モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「NERVE/ナーヴ」感想ネタバレあり解説 俺はこんなゲーム絶対やらない!

NERVE ナーブ 世界で一番危険なゲーム

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若者の底なしの欲にとんでもない代償がついてくるという、現代のネット社会を反映した青春スリラーサスペンスです。

 とりあえずまだお正月ムードというのもあり大作映画に人気が集まる中、こういうサクっと手軽に見れそうな作品が案外面白かったりする。・・・だろうと思い、見に行ってまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

作品情報

YouTubeから一躍トップスターになったジャステインビーバー。彼に続けとばかりに自撮りや映像をアップして自分をさらけ出すことに何の抵抗もない現代の若者たち。

 そんな若者たちに警鐘を鳴らすかのように、自分を撮影しながら遊ぶネットオンラインゲームで一攫千金をもくろむ男女二人組と、匿名性を武器に容赦なく煽るネットユーザーたちの攻撃などといった、ネット社会の恐怖を描いた青春スリラーです。

 

 

あらすじ

 

ヴィーことヴィーナス(エマ・ロバーツ)は、Facetimeしてきた親友シドニー(エミリー・ミード)から多人数参加型ゲーム「NERVE/ナーヴ」のことを教えてもらう。


そのゲームとはサイトにアクセスした人がそれぞれ「挑戦者」と「視聴者」のどちらかを選択し、「視聴者」は視聴料金を支払い、「挑戦者」は「視聴者」たちが出す指令に「やる」「やらない」を選択できる。視聴者数をもっとも集めた「挑戦者」2人が最終的に決戦に挑み、大金を手にするというものだった。


地味なヴィーはゲームには無関心だが、あることをきっかけにゲーム「NERVE/ナーヴ」にアクセスし、「挑戦者」を選択。
しかしそれは自動的にネット上にあるヴィー自身の情報をすべてオープンにする危険なアクセスだった…。

 

挑戦者に課せられた3つのルール

  1. すべての挑戦は「挑戦者」自身の携帯で撮影する。
  2. 挑戦に失敗もしくは棄権した場合、それまでに手にした賞金は没収される。
  3. 「NERVE/ナーヴ」のことを警察に言ってはならない。

 

「NERVE/ナーヴ」の3つのルールを提示されたヴィーに与えられた挑戦は〈ダイナーで知らない男性に5秒間キスすること〉。仲良しのトミー(マイルズ・ハイザー)に撮影を頼んだヴィーは、 彼女の愛読書であるヴァージニア・ウルフの「灯台へ」を読んでいた青年イアン(デイヴ・フランコ)にキスをする。


実は彼もまた「挑戦者」であることを知る。1度だけの挑戦で終わりにするはずだったヴィーだが、イアンに課せられた〈ヴィーとコンビを組み15分以内に市内に到着する〉という挑戦に協力し、マンハッタンに。


イアンのバイクを降りたヴィーが家に戻ろうとすると、スマホに新たな挑戦指令が届く。ヴィーとコンビで挑戦する事を強いられたイアンは、ヴィーに頼み込み二人で挑戦をこなしながら人気ランキングを上げていく。


そんな中でヴィーは過激化していく「NERVE/ナーヴ」を終わらせるべく、近くに駐車していた警察官に「NERVE/ナーヴ」の事を話してしまう。ルールを破り、密告者となったヴィー。

すると途端にヴィーと母親の共通口座から貯金全額が消失し、ヴィーは「挑戦者」タイ(コールソン・ベイカー)に殴られて気を失うことに。
一方、ヴィーを心配したトミーはハッカー仲間の助けを借りて、イアンの身元を調べるうちに、彼が「NERVE/ナーヴ」のリピーターと知り…。(HPより抜粋)

 

 

 

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監督

この映画を手掛けたのは、ヘンリー・ジューストアリエル・シュルマンという監督コンビ。

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え~右がヘンリーで左がアリエルです、多分。

ということで誰だか知りませんw

どうやら2006年からこのコンビで映画製作をしてる人たちだそうです。映画製作と並行して、CMや短編映画なども手掛けており、ちょこちょこ受賞されるほどの実力を持っているようです。

 

で、2人がどんな映画を作ってきたのかというと、世界的にブームとなったホラー映画シリーズの第3弾で、前2作で起きた数々の超常現象の真相を、当事者である姉妹の幼少期の映像から紐解いていく「パラノーマル・アクティビティ3」、そしてその続編「パラノーマル・アクティビティ4」と2作連続で監督を担当しています。

 

また待機作として、1月にヒューマントラストシネマ渋谷で行われる毎年恒例のイベント「未体験ゾーンの映画たち2017」にて上映予定の作品で、謎の寄生虫に取りつかれた町の人々の恐怖を描いたサスペンススリラー「ヴァイラル」が控えています。

 

 

パラノーマルシリーズは1本も観たことないのですが、ホラーもの、サスペンスものを軸に製作してるというのが過去作、待機作から読み取れます。

今作もグロさはなくとも、心理的に怖そうな演出をしてくれる予感がします。

 

こちらの作品もどうぞ。

 

www.monkey1119.com

 

 

 

 

キャスト

主演のヴィーナスを演じるのはエマ・ロバーツ。

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つい先月に初めて「なんちゃって家族」を鑑賞しまして。娘役を演じたコだぁ~れ??かわいいぢゃん!!と興味を持ったわけです。そんな中彼女の新作がやるって事で。

要するにこの映画を見たい理由のひとつに彼女が入ってるってことです。

 

実は彼女、大女優ジュリア・ロバーツの姪っ子とのこと。そしてお父さんのエリック・ロバーツは「ダークナイト」でジョーカーと手を組むマフィア役や、最近では「インヒアレント・ヴァイス」で不動産王役を演じたりと脇役として活躍しています。

 

そんなハリウッドスター一家な彼女がどんな作品に出ていたのかというと、子役からスタートし、映画デビューしたのはジョニーデップ主演の「ブロウ」でデップーの娘役として出演したのが最初だそうです。

 

その後も様々な作品に出演しキャリアを重ねていきます。

最近では、将来に悩む少年と、クラス一の美少女との友達以上恋人未満な関係を綴った青春ラブストーリー「最低で最高のサリー」や、

麻薬密売する男が、トラブル解消のためワケアリ男女3人を引き連れ、偽装家族として麻薬を運ぶための危険な旅に出かける、下ネタ満載のコメディ映画「なんちゃって家族」などに出演しています。

 

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 いやぁこれナメてました。おバカで下品、だけではない!家族にうんざりしていた奴らが、家族の大事さに気づいていくハートフルな面も持ち合わせていて、最後は爽快でした。ジェニファーアニストンは最近こんな映画ばっかりじゃね?

 

 

 

 

相棒イアンを演じるのはデイヴ・フランコ。

 

ヨシズミもびっくりなぶっといマユゲの持ち主であるデイヴくん。

大体いつも脇役でみかけるけど相手役での出演作は初めてかも。というか、30歳超えてるのに、いつまで学生役やるつもりなんだい?

なんと彼の家族もハリウッドスター。そうお兄ちゃんは「127時間」「猿の惑星創世記」のジェームズフランコであります。

かつて兄弟で監督と主演した映画もあるほど仲が良いようです。

 

そんな彼がの出演作はどんなものがあるかというと、青年犯罪を撲滅するため、おバカな警官コンビが高校の生徒に扮し潜入捜査をするアクションコメディ「21ジャンプストリート」でクスリをばらまく高校生ディーラー役として出演し有名になります。

 

その後も、静かに穏やかに暮らしたい夫婦ととにかく毎日バカ騒ぎしたい学生たちが、お隣さん同士になったことで、壮絶なバトルへと発展していくコメディ映画「ネイバーズ」、

大胆なイリュージョンで犯罪を重ねる4人のマジシャンと、彼らの犯行の阻止をするべく追いかける警察との攻防を描いた人気シリーズ「グランドイリュージョン」でトランプを自在に操るマジシャン、ジャック役として出演しています。

 

よろしければこちらもどうぞ。

 

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というわけで、七光りでなく実力で主役の座を射止めた2人が魅せる、一度やったらヤミツキになる!?ネットゲームで待ち受けるものとは何なのか?

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

SNSを駆使したこれぞ現代の映画!そしてヴィーのシンデレラストーリーだった!!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

90分でサクッとビビって楽しめる!

まずは率直な感想を。

配給が「ハンガーゲーム」や「グランドイリュージョン」、「メイズランナー」、

トワイライト」シリーズといったヤングアダルトものばかり手掛けるライオンズゲートということだけあって、若者を題材にした、若者の若者による若者のための映画だったように思えます。

 

それもそのはずSNSを活用するのは10代が中心だし、日常生活においてどれだけ重要なものか、そしてどれだけ危険なものかというのを描いていました。

 

派手に遊んでる親友に比べ、意中の男の子に声すらかけられない地味な女の子(どう見ても可愛すぎて俺だったら声かけちゃうけどなっ!!)が、ネットオンラインゲームでヤバイもんに手を出しちゃったけど、そのハラハラドキドキのヤバさに、彼と共に危険な冒険をしていくうちに吊り橋効果が発生、一夜にして彼をゲット!金もゲット!将来への道もゲット!なシンデレラストーリーにしちゃあ出来すぎな映画でした。

 

 

だからといってつまらなかったわけじゃなく、間延びもしないし無駄な部分もほとんどない、よくできた映画だったと思います。

 

その理由として挙げるならば、終始ギアが上がりっぱなしの疾走感と目をつむりたくなるような緊張感が漂う展開!

 

そしてEDMを主体としたアゲアゲなBGM!とスマホやPCを多用したスムーズでスピーディーなやりとり。海外TVドラマ「24」でジャックバウアーの携帯の電池残量に疑問を感じちゃうような人はぜひ無視してくださいw

なんてったって一夜の物語ですから、バッテリーは持つ、はず。

 

さらにこの映画の根底にあるのが、ネットでの匿名による高まる攻撃的な欲求とそれによって起き得る問題。

これをしっかりメッセージとして描かれていたのではないでしょうか。

 

正直胸クソが悪くなる人もいると思います。

有名になりたくて顔をさらして、モラル無視して公共の場で迷惑極まりない行為を続ける人たち。

それに対して顔も出さず石を投げたり煽るネット住民。

果たしてどちらが悪いのか。

そんなことも考えながら見るのも面白いかもしれません。

 

 

エスカレートするミッション

親友によって恥をかかされてしまったヴィー。

勢いでナーヴに挑戦者としてエントリーしたはいいものの、初めてのお題は「他人の男と5秒間キス」。

いやいやできるか~~~いww

 

だけど、もう地味な女じゃない!

自信のない女の子じゃない!

やればできる子なの!

そう息巻いて訪れたダイナーでぶっちゅ~しちゃいます。

 

一応好きな本を読んでるって理由でその人を選びましたが、それまでかなり相手選んでましたよね・・・。

 

はぁ~とため息つきながらも100ドルゲット!!と勇気を振り絞った分疲れ果てた途端店の中でラブソングを歌う男。

さっきぶっちゅ~したゲジマユ坊主じゃん!

 

何と実は彼もナーヴの挑戦者でした。

イアンと名乗るその男性も視聴者から寄せられたミッションで彼女とキスすることに成功し、歌まで歌って賞金をゲットします。

 

 

そして次なるミッションは、「2人でペアを組んで市街地まで15分以内に行け」というもの。

 

仕方なく彼についていくヴィーは、次々出されるミッションに仕方なくチャレンジします。

高級ブティックで約4000ドルもする服を試着、一時のセレブ気分を味わっていたのもつかの間、服と財布が試着室からなくなるハプニングが!

 

なんと彼ら以外のナーヴの挑戦者が、衣服を奪うというミッションのもと遂行していたんですねぇ。

 

イアンも服を盗まれ、どうしようかと悩んでいると新しいミッション発動!

今すぐ店から出ろ」との指令が!

いやこれきて出たら万引きじゃん!

どうすんのさ!

 

視聴者たちはリアルタイムで見ているから挑戦者がどうなったら困り、どうなったら焦るか、手に取るようにわかっちゃうし、結果その姿を見て楽しむという最低なガヤなわけです。

 

それでも機転を利かし、恥を覚悟で下着姿で店を飛び出します!

なんとか外に出ることに成功した2人に近くで見ていた視聴者から拍手喝采!

 

ランキングもぐんぐんと上昇し人気はうなぎのぼりに。

夜だけに皆さん時間があるんでしょうね、うわさがうわさを呼びどんどん視聴者が増えていく。

そうなると匿名をいいことに危険極まりない要求するバカもふえてくるんですよ。

 

 

とうとうやばいミッションが発動します。

それは「目隠ししてバイクに乗り、時速96キロを出せ

アホか、これこそできるか!?

 

もう異常ですよ、このゲーム。

管理者さんいいんですかこんな度を越えたゲームになっても。

 

なんでもかんでも束になったら止めることは難しいんですかね。

これダメなヤツじゃない?って声もかき消されちゃうんですかね~。

 

とか思ってるうちに制限時間が迫ってきます。

棄権すればいいじゃない!?いやそしタラ今まで稼いだお金がパァ~になっちゃうんですよ!!

いやいやだからって今までの苦労が水の泡になるのはイヤ!

意を決してミッション遂行!

果たして彼らの運命は!?

 

 

最初の辺りはかわいいもんですよ。

チューしたり、裸で外へ出たりなんて。

 

でも中盤辺りからこの目隠し走行でヒヤヒヤしだし、このあと地上10階にはしごをかけて隣のマンションに移動するなんてミッションは怖くて見てらんないです

ザ・ウォーク」の綱渡りを思い出しちゃいましたよ。

 

極めつけは工事中の高層ビルのクレーンに片手でぶら下がるという、死と隣り合わせ度数99%な指令まで出てきますから。

怖いなぁ怖いなぁです。

 

 

 

SNS描写が巧い!

冒頭ヴィーがPCを起動するところから始まるんですが、まず立ち上げたら音楽です。

もちろんSpotifyです。

日本じゃGooglemusicかLINEmusicなどの定額制かもしんないけど世界はSpotifyですよ。

無料でストリーミング音楽です。

私もこれ書きながらこの映画のサントラをSpotifyで聞いてます。これいいですよ~特に洋楽好きにはもってこい。

 

そんなトレンドをきちんと取り入れ、カメラの目線をPCやスマホをいじってる人で固定したり、時には画面の中から人物を見てるような目線を、巧みに切り替えて映しています。

 

他にも、GoogleMapを意識した街並みにユーザーIDを示す座標を上空から映したり、Facetimeやスカイプといったチャット、メールのやり取りもスクリーンに表示したりとあらゆる部分で普段使っているネット技術をふんだんに使って演出しています。

 

 

一番気持ちよかったのはエンドロール

エンドクレジットをyoutubeやよく見かけるサイトの構図、マインスイーパといった定番ゲームなどで表記するあたりに、監督の遊び心が見えた気がして最後まで楽しくみることができました。

 

例えると「バクマン。」のエンドロールでコミック単行本でスタッフクレジットを流すアレに似たような感じ?

いや「モテキ」のエンドロールのほうが近いか。

あっちはネットだったし。

だから大根仁もきっとこの手の映画作るときは同じことするんだろうな、とふと思いました。

 

 

 

 

最後に

結末をさらぁ~っとネタバレしちゃいましたが、ご安心を。

予告編で映っていることが8割でそのあとのクライマックスに意外性などほとんどありません。

 

だからってレンタルでいいや!なんて思わずに、その息が詰まるような緊迫した描写にドキドキしたり、これを見てネットリテラシーなんかを学んでいただきたいですね。

特に善悪の分別が乏しい10代の若者たち!

 

いや、それ以上の、コンビニのおでんをツンツンツンツンツンツンしちゃうような人とか、チェーンソーもって宅配事業所に脅しに行くことに悪意を感じない、大人の世代の方にも。

というわけで以上!あざっした!!

あ、今年から満足度の基準を上げていこうと思います。

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10