治や戦争などに切り込んだ作品を多く手掛けています。

 

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 あまり見てない監督作品ですが、そのなかでも好きなのがこの映画。

 

ロードムービー的展開なんですが、タランティーノが原案ということもあり、とにかく描写が暴力的でバイオレンスで。

この二人になんの共感もないんですが、映像や編集が実験的で遊び心ある演出なので楽しめるかと。

彼らを追いかけるTVキャスター役でロバートダウニーJr.が出てたのが意外でした。

オリバーストーンっぽい重々しさはあまりないので彼の作品の中では異色の映画だと思います。

 

 

 

 

 

キャスト

主演のエドワード・スノーデンを演じるのjはジョセフ・ゴードン=レヴィット。

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私の大好きな俳優の一人。

彼が主演するから今回見に行くようなものです。

なんてったって演技がうまい。

 

ザ・ウォーク」でもフランス語訛りの英語を流ちょうにしゃべり、軽快に綱渡りしてしまう運動神経や身のこなし。

きっと影で相当練習を重ねたんだろうけど、そういうのが一切見えないのがまたすごい。少々毛量が減ってきてるのが気になりますが余計なお世話ですねw

彼に関してはこちらをどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

 

 

スノーデンの恋人、リンゼイ・ミルズを演じるのは、シャイリーン・ウッドリー。

 

日本ではまだまだ知名度は低いほうですが将来有望な女優さんです。

ヤングアダルト層に人気の「ダイバージェント」3部作や、難病を抱えながらも懸命に生きる10代の男女の青春ラブロマンス「きっと、星のせいじゃない」で主演を演じています。

 

 

 

 

 

他にも、ドキュメンタリー作家、ローラ・ボイトラス役に「ザ・ファイター」での名演が記憶に新しいメリッサ・レオ、

ガーディアン紙のコラムニスト、グレン・グリーンウォルド役に「スタートレック」シリーズでスポックを演じているザッカリー・クイント、

イーウェン・マカスキル役に「フル・モンティ」で人気俳優の仲間入りをしたトム・ウィルキンソン

トレバー・ジェイムズ役にクリント・イーストウッドを父に持ち、ベンアフレック監督作「夜に生きる」が待機中のスコット・イーストウッド

指導教官コービン・オブライアン役に「アメイジング・スパイダーマン」でコナーズ博士を演じたリス・エヴァンス、

そして、教官ハンス・フォレスター役に、「ワールド・トレード・センター」で監督作に出演しているニコラス・ケイジと豪華キャストになっています。

 

 

 

 

 

 

 

 

監督がどんなメッセージを込めたのか、どんな衝撃が待っているのか、スノーデンとはいったいどんな男なのか。非常に見ごたえありそうな映画、

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

おいおいおい、こんなことがホントにあったのか!?我々の日常にも関わるとんでもない事実!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

世界で一番でいなきゃいけないのだ。

まずは率直な感想を。

 

スノーデンのドキュメンタリー映画「シチズンフォー」を鑑賞前に見たかったんだけど、時間がなく、なくなく情報なしで鑑賞したわけですが、常にアメリカって世界を支配していたいんだなぁと考えてしまう作品でした。

 

IPアドレスやらSIMだけで悪い奴と判断し、ドローンでBOMB!ほんとに何か悪いことしてる奴か正しく確認していないのに。とか、昇進のために投資家のプライバシーを探り、傷つけ、そこへ飛び込みいかにも親身ななったふりをし、ことが片付けばあとはポイ。とか、テロリストと一度取引した銀行家の携帯電話の通話履歴からどんどん広がり全く無関係の人の会話まで、たった1人の人物から250万人もの人々が盗聴され記録されている。

 

正義のためなら何をしてもよいのか、国の権力を保持するためにプライバシーを侵してもいいのか。

9.11以降何が起きてもおかしくない世の中で、自由よりも安全を求めている我々に対し、すべてを監視することが果たして防衛なのか。

そんなことを考えたくなる映画だったと思います。

 

 

流れとしては、ガーディアン紙の協力によるインタビューを軸に、様々な勤務地で起きた出来事や、その都度ぶつかる障害、葛藤、揺らぐ正義感、そして恋人との関係を回想しながら描かれた作品でした。

 

愛国者ゆえにひたすら悩み、結果国から見捨てられるという形になったものの、彼がやったことは我々からしたらすごく正しいことだよなぁ、と。

 

大けがをしたことで軍隊から離れなければならなくなった愛国心たっぷりの彼が、他のことで国のためにできることはCIAやNSAで働くことしかなかった。

だけどそこで見たものは彼が思い描いていたものとは程遠いものだったわけで。

それでも大きな仕事を任されるたび、アメリカの未来は君の頭脳にかかってる、とか言われるたびに、必要とされてると思いなんとか踏ん張っていたけど・・・。

身を滅ぼすまで、大事な人を脅かすまでやる仕事じゃないですよほんと。

 

しかもこの話、「7月4日に生まれて」のような、あこがれてその世界に飛び込んだけど想像していたものとは違い、闇が深かった!みたいな流れと似てるなぁとも感じました。

 

 

劇中でリンゼイのPCのカメラにテープが張られていたことで「隠すことなんてないわ!」なんて彼女がスノーデンに息巻いてたけど、いざ指摘するとゾクッとしてしまうシーン。

あそこで感じたのが、リンゼイが言う通り自分も正直隠しごとなんてねぇよ!顔バレ身バレ全然ヨユー!くらいの考えで。

 

でも、この前新宿でモンキーさん見ましたよ!なんていわれるとゾクッとするわけです。

ヤバイ見られてる・・・なんて。

 

たかが目撃情報ですが、これがネットの個人情報やらメールやら会話といったこととなってくると恐怖の度合いが違うよなぁ、と。

というか知られてるということの方が怖いのか。

 

スゲー遠回しな言い方になってしまいましたが、ほんとネットや携帯電話との付き合いも考え直さないといけないよね、と。

 

 

作品の出来

作品としての出来は個人としては低い評価になります。

あれ?監督の映画ってこんなにくっきりした映像だったっけ?という部分ですでに抵抗感があり、それに加えて打ち込み中心のBGMが非常に合ってない。

 

スノーデンとリンゼイとの恋愛要素を描くことで、彼の人間性を加えたようにも思いますが、そこよりもスノーデン本人の内面性だったり、彼がしてきた職務がどれだけとんでもないことだったのかっていうのを見たかったです。

 

というか、余計な部分を省いて時間を短くしたほうがよかった、といったほうがいいでしょうか。リンゼイとの恋愛要素ちゃんと入れるなら最後までやってほしかったというのもひとつ。

 

やはり実態を暴く内容だったせいか、話が長くだれてしまうこともしばしば。

そして映画なのだから最後はもっと盛り上げてほしかったですね。

 

頭が悪いもんで、ウェブカメラ越しで切れてる女性編集者の人が、専門用語が多すぎて頭がこんがらがってるのよ!なんてセリフ言ってましたが、私も同感でしたw

PRISMってなんですかw

 

 

JGL最高!

今回もやってくれました、ジョセフの演技!

いきなり第一声から声色が違う!

あれ?これ本人意識して演じてるの!?と。

 

残念ながら本人がどんな声でしぐさでっていうのがわからないんですが、かなり寄せてきてるんでしょう。

そこ以外にも容姿もよく似てるし、喜怒哀楽をちょっとした動作や表情で見せるあたりはさすがカメレオンだなと。

 

仕事でだんだん表情が無くなってきてる部分とか、写真を撮られるのをはずがしがる表情とか、いろいろ研究して演じたんだと思います。

 

 

教官役のリス・エヴァンスも怖かったですねぇ。

クライマックス前の大きなモニター画面でスノーデンを脅すシーンは迫力ありました。

最初こそスノーデンに表面的には厳しいけど彼を買っていただけあり、面倒見のいいおっさんくらいにしか感じてませんでしたが、徐々に話が進むにつれてあ~この人真っ黒だな、と。

 

で、短い登場ながら人物の性格やキャラを瞬時でわからせてくれるニコラスケイジがいいアクセントになってました!

オタク気質の教官ということで、彼の素なんじゃないかってくらいコンピュータについて熱く語るシーンは好きですね。

 

ラストにも1シーン登場するのでお楽しみに。

 

 

 

 

 

最後に

国民が議論して、機密事項を盗み告発した自分が悪いのか、それとも政府が悪いのか判断しなければならない。

裕福な生活や恋人を失ってまで告発することを選んだ彼の勇気に拍手、そしてこの実態を映画にした監督にも。

この感想もアメリカ政府に監視されてるのでしょうかw

だとしたら大したこと書いてないけど、そんなことしたらアカン!と言っておきます

 

最後にスノーデン本人が登場するんですが、出演しちゃあダメじゃない?

せっかく寄せて演技してたJGLが台無しな気が・・・。

というわけで以上!あざっした!!

 

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満足度☆☆☆☆★★★★★★4/10