モンキー的映画のススメ

モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「ロケットマン」感想ネタバレあり解説 エルトンジョンの歌にやられっ放しのミュージカル映画。

ロケットマン

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僕がエルトン・ジョンと出会ったのは、当時TVで放送していたドラマ「イグアナの娘」の主題歌「Your song」でした。

それから中学の英語の授業で、洋楽をみんなで歌う時間があって、「愛を感じて」を教わる。

 入口はこんな感じだったせいか、彼はバラードシンガーなんだろうという認識でした。

 

音楽の道を志してからは「グッバイイエローブリックロード」や「ロケットマン」、「風の中の火のように」などを好み、よく聞いてました。

 

彼と比べがちになりますが、僕は正直彼よりもビリー・ジョエルの方が好みで、気が付けばそビリーにばかり夢中になっていたせいで、他の曲をもっと聞こうという気にはならかったんですよね。

 

だから彼のライブパフォーマンスやクレイジーな面も知らなかったし、ノリのいい曲も実はたくさんあるってことを知ったのはだいぶ後の話で、僕の大好きなMr.childrenが「Your song」をカバーして披露したことで、再び彼の曲を聞く機会が増え、「クロコダイルロック」や「I'm still standing」、「ベニーとジェッツ」、「土曜の夜は僕の生きがい」などいろんな曲を聞くように。

 

そういう意味では今回彼の半生やドラマに触れることができる絶好の機会だということで非常に楽しみにしています。

 

ボヘミアンラプソディ」でも似たようなスタンスで臨んで楽しく鑑賞できたということもあり、変に事前学習せずニワカな気持ちで今回も臨もうと思ってます。

 

てか、既にサントラガンガン聴いてるんですけどもww

 

というわけで、エルトンジョンの知られざる物語、早速鑑賞してまいりました!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

グラミー賞5度の受賞を誇り、デビュー以降世代を超え世界中で愛されている伝説的アーティスト、エルトン・ジョンの輝かしい成功と、その裏に隠された哀しくも壮絶なドラマを、数々の名曲、圧巻のパフォーマンスで彩り、至高のエンタメ映画として作り上げた。

 

ブライアン・シンガー監督の途中降板により未完成だった映画「ボヘミアンラプソディ」を引き継ぎ、見事な完成度で多くの人たちを魅了した男の手によって、また、製作総指揮にエルトン・ジョン本人が加わったことにより、音楽映画として、孤高のミュージシャンの成功と影を描いたドラマとして見事に構築。

 

ここ数年エルトンとゆかりの深い俳優が主演したことで再現度はさらに増し、魅力あふれる作品となった。

 

誰からも愛されなかった少年が、なぜ世界から愛されるミュージシャンとなったのか、

なぜ世界中から愛される曲を生み出すことができたのか?

知られざる物語が存在する。

 

ファンならずとも魂を揺さぶるミュージックエンタテインメントです。

 

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あらすじ

 

I WANT LOVE ―
愛が欲しい、でも叶わない少年時代

 

イギリス郊外ピナー。

家に寄りつかない厳格な父親と、子供に無関心な母親。

けんかの絶えない不仲な両親の間で、孤独を感じて育った少年レジナルド・ドワイト。

 

唯一神に祝福されていたのは彼の才能――天才的な音楽センスを見出され、国立音楽院に入学する。

その後、寂しさを紛らわすようにロックに傾倒する少年は、ミュージシャンになることを夢見て、古くさい自分の名前を捨てることを決意する。

 

新たな彼の名前は「エルトン・ジョン」だった。

 

 

YOUR SONG ―
バーニーのいる人生は素晴らしい

 

レコード会社の公募広告を見て応募したエルトン(タロン・エガートン)。

同じく応募者のバーニー・トーピン(ジェイミー・ベル)の美しい詩の世界に惚れ込み、インスピレーションを受けたエルトンがメロディを生み出す形で一緒に曲作りが始まる。

 

そして、何気ない朝の食卓で生まれた一曲――彼の代表作として世界的に知られるスタンダード・ナンバー「ユア・ソング」――が目にとまり、デビューが決まる。

 

LAの伝説的なライブハウス《トルバドール》でのパフォーマンスをきっかけにエルトンは一気にスターダムへ駆け上がっていく。

 

 

ROCKET MAN ―
たった一人、燃え尽きていく

 

エルトンは、楽曲の完成度の高さと、観客を圧倒するパフォーマンス力で全世界にその名を轟かせていくも、心は満たされない少年時代のままだった。

 

彼を長年にわたってサポートしたマネージャーのジョン・リード(リチャード・マッデン)とは、恋人でもあったが泥沼でもがくような関係を続け、いつも本当に必要とする相手から愛を得られないエルトンの心を深く傷つけた。

 

売れ続けるプレッシャーとの戦いの中で、依存や過剰摂取に陥り、心身共に追い詰められる。

 

 

GOODBYE YELLOW BRICK ROAD ―
虚飾の人生の先にある未来

 

成功と快楽に溺れ、堕落した生活を送るエルトンを前に、バーニーさえも彼の人生から遠ざかっていく。

 

絶望の淵に立たされたエルトンは、ライブ開始を待つ超満員のステージ裏で、ある選択をする。

それは思いも寄らない形で、彼の人生を大きく変えていくことになるのだった。

 

そして、今、感動のフィナーレの幕が開くのだった。(HPより抜粋)

 

youtu.be

 

 

 

 

 

 

監督

今作を手掛けるのは、デクスター・フレッチャー

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いつもこのイントロダクションて、サラっと調べて書くことが多いんですけど、どうやら彼、俳優経験豊富な監督だったようで。

しかも、まさか僕の大好きな「ロック、ストック&トゥー・・スモーキング・バレルズ」のソープを演じていた人だったなんて!!!

 

てか、「知らなすぎた男」や「レイヤーケーキ」、「キック・アス」にも出てるよ!!

 

そうかぁ、彼の歴史にはガイ・リッチーマシュー・ボーンといった、イギリスの優秀なクリエイターとの関わりがあったんですねぇ、いやぁ~知らなかったw

 

 

彼に関しては作品情報でも書いた通り、「ボヘミアンラプソディ」の製作中、セクハラ問題などで降板したブライアン・シンガー監督の後を継いだことが有名。

彼のおかげであの完成度になったんだろうなぁと。

 

今作もボラプ同様、名曲が生まれる瞬間とラストのパフォーマンスを丁寧に大迫力にやってくれると信じております。

 

そんな彼の過去作をサラッとご紹介。

2011年に共同脚本を務めた「ワイルド・ヒル」で監督デビューした彼は、スコットランドの町を舞台に、幸せに暮らす家族の隠された秘密による確執と再び絆を結んでいく再生を、80年代のヒットチューンにのせて描いたミュージカル映画「サンシャイン/歌声が響く街」で高評価を獲得します。

 

以降も、運動音痴な少年がオリンピックに出たいという一心で、天才スキージャンパーと共に苦難を乗り越え、イギリス初のスキージャンプのオリンピック代表選手となり、記憶に残る活躍を果たした男の物語「イーグルジャンプ」、

イギリスが誇る伝説のロックバンド・クイーンの成功と転落、ライブエイドでの復活を見事に再現した「ボヘミアン・ラプソディ」を手掛けています。

 

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 サンシャインはスコットランド版マンマミーアと称される作品のとおり、内容も結構似ているところが多いかなぁ。

町の広場で一斉に踊り歌うクライマックスは楽しいです!

 

イーグルジャンプも今作の主演タロン・エガートンとタッグを組んだ作品で、彼のお芝居が素晴らしいし、スポ根映画としても秀でた映画です。

 

 今後の作品として、ヴァル・キルマーが主演した怪盗スリラー「セイント」のリブート版を手掛けることが予定されています。

 

 

 

キャスト

今作の主人公エルトン・ジョンを演じるのはタロン・エガートン。

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一応タロン・エジャトンって表記を最近目にしますが、響きがあまり好きでないので、エガートンで。

 

今作でエルトンを演じるにあたって、毛を剃って薄毛に見えるようにしたそうで、生えなかったらどうしようと困惑していたとかw

 

てか、タロンくん、この役演じる前から君の前髪、後退してるって気になってましたよ・・・

 

エルトン・ジョンとタロン君、今作よりも前に接点がいくつかあったんですよね。

 

イルミネーションアニメ映画「シング/SING」ではゴリラのジョニーが歌う歌がエルトンの「I'm still standing」でしたし、「キングスマン/ゴールデン・サークル」ではエルトンジョン本人と共演という過去があるので、演じるべくして演じたんだなぁと。

 

監督とも「イーグルジャンプ」でタッグを組んでいたし、その監督が「キングスマン」のマシュー・ボーンともつながってる。

 

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どう回り道してもエルトン・ジョンを演じるってことだったんですよ。

 

最近は「フッド・ザ・ビギニング」で主演したり、「SING2」などが控えてます。

 

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

他のキャストはこんな感じ。

エルトンの楽曲の作詞を手掛けるバーニー・トーピン役に、「リトル・ダンサー」、「ファンタスティック・フォー」のジェイミー・ベル。

エルトンのマネージャーで恋人だったジョン・リード役に、ドラマシリーズ「ゲーム・オブ・スローンズ」、「シンデレラ」のリチャード・マッデン。

エルトンの母、シーラ・フェアブラザー役に、「ジュラシック・ワールド」、「レディ・イン・ザ・ウォーター」のブライス・ダラス・ハワード

エルトンの祖母、アイヴィ役に、「ブリジット・ジョーンズの日記」、「ハリーポッター」シリーズのジェマ・ジョーンズなどが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

 

誰の心にも寄り添い、癒してくれるあのメロディや、ド派手な衣装とパフォーマンス、そして知られざる過去。

世界を魅了したエルトンの光と影。

どんなドラマになっているのでしょうか。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

感想

誰からも愛されなかった男の甘みと苦味、そして解放されていくまでをミュージカルで構成した非常に良い映画でした!!

バーニーはちゃんと彼を見ていたんだなぁ…。

以下、核心も含めネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

孤高の天才の成功と苦悩。

世界的シンガーの幼少期からデビュー、成功、快楽、堕落、再起に至るまでの物語を、時系列を無視した楽曲構成ではあるものの、歌詞に刻まれた言葉から登場人物の思いを丁寧に抽出し、さらに長回し風の撮影でミュージカルに仕上げた快作であると共に、誰からも愛されなかった男が、愛を欲しがるあまりに調和を乱し、自己を見失いながらも、本当の自分自身を見つけていく素晴らしい作品でございました。

 

 

見終わった直後の抱いた思いは、うわぁ~~~ここで終わりかぁ・・・でもなんだろう、鑑賞することができてすごくよかったぁ~~、と、具体的な感想が浮かんでこないくらい没頭できた作品でした。

 

物語自体は、アルコール依存症や過食症、ドラッグ中毒などに蝕まれた状態のエルトンがグループセラピーを受け、回顧しながら展開されていく、という入り口。

そして徐々にこの映画はミュージカル映画です!って具合になっていくんですけど、どのシーンもですね、ミュージカル映画独特の歌い出しの違和感のようなものは無くて、すごく自然に見れたのが、僕が良かったと思える大部分を占めてます。

 

きっと先週鑑賞した「ダンスウィズミー」がダメだったってのも大きくあるんですけど、とにかくミュージカルパートは素晴らしかった。

これは監督が「サンシャイン/歌声が響く街」で培った面がよく出ていたなぁと。

 

 

詳しくはあとで具体的に書くとします。

 

基本的に描かれているのは、両親から愛されることのなかったレジーという天才少年が、どのようにしてエルトン・ジョンと名乗り、一歩踏み出せない臆病な性格をどのように克服していったのか。

 

エルトンとしての成功とは裏腹に、スターダムの道を歩み、富と名声を手に入れながらも、本当に欲しかった「愛」を手に入れることができず、どんどん道化師のような存在へと変化していき、やがて周囲の人間をも困らせていき堕落の道を辿ってしまうというもの。

 

 

なんだろ、子供の頃にハグすらしてもらえない環境ってよほど辛かったんだろうなあ。そりゃあ音楽という才能で認めて貰えたら、きっと愛を持って皆が接してくれるだろうと思っちゃうよなぁ。

 

僕も音楽やってた時は、エルトンとは違う劣等感だけどみんなに認めてもらいたいって気持ちがあって、すごく共感。

やっぱ音楽やりたい人ってどこかそういう承認欲求みたいなのを抱いてる人、多い気がする。

入口はどうであれ、愛されたいって。

 

 

で、エルトンの場合ホモセクシャリティって当時では煙たがられた性愛が、彼をさらに追い詰めていっちゃうわけで、どんどんドツボにはまっていくのが見てられない。

 

ジョンとは互いが求めて結ばれた関係なのにビジネスを優先させられ、相手にしてもらえない。

 

富と名声を手に入れたにもかかわらず、父は新しい家族とうまくやっている風景を見せつけられ、好みの音楽ではないと拒絶される。

 

母も母で、エルトンのセクシャリティを認めてはいるものの、そんなんじゃ誰からも愛されないよ、と忠告され、しかもお前のせいで私は迷惑しているとまで言われる始末。

 

あのね、両親がこんなんじゃグレるの当り前ですよ!

俺もエルトンの立場だったら荒れるわ!

 

小さいころからナイーブな性格だったことからも、彼は大人になっても繊細が故に、反動が大きかったんだろうなぁというのが窺えます。

 

 

 

また楽曲のほとんどを作詞したバーニーとの関係も辛い。

エルトンは恐らく彼を愛していたんでしょう。

でもバーニーはそれを理解したうえで、親友という立場でエルトンに愛を注いでいたわけで、片思いもまた彼を苦しめていた要因の一つだったんじゃないかと。

 

そんなたくさんの切り傷を魂につけながらも、愛の意味を知り、俺はまだ立っている!と。

 

 

本当の自分になるためには自分自身を愛することからってことですよね。

自分を認める、というか。弱さを受け入れるというか。

 

なりたい自分=エルトンだったのに、どんどんド派手な格好とパフォーマンスで地に足がつかなくなっているというか、心のバランスが崩れていくってことは、本当の自分からかけ離れていっちゃってる確たる証拠で。

 

だから最後のあの歌は、悪魔のような恰好を脱ぎ捨てて真白な衣装で歌うことで、リスタートというかリセットするって意味に見えるというか。

 

彼の半生を通じて、勇気をもらえる映画にもなっていた気がします。

 

 

僕の歌は君の歌。

この映画の最大の見どころは、彼の歌と歌詞が物語にしっかり意味を持たせていることでしょうか。

 

特に僕が感動したのは、「Your song」が出来上がるまで。

 

宿無しカネなしの状態で転がり込んだアパートの管理人と恋仲になったエルトンでしたが、ゲイであることカミングアウトした矢先に追い出され、バーニーと共に実家に戻る羽目に。

 

だらしない格好で朝食をとるエルトンにお母さんは苦言を呈します。

気まずくなったのか髭を剃るよと去ろうとするバーニーは、卵がついたまんまの書きたての歌詞を渡します。

 

バーニーが髭を剃ろうとすると、リビングからエルトンのピアノと歌声が。

 

あまりのメロディの良さと、さりげなくシンプルな歌詞の内容に、バーニーを髭剃りを中断しリビングで聞き入り、おばあちゃんももっと近くで聞きたいとダイニングから移動し、さっきまでブツクサ言っていたお母さんも黙ってしまうほど。

 

大好きな歌が生まれた瞬間を映像として見られたことと、改めてこの歌の素晴らしさを感じられたことに、思わず涙を流してしまいました。

 

 

僕の歌は君の歌、という邦題のこの曲。

僕はそもそもエルトンにバーニーという作詞家がいたということを今作で初めて知ったんですが、これバーニーがエルトンに向けて書いた歌だったんだぁと。

 

僕が書いた歌だけど君の歌だよってことですよねこれ。

僕は歌を書くことしかできないけど、これは君に捧げる歌で、みんなに君の歌って言ってくれて全然OKで、YourSongを歌う君がこの世界にいることはとても素晴らしいことなんだ、と。

 

で、バーニーの思いもまた素晴らしいんだけども、これをたった数分で作り上げてしまうエルトンの才能ね!!

 

あの余談なんですけど、普通歌を作る時って、歌詞とメロディを一緒に作るか、もしくは曲が先行であって、メロディに歌詞を当てはめていくんですよ。

 

歌詞が先にあった状態でメロディつけるのって結構至難の業で。

 

この歌も歌ってみると分かると思うんですけど、歌いまわしが難しいんですよ。

韻も踏んでないし。

字たらずな部分もあれば、すごく詰めて歌わなきゃならんし。

 

具体的な例として、槇原敬之の「チキンライス」て歌あるじゃないですか。

あれ松本人志が先に歌詞を書いて、マッキーがメロを付けたんですけど、あれも歌いまわしが独特なんですよ。

要するに覚えづらいし歌いづらい。

 

曲にするには難しい歌詞を、あんな簡単にメロディに当てはめてシンプルな歌にしてしまうっていう瞬間を、ごく自然に見えてドラマチックな映像にしてくれたことは感謝しかありません。

 

そして音楽の道を志したことのある僕としては、自分との才能の差(とんでもないくらいの差ねw)を見せつけられた瞬間でもあり、嫉妬までも抱いてしまいました…ww

 

世に出る人ってのは、こういう人なんですよ。

僕なんて出る幕なかったんですw

 

 

 

これ以外にも、歌としっかりリンクした映像がたくさんあります。

 

「ロケットマン」を歌うシーンでは、大量に薬を服用し酒で流し込み酩酊状態になったエルトンが、パーティーの最中自宅のプールに飛び込んでしまう時に流れるんですね。

ここでプールの底に子供の頃の自分が宇宙服着てピアノ弾きながらこの歌を歌ってるんですけど。

 

歌詞の内容はとても孤独に打ちひしがれた男の歌で、一般の世界とは違う宇宙の世界で僕はただただ漂流しているのさ、みたいな歌で、富と名声を得たものの孤独な心は埋まらないでいるエルトンそのものを歌った歌で。

 

今まで歌の内容なんか理解してないまま聞いてたもんですから、ハッとしまして。

 

で、ちゃんとバーニーがエルトンのことをちゃんと見ていて、歌詞に反映させてるのがまた凄くて。

 

 

宇宙をテーマにした歌でデヴィッド・ボウイの「スペース・オディティ」がありますけど、これも似たような歌詞ですよね。

どちらも広大な場所を舞台にした歌なのに、内容はものすごく切ない歌。

当時流行ったのかな?この手の歌が。

まぁ宇宙産業が盛んでしたからね、この時代。

 

 

 

「土曜の夜は僕の生きがい」では、少年時代のレジーがおばあちゃんのリクエストでノリノリの曲を弾きながらミュージカルパートが始まり、長回し風に撮影しながら青年時代へと突入、遊園地でダイナミックに踊るシーンも良かったです。

 

 

アメリカでの初のライブシーンで「クロコダイル・ロック」を歌うんですけど、鑑賞前に聞いていたサントラのこの曲、ラ~ラララララ~って箇所をなぜスローにしてるんだろう?とずっと疑問に思ってたんですが、このスローになる部分で、エルトンの体が宙に浮くんですね。

恐らくオーディエンスの熱狂に自分自身も宙に舞い上がるほどの高揚を得た、ってのを表現していて、ここで僕も思わず心が宙に浮くような錯覚に陥りました。

なんだこの演出!やべえ!すげえ!とw

 

 

あとはバーニーがレストランでエルトンを見限るシーンで使われるのが「グッバイ・イエロー・ブリック・ロード」なんですけど。

また歌詞の内容など知らず聞いてたもんですから、まさか金持ちとの生活に嫌気がさして田舎に帰るよ!ってのを、エルトンとの決別への思いを込めた皮肉とも取れる歌詞だったなんてつゆ知らず。

 

 

 

このようにエルトンとバーニーが作り出した歌を、時系列順ではないんですが、しっかり劇中のミュージカルパートで機能させていたこと、あらゆる手法で演出していたこと、どれも最高のアイディアになっていて素晴らしかったですね。

 

 

最後に

劇中はライブパフォーマンスで華やかな気分にさせるんだけど、歌唱シーン以外は終始エルトンの葛藤がメインになっていて、きっと見てる人は気持ちが上がったり下がったりで忙しいかもしれない。

 

しかもかなりのスピードで物語が進んでいくから、追いつかないって人も多いかもしれない。

 

あと楽曲数が多いってのも難点な気もします。

 

 

ただね、エルトンの半生は本作のようにスピーディーでジェットコースターのように浮き沈みが多く波乱に満ちた人生で、彼のクレイジーな面を象徴しているって解釈をすれば、全然問題ないかと。

かなり強引ですがw

 

 

エルトンを演じたタロンくん、最高です!

結構彼の顔がドアップになるシーンが多いんですけど、アップすることによって葛藤していたり苦悩しているという感情や表情を、細かい顔の動きで表現していたことで感情移入できました。

 

特に成長して親父と再会したシーンは素晴らしかった!

 

どんどん生え際が後退してく過程も地毛だったってエピソードを知っていた分、体張り過ぎだろwとも思ったし、ジョンとの濡れ場も濃密にやっていて、これぞ役者魂!とも思えました。

 

歌唱パートも、多分別撮りでなく演技しながら歌ってるように聞こえたし、ピッチも完ぺきで。

 

 

あ、因みに彼が愛したジョン・リード。

彼とのマネンジメントを解消後、クイーンのマネージャーになるんですけど、「ボヘミアンラプソディ」にも出てましたね。

フレディにクビにされちゃうけど。

 

てか、ボラプでは、ゲイだって部分全然出てなかったんですけどね。

フレディはタイプじゃなかったってか。

劇中でも感じた人多いかと思いますが、実際のジョンもあんな感じでいやな奴だったそうですww

 

 

あと、ブライス・ダラス・ハワード、最近どんどん太ってますが、さらに磨きがかかってます…そのおかげもあって非常に嫌なお母さんでしたね。

ああいう役柄初めてだったんじゃないかな。

 

 

I'm still standingはまさかのPV再現でしたね。

あれもよくできてたなぁ。

久々に満足した映画でした。

 

あ、是非またミュージシャンの半生を描いた物語が作られるなら、ビリー・ジョエルの半生を描いた「ピアノ・マン」でお願いしますw

 

というわけで以上!あざっした!!

 

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満足度☆☆☆☆☆☆☆☆☆★9/10