モンキー的映画のススメ

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モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「沈黙‐サイレンス‐」感想ネタバレあり いつも一味違うスコセッシ作品に感服!

ヒューマンドラマ

1月21日

沈黙 サイレンス

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スティーブンセガールの代名詞ともいえるあの「沈黙」シリーズが完全リブート!しかも監督はハリウッド映画の巨匠マーティンスコセッシ!!

 というこのネタ、はたして何人の人が書くのかww

セガールは一切関係ありませんが、スコセッシ監督の新作映画ってことは間違いありません。今のところ賞レースであまり名前を見ないのが残念ですが、日本人キャストがハリウッド映画に出るということ、しかもスコセッシの作品てだけでものすごくうれしい。

そんな気持ちで早速見てまいりました。

 

 

 

 

 

 

 

 

作品紹介

戦後日本文学の金字塔として世界でも読まれている遠藤周作原作「沈黙」。この本に出会い、強く映像化を熱望した世界の巨匠マーティンスコセッシがいくつもの困難を乗り越え実現した、監督渾身の作品です。

 

沈黙 (新潮文庫)

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あらすじ

17世紀、江戸初期。幕府による激しいキリシタン弾圧下の長崎。日本で捕えられ棄教 (信仰を捨てる事)したとされる高名な宣教師フェレイラ(リーアム・ニーソン)を追い、弟子のロドリゴ(アンドリュー・ガーフィールド)とガルペ(アダム・ドライバー)は 日本人キチジロー(窪塚洋介)の手引きでマカオから長崎へと潜入する。

日本にたどりついた彼らは想像を絶する光景に驚愕しつつも、その中で弾圧を逃れた“隠れキリシタン”と呼ばれる日本人らと出会う。それも束の間、幕府の取締りは厳しさを増し、キチジローの裏切りにより遂にロドリゴらも囚われの身に。頑ななロドリゴに対し、長崎奉行の 井上筑後守(イッセー尾形)は「お前のせいでキリシタンどもが苦しむのだ」と棄教を迫る。そして次々と犠牲になる人々―

守るべきは大いなる信念か、目の前の弱々しい命か。心に迷いが生じた事でわかった、強いと疑わなかった自分自身の弱さ。追い詰められた彼の決断とは―(HPより抜粋)

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監督

監督はアカデミー賞常連のマーティン・スコセッシ。

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ちょうど2年前この方はあのレオナルドディカプリオと共に「ウルフオブウォールストリート」という欲に目がくらんだ男の話を作り、大いに笑わせてくれたにもかかわらず、なんですかこの180度も違うテイストの作品は!素晴らしすぎるだろこのフットワーク。

でもさすがに2作連続でディカプリオとっていうのはなかったんですね~。

 

そんな多才を持つ監督もアカデミー賞常連とはいえ受賞するまでの道のりは長かった。数々の名作があるにもかかわらず、いつもほかの作品に賞を持っていかれ、70年代から活躍しているにもかかわらず初めて受賞したのは「ディパーテッド」での監督賞のみ。未だ作品賞は受賞しておりません。たくさん獲ってるイメージなんですけどねぇ。

 

そんな無冠、ではなく1冠の帝王が手掛けてきた作品をどれだけ見てるかといえば、何作も何回も見てはいますが未だ有名どころ止まりといったところ。2000年以降の作品は全部見てるんですけどね~古いのはまだ手を付けてないのがいくつかあります。

その中でも、冒頭映るぼやけたネオン街を見て一気にその世界観の虜になった「タクシードライバー」や、全編モノクロで一人のボクサーの栄光と挫折を描いた「レイジングブル」、そのレイジングブルで共演した二人を脇に置き、マフィアに憧れマフィアに生きた男たちの三重奏「グッドフェローズ」はやはり外せません。

ははは、全部デ・ニーロじゃねぇか!はい、でもジョー・ペシが好きです。今何やってんだろ。

 

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 ある意味ズッコケ三人組。

 

 

 

 

 

 

 

キャスト

司祭ロドリゴを演じるのはアンドリュー・ガーフィールド。

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ソーシャル・ネットワーク」や「アメイジングスパイダーマン」で一躍有名となった彼も、スパイディー再リブートのため役を降ろされ、最近はご無沙汰気味だったんですが、ここへ来て演技がいいと評判を呼んでいます

きっとこの演技も素晴らしいと思うのですが、今年の夏公開予定のメルギブソン監督最新作「ハクソーリッジでの演技が評価され、たくさんの賞でノミネートや受賞されています。現段階でゴールデングローブ賞をライアンゴズリングに獲られたものの、本命であるアカデミー賞では番狂わせがあるかもしれません。てかなんで授賞式でライアンレイノルズとキスしてんだよww

 

そんな俳優として脂がのってきた彼がどんな作品に出演してきたかというと、名優ロバートレッドフォードが監督・主演した社会派ドラマ「大いなる陰謀」で映画デビューします。

その後、マーク・ザッカーバーグフェイスブックを立ち上げていくまでにスポットをあてた青春群像劇「ソーシャル・ネットワーク」で共同経営者エドゥアルドを演じたり、過酷な運命を背負わされた少年少女が、それを受け入れながらも今をひたむきに生きていく姿を描いた「わたしを離さないで」で数々の賞にノミネートされました。

そしてその人気を武器に、アメコミの定番ともいえる超人気ヒーロー映画のリブート作品「アメイジング・スパイダーマン」で主人公ピーターパーカーを、時にアクロバティックに、時にセンチメンタルに、時にコミカルにとあらゆる顔で魅了してくれました。

 

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 2は大好き!!泣いちゃうし熱くなれます!!

 

 

 

 

 

 

 

ロドリゴと共に日本へと向かうガルペ役にはアダム・ドライバー。

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スターウォーズフォースの覚醒」のカイロ・レン役でお馴染みの彼。彼もまた大役を掴むまで小さな役をこなしながら実力をつけてきた一人。今後の飛躍に期待したいですね。

これまでどんな作品に出演してきたかというと、チョイ役ではありますが、立ち上げから最期までFBI長官を担ってきた男の伝記ドラマ「J・エドガー」や、アメリカ大統領エイブラハム・リンカーンがどのように奴隷解放という目標を達成したのかを紐解いた「リンカーン」といった大物監督作品に出演しています。

その後、うだつの上がらないフォークシンガーの1週間を描いた、個人的にも大好きな作品「インサイド・ルーウィン・ディヴィス~名もなき男の歌~」で低音を活かしたミュージシャンの役で出演していました。

そして一昨年、新たな伝説の始まりである「スターウォーズフォースの覚醒」でレン騎士団を束ねるフォースの持ち主、カイロ・レン役として一躍人気者になります。

 

てか今回のキャスティング、スパイディーとカイロレンが師匠のクワイ=ガン・ジンを探しに、池袋のキングに案内されるという、過去の役柄で妄想すると、いかにも愉快なキャスティング。そんな妄想など物語を観だしたら忘れるんでしょうけどw

 

 

 

 

今回江戸時代の長崎が舞台ということもあり(ロケは日本じゃないんですけどね・・・)、多くの日本人キャストが参加してることも話題のひとつとなっています。

かなりの人数が参加してるようなんですが、とりあえず公開前に発表されている、役名のついたキャストだけざっくり。

幕府の役人で主に通訳を担っていた通詞役に浅野忠信、ロドリゴたちを日本へ案内し、やがて彼らを裏切ってしまうキチジロー役に窪塚洋介、幕府大目付、井上筑後守役にはイッセー尾形、村人モキチ役に塚本晋也、村人イチゾウ役に笈田ヨシ、隠れキリシタンの村人役を、加瀬亮小松菜奈らが演じます。

 

個人としては窪塚洋介がハリウッド映画に出演、しかも重要な役どころを演じることが非常にうれしく、これを機に、向こうで活躍してくれないかなぁ、なんて淡い期待を寄せています。

 

おっと、ロドリゴとガルペの師匠にあたる宣教師フェレイラをリーアム・ニーソンが演じていることも忘れてはいけません!

 

 

 

 

 

 

 

といった日米豪華キャストで送る、長い歳月をかけてようやく実現した監督の渾身の1作。果たしてどんな物語なのか。

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想

あまりにもむごい描写!信仰とは何かを真っ向から描いたスコセッシの問題作!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

言葉が見つからない…

まずは率直な感想を。

 

ガンガンに暖房が効いた場内で、2時間40分もの間じっと座って鑑賞したわけですが、見終わった後の開放感に少しばかりの喜びと、言葉にならず放心状態でした。

そりゃあこんだけの長い時間集中してみてたってのもあるんですけど、スクリーンの中で繰り広げられる非情な拷問シーンだったり、それをまじまじと見なくてはいけないロドリゴの辛そうな顔、それとは真逆の美しい風景や風や波や虫の鳴き声という自然のBGMなどに圧倒された濃厚な時間でした。

 

また、宗教観の違い、真の信仰とは何なのか、大きな力を前に神に祈ることなど無意味なことなのか、カトリックに信仰の厚いスコセッシがここまで大きな問題を取り上げるとは思わず、色々と考えさせられた作品でした。

 

 

弾圧された長崎で行われていたこと

全編通してロドリゴの故郷への報告という形でナレーションが入る演出で物語は進んでいきます。

まるでその先の未来が見えないような深い霧が立ち込める山奥の村。隠れキリシタンたち村人は、夜な夜な集まって祈りをささげていました。そこへロドリゴとガルペは手厚く歓迎されるものの、見つかって密告されては困るので昼間は小屋の中で過ごすという日々を繰り返していました。

彼らも人間、我慢の限界から外へ飛び出し日光浴をしていると、村人に見つかってしまいます。どうやら長崎まで案内してくれたキチジローの計らいで訪ねてきた別の隠れキリシタンでした。村人たちは本物の神様に出会ったような顔で縋ってきます。

そんな彼らを見て、ロドリゴは自分がここへ来たことに使命感と意味を見出し、喜びをかみしめます。

だが、そんなつかの間の日々も、村人が奉行所の役人に捕まったことで暗雲が立ち込めます。キリシタンを見つけたものには銀をやるとお触れを出し、数日の猶予を与えます。自分が死んでもパライソ(楽園)にいける、ロドリゴたちがいるのだから信仰は死なない、その思いを彼らに託し、モキチたちは人質となり踏み絵をさせられます。

踏み絵に臨むも動揺を隠せなかったモキチたちは波打つ海の中で磔の刑にさせられます。隠れて神に祈ることしかできないロドリゴたち。その祈りもむなしくモキチは死んでいきます。

このままではもっとひどいことになると確信した二人は、二手に分かれて別行動を取ります。その道中でキチジローと再会しますが、彼に裏切られ役人に捕まってしまいます。

果たして彼の祈りは神に届くのか、神はこんなに悲惨な目に遭っている彼らをなぜ救ってはくれないのか、ロドリゴたちの行く末は。

 

キチジローの人間味

ロドリゴとガルぺを長崎まで連れてきたキチジローは、今作で重要な役を担っていました。キリシタン一家だった彼は、過去に踏み絵を強制され、自らの命を最優先に神に背き絵を踏んでしまいます。しかし、残りの家族は踏み絵をせず、藁でくるまれ体に火をつけられ死んでしまい、それからというもの孤独に暮らしていました。

その後もモキチと共に人質になっても躊躇せず踏み絵に応じたり、十字架に唾を吐いたり、ロドリゴを奉行所に密告したりと、キリシタンにもかかわらず簡単に裏切る行為を繰り返しています。

でもそのたびに彼はその罪を後悔しロドリゴに赦しを請う場面が幾度と描かれています。

最初こそ軽薄な奴だなぁと思っていましたが、この作品の中で彼が一番忠実なキリシタンだったのではないかと感じました。

他の者たちは頑なに進行を貫き、踏み絵に応じず命を落としていくわけだけど、自分の命ほど大事なものはないってわかってるんですよね。そして自分の弱さもわかってる。ロドリゴも裏切っては懺悔を繰り返すキチジローに苛立ちを隠せない様子が映し出されていて、彼もまた他の村人たち同様自分が正しい行いをすれば救われると信じて、棄教を拒んでいたわけで。

要は神だろうが何だろうが、僕は信じてますってことを外へ向けることが信仰なのでなく、心に秘めていれば誰からもそれを奪われることはないし、邪魔をされることもないことをキチジローは体現してたんですよね。

だからといって裏切ることは容易ではなかったろうし、きっと神は許してくれると信じてきちんとロドリゴの下へ訪ねるシーンから見ると本物のキリシタンだったんだなぁと。これがこの作品の答えなのかなぁと感じました。

 

役者陣がスゲェ。

とにかくこの映画で一番期待してたこと、窪塚洋介の演技、これですよ。やってくれましたね!キチジローというキーパーソンを見事に演じてくれました。一番純粋で人間臭い役柄を時に醜く時に愛しく演じられるのは彼しかいないだろう!と劇中で活躍する彼に一喜一憂してました。

上でも書いた通り裏切りと赦しを繰り返すだけでなく、徐々にロドリゴとの距離感も詰めていく、気持ちの切り替えが難しい演技だったと思います。しかもロドリゴはキチジローに対し終始受け身だったので、ハリウッド俳優相手に向かっていかなければならない、基本受け身な日本人としては難易度の高いものを要求されたんじゃないでしょうか。

他にも、中立的な立場でロドリゴを棄教へ追い込まなければならない通訳の浅野忠信も、同日鑑賞した「新宿スワン2」とはまた違った凄みを引き出して演じてましたし、モキチを演じた塚本信也監督も、磔の刑は実際波を食らってるそうで、その体を張った演技が素晴らしかったです。そして井上筑後守を演じたイッセー尾形。ネチッこいジジイでしたねぇ~wねちっこい上に元信者だからスキがない!ずる賢い!そんなお奉行様を見事に演じてました。腹立ったなぁ~。

 

で実は、今作主要キャスト以外にも著名な俳優陣がたくさん出演されてました。ガルペに女をねたんだ罪を告白した村の女役に片桐はいり、奉行所で村人たちに踏み絵をさせた役人役にEXILEのAKIRA、その奉行所でロドリゴの見張りをしていた男役に青木崇高、同じく奉行所に勤めている番人役に渡辺哲とプロレスラーの高山義廣、棄教したフェレイラが仏教の教えを学んでいるお寺の住職役に中村嘉葎雄、ロドリゴの妻役に黒沢あすかなど、ほんの一瞬の人もいればしっかりセリフもあって1シーンにしっかり出演してる人もいたりとその扱いは様々でしたが、いい存在感を残していたと思います。

結構冒頭で出てくる片桐はいりとか思わず、わっwと思っちゃいましたし。プロレスラーの高山がまさかのスコセッシ作品に出るなんてだれも予想してなかったでしょう。

 

 

 

最後に

非常にざっくりな感想ではありますが、見て損はない作品です。撮影場所は日本ではありませんが、美しい風景も拝めるし、静かな音に耳を澄ませ沈黙の先にある声を聞いてみてください。ただ長時間な故に淡々と描かれるのでコンディションを整えて肩ひじ張らずにリラックスして見ることを薦めます。疲れます

よく考えてください、あの巨匠が日本文学を映画にしたんですよ?日本を舞台にした話を作ったんですよ?こんなに誇らしいことめったにないでしょう?難しそうとか疲れるからやだとかじゃなく、これを見て人間の弱さに向き合ってみてはいかがでしょう?

というわけで以上!あざっした!!

満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10