モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「ディストラクションベイビーズ」感想 解説 次世代俳優の怪演が素晴らしい!けど胸クソ悪い!

5月22日

ディストラクション・ベイビーズ 

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青春バイオレンス系作品なんだろうか。正直得意ではないし共感もしないだろうけど、ただただ面白そう、という理由で見に行くことを決意。

 

いつ以来だろう、テアトル新宿で映画鑑賞。「愛の渦」以来かも。

邦画ミニシアター系作品を後回しにする癖がついてしまい色々見逃していましたが、今月は特に大作もないので絶好の機会だ!

というわけで、早速見に行って参りました。

 

 

 

 

 

あらすじ

 愛媛県松山市西部の小さな港町・三津浜。海沿いの造船所のプレハブ小屋に、ふたりきりで暮らす芦原泰良(柳楽優弥)と弟の将太(村上虹郎)。日々、喧嘩に明け暮れていた泰良は、ある日を境に三津浜から姿を消す──。それからしばらく経ち、松山の中心街。強そうな相手を見つけては喧嘩を仕掛け、逆に打ちのめされても食い下がる泰良の姿があった。


街の中で野獣のように生きる泰良に興味を持った高校生・北原裕也(菅田将暉)。彼は「あんた、すげえな!オレとおもしろいことしようや」と泰良に声をかける。

こうしてふたりの危険な遊びが始まった。

やがて車を強奪したふたりは、そこに乗りあわせていたキャバクラで働く少女・那奈(小松菜奈)をむりやり後部座席に押し込み、松山市外へ向かう。

その頃、将太は、自分をおいて消えた兄を捜すため、松山市内へとやってきていた。泰良と裕也が起こした事件はインターネットで瞬く間に拡散し、警察も動き出している。果たして兄弟は再会できるのか、そして車を走らせた若者たちの凶行のゆくえは──(HPより抜粋)


映画『ディストラクション・ベイビーズ』予告編

 

 

 

 

 

 

 

 

監督・キャスト

監督は今作でメジャー映画デビューを果たした真利子哲也監督。

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おっかねー顔してんなぁ。

名前は聞いたことあるものの自主映画まで見る時間などなく、監督の作品を見るのは今作が初めてです。

 

東京藝術大学大学院の終了作品として、ボクサーを目指しながらも閉塞感を抱く青年が漫画家と出会い彼をモデルにした作品を書いていくうちに現実と虚構が交錯していく「イエローキッド」で長編映画デビューを果たし、

その後、中篇映画作品として、事件に関与し自殺を図ろうとする青年と、その目の前でPV撮影をしているアイドルが交差していく「NINIFUNI」を手掛け、世界の映画祭でも招待されるなど今後に期待のかかる監督、とのこと。

 

 

 

 

 

主演の芦原泰良を演じるのが柳楽優弥。

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華々しいデビュー、転落、騒動、激太り、結婚などなど浮き沈みを経てようやく確固たるスタイルを築き上げた彼。すげー男臭くなりましたね。

 

是枝裕和監督作品「誰も知らない」でカンヌ国際映画祭で日本人最年少の快挙となる最優秀主演男優賞を受賞しその名を轟かせた後、

像使いになる為、タイへ留学した少年を描いた「星になった少年」や、年上の女性に恋してしまった青年の甘くほろ苦い初恋を描いた「シュガー&スパイス 風味絶佳」と話題作に出演。

キャリアを着々と積み上げていくが、カンヌでの実績がプレッシャーとなり体調不良が相次ぎ仕事量が激減。体格も変化し、一時は自殺未遂と報道されるまでに

しかし、家族の献身的な支えや結婚などを経て、芸能界に復帰。

最近では、男らしい風貌へと変わり「クローズ EXPLODE」での男気あふれる不良っぷりや「ピンクとグレー」でのつかみきれない役どころなど、ますます魅力的になってきています。

 

 

 

 

 

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 いやぁ、この頃の沢尻エリカは可愛かったなぁ。

 

 

ガソリンスタンドで働いているフリーターの主人公は新しいバイトの女性にかつて感じたことのない感情を抱く。2人で会う時間が増えるにつれ、次第にうち解けていくが、元カレのもとへ一緒について行ったことを機に彼女への気持ちが初めての恋だと気づくのだったが…。

 

 

男の失恋映画ってのもあまり見たことがなかったので当時は等身大の少年を演じた彼に心持ってかれましたねぇ。「女の子はシュガー&スパイス。優しいだけじゃダメなの。」

昔音楽やってた頃、似たような歌詞を書いたなぁとふと思い出しましたww

 

 

 

 

 

 

 

主人公の男に心酔していく高校生・北原裕也を演じるのが菅田将暉。

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先日放送された「ダウンタウンなう」で2人への熱い思いを手紙で読み上げた彼にもらい泣きしてしまい、彼が出たどの作品よりも一番印象に残ってしまうというww

 

今回この2人は「ピンクとグレー」で共演してます。軽く紹介してるのでよろしければどうぞ。

 

monkey1119.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

他の出演者として、主人公たちに拉致されるキャバ嬢・那奈役に「渇き」、「バクマン」の小松菜奈、主人公の弟・将太役を両親にそっくりだなおいっ!と突っ込みたくなる村上虹郎(お父さんは村上淳、お母さんはUA)や池松壮亮北村匠海三浦誠己、そして、でんでんが脇を固めます。

 

 

 

 

果たして新進気鋭の監督の下に集まった次世代を担っていく若手俳優たちがどんな荒くれぶりを見せるのか。そして路上でいきなりストリートファイトをしかける若者の暴力のその先には何が待っているのか??

それでは、鑑賞後の感想です!!

 

 







次世代俳優たちの怪演が光る、胸クソ悪い暴力映画。

以下、核心に触れずネタバレします。









非常に好みの別れる作品

冒頭でも書いた通り、この手の映画が苦手です。若気の至りで済ませちゃうような青春もの。特に日本映画。しかも青い春のような。
じゃあ見なきゃいいじゃんと言われればそれまでなんですが、決して嫌いではなく苦手なので。


冒頭からケンカ!ケンカ!ケンカ!のオンパレードです。
殴る音、蹴る音、血まみれの顔、フラフラの体。ディスコードで歪んだギターを掻き鳴らす向井秀徳の音楽。
既に拒否反応を起こしていました。
しかし人間とは不思議なもので、その場に長くいることで、この一連の暴力描写に慣れていき、やがてケンカの仕方といった細かい部分に目がいき、かっこ悪く見え始め滑稽と感じ、しまいには笑ってしまうという事態に陥るほど。
やべー感覚が麻痺してきてる、やだなぁ、と思いつつもマジマジと見てしまう自分がホント不思議でしょうがなかったです。





静と動が呼応する演技

話云々よりもまず評価したいのは役者たちの演技。
泰良演じる柳楽優弥は、劇中ほとんどしゃべりません。いっその事一言も言わなくてよかったんじゃね?と思ったりもしますが、
楽しければそれでええけん
このセリフは言わなければいけなかったし、凄まじくかっこよかったですね。
これ以外は大したセリフなどなく、目で顔でといった表情と、拳で観衆に見せつけるわけです。
それで圧倒的なインパクトを残すのだからすごい。
クローズEXPLODEの時もそうでしたが、ケンカのスイッチが入った時の闘志剥き出しの顔が非常に狂気に満ちていて恐ろしかったですねー。
逆にケンカ以外の時の無表情と不敵な笑みがまたよく、殴りたくてウズウズしてるのか生きている心地がしないのか、君が悪かったです。


裕也演じる菅田将暉は、序盤こそ屁っ放り腰でナヨナヨした、いざという時何もできない普通の高校生を素で演じているかのようなヘタレっぷりでしたが、
泰良という相棒を手に入れてからの弱者のみの暴挙な振る舞いや、
犯してしまった罪に気づいたあとの絶望感、とにかく言いたい放題やりたい放題のワガママ自己中クソ野郎にまで落ちぶれた男がホント胸くそ悪くていい演技してましたね。


那奈演じる小松菜奈も、感じの悪いキャバ嬢が人質になった時の泣いて喚いての恐怖感、気がついたら共犯になってしまった時の開いた口が塞がらないやっちまった表情、腹を括ってアクセル全開で車を走らせる覚悟を決めた表情、これまで虐げられた行いに対して鬱憤を晴らすかのような捲したてる言葉、そして被害者ヅラして様子を伺う目の動き。
これら全てをうまく使い分けた技術もさすがでした。ただのモデルじゃなかったんすね。




誰もが狂気を潜めてる

泰良は、終始顔色を変えずケンカの相手を探しては挑み殴り合い、倒れたとしても立ち上がりまたそいつに挑む。それをひたすら繰り返していました。
3回までは挑むというルールを自らか課し、道端でバテようが鼻が折れようが歯が欠けようが時間を置いてから挑み、容赦なく殴る。
どうしてそんな風になってしまったのか、そんな人生に後ろめたさはないのか、そんなことなど一切語られずケンカに明け暮れるので心情はわからないし感情移入など全くできなかったので勝手な推測ですが、
ケンカの時以外は無表情を貫くのを見ると、ファイトクラブのように殴り合ってる時が一番生きている感じがするように見えました。
サイヤ人かおまえは。

そんな狂気剥き出しの泰良に比べ、裕也はまだ自らの狂気に気づいていない普通の高校生でした。もちろん、泰良に会うまでは。
きっと、退屈な毎日だったのでしょう。最初こそビビっていましたが、泰良の本能の赴くままに突き進む行動に感化され、彼の狂気が覚醒していきます。
ただ、彼の場合は女や老人といった弱者にのみ発揮されちょっと強そうなあんちゃんが出てこようものなら泰良の出番といったように狡いしズルい。
その場にいる時は楽しかったのでしょうが、いざ罪の大きさに気づきはじめるとまた別の狂気が覚醒します。
全てはおまえが全部やったことだ、オレは関係ない、どうしたらいいんだこれから俺の人生!
強者に手を出せない裕也は、今度は弱者である人質の那奈を標的にしはじめます。
いかにも子供らしい、考えの浅い幼稚な行動が結果彼を狂わせていったわけです。
その分一番腹がたつキャラであり、わかりやすい性格だったので心情もはっきりと伝わりましたね。


人質になってしまった那奈もまた、日常に刺激を求め万引きを繰り返したり、同僚のキャバ嬢をいじめたりとしていましたが、
人質となり、逃げ場を失ったことで狂気
が覚醒します。
極限状態から放たれたその狂気はある意味一番恐ろしく、その行動と言動が全てを物語っていて、彼女が狂気と共に兼ね備えていたしたたかな部分が終盤見えてしまうのがまた恐ろしかったです。


泰良の弟もまた潜んでいた狂気が開花しそうになっていました。
友人と街へ出ると、兄がいた形跡を見つけ兄探しに夢中になる弟に、友人は当初の計画がずれたことに腹を立て、親の悪口を言い始めたことにキレる弟。
友人の悪業はそれに留まらず、家に押しかけイタズラを仕掛ける。
感情が爆発し鉄パイプを握りしめ追いかけるが。
弟の場合、兄と自分を隔てるものがあったり、彼の行動を止める者がいたりといった演出があることで、
理性の向こう側にはいかない人間として描かれています。
これもまた兄と弟でいい比較対象になっているのではないでしょうか。






三者三様の秘めた暴力性の背景には、日常に対するフラストレーションがあったからでしょうか。
何かを境に理性なんか吹っ飛んでしまう狂気。
その一線を超えなければ理解できないのかもしれない。
おそらくその手前で踏みとどまっている私には、理解するには難しいかもしれません。


うーん、うまくまとまりません。
きっとそんなに面白くなかったという現れですww
昨日見た海よりもまだ深くと対極の作品だっただけにせっかくの週末が後味悪くなってしまった…。

とにかく役者はすごいのは伝わった。問題は題材で私には合わない作品でした。
監督には次の作品は全く別のジャンルで見せてほしいと思います。

満足度 ☆☆☆★★★★★★★3/10