モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「エール!」の感想・評価・レビュー

10月31日

エール!

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年に1度は個人的にアタリがあるフランス映画。

どちらかというと女子が好きそうな内容のイメージが多いって勝手にに決め込んでますが、見た後にフランス映画ナメてたっていつも後悔しちゃう。

しかも、歌がすばらしいと評判な話なのでこれは劇場じゃないと、と思い見てまいりました。

 

 

あらすじ

フランスの田舎町。酪農を営むベリエ家は、高校生のポーラ(ルアンヌ・エメラ)以外、父も母も弟も全員耳が聞こえない。

美しく陽気な母、 熱血漢な父とおませな弟。一家の合言葉は“家族はひとつ”。オープンで明るく、仲のいい家族だ。

ある日、ポーラの歌声を聴いた音楽教師はその才能を見出し、パリの音楽学校のオーディションを受けることを勧める。夢に胸を膨らませるポーラだったが、彼女の歌声を聞くことが出来ない家族は、彼女の才能を信じることもできず、もちろん大反対。

夢に向かって羽ばたいてみたい、だけど私が居なくなったら・・・と、ポーラは悩んだ末に、夢をあきらめる決意をするのだが・・・。《HPより抜粋》


映画『エール!』予告編 - YouTube

 

 

 

キャスト

主役のポーラを演じるのは、ルアンヌ・エメラ。

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世界中でフォーマットされているオーディション番組「The voice」のフランス版でその歌声に賞賛されたことで歌手デビュー。

翌年にこの映画でスクリーンデビューしたようです。

その演技、歌声が評価され数々の賞レースにて新人女優賞も獲得。

今年3月には待望のデビューアルバムもリリースしフランスチャート1位も獲得と歌手、女優2足のわらじで頑張ってる様子。

今後のフランス映画にどんな影響を及ぼしてくれるのか期待ですね。

ちなみにこれが彼女の歌声。

 

Je vole

Je vole

  • Louane
  • フレンチポップ
  • provided courtesy of iTunes

 


Louane Emera - The Voice (Audition) - YouTube

う~ん、やわらかいのにハイトーンでは力強い芯のある歌声って感じでしょうか。

タイプ的にはケリークラークソンみたいな感じかなぁ。

とにかく歌ウマっすね。

劇中の動画もあったんですがおそらく終盤のいいとこのだったので載せるのやめましたww

 

 

フランス映画祭で観客賞

wrs.search.yahoo.co.jp

 これ2,3年前に知ったんだけど、毎年日本で行われてるフランス映画の新作を中心に上映し催してる映画祭だそうで、昔は横浜やら六本木で開催してたそうですが、2011年以降は毎年有楽町で6月に開催されてるとのこと。

この映画はその映画祭で観客賞を受賞した作品なんですが、なぜこの賞をピックアップしたのかというと、この映画祭で観客賞を受賞した作品がここ最近ヒットしているということ。

2010年にはオーケストラ!、2012年は最強のふたり、2013年はタイピスト!といった具合にその年の映画を象徴した代表作ばかり。

ここで観客賞を取れたってことは間違いなく面白いってことのあらわれだと思います。

 

 

 

そんな、フランスで4週連続1位を樹立した感動作の感想は、






とりあえず、歌声は素晴らしかった!!

以下、核心に触れぬようネタバレします。









フランスの笑いはシュールではない。

最強のふたりでもそうだったが、障害を持つ人を題材にすると一見ナーバスに扱わないといけない部分を逆手にとって、ユーモアに楽しく愉快にコミカルに成立させる作りが素晴らしいです。

劇中でお父さんが言うように、
これは個性だ、俺は何一つ不自由なんかしてない。
と、豪語するようにハンディがあるはずなのにそんなもの一切感じさせないような作りや、
家族全員が前向きで明るい性格を描いていることで決して湿っぽくなく、それでいてテンポよく話が展開していきます。

その笑わせ方たるや、どストレート!!
膣炎になった両親と検診に行くシーンは娘ポーラを挟んで赤裸々に手話で揉める所は、親の性生活ほど聞きたくないものはない、見ているこっちも恥ずかしいほどの内容で笑わせてくれるし、
弟の思春期丸出しの求愛からのハプニングも吹き出してしまったくらい。
フランスの人はアレですか、ヤりたくて仕方ないんですかね。

聾唖者の生活はやはり音には鈍感で、冒頭、朝食のシーンもとにかく静かに物は置かない、食器の音もガシャガシャ、なぜか車にウーハー積んでダンスミュージック大音量!
こんな部分も笑いにしてくれるところがまたよかった。

変に理解しづらい部分がないし、全体を通して笑いあり、涙ありの家族の絆をテーマにした、
非常に見やすい映画だったのではないでしょうか。


やはり歌はハンパない。

家族の絆を描いてるストーリーと同時に中学生の女の子が諦められない夢の一歩を踏み出すために努力するストーリーでもありました。

別に小さい頃から歌が好きで、とかではなく気になる男の子がコーラスの授業を受けるから私も!的なノリで授業に参加し、
いきなり才能を開花させてしまう、というもの。
田舎の農家で手伝ってできた体力と、そのふくよかな体のおかげでできた腹式呼吸のおかげかどうかは知らないが、そのポテンシャルは高く、
先生に見出され気になる男の子とデュオを組まされることになり、しかも、課題曲がまあ情熱的な愛の歌。
ウブでオクテな彼女が彼と手をつなぎ、肩を寄せ踊りながら歌っていくことで、彼女の声がより魅力的に、艶っぽくなっていきます。
ホントに中学生か!?

そして、ラストに歌う歌がとんでもなく素晴らしい。
特に選曲が。

1970年代にヒット曲を量産したシャンソン歌手、ミシェル・サルドゥという方の青春の翼という曲を歌うんですが、
これがいい。

Je vole

Je vole

  • ミシェル・サルドゥー
  • ポップ
  • ¥250
  • provided courtesy of iTunes



正にポーラや家族が置かれている立場や状況なんかをそのまま歌詞にしたかのような歌に、彼女の歌声が加わり感極まること間違いないエンディングになってます。

いやー、フランスの歌手ってミシェルポルナレフシルヴィバルタンしか知らなかったので、またひとついい歌手を知ることが出来ましたw

とにかく、親に夢を追うことを説得したかったらこの歌聴かせたら納得してくれるんじゃないでしょうか。



とはいえ、両親には疑問。

ポーラ以外全員耳が聞こえない。これよく考えたらスゲ〜ポーラに負担かかってるよなぁ。
冒頭、1日の生活が流れるわけだが、朝家の牧場の手伝い⇨学校、しかも居眠り⇨両親と病院で検診⇨市場でチーズの販売⇨おそらく帰宅して勉強、
こんな毎日で尚且つ家族の通訳もこなす。
なんでハードワークな毎日なんだ!
しかも、彼女中学生!こんな生活を何年送ってるんだ!?

見たところ、農場の経営はそこまで厳しそうではなく、お母さんは良さげな服を着てるのでお金はあるのかな、と。
だったら、その金で使用人雇えやっ!!
とツッコミたくなりました。

彼女が夢を打ちあけた途端、手のひらを返す両親の態度にも腹が立った。
村長選に立候補したものの急にやる気をなくすお父さんや、何かにつけて娘に文句タラタラになったり挙げ句の果てには私の育て方が間違ってたなんてかますお母さん。

散々おんぶに抱っこだったんだから、まずは応援したれや!!
と中盤はイラッとしました。

もちろんそのわだかまりは彼女の歌が解消してくれ、そこに至るまでの経緯や演出なんかはうまかったです。

とはいえ、なんか納得ができない部分ではありました。

もっとポーラの日々の苦労をクローズアップして欲しかったし、ポーラはワガママに主張してもよかった気がしたし、
家族は家族で娘を思いやる気持ちのシーンがもっとあればなぁ、と。
でも、きっと家族を思うポーラの優しさが大きかったんだろう、
家族には家族でポーラがいなくなったらホントに死活問題だったんだろうな、と解釈したらいいのかな、と。




家族の絆って部分には、グッとはなりませんでしたが、ルアンヌエメラ演じるポーラが歌う姿は一見の価値があるし、伝わるものがあります。これだけは強く推したい。
フランス映画も変わってきたなー。




満足度 ☆☆★★★ 2