モンキー的映画のススメ

モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「さよなら、僕のマンハッタン」感想ネタバレあり解説 ボンクラのぼくが、大人になるまで。

 さよなら、僕のマンハッタン

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500(日)のサマー」、「ギフテッド/gifted」のマーク・ウェブ監督の作品です。

 

マンハッタンのビル群に背を向け歩き出そうとするポスターの青年。

どうやら彼がこの場所で成長していく青春ドラマのようです。

 

 「マンハッタン」と言えばウディ・アレンが思い浮かびますが、彼が作るようなマンハッタンとはまた一味違うテイストのような気がします。

 

「500(日)のサマー」では、ロサンゼルスの美しい風景が一人の青年の恋模様を、時に優しく時に厳しく見守ったような画作りでしたが、今作におけるニューヨークは果たして。

 

早速鑑賞観賞してまいりました。

 

作品情報

 

「500(日)のサマー」や「アメイジング・スパイダーマン」など一人の青年が成長していく青春映画に定評のあるマーク・ウェブ監督が、10年の歳月を経て暖めてきた企画を満を持して映画化。

 

大学卒業を機に親元を離れた青年が、風変わりな隣人と父の不倫相手に出会ったことで、いつもとは違う日常を送り、やがて人生に変化が訪れていく姿を描く。

 

まだ何者にもなれていない青年が経験する、息苦しさからの脱却という大人への通過儀礼は、アメリカン・ニューシネマの傑作「卒業」を彷彿とさせ、見る者に大人でも子供でもなかったあの頃の気持ちと、人生の素晴らしさを思い出させてくれる。

 

また舞台であるNYの美しい街並みや、監督がチョイスする名所といったロケーション、サイモン&ガーファンクルボブ・ディランといった70年代を代表するフォークソングの劇中歌も作品を盛り上げてくれる。

 

ニューヨークの少年

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The Only Living Boy in New York (An Amazon Original Soundtrack)

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あらすじ

 

退屈だった僕のニューヨークライフ。

彼らと出会った日から、それは過去になった。

「人生に身を委ねろ。窓を見つけて、飛び出せ」

 

大学卒業を機にアッパー・ウエストサイドにある親元を離れ、ロウワー・イーストサイドで一人暮らしを始めたトーマス(カラム・ターナー)は、風変わりなアパートの隣人W.F.ジェラルド(ジェフ・ブリッジス)と出会い、彼から人生のアドバイスを受けることに。

 

ある日、想いを寄せる古書店員のミミ(カーシー・クレモンズ)と行ったナイトクラブで、父(ピアース・ブロスナン)と愛人ジョハンナ(ケイト・ベッキンセール)の密会を目撃してしまう。

 

W.F.の助言を受けながらジョハンナを父から引き離そうと躍起になるうちに、「あなたの全てを知っている」という謎めいた彼女の魅力に溺れていく。

退屈な日々に舞い降りた二つの出会いが彼を予想もしていなかった自身と家族の物語に直面させることになる・・・。 (HPより抜粋)

 

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監督

今作を手がけたのは、マーク・ウェブ監督。

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今作の脚本を10年も惹かれ続けた結果、ようやく作品にできた監督。

長年の思いが実り、撮影中はまるでバケーションのようだったと語っています。

 

「アメイジング・スパイダーマン」では、大きな映画だっただけに苦労もかなりあったそう。

そういう意味で今作はプレッシャーも感じず、開放されながら製作に望めたと仰っています。

 

舞台のニューヨークについても監督は、進化を続けているものの、驚くほど雑然とした部分があり、それでいて美しい街でもある。

人種や文化のるつぼというアメリカの側面を象徴しつつ、まったくダメな要素もある。それらが全て集約されていて、物語を描くにはピッタリの環境、とのこと。

 

監督に関してはこちらをどうぞ。

 

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キャスト

今作の主人公トーマス・ウェブを演じるのは、カラム・ターナー。

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いやぁ全然知らない俳優だなぁと思ってたら、「グリーンルーム」に出演してたんですね!気づかなかった・・・。

 

確かバンドメンバーだったと思うんですが、パンキッシュな役柄とは真逆の悩める青年として今回演じるようで。

 

そんな彼の出演作を簡単にご紹介。

モデル業から俳優へと転身した彼は、ケイレヴ・ランドリー・ジョーンズとともに出演したドラマ「クイーン・アンド・カントリー」で注目されます。

 

映画では、小さなライブハウスで凶暴なネオナチ軍団に監禁された売れないパンクバンドのメンバーたちとの壮絶な攻防を描いたサバイバルスリラー「グリーンルーム」、世界的大ヒットゲームを映画化した作品で、歴史の裏で対立してきた2つの組織の抗争に巻き込まれた男が冒険するにつれ覚醒していくアクション映画「アサシンクリード」などに出演しています。

 

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またハリー・ポッターシリーズスピンオフ映画の続編「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」では、主人公ニューとの兄、テセウス・スキャマンダーを演じています。

 

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奇妙な隣人、W.F.ジェラルドを演じるのは、ジェフ・ブリッジス。

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おお~、いつもロン毛で髭モジャの印象のせいで、あまり都会的な雰囲気を感じなかったですが、トレードマークともいえる顔周りをさっぱりするだけでこんなに変化しますか。

さすが役者です。

ついでに酒とタバコも断ったのかな?w

完全に「トゥルーグリッド」のせいだなw

 

キングスマン・ゴールデン・サークル」以来の作品になるのかな。

トーマスをどんな風に導くのでしょうか。楽しみです。

彼に関してはこちらをどうぞ。

 

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他のキャストはこんな感じ。

トーマスの父、イーサン役に、「007/ゴールデン・アイ」から「007/ダイ・アナザー・デイ」までジェームズ・ボンドを務めたピアース・ブロスナン。

父の不倫相手ジョハンナ役に、「アンダーワールド」シリーズ、リブート版「トータル・リコール」、「ホワイトアウト」のケイト・ベッキンセール。

トーマスの母、ジュディス役に「セックス・アンド・ザ・シティ」のミランダ役でおなじみ、シンシア・ニクソン

トーマスがほのかに思いを寄せるミミ・パストーリ役に、「DOPE/ドープ!!」、DCコミックヒーローの単体映画「Flashpoint(原題)」のメインキャラに抜擢された今後注目の女優、カーシー・クレモンズが出演します。

 

 

 

 

 

 

 

どこか淀んだ質感のある映像。

ニューヨークってそういうところなのか?

まずは監督が映し出す風景を堪能しつつ、トーマスの心の揺れなんかを感じられたらいいなと。

ここから観賞後の感想です!!!

 

 

感想

これたまんねえなぁ・・・。

相変わらず路頭に迷った青年を成長させる監督のテーマとハイセンスな作りに惚れ惚れ!!

てかもう一度見たいわ。

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やっぱり俺はマークウェブが好き。

「商業主義に負けた」NYのマンハッタンを舞台に、家庭問題や友達以上になれない相手への不満や将来の悩みを抱える青年が、奇妙な老人と父の不倫相手を通じて、確かな一歩を踏み出していく青春ストーリー。

 

観賞前、正直そこまでの期待は持っていなかった。

監督のこれまでの作風からしてやけに地味と感じたから。

 

その予感はクライマックス直前まで的中していた。

決してつまらなくは無いが、どこか哲学的なセリフや閉塞的なビル群ばかりが写り、それが退屈さを助長させているように感じた。

しかし、油断していた。

 

まさかクライマックスで思いもしない展開になるとは。

 

誰もが幸せな結末を迎える作品になるとは。

てっきりこれまでの生活に別れを告げてマンハッタンを出る=過去からの脱却をすることで、これからの人生を見出していく、そんな話だと思っていた。

 

これはやられた!

やっぱり監督すげえな!

 

やっぱり閉塞感あふれるビル群ばかり映す画に意味があって、哲学的なセリフや会話の端々からセンスが感じられたんですよね。

 

また、見た目イケメンだけど人生こじらせてそうな主人公だったり、決して悪意でなく本能で男を好きになってしまう妖艶な美女、酒とタバコをこよなく愛する得体の知れない奇妙なインテリ老人といった登場人物を、しっかり演じられる俳優でキャスティングしてる。

そして選曲した音楽がまたニューヨーク!って感じのシャレオツなラインナップ。

そういったもの全てが上手くかみ合ってるよなぁと。

 

 

監督の作品の主人公って外見こそイケてるのに、女性に対してはウジウジした奴らばっかりなんですよね。

どこか自分と重なるというか共感できるというか。

なんか惹かれるんですよね。

 

イヤ外見は重なりませんよw

ええ。天と地ですからw

 

だから、こと恋愛に関して背中を押してくれるときもあれば、時に残酷な現実も見せたりしてくれることが、あるあるだったりタメになったり。

 

今回も目の前に意中の女性がいるのに、刺激を求めて別の大人の女性に走っていくことで、手に入るものが手に入らなくなってしまうことを教訓として描いていたり、そこに至るまでの駆け引きを指南するW.F.の言葉がなんか沁みたり。

 

 

だから結局の所、監督って一人の青年の喪失と再生、成長をいつも描いていて、今回もそれに当てはまるお話でありました。

 

途中までは「(500)日のサマー」を思わせるような、意中の女性をモノにできずクヨクヨしている内容ではありました。

 

ですが、いきなり危険な匂いを醸し出すことで今までの監督作品にはない一面を見せ、結果何もわかっていなかった主人公の暴露によって、ようやく自分がしでかしたことや家族から愛されていること、大人にはいろいろな事情があることに気づき、それを受け入れたことで家族の誰もが幸せになる物語へと昇華させていく流れになっていたんですよ。

 

どこか「gifted/ギフテッド」にも通じる部分が垣間見え、ある意味これは監督の集大成又は監督作品の第1章の終わりとして位置づけられる作品だったのではないでしょうか。

 

そう思えるのも、インディペンデントな作品を2作続けて撮ったわけですから、きっと撮りたかった作品を作れたと思うんです。

今作もずっと暖めてきた作品だったわけですし。

 

だからもしかしたらここで一区切りつけて、大作映画に再びチャレンジ、もしくは賞レースに入るような作品を作っていくんじゃないかなぁと。

 

あくまで妄想ですがそんな風に感じます。

 

 

90分にも満たない作品なのに、体感時間が思いのほか長いな・・・とじっとスクリーンを見つめながら雑念がこみ上げたことを後悔しています。

ちょっとこれはソフト購入案件だなぁ。

 

「対比」と「無難」

今作を見て感じたこと。

「(500)日のサマー」と似ているようで違うということと、主人公に父親が突きつけた「無難」という言葉が作品の演出にも反映されていたことです。

 

 

「(500)日のサマー」の舞台はロサンゼルス。

カラフルなときもあれば思いっきりグレーな時と、いかにも都会じみた配色で主人公の心情を表しているかのような色遣い。

 

それでいてビル群を抜ける二人とそのビル群を眺める公園でのトムという、閉鎖的な画と開放的な画を上手く見せていたと思います。

 

総じていうのであれば「今」でデジタルで無機質にも取れる画が多いかなと。

 

 

で、今作はというと、恐らくニューシネマを意識してかフィルムっぽい質感で彩られており、主人公が訪れる場所もアナログだったり老舗感があったり、立ち並ぶビルの風景も空を塞ぐようにビルのてっぺんまで映さず撮ってるんです。

 

この構図のおかげで主人公が現状から抜け出せない空気を作り上げ、NYの街を空撮するラストシーンで彼が解き放たれたように見せてるんですね。

 

総じていうのであれば、「昔」でアナログで哀愁と刹那が漂う雰囲気とでもいいましょうか。

 

 

他にもいろいろあるんです。

JGLが演じたのはトム。

今作のカラムターナーが演じたのはトーマス。

W.F.がトムと呼んでも?というと、トーマスで。と返すんですよね。

 

どっちもトムなんですよね要は。

でもあえて区別した。

 

一人の女にウジウジしたトムとは違い、今作は一人の女から別の女に乗り換えた、いや夢中になった。

そんな部分を見比べると実際トムでいいのにトーマスと強調した意味が見えてくるのかなと。

 

 

彼をアドバイスするのも対比的。

サマーのほうでは、トムに色々アドバイスするのは、妹のレイチェル。

主人公よりも年下でしかも異性になるんですが、今作では主人公よりも年上で同姓の隣人。

 

そして「無難」と繋がってくることなんですが、「(500)のサマー」はとにかく実験的な演出が目立つ作品でした。

 

時系列のシャッフルから、アニメーション、ミュージカル、喜劇、理想と現実の2面構成などなど、とにかくMVで培ったであろう様々な演出で映画のセオリーをぶち壊し、新たな映画の作風を生み出したような作品だったんです。

 

今作はそういった実験的な演出はまるでなく、劇中のセリフで引用するのであれば「無難」でした。

 

この「無難」という言葉、出版社を経営する父に自分が書いた小説を見せたところ「無難」だといわれるんですね。

父に言われたことがずっと彼を苦しめ、「コネ入社で俺の会社に来い」と言われても親が作ったレールの上を歩くという「無難」な人生は嫌だと突っぱねたりするわけです。

 

 作家になれなかった父が息子の才能を嫉妬しての言葉にも取れるのですが、結末はそうではなくて。

 

話は戻りますが、見てる最中にこの言葉が引っかかって仕方なくて、もしかしたらどこかに「無難」が転がってるのかなぁなんて考えたんです。

 

そしたら演出がよくある技法というか、映画の作り方というテキストがあったとしたら教科書どおりの演出方法になってるなぁという部分にたどり着きました。

既視感のある映像ってことですかね。

 

 

たとえば、冒頭から結末までナレーションはW.F.が全てやってます。

最後になぜ彼がナレーションを務めているのかって理由がわかるんですが、まぁ仕掛けとして映画ではよくあること。

 

他にも父の不倫を目撃するナイトクラブ「The Box」での女装した男性のショーでは、彼の踊っている姿を後ろから映し、照明を上から照らす演出。

 

ジョハンナを尾行する際の地下鉄車内。

ドアの向こうから彼女を覗く自分が、ドアに反射して映る撮り方。

 

ミミに思いを打ち明けられると同時に、自身がフラれたことにショックを受けて絶望に打ちひしがれる時の雨。

ジョハンナの家に訪ねるときに映し出される赤信号点滅による嫌な予感の暗示。

机を挟み対話する際の相手の背中を手前において奥から話しかける構図などなど、どれをとっても「無難」な画の撮り方に思えました。

 

 

監督って自分の色を出すために同じ演出をする人をよく見かけますが、今作は非常にオーソドックスというか、「(500)日のサマー」を引き合いに出してみてしまった自分としてはどこか物足りなさを感じた点があります。

 

しかしながら、ニューシネマっぽさがどことなく見られる点から言えば、監督にとってはこれが実験だったのかもしれない。

 

僕の考察は全くの見当違いといいますか、勝手に比較してんじゃねーよということでww

 

大人になるとは。

お母さんがトーマスと外で一服するシーン。

涙を浮かべながら「世界で一番長い距離なのは現実と理想の間よ」なんて言葉を走らせるのですが、「大人になるってどういうこと?」って問いに対してのヒントのような答えのようなセリフだったなと。

 

他にも、友人の結婚式で新郎だか新婦の叔父が、泥酔のせいで相応しくないお祝いのスピーチしちゃうんだけど、このシーンでも「結婚とは何か?」を人生の先輩として色々語り教訓として述べるんです。

 

 

要は大人には色々な事情があるということ。

自分の主義主張をぶつけて言い合うのではなく、お互いを尊重しあうこと。

例え隠し事があっても指摘せず、見てみぬふりをして穏便に暮らすことが夫婦を長く保つ秘訣。

 

トーマスの母は現実と理想があまりにも果てしなく遠いことに苦しみながらも、何とか夫婦を演じていたんですね。

いったいなぜ?

 

誰のためって、未だに大人になれてないトーマスのため。

「理想の相手」という窓を見つけ、飛ぼうとしている父のため。

いい歳しても理想を追いかけているい分のため。

全て自発的に動くのを待ってるんですね。

 

相手を窺ってから動く。

傷つけないように、ぶつかりあわないように。

 

白黒つけるのは難しく、好き嫌いも簡単に言えないわけで、大人はグレーであることが何より大事だと。

「大人は秘密を守って生きてる」ってドーナツホールの「大人の掟」の歌詞になぞらえて無理やり言ってみました。はい。

 

だからトーマスはやっぱり未熟で、何もわかってなくて。

でも最後に起こったことを赦す事で全てが丸く収まってくってのが、ちょっとした大人への通過儀礼になってて素敵やん、て。

 

NYの街とトーマス

 

この物語は、芸術性で溢れたはずが商業主義に負けて衰退の道を進んでいるニューヨークということを冒頭でまず語ってます。

これがいい人なんだけど平凡すぎて退屈な男トーマスとイコールになっていることがなんとなくわかると思います。

 

だから彼が付き合いたいと思っているミミは、ニューヨーク=トーマスのことなど気にも留めず、世界中でツアーをしているミュージシャンのニックが忘れられない=この街から出たいと思ってるんですね。

 

 

とにかく平凡で退屈な男トーマスは、今後どうなりたいか悩み中。

頭の中にあることはミミちゃ~ん!おれんとこきてぇ~!!ですから。

 

それが父の不倫相手という刺激をみつけてからはどんどんのめりこんでいきます。

もうミミのことなんてどうでもいい。

 

何でのめりこんだか考えてみました。

 

多分自分で行動して初めて手に入れたものだったからなのかなと。

 

ミミを口説いてもダメ。

親父に作家として「無難」といわれ、遠まわしに才能がないという烙印を押された。

実家でパーティーしても場違いなことを言う始末。

何をやっても思い通りに行かなかったトーマス。

 

これもまた街の歴史で考えると、色々憧れのマンハッタンを取り戻そうと躍起なってた時期があったのでしょう。

 

そしてW.F.のアドバイスどおり、トーマスは相手を失うことでおとずれる恐怖という概念をミミに植え付けます。

結果、ミミの思いはトーマスへと向けられるんです。

ちっともわかってないトーマス君。

追いかけてばかりだと追われていることに気づかない。

そもそもトーマスは眼もくれてない。

 

いいこじらせぶりだ。

俺でもやると思うけど。

 

 

かくしてトーマスが奇妙な隣人と不倫相手に出会い、大人への第一歩を踏み出すんですが、輝きを失ったニューヨークに、再び輝きを取り戻して欲しいと願う監督の思いがトーマスに反映されてできた作品だったのではないでしょうか。

 

また、自分はどうあるべきかを周りの人たちの助言によって見出し、反射するように周りの人も自分を捜し当てていく。

「ニューヨークって、自分自身を見つける場所だよ」っていわれてるようにも感じた作品でした。

 

最後に

キャストの演技も素晴らしかったし、音楽もナイス選曲でした。

 

途中速いテンポのジャズがスキャンダラス感を煽っていてかっこよかったし、結婚式で流れた「A Whiter Shade of Pale」流しちゃうとこね。

歌詞の内容はよくわかんないけど、結婚式で流す曲じゃないと思うんだけどあれ。

 

 

とにかく深いんですよ色々。

セリフとかきちんと拾っていけばもっと作品が理解できたと思うんですけど、仕事後のレイトショーって悪条件のせいで、前半はじっと見ていたとはいえ頭に話が入ってこなくて・・・。

悔しいのでソフト購入しようと思いますw

監督好きな故に。

 

てか親父の不倫相手と寝るってけっこうきついよね・・・。

で、息子を受け入れる不倫相手がもっときつい・・・。

 

というわけで以上!あざっした!!

 

さよなら、僕のマンハッタン

さよなら、僕のマンハッタン

  • 発売日: 2017/08/11
  • メディア: Prime Video
 

 

 

 

満足度☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10