モンキー的2010年代映画ベスト100
はじめに
いつも「モンキー的映画のススメ」を読んでいただきありがとうございます。
モンキーです。
2014年12月29日に始めたこのブログも、とうとう丸5年を迎えることになりました。
あれから5年間、毎週新作映画の記事をアップしていた事を考えると、ぶっちゃけ異常だな…とw
それでも一つの映画の感想に、何時間もかけて費やしてきた時間は無駄ではなかった、と強く感じています。
もはやちょっとした財産であるこのブログで、何か記念になるような記事はないか、と考えたところ、ちょうど2010年代も終わりを告げるということで、10年分のベスト映画でも決めようか、という結論にたどり着きました。
現在見てきた本数は約2000本以上になるんですが、この10年間だけでいうと、だいたい1000本になります。(ちゃんと数えたのよ・・・)
「ダークナイト」から映画館に足しげく通うようになり、映画鑑賞を一番の趣味にしてきた僕にとって、この10年は一番映画を見た年代になります。
生粋の映画ファンから比べると、まだまだ足元にも及ばない数字と知識量ですが、その1000本の中から、僕が楽しかったと思った映画、面白かったと思う映画、号泣してしまった映画、考えされられた映画、などなど総合的に心に残った作品という位置づけで順位をつけてみました。
ランキングなんて年末の年間ベストでさえ相当な時間を要するのに、10年分のランキング、しかも100位までってのは中々の労力と時間でした。
ここだけの話、2ヶ月かかりましたw
1~20位くらいまでは結構スムーズだったんですけど、段々ペースが落ちてきて。特に下位が難しかったです。
何度も何度も動かしましたw
この結果を読んで、ご自身と比較したりしてもいいですし、ふん、アレが入ってないじゃないか!と鼻にかけて笑ってもいいですし、もちろん一番は、共感していただけたら嬉しいです。
100位から21位までは10作品ごとにまとめ、上位20作品はひとつひとつ作品に対するコメントを寄せていきます。
それでは100位からどうぞ。
100位~91位
100位. 鍵泥棒のメソッド
99位.フランシス・ハ
98位. SHAME-シェイムー
97位. 愛の渦
96位. LOOPER/ルーパー
95位. 天気の子
94位.50/50 フィフティ・フィフティ
93位. ウォーリアー
92位. 十三人の刺客
91位. 新感染/ファイナル・エクスプレス
「鍵泥棒のメソッド」(100位)って2012年なんですよ。内田けんじ監督、いつになったら新作作ってくれるんですか…。
あ、過去作を何回も見ろってことなのかな…。
記憶をなくして真面目になった香川照之の変わりようと、演技が超絶うまいのに演技へたくそな役者を演じる堺雅人の芝居合戦が特に面白いですよね。キュイ~ンキュイ~ンです!
「フランシス・ハ」(99位)は何といってもグレタ・ガーウィグの可愛さね。オチもかわいい。
可愛さで言えば「SHAME-シェイムー」(98位)のキャリー・マリガンの歌唱シーンをドアップで写すとこも素晴らしく魅力的。ヌードも惜しみなく披露してるのも必見です。
ヌードで言えば「愛の渦」(97位)は、服を着ている時間がほとんどないことも話題となった問題作。裸の男女がとっかえひっかえしながら吐き出される本音に爆笑でした。
「50/50フィフティフィフティ」(94位)は、どうしても映画館で見たくて地元から3時間かけて渋谷で鑑賞した思い出の作品。親友が主人公に隠れてしていた「あること」を見せられた時は号泣でした…。
あ、こんな感じで書いていきますんでよろしくです。
90位~81位
90位. イット・フォローズ
89位. ダークナイト・ライジング
88位. gifted/ギフテッド
87位. ゴーン・ガール
86位. さよならくちびる
85位. さんかく
83位. ザ・タウン
82位. スリー・ビルボード
81位. 万引き家族
「ダークナイトライジング」(89位)、前作と比べてしまうとこのくらいの位置に。
とはいえキャットウーマンのビジュアルやら、最後の種明かし的なJGLやら、「ヒーローは誰にでもなれる、少年の肩にコートをかけて、世界は終わりじゃないと安心させればいい」ってセリフとか最&高じゃないですか!
最高で言うと、「さんかく」(85位)の登場人物たちも拗らせっぷりが憎めなくて最高です。小野恵令奈の小悪魔っぷりにやられてしまう高岡蒼佑の気持ちも痛くわかる…。
「ザ・タウン」(83位)はベンアフ監督作品。デビュー作「ゴーン・ベイビー・ゴーン」よりも先にこっちを見たんですが、裏社会から抜け出そうとする男の葛藤ともがく姿を緊張感たっぷりに描いた作品で、彼の監督の凄さに驚かされました。
80位~71位
80位. 6才のボクが、大人になるまで
79位. ヤング≒アダルト
78位. ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル
77位. 湯を沸かすほどの熱い愛
76位. タイピスト!
75位. プリディスティネーション
74位. ヒメアノ〜ル
73位. あの頃、君を追いかけた(オリジナル版)
72位. ウィンド・リバー
71位. シェフ/三ツ星フードトラック始めました
「6才のボクが、大人になるまで」(80位)は、長尺ながらも、主人公がどうやって逞しい大人へと成長していくのかを見せることで、過去の自分を振り返るきっかけになるし、親目線としても感動できる作品だと思います。
主題曲を担当したFamily of the yearの「Hero」がまたいい曲なんですよね。
「M:I:4」(78位)は、初見こそ高い評価ではなかったんですが、5,6と新作を見るたびにおさらいし、しり上がりに評価の上がった作品。
ブラッド・バード監督のスパイアクション愛が詰まってるんですよねこれ。
娯楽大作映画の中では群を抜いた楽しさがあります。
「プリディスティネーション」(75位)は劇場鑑賞を逃したんですが、90分という時間の短さと、後半からの種明かしに驚愕した面白さが大好きです。
「卵が先か、ニワトリが先か」うまいこと言うなぁ。
「シェフ/三ツ星フードトラックはじめました」(71位)は、2010年代の作品の中で一番腹が減る映画ではないでしょうかw
それ以外にも仕事、家庭、親子、SNS、ロードムービー、音楽、とジャンルをいい塩梅に詰め込んだ文字通り「うまい」作品でした。
70位~61位
70位. ゴールデンスランバー
69位. 最後の追跡(Netflix映画)
68位. X-MEN:ファースト・ジェネレーション
67位. エンド・オブ・ウォッチ
66位. WOOD JOB!/神去なあなあ日常
65位. スウィート17モンスター
64位. アンストッパブル
63位. 君の名前で僕を呼んで
62位. 灼熱の魂
61位. なんちゃって家族
「ゴールデンスランバー」(70位)は、犯人に仕立て上げられひたすら逃げる男の話なんだけど、伊坂幸太郎マジックと中村義洋監督のオフビートな笑いが絶妙で、当時大好きで原作も買いましたwこっちの方がちょびっとサスペンスかな。
「エンド・オブ・ウォッチ」(67位)はデヴィッド・エアー監督の中では一番好き。ジェイク・ギレンホールとマイケル・・ペーニャのコンビネーションと、意外な展開、POVチックな撮影もお見事。
「WOOD JOB!/神去なあなあ日常」(66位)は、林業を舞台にした青年の成長譚。僕の中では伊藤英明の男らしく逞しい姿に拍手。親方に呼ばれて家からダッシュで軽トラの荷台に乗るシーンをワンカットでやっちゃうとこね、最高!
「アンストッパブル」(64位)は、実はこれもリアルタイムでの鑑賞ではなく、僕の映画先輩の当時のベスト1位ってのを聞いて興味。バディモノとしても面白かったし、暴走列車をみんなが必至で食い止めようとする群集劇、パニックアクションとしても面白いです。もうね、冒頭から余計なことせず事件発生ってのがいい!
「灼熱の魂」(62位)は、今でこそ大監督になったドゥニドゥニことドゥニ・ヴィルヌーヴ監督の、初期寄りの作品。母の壮絶な人生を追う子供たちの話ですが、まぁこれ見るには事前情報なしで楽しんでいただきたいです。
60位~51位
60位. ホワイトハウス・ダウン
59位. オッド・トーマス/死神と奇妙な救世主
58位. ジャージー・ボーイズ
57位. ザ・マスター
56位. 息もできない
55位. 地獄でなぜ悪い
54位. チョコレート・ドーナツ
53位. 百円の恋
52位. ROMA/ローマ
51位. クリード/チャンプを継ぐ男
「ホワイトハウス・ダウン」(60位)は、壊し屋の異名を持つエメリッヒとして、規模は小さいけれど意外と彼ってこれくらいの大きさなのがちょうど良くね?って思えた映画。登場人物全てがちょうどよく本筋に絡むのもまた面白いです。
「オッド・トーマス/死神と奇妙な救世主」(59位)は惜しまれつつもこの世を去ったアントン・イェルチン主演作。死者の魂が見れる主人公が未解決事件を解決する物語なんだけど、なかなかのホラー描写とミステリーがいい塩梅で、それでいてマジすっぺえ展開も用意されてるっていう極上のエンタメ映画。もっと順位上でもよかったかもってくらい好き。
「ジャージー・ボーイズ」(58位)は、恥ずかしながら初めて劇場で見たイーストウッド監督の作品。僕は彼に対して当時苦手なイメージを持ってたんだけど、この映画を見て、なんで俺今まで避けてきたんだろうと後悔したほど楽しかった。
あくまで僕のような人にとってはすごく見やすい入門編的な作品だと思います。
「地獄でなぜ悪い」(55位)は、その年のベスト1位に入れたほど楽しかった。園子温監督は正直好みではないんだけど、これは別腹。長谷川博己はじめキャスト全員がぶっ飛んでてかなりの頻度で笑えます。もちろん血の量はすごいです。地獄ですから。
50位~41位
50位. 君の名は
49位. ファントム・スレッド
48位. クロニクル
47位. 建築学概論
46位. LEGOムービー
45位. キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー
44位. パディントン2
43位. ロケットマン
42位. わたしは、ダニエル・ブレイク
41位. 愛しのアイリーン
残り50作、といっても全作語ってませんが、ちゃんと読んでくれてる方ありがとうございます。
「クロニクル」(48位)は、「AKIRA」を彷彿させる作品として人気の作品。何者でもない高校生が特別な力によって歓喜するんだけど、彼らはまだ未熟だったっていう、SF青春モノ。
というかデイン・デハーンの素晴らしさよ。そしてジョシュ・トランクは何処へ・・・
「建築学概論」(47位)はTwitterの口コミで知った作品。甘酸っぱさとほろ苦さを兼ね備えた初恋の記憶を想起させる演出が最高にうまく、また初恋の続きがまだあったら・・・と思わせてくれるような展開が、大人の心を締め付けてきます。
俺のところにも訪ねてきてくれねえかなぁ・・・初恋の人・・・
「キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー」(45位)は、MCUの中で一番現実と直結しそうな話で、アクションとして、ポリティカルサスペンスとして、逃亡劇として、さらに言えば続編としても素晴らしい作品だと思います。
どうやらフューリーは重傷を負った際に、すでにスクラル人のタロスと入れ替わっていた、という説は本当なのか…。
「愛しのアイリーン」(41位)は、リンク先の僕のブログを読んでほしいですが、ある言葉が前半笑いを呼び、後半苦しく切なく聞こえてくるという、非常にうまい演出にやられたと同時に、互いの不器用な愛や田舎問題まで取り入れた良作でした。
40位~31位
40位. ベイビー・ドライバー
39位. スター・ウォーズ/フォースの覚醒
38位. 007/スカイフォール
37位. 世界にひとつのプレイブック
36位. キングスマン
35位. エンジェル・ウォーズ
34位. ゼロ・グラビティ
33位. トゥルー・グリット
32位. モテキ
31位. サニー/永遠の仲間たち
「007/スカイフォール」(38位)は、ダニエル・クレイグ版ボンドとしては一番面白かったと思います。というか、前作「慰めの報酬」の反動も込みかなw
アストンマーチンが出た途端ボンドのテーマが流れるシーンは胸アツでしたね。
「世界にひとつのプレイブック」(37位)は、主演二人のデコボコ感にクスっと笑いながらも、最後に訪れる歓喜によって心を潤した作品。登場人物の設定がちょっと特殊なものですけど、話はいたって純粋なラブロマンスだと思うし、タイトルを読み解くと、自分らしいプレイブックを持つことが人生を輝かせるんだって強いメッセージにも聞こえますよね。
「エンジェルウォーズ」(35位)は、「ウォッチメン」と双頭の竜にできるほどのザック・スナイダーの傑作だと思います。ウォッチメンが真相を暴く意味での「深さ」を描いてるとするならば、こちらは内面で葛藤する「深さ」を最大級に描いた作品。
戦う女は美しい!
「トゥルー・グリット」(33位)は、これまた初めて劇場で鑑賞したコーエン兄弟作品。今では大活躍のヘイリーちゃんの勇ましさと、それに感化されていく二人の野郎共との掛け合いに笑いながら進んでいく冒険譚は、ザ・アメリカな映画であるとともに復讐の代償という部分にも言及していく深いお話。
ジョン・ウェインのオリジナルもいつか見たいです。
30位~21位
30位. 君が生きた証
29位. パディントン
28位. ハングオーバー!
27位. オデッセイ
26位. きっと、うまくいく
25位. 宮本から君へ
24位. 横道世之介
23位. ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー
22位. シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ
21位. アバウト・タイム~愛おしい時間について~
「君が生きた証」(30位)は、「投げ銭上映」という一般公開前のイベントで鑑賞した思い出の作品。サイフの中身がすっからかんで、2000円くらい払いたかったけど数百円入れて帰ってしまった…という残念な人をやってしまいました。
作品自体はアントン・イェルチンと意気投合するるも、息子を失った主人公ビリー・クラタップの葛藤する姿、そして衝撃の真実に見事にやられた映画でした。号泣したなぁ。
「パディントン」(29位)は、んだよクマの映画って!子供が見る映画じゃねえか、見るわけねえだろ!・・・と劇場鑑賞をスル―した映画。続編公開の前に試しに自宅で見たらむっちゃ楽しい!脚本が丁寧!パディントン以外の家族にもしっかりフォーカスしていて物語全てを回収する気持ちよさ。チャップリンを意識した喜劇スタイルと大英帝国ならではの品のある内容に、見た後誰かに優しくしたくなる映画です。
「きっと、うまくいく」(26位)は、3時間もある長尺映画で、しかもどうせ歌って踊るシーンばかりなんでしょ…と、見ずにして勝手にインド映画のイメージを膨らませ敬遠していたんですが、ミステリーあり青春アリラブロマンスありコメディあり、そしてインドの学歴社会への風刺あり、からの!どうすれば人生うまくいくのかを優しくおしえてくれる大作でした。今色々塞ぎ込んでる人には是非見てほしい1本。
「横道世之介」(24位)は、吉高由里子史上最高に可愛い映画。そもそもこの女優をそこまで好きではなかった僕にとって、その考えを見事に取っ払ってくれた映画でした。
内容も2時間30分くらいの少し長い映画ではあるけれど、今まで出会った人が何かのきっかけで自分を思い出してくれたらいいなぁ、その人に少しでも影響を与える人で痛いなぁ、そんな人間としてこれからも生きていきたいなぁ、なんて思ってしまう映画です。
時系列も過去と現在を対象人物ごとに入れ替えて進むお話で、ずっとお気楽な感じから途中驚きの事実に心を揺さぶられる内容。
沖田修一監督作品の中で1、2を争う良作です。
「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」(23位)と、「シビル・ウォー/キャプテンン・アメリカ」(22位)は、実はもっと上の順位に設定していました。しかし他にも上位に入れたい作品が多々あったため、代表的な1作を上位に残し、それ以外は20位以下にまとめた次第です。
どちらも何度も劇場に足を運び、自宅でも何度も鑑賞した、MCU作品の中ではトップ3に入る好き度。
ガーディアンズは宇宙と70's音楽をマッチさせた楽しくて懐かしくて笑えて泣ける高エンタメな作品で、対照的にシビルウォーは「正義」をテーマに争う味方同士の対立を、オールスターでやってしまう豪華な内容。分かり合うって難しいなぁってのと、すれ違いで争うのは怖いなぁと。
さて、ここからは上位20位の発表です。
1作品ずつ語ります。
20位
最強のふたり
2012年8月15日。この日は昼間に「アベンジャーズ」で最強のアメコミを堪能し、夜はこの映画の試写会で文字通り「最強」の映画をみた、最高の日。
その記憶は今でも忘れられません。
大富豪だけど不自由な体を持つフィリップと、貧乏で仕事はないけど五体満足なドリス。
対照的な2人の出会いが、人生を彩るきっかけになっていく物語に、笑って泣いて切なくてと感情が忙しい映画でした。
自分に足らないものを補ってくれる相手、逆に相手に足らない物を補う自分。
2人で一つの関係性と友情に、羨望した自分がいます。
19位
マッド・マックス/怒りのデス・ロード
行って帰ってくるだけの話なのに、圧倒的なキャラ立ちと、圧倒的な画力、そして圧倒的な情熱、激情。
これを見ずして2015年の映画は語れませんでしたね。
乾いた大地の中で蔓延る絶望、そこに現れる一人の戦士と強く美しく気高い女たちの反乱は、希望なんてあるのかと思うほど過酷で壮絶。
過去3作から一気にお金をかけたような激しい演出は、自宅でなく大きなスクリーンでこそ映えるクオリティ。
そしてマックスはじめフュリオサ、ニュークスはじめとするウォー・ボーイズ、イモータン・ジョーなどの濃い面々が、激しくぶつかり合う姿は最高です。
18位
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当時「ばかうけ」が浮いているなどと言われた今作ですが、中身はとんでもなく素晴らしい甘しょっぱさ。
プリズナーズ、複製された男、ボーダーラインと、どれも面白いけどウェイトがあり過ぎて、好みでなかったドゥニドゥニでしたが(すんません僕は監督をそう呼んでますw)、この映画で彼への評価は爆上がりでした。
この先の真実を解っていたとしても、あなたは選択を変えますか?
というメッセージと、対話することの大切さを、どこからかやってきたなぞの宇宙生命体との「未知との遭遇」を通して一人の女性の変化と成長と決断を描く、SFヒューマンドラマでしたね。
もう思い出すだけで涙が出てしまうくらい、美しい映像と音楽、主人公とヘプタポッドの相互理解、そして「時間」の概念を覆すSF的着想!
あ~好きっ!好きだ!この映画!
・・・つい言葉がw
17位
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荒廃が進む近未来を舞台にVR世界での「遺産争奪バトル」を大企業と名もなき少年少女たちが力を合わせて戦う、SFアクション超大作。
実写とCGをここまでごちゃまぜにしても物語が成立し、しかも感情移入が途切れない演出ができるのはスピルバーグだからでしょう。
当初VRの浸透化に否定的だった監督も、受け入れることでうまく現実と折り合いをつけることができる未来を信じ、今作を引き受けた、なんて言葉が確かあったと思うんでんすが、本当に彼でなければこの映画は成立しないくらい様々な映画やゲームのキャラが登場するんですよね。
スピルバーグの名前はホントすごい。
記事を読んでもらえればわかると思いますが、普段原作など読まない僕が公開前に前後編2周するほど読破し、劇場に何度も足を運びキャラやアイテムの発見を繰り返すほどハマリにハマった1本。
唯一の欠点は裁判沙汰で利用できなかったウルトラマンの使用不許可。
これが出てくれたらマジで日本のファンは発狂したでしょう。
原作でもそこが一番盛り上がるんですから。
あ、いかん、他のコメントより分量が多くなってる・・・
これも大好きな1本です。
16位
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僕の2010年代は、ノーランあっての10年だったように思えます。
明らかに近い未来ってのを舞台にするときに、大体の作品が既に荒廃後の世界を描いてますが、今作は荒廃しかけている原因が環境による食糧危機という時点で、マジで近い未来と思えてしまう説得力。
そして地球パートはSFなのに極々普通の世界。
そんな中で地球の危機を救うべく旅立つ父と娘の気持ちの幅を、時間と距離で刹那に導く。
僕、終盤での部屋の本棚の後ろにお父さんがたどり着く場面で、思わず劇場で「あ!」と声を出してしまうほどゾクゾクしてしまって。
ノーランのこういう点と点を結ぶような仕掛け、大好きなんですよね。
今作では確か物理学者のキップ・ソーンが製作に加わって、しっかり科学的な考証の元作られているって点も本物志向のノーランならではでしたよね。
音楽もこれまで一緒にやってきたハンス・ジマーですが、ノーランの過去作とは全く違い、重々しくなくどこか記号的でそれでいて緊張感と不快感をしっかり映像に寄り添って奏でてくれる。
撮影もこの10年で一躍知名度を上げたホイテ・ヴァン・ホイテマの目を見張るような宇宙の美しさと息苦しさ。
こうしたスタッフの協力もあって作られた宇宙を舞台にした親子の物語。
ノーランはやっぱロマンチストだよなぁ。
あと、ちゃっかりティモシー・シャラメとかマッケンジー・フォイちゃんとか今を時めく俳優も出演してるので、そういう意味でも貴重ですよね。
10年代にハズせない本ではないでしょうか。
15位
ソーシャルネットワーク
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これまで数多くのフィンチャー映画を見てきましたが、僕の中ではダントツにこれ。
フェイスブックを立ち上げたマークザッカーバーグのすったもんだの物語。
彼女に悪態をつき、親友を裏切り、使える奴を使うだけ使いあとは捨てる。
事業を起こす中での争いをバラバラな時系列にしながらも、ザッカーバーグの内面や思考をしっかりと描き、それをとにかく早口で軽々とまくし立てるジェシーの演技に脱帽です。
これだけ嫌な奴なのに、最後のシーンを見てしまうとなんとも切ないというか、お前不器用すぎるだろ、というか。
天才でありながら、天才故の孤独と賢さゆえの社交力。
アメリカンドリームの裏側をまじまじと淡々と見せつけられました。
14位
セッション
このあたりからアカデミー賞たるものをちゃんと見て、アメリカの今を映画から知ろう学ぼうと意識し始めた時期。
当時WOWOWのニコ生で配信していた「ぷらすと」の映画回で、色々お勉強させてもらいました。
今ではアカデミー賞発表の前後でノミネート作品の約半分程度が公開することが多くなりましたが、数年前までは、やっぱり公開が遅かったですよね。
これだって確か4月だったような。
皆が口をそろえてこの映画やべえ!誰だよデミアン・チャゼルって!ってコメンテーターが言うもんだから、信者である僕はもうこれが見たくて見たくて仕方ありませんでした。
音楽院で一流のジャズドラマーになりたい学生の前に立ちはだかる鬼教師との、血と汗と根性と高みの中での一瞬の和解の物語。
その熱量と鬼気迫る迫力は、ジャズとテンポと自分の鼓動の速さがどんどんシンクロし、緊張と最後には高揚をもたらしてくれます。
もうあれですよ、最後なんてスラムダンクの桜木と流川のハイタッチばりに感動ですよw
13位
ブルー・バレンタイン
「(500)日のサマー」と真逆の物語とされるのがこれ。
倦怠期を迎えた夫婦がなんとかしようと向かい合うんだけど、っていう現在の時間軸と、出会った二人の馴れ初めの時間軸を交互に見せて描くラブストーリー。
ライアン・ゴズリングが体張って髪の毛を薄くする役作りもすごいですし、ミシェル・ウィリアムズのぼてっとした裸体をさらす体当たりの芝居も素晴らしい。
普通男はいつでも夢を見る生き物で、女は現実を見る生き物とされてるけど、この映画は、夫は夢を捨て家庭を守ることに全力を注ぐけど、妻は出会った頃のような夢を追いかける存在でいてほしいと夫に臨むんですよね。
それゆえに出会いたての頃は些細なことも許せたのに、倦怠期になると些細なことが引き金で険悪になってしまう。
そのすれ違いが夫婦の愛に大きな溝を生むという。
ぶっちゃけ夫のどこが悪いんだ!って気持ちが大きいんですが、手と手を取って暮らしていくのが夫婦ですから、妻の言い分も受け入れるのが夫の務めでもあるというか。
夫婦って難しいんですね。いや、男と女か。
ラストの花火がまさに儚火・・・そして独立記念日。巧いな…。
12位
インセプション
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ノーラン監督作品の中ではベスト3に入るほど、僕の中では大好きな作品。
夢の中に入ってアイディアを植え付けるという、とんでもない発想の時点で既に男の子たちはワクワクすると思うんですよ。
で、夢を設計したり役を演じたり薬を調合したりってそれぞれ特技とか役割とかあってのもワクワク。
もちろんピンチの連続になってどんどん深い層へ入らざるを得なくなる。
またCGに頼らない監督が、どうやって夢の中で非現実的な画を作っていくかってのもカッコイイ。
色々説明調ではあるし、一回で理解しにくい構造ではあるんだけど、設定や舞台、そこで過去の過ちに捉われてしまいがちの主人公が、どうやって抜け出すかっていう、監督ならではの夢とロマンが全ていい塩梅に調和されていて、最高なんですわ。
潜在意識ってのをテーマにした話だと思うんですが、誰にもそれはあって今の自分を形成してる部分もあれば塞いでしまってる記憶もあって、それを誰かにいじられるのってちょっと怖いよなぁ、てか誰かに書き換えられてたりしたりして、みたいなことも想像させちゃう今作でした。
この映画の記憶だけは塞ぎたくないし、今の僕を形成している映画の一つです。
11位
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基本的にディズニーアニメにそこまでの関心もなければ興味も深くない僕なんですが、これだけは違いました。
夢だった警察官になったものの、なかなかうまくいかないウサギのジュディが、ひょんなことからキツネの詐欺師ニックと出会い、事件を追うというモノ。
純粋なバディムービーとしても楽しめたり、キャラのカワイイ仕草に見惚れてしまうというとっつきやすさもある一方で、今や当たり前のように認識されている「多様性」や「差別意識」についてを、草食動物、肉食動物に例えて社会的メッセージも込められているのが、本当に巧い!
どうでもいい話なんですが、ウチに泊まりに来る奴がいると、やはり映画を見せたくなるんですね。
招かれた彼らは嫌がるんですけど、大体見終わった後は夢中でその映画の話をしたくなるほど面白がってくれるんですけど、その中でも一番盛り上がったのがこの「ズートピア」でしたw
大の大人の野郎どもがこぞってディズニーのアニメなんて!やだっ!とか言ってたやつらが途中で涙したりキュンキュンしたりする姿を見て、見せてよかったなぁって部屋の隅っこでほくそえんでますw
それくらい誰に見せても楽しんでくれる映画だと思います。
はい!ようやくベスト10の発表です!!
ここまで読んでくれてありがとうございます!
あともうちょっとなので、是非お付き合いを・・・
第10位
Mr.Children/Split the Difference
はい、いきなりみんなの見たことないであろう作品が10位です。
ブログ内でも結構な頻度で語ってますが、生粋のミスチルファンである僕が、このドキュメンタリー映画を無視することはできません。
当時「新しいアウトプットの形を模索した」と語る、Vo.桜井さんがやってみたのがこのドキュメンタリー映画であります。
当時2週間限定で公開された今作。
当時実家暮らしだった僕は、どうしても見たくて他県まで足を運んで見に行ったものですw
基本的には関係者やファンクラブ会員のみに披露したレコーディングライブの模様や、シークレットライブ、ライブの打ち合わせやリハーサル風景などを、本番以外はモノクロで、本番ではカラーで描くというもの。
今や当たり前のようにアーティストのドキュメンタリー映画が盛んに公開されてますけど、今の形の先陣を切ったのはこの作品です。
ドキュメンタリー映画としては異例の興行収入1億を稼いだそうで、音楽業界が目を付けたとかつけないとか。
東宝映画事業部との新しい音楽ビジネスのフォーマットを作ったわけであります。
見どころは何といってもミスチルの隠れた名曲としても知られる「横断歩道を渡る人たち」のアレンジバージョン。
シングル「GIFT」のカップリングに収録されてる音源とはまるで違い、大胆でダイナミックなアレンジで構成されたバージョンが、ものすごくいいのです。言葉がより刺さるのです。
他にも懐かしの「Another Mind」やスガシカオとのコラボ「ファスナー」、ジャズバージョンの「ニシエヒガシエ」など、どれも今まで見たことないミスチルを堪能できる1作です。
第9位
アベンジャーズ/エンドゲーム MovieNEX [ブルーレイ+DVD+デジタルコピー+MovieNEXワールド] [Blu-ray]
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地球の人口を半分にしてしまった宇宙最強の敵サノスへのアベンジを誓う残された戦士たちの激闘を、前半はユーモアたっぷり後半は激闘奮闘大逆転からの大粒の涙で締める、2010年代最強の映画。
僕にとってのこの2010年代は、MCUと共に刻まれた映画人生でもあります。
それとともに映画史においても彼らの功績は大きいものだとも思います。
その集大成である「エンドゲーム」は2010年代ベストに相応しい1作だと強く言いたい。
非現実を味わううえで最高の娯楽が映画であるならば、特に2010年代は「共感」や「キャラ愛」といった感覚で体感できることで、さらに映画を娯楽たらしめるものへと強化し、それに伴って没入できる作品がたくさんあったように思えます。
アベンジャーズもそのひとつで、沢山のキャラが喜怒哀楽を見せたり暴れ出したり、さらには共闘することで歓喜してしまう、共感してしまう。
だからこれほど楽しい映画はないですよ。
またエンドゲームはこれまでのMCU映画過去作への伏線がたくさん描かれていることで、ファンだからわかる、楽しめる要素になっているのも嬉しい部分。
映画的にエンドゲームってどうなの?って所ももちろんあるんですが、今回のベストは途中でも書いたように、他のMCU映画もたくさん上の方に入れたいんだけど、敢えて下の順位にして、代表的な作品を入れる、という判断です。
ヒーロー映画っていつの時代もあってほしいし、歳をとっても感化されてしまう自分でありたいなぁと、しみじみ思いましたw
第8位
KAIJUによって壊滅状態の環太平洋区域を、どうにか守ろうと立ち上がるロボ!ロボ!マコ!そしてローリー!彼らと彼らの仲間たちが命を賭けて戦う姿を、日本のサブカル文化オマージュいっぱいに描いた、映画ファンならご存じギレルモ・デル・トロ監督の特撮愛が詰まった1作。
9位に続いて「男の子映画」になりましたが、それもそのはず、日本のアニメや特撮、怪獣映画への愛をふんだんに盛り込んだのだから、それを見てきた僕らが見てる途中に沸かない訳がない。
うぎゃあああああああっ!!!!ってなりましたよ、当時はw
リンク先でも書きましたけど、場内で僕らより興奮していた外国人男性グループがいましてね。
どんなに彼らが発狂しても僕らは彼らを温かい目で見守り、むしろ彼らのおかげで僕らも熱くなったんですよ。
ちなみにこれ一般公開の普通の上映の時ですよ?
試写とかではよく拍手とかしますけど、普通の有料上映とかでは中々こうはならない。
観客のある種暴走ではありましたが、それに寛容な態度を取り、一緒に映画を体感して盛り上がることができた。
映画館はそんな共有空間を我々によって作り出すこともできることを知った、初めての体験でした。
作品のクオリティはもちろんのこと、当時の記憶や思い入れもたくさん詰まった作品です。
第7位
(500)日のサマー [AmazonDVDコレクション] [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: 20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン
- 発売日: 2018/07/04
- メディア: Blu-ray
グリーディングカードを製作する会社で働く好青年トムと、そこに働きにやってきたサマーとの500日間に及ぶ恋愛模様を、複雑な時系列や実験的な演出などで構成することで、トムのサマーに対する心情がより可視化され、一人の男の恋心にグッと感情移入できる、2010年代珠玉の青春映画です。
当時シネコンで上映されている大作ばかり見ていた僕を変えてくれた1作。
あれ?シネコンでやってない映画だけどめちゃめちゃ面白えじゃん!となり、そこからいわゆる単館系、ミニシアターでやってるような小規模のインディペンデント映画にも注目しだした時期でした。
男は過去の恋愛を引きずりやすい生き物とよく言ったもんですが、この映画を見てるとホント嘘ではないよなぁ、俺もそれ分かるわぁとなる1作。
共通の趣味が見つかったり、やけに近い存在だななんて言う勝手な思い込みが、やがて恋を実らせるってパターンを僕もまぁしちゃうタイプの人間で、運命めいた恋だと妄想してしまうときがありました。
そんな過去の自分と重ねてしまうほどトムは、サマーとの恋愛模様で人生を大きく変えていくんですよね。
運命は必然でなく偶然で、待っているモノではなく切り開くもの。
奇跡なんて起きないんだ。
そんなことを教えてくれたステキな映画なのに、未だに俺は奇跡なんかを信じ待っている大バカ者ですww
第6位
アイルランドが経済難だった時代を舞台に、女性に一目ぼれした主人公が、バンドを結成しMV製作や校内でのライブを経て、夢を目指していく青春音楽映画。
ジョン・カーニー監督という人は、自身がベーシストであるという過去から、音楽映画にこだわって数々の名作を生んできましたが、僕にとっての彼は、バンドマンなら「あるある」だろ?これ?みたいなシーンをガンガンぶち込んでくるところが本当に巧い。
それこそ友人の家でバンド練習してるシーンでお母さんが腰振ってお茶を差し入れてくるシーンとか、曲作りを徹夜でやる辺りとか、学園祭でカッコつけてバラード歌ってオーディエンスに引かれるところとか、どれも僕が思い当たる場面をしっかり画にしてくれるのが、僕にとっては本当にうれしくて胸をざわつかせて。
そんな主人公の視点もすごくいいんだけど、音楽に挫折した僕としては、同じ境遇の兄の視点も最高に泣けて。
弟に良い音楽を教えつつも家庭のゴタゴタをまとめてきた辛さ、音楽を諦めた辛さ、そしてそれでも弟の門出を大手を振って喜ぶ姿に涙しかありません。
「はじまりのうた」も大好きなんですが、僕は兄弟の物語でもあるこっちを評価しました。
第5位
ドライヴ
サソリのスカジャンにつまようじの無口な男。
昼はカースタントマン、夜は車で強盗の逃がし屋、と二足のわらじで生活する彼が、隣人の人妻と親しくなり、やがて彼女に訪れる危機を救うため狂気の男へと変貌していくアクションバイオレンス映画。
レフン監督の中では比較的ライトな作風だと思いますが、僕はこれが一番好き。
何といっても表情をあまり変えないゴズリングの佇まいや仕草に男として憧れるし、映像面でも光のコントラストや、鮮やかな色彩、それとは真逆の暴力性にによって作品そのものに虜になってしまうほどの美しさがあるなぁと。
また人妻役のキャリー・マリガンにうっとりだし、誰に言ってもどこに出てた?と言われるくらい作品に溶け込んでいたオスカー・アイザックのチンピラ感がいいんですよw
これも正直Twitterで目にしなければ見に行かなかった作品で、劇場で見に行ってよかったなぁと。
この後元の作品になったライアン・オニールの「ザ・ドライバー」を見たんですけど、ドライブシーンはさすがウォルター・ヒルだな!と感じたものの、カッコよさで言うとゴズリングの方がいいなぁと。
これまだブルーレイ持ってないんだよなぁ…欲しい・・・
第4位
ロサンゼルスで出会った役者志望の女性と、ジャズバー経営を夢見るピアニストの男の恋模様を、名作ミュージカルオマージュとロスの美しい風景で彩った、魅惑の恋愛青春映画。
オープニングでのハイウェイ、ミアとルームメイトのパーティーの支度、セブとミアが楽しく歌い踊る姿、そしてミアがオーディションで思いを込めて歌うシーン。
どれも記憶に残る場面ばかり。
楽曲の素晴らしさはもちろんのこと、チャゼルの念願した夢が詰まった1作だと思います。
また夢を追い求めて集う街ロサンゼルスで、儚く散った者、または何かを犠牲にして成就した者、そんな彼らを称える意味を込めた映画でもあり、一度夢に破れた僕には刺さりまくりで、公開当時はそんな自分を慰めてもらうかのように劇場に何度も足を運んだ思い出がありますw
そしてこの映画をもっと楽しむために過去の名作を一気見したのもいい思い出で、特に「巴里のアメリカ人」や「ロシュフォールの恋人たち」は好きな1作になりました。
今の映画は名作を基にしたりすることが多いから、数珠つなぎじゃないけれど、新作を見て過去の作品に触れる流れって、すごくいいことだなって。
第3位
キック・アス
ヒーローになりたい主人公が、怪我の功名によって街を自警していく姿と、父の教えによってまだ子供ながら圧倒的な強さを誇る少女が、ギャング相手に奮闘するバイオレンスアメコミアクション。
当時地元に住んでいた頃、どうしてもこれが見たくて閉館が決まっていた渋谷シネセゾンまで足を運び、満席の中腹を抱えて笑いながら楽しんだ1本。
やっぱりヒットガールの可愛らしい容姿とザクザク人を殺めていくギャップにやられがちですけど、僕の中ではキック・アスが喧嘩を止めている時に動画を撮っている奴らに浴びせている一言「おれが憎いのは、何もせずにそうやって黙って見ている奴らだ!」みたいなセリフが痛烈に刺さって。
ヒーローになりたいと願う彼だから、知らない男がボコボコにされてるのを命を賭けて助ける姿に熱くなった瞬間でした。
楽曲のラインナップも秀逸でしたし、ニコラスケイジのハマり様も最高w
マシュー・ボーン監督を知ったのもこれが初で、これをきっかけに彼の作品を追いかけるようにもなりました。
残念ながら続編は・・・でしたが、1作目は僕の中では傑作に入れたい1本でした。
第2位
バレー部のキャプテンにしてスクールカーストの頂点的存在である桐島が、部活を辞めてしまうことで、あらゆる生徒が揺れに揺れる金曜日と、その顛末を描いた青春映画。
完成披露試写会に当選したのに、ギリギリの時間に到着したら満席といわれ、結果一般公開まで見ることができなかった思い出が未だに悔しくて忘れられませんw
主人公は一体誰なのか。桐島?前田?それとも?ってふわふわした部分がありながらも、校内で揺れる生徒全員が桐島不在によって翻弄されていく展開、それを金曜日の起きた出来事を主要人物ごとの視点で描く、という物語の構成が非常に斬新で面白いんですよね。
で、東出昌大が演じた生徒が、何やってもすぐできてしまう秀才肌な奴で学校生活を満喫できない青春を謳歌できないんだけど、どうせなれっこないと思いながらも今やりたいことに情熱を注ぐスクールカースト下位の前田との交流によって、まさに「君よ拭け 僕の熱い涙を」な瞬間を映してくれる夕陽のシーンが最高に刺さるんですよね。
僕はこの映画を見た後、町山智浩さんの解説動画を見たんですけど、そこで彼がロバート・アルトマンの「ナッシュビル」に似ているってことを仰っていて、試しに見てみたら確かに共通点があって、しかもどうしたことかこの映画が好きになって。
未だにその理由がわからないんだけど群集劇としてすごく面白いのが一番の理由なのか、この出会いをきっかけにアルトマン作品を漁ることになりました。
そういった意味も込めてこの映画は僕にとってかけがえのない作品です。
そして!!
モンキーが選んだ2010年代映画ベスト、栄光の1位はっ!!
これだっ!!
第1位
インサイド・ルーウィン・デイヴィス~名もなき男の歌~
デュオとして活躍していたものの、相方の自殺によって宙ぶらりんな状態で音楽活動をしている主人公が、才能がありながらもツキに見放される不運が続く中で様々な人に出会い旅をしていく姿を1週間を通して描く音楽映画。
どうしても1位はこれ以外あり得ないと、この記事を作る前から決まっていた1本。
当時コーエン兄弟の作品なんて「トゥルーグリット」とか「ノーカントリー」くらいしか見てなかったもんでしたし、未だにこの映画の深い考察もできない。
ネコの名前がユリシーズって意味も解らないし、宗教的な観点もあるのだろうけど、それすらもよく分かってない。
一体全体この映画のどこが凄くて何をもって批評家たちが高い評価を付けているか、さっぱりわからない。
でも音楽活動をしていた自分にとって、彼の歩んだ道や不運な出来事がまるで自分の事のように思えて、愛おしく感じてしまうんです。
ルーウィンが1週間翻弄されていいる間に、伝説的フォークシンガーが生まれるという皮肉も、自分がしょうもない事でクヨクヨしてたり曲作りに悩んで出る間に、対バンした知り合いがワンマンライブで集客してたりCD出したりってのとダブるというか。
それでもルーウィンは音楽と向き合い地道に活動していくのだろうけど、僕にはできなかった現実があって、だからこの映画の結末は僕が歩まなかった世界線で締めてくれるから、僕の代わりに続けてほしいとかそんな感情が芽生えて。
これ見終わった後、これまでにない感情だったんです。
1週間経っても1か月経ってもこの映画を見た後の余韻がずっと心に残ってる。
他の映画を見て気持ちが上書きされることなんてよくあることだけど、これだけはそうならなかった。
それくらい僕の胸の中に優しく寄り添ってくれる映画でした。
中身もオスカー・アイザックの美声とギターテクにやられたし、彼と猫の相性抜群だし、キャリー・マリガンの激オコっぷりに萌えたし、スターウォーズ前にアダム・ドライバーと共演して歌ってたり、ジャスティン・ティンバーレイクの演技の器用さに唸ったし、ジョン・グッドマンのめんどくささに笑ったし、ギャレット・ヘドランドのクールさに惹かれたし、とにかくキャスト陣も優秀。
この10年で、一番愛おしい作品でした。
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございます。
作り終え、振り返ってみると、10年代前半の作品の方が思い入れが強くて、上位がそればっかりになっちゃったなぁと。
そして作品の評価というよりも自分語りばかりw
所詮僕は批評などできませんw
とりあえず ランキングの順位付けに関しては、正直日々変わるものだと心得てるので、あくまで今の段階であり、また毎年出している年間ベストの順位は反映しておりません。
ここまでやっておきながらこの順位はあくまで位置であり、どの作品にも僕なりの想いと愛と面白さがあると思ってます。
また惜しくも圏外になった作品も大好きな作品があるし、まだ出会ってない作品も多数あるはずですから、それに出会った時はきっとこの順位も変わっていくことでしょう。
しかしながら1位は不動だなと強く感じています。
まだあの感覚に出会った作品には巡りあえていません。
2020年代が幕を開けますが、先の10年、一体どんな作品と巡り合えるのか楽しみです。
そして映画を見始めた方、好きになり始めた方には、一つの参考意見としてこの記事を活用していただけたら嬉しいです。
そこから新旧問わず自分の映画道を歩んでほしいなと。
自分もまだまだですが、これからの人生、沢山の映画に感化され、沢山の映画に心をときめかせたいと思う次第です。
全ての映画好きに、幸あれ!
なんちってw
というわけで以上!あざっしたっ!!
これからもよろしくお願いします!!