ファントム・スレッド
本作の監督の略称を、映画ファンはPTAなんて言います。(たぶんw)
学校のPTAじゃないぜ?
パフュームのファンクラブでもないぜ?
ポール・トーマス・アンダーソン監督って名前で、(P)ポールが(T)トーマスで(A)アンダーソンなんですねぇ。
略してPTA.。
ちなみに、「バイオハザード」や今度モンハンの映画の監督をやる人は、ポール・W・S・アンダーソンです。
全くの別人です。
作品のクオリティも雲泥の差です(こりゃ失敬)。
昔本気で間違えてたってことは、内緒にしておいて下さい・・・w
PTAはかなりマニアックなようで、先人達にかなり影響を受けてるんですね。
で、先日ラックから引っ張り出して「ロング・グッドバイ」を見たんだけど、やっぱりこれを見た後「インヒアレント・ヴァイス」を思い出したくなる、見返したくなるくらいPTAはロバート・アルトマンから影響受けてるんだろうなぁと。
ショートカッツはマグノリアですし。
じゃあ今作は何に影響を受けてるんだろうと。
まぁきっと見ただけでは気づかないような浅い映画知識なので、そういうのは他の方にお任せするとして。
てなわけで早速観賞してまいりました!!
作品情報
師匠ロバート・アルトマンが成し遂げた世界三代映画祭制覇を、自身も監督賞で制覇したポール・トーマス・アンダーソン。
長編映画8作目となる今作は第二次世界大戦後の英国、オートクチュール(高級仕立て屋)界を舞台に、女を最高に美しく見せる完璧主義の仕立て屋の男と、男の色には決して染まらない女の、世界で最も艶やかな駆け引きという名のラブストーリーを描く。
本作では監督自身が撮影監督も務めたり、ハリウッド俳優ナンバー1といわれる俳優の引退作としても話題を呼んでおり、アカデミー賞6部門ノミネート、衣装デザイン賞を受賞している。
運命の恋に落ちた男女。
相手をどこまで自分を意のままにすることができるのか。
やがて狂い始めた二人の関係は、ある秘密によって加速度を上げていき、誰も予想できない展開へと向かっていく。
格式高いオートクチュールの世界の中で、狂おしいほどの愛の物語が誕生した。
あらすじ
1950年代、ロンドン。
英国ファッションの中心に君臨し、社交界から脚光を浴びる天才的な仕立て屋のレイノルズ(ダニエル・デイ=ルイス)。
ある日、レイノルズはウェイトレスのアルマ(ヴィッキー・クリープス)と出会い、彼女を新たなミューズに迎え入れる。
彼はアルマの“完璧な身体”を愛し、彼女をモデルに昼夜問わず取り憑かれたようにドレスを作り続けた。
しかし、アルマの気持ちを無視して無神経な態度を繰り返すレイノルズに不満を募らせたアルマは、ある日朝食に微量の毒を混ぜ込む…。
やがてふたりは、後戻りできない禁断の愛の扉を開き、誰もが想像し得ない境地へと向かう。
この愛のかたちは、歪んでいるのか?それとも純愛なのか?華やかなオートクチュール(高級仕立服)の裏側で、映画史上もっとも甘美で狂おしい愛の心理戦がはじまる!(HPより抜粋)
監督
今作を手がけたのはポール・トーマス・アンダーソン監督。
群像劇やったり、おかしなふたりの恋愛劇やったり、師弟愛、ポルノ業界、ラリった探偵などなど、基本すごくシリアスに作っていながら、ジョークとかユーモアを放り込んでくる。
しかもどれもマニアックすぎて、ついていけない人も多いんじゃないだろうかと。
まだまだニワカな映画好きとしては難解な作品もあるんだけど、決してつまらない映画ではないから、いつも期待してしまう。
だから今作も楽しみにしていたのであります。
冒頭でも書いたように、「インヒアレント・ヴァイス」は「ロング・グッドバイ」を、そして「マグノリア」は「ショート・カッツ」というように、ロバート・アルトマン作品にかなり影響を受けている傾向があるようです。(←3年位前に教えてもらったんですけどねw)
僕はこのブログでちょこちょこアルトマン好きを公言してるんですが、言われてみれば確かに似てるよなぁ、と。
群像劇つったらやっぱりアルトマンだし、はっきり言って彼の映画も素人向けではない作品で、でもなんか前のめりで見てしまう面白さがあって、そこんとこもPTAと共通するよなぁと。
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前作「インヒアレント・ヴァイス」は劇場ではイマイチに感じたんですけど、自宅で見たら、あれ?最初の時より面白いぞこれ!!と。
(ジョシュ・ブローリンのアレは反則だよw)
てかモロ「ロング・グッドバイ」だったなぁ。最後せつねぇし。
だから1回見て突き放してしまった「マグノリア」も、もう一度向き合ってみようと思いますw
キャスト
主人公の仕立て屋レイノルズ・ウッドコックを演じるのは、ダニエル・レイ=ルイス。
恥ずかしながら彼の作品1本も見たことありません・・・。
上でも書いたように、「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」も「リンカーン」も「NINE」も見てない。
「ギャング・オブ・ニューヨーク」は見てるけど、覚えてない・・・。
出てる作品は相変わらず知ってるってのは元レンタルビデオ屋だからこそなのかな。
一応今作で引退といってるのですが、なんか過去にもこういうこと言ってるようで。
ひょっこり帰って来るかもしれません。
とりあえず彼の代表作をサクッとご紹介。
ロンドンに住むパキスタン人を描いた「マイビューティフル・ランドレット」、封建的思想の残るイギリスを舞台に、身分の違う男女のロマンス美しい映像で綴った「眺めのいい部屋」で注目されます。
重度の麻痺によって左足をわずかにしか動かせない主人公の絶え間ざる努力と成長を描いた「マイ・レフト・フット」でアカデミー賞主演男優賞を受賞し知名度を上げていきます。
その後も、19世紀半ばのニューヨークを舞台に、ギャング同士の抗争の中で運命に翻弄される男女の姿を描いた「ギャング・オブ・ニューヨーク」ではカリスマ的ギャングリーダーを熱演し、アカデミー賞助演男優賞にノミネート。
さらに、石油を掘り当て富を得た男の更なる欲望と裏切りの半生を描き、監督と最初のタッグ作となった「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」で2度目のアカデミー賞主演男優賞を受賞します。
さらにさらに、アメリカでもっとも有名で愛された大統領の、知られざる決意の裏側を描いた伝記ドラマ「リンカーン」で3度目のアカデミー賞主演男優賞を受賞する快挙を成し遂げます。
これまで3度受賞した俳優は彼だけということで、現在一番秀でた俳優と言っても過言ではないでしょう。
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他のキャストはこんな感じ。
レイノルズにミューズとして迎えられる元ウェイトレス・アルマ役に、「ハンナ」、「もうひとりのシェイクスピア」に出演したヴィッキー・クリープス。
レイノルズの姉シリル役に、「家族の庭」、「マレフィセント」のレスリー・マンヴィルなどが出演します。
普通のラブストーリーでは括れなそうな展開が予想される今作。
果たして僕のようなポンコツ頭が1度観賞しただけで把握できるのか!?w
ここから観賞後の感想です!!!
感想
ぐわあぁぁぁっ!!女って怖い・・・。
マザコンデザイナーVS元ウェイトレスの主導権争いをエレガントな世界で描いた一流芸術映画でした!!!
以下、核心に触れずネタバレします。
男性諸君は必見。
50年代のロンドンのオートクチュールハウスを舞台に、マザコン完璧主義の仕立て屋が惚れた女性との愛の主導権争いを、フィルム撮影によって統一されたクラシックな質感、ため息が出るほど煌びやかなドレスファション、当時の世界を感じさせる美術品、美しくもディスコードなBGMと、時折訪れる静寂が相乗効果をもたらすことで男女間の狂気を掻き立て、2人の愛情表現が醜くも美しく描かれた、究極の愛の物語へと昇華した良作でございました!!!
はい、単刀直入に言いますと、僕の中ではベスト級の映画でした!!!
今までのPTA作品は、僕は好きなんだけど一度見ただけじゃ理解できない、面白いんだけど深い部分まで見通せなかったなど、あと1枚の壁を破れずじまいだったわけです。
しかし今作は過去作に比べると非常にわかりやすいお話だったし、笑いを極力抑えてるように見せかけて、実は笑ってしまう描写がチラホラあったりとエンタメ要素もしっかり入っていましたね。
それでいてクラシカルでファッショナブルで決して現実では味わえない社交界を存分に堪能でき、目の保養としても最高にうっとりしてしまう作品でした。
見終わった後はですね、口を両手で抑えてちょっと震えてました。
なんて言うんでしょう、これ怖いお話です。
理解できない部分も多々あります。
容認できないことも多々あります。
こんな野郎になりたくないってこともあります。
しかし、これは二人の愛の物語。
2人がそれで納得するなら我々が理解しようがそうでなかろうが、関係ないのです。
主観ばかりで感じるのではなく、もっと視点を変えて考えた時、この愛の表現は行き過ぎてはいるものの、現実でもこういう構図って存在するじゃん、ていう。
教養のない僕が本作を要約すると。
バカで単細胞で単純でガキでそのくせかしこぶったこと言って「俺って完璧だ」と勘違いしている野郎の牙城を、「なぜあなたは自分の事ばかり自分のペースばかりなの、そっちがそうならあたしにだって考えがあるわ」と、あの手この手でジワジワ領域を広げ、相手の陣地を制圧していくってお話で。
で、男はちょっと優しくされるとついついその気になって、気が付けば骨抜きになされる、肋骨も背骨も抜かれてメロメロになっていくって話なんですよ。
女性ってすごいなと思いつつ、結婚してない僕としては自分の領域をこんな風に侵されていくことを考えると正直無理だなと。
レイノルズみたいに完ぺきではないけれど、僕自身お決まりの生活パターンがあって、生活スタイルを邪魔されたくなくて、自分こそ一番て思ってて、相手の事など二の次で、まるでお人形のように自分の好みの服や価値観を着せてしまうようなクソ野郎なんだけど、独身貴族満喫してる分、他者が介入してくることが本気で嫌なんですよね、僕。(好みの服はさすがに着せないww)
だから、知らない間に相手のうまい策略によって愛で満たされて、これまでの生活をがらりと変えてしまうような男になるんだろうな俺は、なんて考えてしまいましたね。
また、年齢を重ねると考えが凝り固まりますよね。
特に独身の男性は。
「結婚できない男」なんてTVドラマがありましたけど、あの主人公は正にレイノルズと一緒ですよ。
完璧主義って要はガチガチに守りを固めてることだと思うんです。
または自信がない。
「ここはこうでなくちゃいけない」って決めつけて選択肢が狭くて、その外から出ることをしない、常に100点じゃなくちゃいけない、90点などあり得ない。
そういう男ほど、臨機応変タイプのアルマのような女性が現れたら周りからどうしたの!?なんて言われてしまうんでしょうね。
ちょっと映画の話からずれてしまいましたが、要はこの映画は、一人をこじらせた男が一人の女性によって本当の愛とは何かを得ていくお話だということ。
とてもシンプルな題材なのに奥が深くて、独身の男性は異性をどんな風に見たらいいのか、いや自身を見つめ直すいいきっかけになる映画だったのではないでしょうか。
演出も見事。
僕が思う良い映画の条件の一つに、言葉でなく画で状況を伝えるという演出方法があります。
日本の映画は何でもかんでも説明ばかりで、顔ドアップで感情を観衆の心に訴える演出ばかり。
時々うんざりになることがあります。
もちろん洋画でも説明も顔ドアップで感情丸出しのもありますが、基本は引き算的感覚で作られていることが多く、この画は今こういうことを現してるって映像ばかりなんですね。
たまに見逃してしまうこともありますが、理解した時に生まれる満足感はたまりません。
今作も画や音で訴える演出を巧みに表現していたように思えます。
- その1。
まず印象に残ったのはレイノルズの仕事場。
屋内はらせん階段になっていて天井には光が差し込む窓がついている構造。
で、冒頭で出勤した女性従業員たちがみんな階段を登って作業場へ向かうんですね。
一体何階まであるんだと思いましたけど。
また、レイノルズの部屋は最上階にあるんですよ。
ということは、彼はこの家の中ではカースト的には一番上の存在であることが読み取れると思います。
まぁ主ですしね。
そして、アルマがレイノルズをサプライズしたいということで、自分で夕食を作って振る舞う場面が描かれるんですが、散歩から帰ってきたレイノルズは、自分で仕立てたドレスを着たアルマを階段の下から見上げるんです。
おかえりなさい、夕食作ったの、二人で食べましょうと。
レイノルズは完璧主義なので自分のペースでないと嫌なわけです。
だからレイノルズとアルマの関係は、レイノルズが常に優位なんですが、このサプライズをすることによってレイノルズの時間を自分との時間にする、彼の領域を支配しようと企むわけです。
だから階段の上にいるアルマは優位に立っているという構図が画で伝えられています。
しかし姉ちゃんと仕事の打ち合わせをしたいレイノルズは、アルマとのメシに時間を割きたくない。
結果アルマが作った下手くそなドレスをこき下ろして、彼女を追い越して部屋にあがっていくんですね。
これがレイノルズが再び優位に立ったように見せているわけです。
本作の肝は主導権争いなので、今どちらが優位なのか、もしくはアルマは今どれくらいレイノルズの領域を狭くしているのかが見て取れます。
- その2
朝食の時間、物音をたてながらパンにバターを塗り、豪快にティーカップにティーを注ぐ音にレイノルズは嫌悪感を抱き、朝はもう少し静かにしてくれとせっつきます。
もちろんアルマも黙っていません。
私はパンにバターを塗ってるだけよ、と。
しかしそんな言い訳ではレイノルズを黙らせることができません。
結果彼はパンを一口食べて部屋にこもってしまいます。
完璧主義の彼はペースを乱されると1日中ダメになるんだとか。
不器用ですね~w
この物音を立てて食事をするというのが、後々意味を持ってくるんですね。
それが結婚後の旅行先。
テラスで朝食をとるレイノルズとアルマ。
ここでアルマは思いっきりトーストにバターを塗り、バリバリ音を立てながら頬張ります。
ここで一言も発せずただ見つめるだけのレイノルズ。
あれ?
なにも言わないの?
そうです、この時点でアルマが概ね支配していることが窺えます。
- その3
そしてクライマックス。
夕食をとるんですが、水をコップに注ぐとき、思いっきり上から注ぐんですね。
てことは、水の音が大きくなる。
これにも黙って見つめるレイノルズ。
既に音を気にしなくなっていることが分かります。
さらにアルマはオムレツを作るんですが、バターを使ってるんですね。
なのに、何も言わない。
序盤でのやりとりに戻りましょう。
姉のシリルから「レイノルズはバターが嫌い」と言われているのに、「でもおいしいのよ」、と言ってバターを薦めようとするんです。
でもシリルは「やめときなさい」と、たしなめます。
サプライズで夕食を作った時も、茹でたアスパラガスにバターソースを添えて出してるんですが、レイノルズは思いっきり塩をかけ、敢えてお行儀悪くナイフとフォークを使わずに手で食べるんですね。
明らかに反抗的態度です。
「僕は嫌いなものを出されても、こうやっておいしく食べることでができるんだよ!」、と、しちめんどくせぇ屁理屈を発しますが、せっかく作った料理を不味そうに食べるアルマは怒ります。(当然だよw)
で、オムレツの話。
アスパラガスは嫌々食べて不機嫌だったのに、バターで作ったオムレツは食べるんですね。
こうやって対比として見てみると、いかにレイノルズがアルマに支配されていくかが理解できるかと思います。
- その4
レイノルズの姉シリル(ちょっと草笛光子さんみたいな人)は、完全にレイノルズ側。
最初いた恋人は朝食時あなたの心はどこにあるの?と面倒な会話を持ち掛けます。
その夜、姉の方から「彼女追い出す?」と聞いてくるほど、レイノルズの気持ちを察して行動しようとする面倒見の良さを持っていました。
アルマにもレイノルズの言う通りにしなさいとたしなめますが、アルマの行動によって変化を感じたシリルは彼女を認めるんですね。
朝食時ただ彼女を見つめるという画だけで伝えてます。
これ以降レイノルズが何かしら文句をいうと(ご贔屓客の結婚式に出席しなさいという件)シリルは「黙らっしゃい!」みたいな態度でレイノルズを叱るんですね。
わたしはあなたを全批判できる自信があるのよ、と。
こわっ!
姉の心変わりが少しづつ見て取れるのも面白いですね。
- その5
あとはファントムスレッドというタイトルですよね。
直訳すると幽霊の糸ってことでしょうか。
レイノルズはひたすら亡き母親の影を追って、服を仕立てていることが冒頭で明かされています。
しかも母親の髪の毛を服の裏地に忍ばせていることで、常に心の中に彼女をしまったままでいるのです。
ということは、ひたすら母親のような存在を追いかけているけど、母親のような存在が見つからないまま生活してるってことですよね。
で、そこにアルマが現れる。
そして病床に倒れた時に母親の亡霊を見るんですね。
で、アルマが部屋に入る瞬間に消える。
アルマが母親の代わり、追い求めていた愛すべき存在だと認識できるんではないでしょうか。
- その6
レイノルズが仕立てるも、彼が倒れた時の弾みで破れた王妃のドレスの中から「呪われないように」という刺繍を、アルマは見つけます。
これは序盤、彼の面倒を見ていた女性が「婚期が遅れるから」との理由で仕立てを手伝わなかったことや、色々な女性がドレスを着ることや作ることに後ろ向きな迷信=「呪い」を信じていることに対して、レイノルズ風の切なる願いだったわけです。
- その7
看病された後のレイノルズの態度。
これまでの朝食時はひたすらスケッチブックばかり見ながら食事を摂っていたレイノルズが、起きて一番にアルマにキスをするんですね。
今までは彼女を見ていなかったような素振りでしたが、一目散に彼女に目を向け頬にキスをする。
あまりの行動にアルマは顔が硬直してしまうんですが、この時アルマは作戦に成功したことを確信したのでしょう。
あ、作戦てのはここでは伏せておきましょうw
マジで怖いし・・・・。
このように随所で画で見せたり、アイテム、同じようなシーンで対比を図ることで、言葉でない伝え方をしているかがわかるかと思います。
きっとまだまだ意味のあるシーンがあるはずですがこの辺で。
最後に
ダニエルデイルイスの演技も素晴らしかったですね。
物腰柔らかそうなナイスミドルかと思いきや、超神経質なこじらせおっさんをミリ単位で表情を作り、仕立て屋としての所作もスムーズにこなす。
手つきも全く違和感ないですし。
こりゃあ俳優辞めて仕立て屋になろうっての納得できるなぁ。
ハマっちゃったんだろうなこれで。
で、こんなおっさんが徐々に骨抜きなっていく様が別の視点で見るとかわいらしく見えるんですよね。
悪く言うと赤ちゃんw
あとなんでしたっけ、紅茶を持ってきた時の件の痴話げんかは笑いました。
紅茶持ってきた➡頼んでない➡ここおいとくわ➡そこ置いたら邪魔➡なによせっかくもってきたのに➡集中できない➡紅茶持ってきただけよ➡余計な時間を過ごした➡だから紅茶を持ってきただけよ!➡君が頼んでもいない紅茶を持ってきたという事実が残るんだ!!
あ~~こいつめんどくせww
純情であろうが狂っていようが、互いの意志が成立するなら愛ってことです。
多分この映画は、仕事とアタシとどっちが大事なの!?って話ではなく、アタシも大事にさせてやるという女の情念が渦巻いた話で、結果相手を受け入れたことで真実の愛に目覚める男の話だと。
女はマネキンじゃねえ!ってことですよ。
「倒れる前にキスしてくれ」は名言じゃないですかね。
ゾクゾクしましたよここ。
モンキー的にはこんな女性とはお付き合いしたくないですが、きっと掌の上でうまいこと転がされて骨抜きになることは間違いないでしょう。
とりあえず男性諸君は相手が作ったキノコ料理に気をつけてくださいw
というわけで以上!あざっした!!
今回は大甘で!
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満足度☆☆☆☆☆☆☆☆☆★9/10