モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「お嬢さん」感想ネタバレあり解説 パクチャヌク流官能小説の出来上がり!

3月5日

お嬢さん

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年一ペースで見る韓国映画。今年はなんか豊作の予感がします。しかも最近見た「オールドボーイ」に感激したタイミングでパクチャヌク監督の新作公開という偶然。

 これは見ないわけにはいかない!ということで早速鑑賞してまいりました。

 

 

 

 

 

作品情報

「オールドボーイ」でカンヌ映画祭グランプリを獲得した監督が手掛ける新作は、「このミステリーがすごい!」1位を獲得したサラ・ウォーターズの「荊の城」を原作に映画化。

R18指定ながら韓国で大ヒットし、海外でも上映。累計500万人以上を動員。賞レースでもナショナルボード・オブ・レビュー賞トップ5を皮切りに数々の賞レースで話題となりました。

美しく純真なお嬢様の財産を狙う男女の騙しあいが今始まる。

 

荊[いばら]の城 上 (創元推理文庫)

荊[いばら]の城 上 (創元推理文庫)

 
荊[いばら]の城 下 (創元推理文庫)

荊[いばら]の城 下 (創元推理文庫)

 

 

 

 

あらすじ

舞台は1939年の朝鮮半島。支配的な叔父と、膨大な蔵書に囲まれた豪邸から一歩も出ずに暮らす華族令嬢・秀子(キム・ミニ)の元へ、新しいメイドの少女スッキ(キム・テリ)がやってくる。

実は詐欺師一味に育てられた孤児のスッキは、秀子の莫大な財産を狙う詐欺師(ハ・ジョンウ)の手先だった。

詐欺師は「伯爵」を名乗り、 スッキの力を借りて秀子を誘惑し、日本で結婚した後、財産を奪う計画だ。

スッキはメイドとして屋敷に入り込むことに成功するが、秀子お嬢様に使えているうちに、美しく純真で孤独な秀子に惹かれていく。

そして秀子も献身的なスッキに心を開いてく・・・。そして物語の幕開けから60分、われわれは予想だにしなかった展開に目を見張ることになる・・・。(HPより抜粋)

 

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監督

監督は韓国が誇る名監督パク・チャヌク。

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実は監督登壇の試写会に当選してたんですが、仕事で間に合わずお目にかかれなかったんです。非常に悔しかった・・・。

韓国では作るたびに軒並みヒット!というイメージ。実際にそうなんでしょうけど。最近はハリウッド映画にも進出し今後の活躍が期待されます。

そんな監督の代表作を簡単にご紹介。

月は・・・太陽が見る夢」で監督デビューし、4作目として手掛けた作品で、南北分断の象徴である北緯38度線上の共同警備区域で怒った射殺事件を描いたヒューマンポリティカルサスペンス「JSA」が当時の韓国歴代収入を塗り替え話題になりました。

その後も、強烈で冷酷なスタイルで制作し続け、理由もわからぬまま15年ものあいだ監禁させられた男の復讐への末路をユーモアも交えながら描いたサスペンス「オールドボーイ」は、カンヌ国際映画祭で審査委員長を務めたタランティーノ監督に絶賛され見事グランプリを獲得。

聖職者でありながら吸血鬼となってしまった男が、人妻と恋に落ち、欲望と信仰に挟まれながら葛藤し、罪を重ねていく様をユーモラス且つグロテスクで官能的に描いた「渇き」でもカンヌ国際映画祭にて審査員賞を獲得。世界でも堂々と渡れる実力を得ました。

その実力を買われハリウッド映画にも進出。18歳になった少女の前に消息不明の叔父が現れ、次々と不可解な事件が発生していく、監督お得意のサスペンス「イノセント・ガーデン」などがあります。

 

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キャスト

財産を狙われる秀子お嬢様を演じるのはキム・ミニ。

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韓国の俳優たちまではおいらくわしくありません・・・。特に女優。全員同じ顔に見えて区別つかないんだよなぁ。やはりこの方も整形なんでしょうか。なんて失礼なおれ。

高校時代にスカウトされモデルから女優へと成長した方だそうで、代表作に宮部みゆき原作の小説を映画化した、「火車 HELPRESS」、ロカルノ映画祭で金豹賞を受賞した「今は正しくあの時は間違い」で主演と、女優でも結果を残しながらファッションリーダーとしても活躍しているそうです。

 

 

お嬢様に仕えるメイド、スッキを演じるキム・テリ。

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今回の映画で監督はこの役を無名の新人に充てることを望んでいたようで、1500分の1の確率で見事オーディションを勝ち抜いた女優さんだそうです。

激しいシーンもあるのでどれだけの演技をするのか楽しみです。

 

 

詐欺師として藤原伯爵と名乗る男を演じるのはハ・ジョンウ。

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ハイこの方は知ってますよ~!!ようやく出てきた。「悲しき獣」や「ベルリンファイル」でガンガンアクションをし、インパクトのある演技をされてました。どこか寂し気な眼差しが、スクリーンから哀愁を漂わせ感情移入させてくれる俳優さんだと思います。

 

そんな彼の代表作はというと、ナ・ホンジン監督作品に出演することが多く、風俗店を経営する元刑事と連続猟奇殺人犯との緊迫の攻防をパワフルかつスピーディーな演出で描いた「チェイサー」や、ある目的のために韓国へ密入国した男が残酷な運命に翻弄され、墜ちるところまで落ちていく様を描いた「悲しき獣」の2作に出演。

他にも、東西に分かれていたドイツ・ベルリンを舞台に監督と北朝鮮の秘密諜報員たちの攻防を描いたアクションサスペンス「ベルリンファイル」や、日本統治下の朝鮮半島を舞台に、祖国のために暗殺計画に身を投じる3人の男女の運命と、それを阻止するために暗躍する男の行方をスリリングに描いた「暗殺」などに出演しています。

 

 

 

叔父の上月を演じるのは、チョ・ジヌン

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この方も存じ上げません。まだまだだなぁ・・・。

今回初めての老け役だそうで、18キロの減量とがっつりメイクで演じたんだとか。

韓国裏社会を舞台に生き残りをかけた2人の男の運命をシニカル且つスリリングに描いたクライムドラマ「悪いやつら」が有名なところ。今作で共演しているハ・ジョンウも出演しており、2人は「暗殺」でも共演しています。

 

 

 

 

 

 

 

この4人がどんな騙しあいを繰り広げるのか、そしてどこまでエロスを出してくるのか、60分後から始まる予想だにしない展開とは?見どころありそうです!!

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

エロとゲスと日本と韓国とミステリーとコミカルが混ざり合ってお腹一杯な映画でした!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二転三転と騙されます。

まだ韓国が日本の統治下にあった頃、小さいころから屋敷の外に出たこともないまま育ったお嬢様の莫大な資産を巡って、詐欺師と、その仲間の侍女、おのれの監視下に置きたい叔父の4人を中心に騙し合いを繰り広げるエロティックサスペンスミステリー。

 

構成としては3部からなる話になっていて、第1部ではスッキの視点で物語は進みます。

彼女が今の身分から解放され、遠い国で優雅に暮らしたいと願う理由から始まり、詐欺師と結託してお嬢様を騙すつもりが、徐々にお嬢様の美貌にのまれ、その孤独さに同情しやがて恋に落ち・・・。

第2部では秀子お嬢様の視点から描かれ、1部とほぼ同じ展開の裏側を見せながら伏線の回収、さらなる騙し合い、秀子お嬢様の過去が描かれていきます。

そして第3部では、1部のラストの衝撃と、2部での大どんでん返しのその後、大いなる復讐ミッションが描かれます。

 

1部ではスッキの感情が徐々にお嬢様に傾いていくにつれ、スッキ同様詐欺師を疎ましく感じるなど、気持ちは完全にスッキと同じ状態。

お嬢様に対する純粋な思いと当初の目標の狭間で揺れ葛藤するスッキに、共感しました。だからこの1部のラストが衝撃過ぎて!!!

えっ!?ウソーーーーっ!!

で第2部の始まり。いやぁてめこらふざけんなよ!!そういうことだったのかよ!!あーー!!むきーーーー!!って。

1部のラストの時点で核心に触れるので伏せなきゃいけないこの歯がゆさ!

 

そして2部になると今度はお嬢様の壮絶な過去が明かされるんです。後で書きますけどこの馬鹿でクソでゲスでド変態なおっさんが、まぁあれこれさせるんです。折檻ですよ折檻。お嬢様が常に手袋してたのはこれが理由かと。

で、ここから急に下ネタガンガンぶっこんでくるんで、え~いいのこれ?と。

こんな小さな女の子にチ○○とかマ○○とか言わせちゃって。韓国の映倫大丈夫か?

 

なんでそんなこと言わせるのかっていうと、日本語を覚えさせて、日本の変態貴族野郎どものまえで官能小説を朗読させるため、という富裕層ならではの歪みに歪んだ性的嗜好がここで描かれてるんですねぇ。

しかも手に入れた小説に絵が描かれてたんですが破損、競りにかけて値を吊り上げるためにそこに描かれていた絵を体で再現するという徹底ぶり。

で極めつけは葛飾北斎のある絵が出てくるのですが、これがラストで出てくる地下室に繋がってきます。まぁこの地下室がお嬢様や叔母様が、当時お仕置きされた部屋なんですけども。・・・いやぁ引くわw

実は飾られている小道具からもエロに貪欲で好奇心旺盛な上月の変態性が見て取れます。

 

このようにお嬢様の過去と共に、上月の変態ぶりも明かされる第2部であります。

 

 

そして第3部。1部の本編に2部の回答が加わり物語は完結へと向かいます。

騙し合いに勝ったのは誰なのか。目標は達成するのだろうか。お嬢様は、スッキは、詐欺師はどんな結末を迎えるのか。ハッピーなのかバッドエンドなのか。

見て感じていただけたらと思います。

 

 

 

色々ごちゃまぜ。

何が驚くって、セリフの約半分が日本語ということ。特に前半は上月家のしきたりで日常言語は日本語を使わなくてはいけないということから、字幕を眺めながら鑑賞ということもなくすんなり映画にのめり込める。

だからといって全部が日本語じゃないというところもまたややこしい。韓国語やら朝鮮語やらが日本語と共に飛び交うことで、ごちゃまぜなセリフのオンパレードになっている。

もうひとつ役者たちの日本語レベル。優しい目で見れば、かなり流ちょうに喋っていて鼻につくほどのものではないが、いささか聞き取りづらいといった部分もしばしば。特にハ・ジョンウの日本語はボソボソ喋るのも手伝って、ものすごく聞き取りづらい。

この作品が飲み込めるか飲み込めないかは、ここが分かれ目になるんだと思います。

 

 

そして何がごちゃ混ぜって、屋敷がごちゃ混ぜ。

日本の和式を取り入れた外観かと思いきや、中は規則的かつシンメトリーな構造の西洋風で、その中にしれっと韓国スタイルが連ねる。

当時の西洋かぶれの日本を意識した造りとでもいうのかな。個性的なのか独創的なのか、ただの変態なのか。

このように上月が韓国人にもかかわらず、日本に対し憧れを抱いてることがこの辺りから読み取れるかと思います。

で、このおっさんは日本のある部分にも憧れを抱いてたわけですね。

 

 

この変態がっ!!

上月はガチの変態野郎でした。

上でも書きましたが、秀子と秀子の叔母に、官能小説を日本人の富裕層連中に読ませ、挙句の果てにはお仕置きと称し地下室で、春画のようなことをさせてたんですね~。

佐々木のばあさんにも手を出してたかないとかいってたなぁ。

 

最初、朗読の時間だからといって部屋を出るお嬢様。スッキに時間通り来なさいといったのには地下室での自分を見られたくなかったからなんですね~。

たくさんの書物が並んだ部屋の入り口には蛇の置物。上月が筆を舌でなめるせいで、真っ黒なベロ。睨みつける目。お前は蛇そのものだ!

そんな上月の性癖が明かされる第2部では、秀子を使って日本人たちのケツを鞭で叩かせたり、小説を読ませたり、画の再現をさせたりとやりたい放題。いやぁ悪趣味。

てか韓国と日本では断然日本の方がエロいんですかね?

まぁその辺はわかりませんが、こいつのやってきたことはゲスでしたねぇ。

 

 

エロティックが描写が美しい。

この話に欠かせないのはエロ描写。がっつり絡むシーンもあれば、間接的に見せるエロスもたくさん。

例えば、お風呂に入るお嬢様に飴を舐めさせ、奥歯が引っ掛かると言うお嬢様の歯を削るスッキ。最初こそ削るのに一心だったスッキが、徐々にお嬢様の裸体に気を取られ心を掻き毟っていく描写はドキドキもの。

他にも、美術の時間モデルにしていた桃を豪快に頬張る詐欺師。会場では思わず笑いが出ましたが、その時の飛び散る桃汁がきっとおかしかったんでしょう。だってあまりにも飛び散るからさwでもこれもエロスとしての表現の一つですよね。で、放ったセリフが「機は熟した」ですからw(ちなみにスッキとの合言葉です)。

それから、ワインの口移しもいやらしかったし、水槽の大ダコ、ドレスのインナーをきつく締める編みこまれた紐。

極めつけはスッキとお嬢様のラブシーン。個人的には「アデル、ブルーは熱い色」の方がドキドキしたんですが、こちらも情熱的で妖艶で2人が性を解放している様が美しかったですね。お嬢様の天性の才能が爆発します。

 

 

まとめ

肝心の内容をちょっとでも書くと核心に近づいてしまうがゆえに、深い部分まで伝えられないのが残念ですが、メッセージとしては、女性が抑圧された世界から解放されることを願った作品なんだろうと。時代的にも男尊女卑が強かっただけに、虐げられている描写が多い分、そこから解放された時の笑顔がまぁ素敵で。

もちろんたどたどしい日本語で笑うもよし、エロテッィクな描写にドキドキするもよし、謎解き中心に見るもよしと3拍子揃った内容です。長尺ではありますが、ラストに向けての展開にカタルシスが生まれることでしょう。どこを見逃してもいけません細かいカットに色々伏線が隠れていますよ!

というわけで以上!あざっした!!

 

 

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10