GONIN サーガ
意外とスクリーン数少ないことにがっかりしながらも、近場でやってたのでラッキー!伝説のGONINから20年もたったんですねー。リアルタイム世代じゃないけど。
てなわけで、見てまいりました。
あらすじ
五人組による、広域指定暴力団五誠会系大越組襲撃事件から19年ーー。五誠会は若き三代目の誠司(安藤政信)が勢力を拡大。一方、襲撃事件で殺された大越組の若頭・久松(鶴見辰吾)の遺児・勇人(東出昌大)は母・安恵(井上晴美)を支え、建設作業員をしながらまっとうな人生を歩み、勇人の幼馴染で大越組長(永島敏行)の遺児・大輔(桐谷健太)は壊滅した大越組再興の夢を抱きながら、今は誠司のボディーガードをしていた。そんなある日、19年前の襲撃事件を追う富田(柄本佑)と名乗るルポライターが安恵を訪ねてくる。やがて、遺された者たちの歯車は大きく軋み始め、五誠会に囲われながらも深い恨みを宿す元アイドル・麻美(土屋アンナ)を巻き込んで、GONINの血と宿命に抗う新たな闘いが幕を開けるーー。《HPより引用》
監督・キャスト
監督はGONINシリーズ全てを手がける石井隆監督。
残念ながらGONINシリーズしか見ていないんですが、バイオレンスとエロスを主体とした作品がこの方のパターンでしょう。有名どころと言えば、このGONINと竹中直人と余貴美子主演のヌードの夜、最近では佐々木心音が体を張って人形を演じたフィギュアなあなたといったところでしょうか。
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1は何と言ってもビートたけし演じるヒットマンの凶暴っぷりが見ものです。
2はそこまでの面白さはなかったですが、大竹しのぶのセーラー服は笑えますww
主役久松の息子、勇人を演じるのは、東出昌大。
桐島、部活やめるってよからあれよあれよとスターダムを駆け上がり、クローズEXPLODE、寄生獣、アオハライドなど東宝作品ばかりですが、ヒット作連発ですねー。いかにも好青年なイメージですが、狂気な演技は如何なものか。
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いやぁ、ほんとこの映画好きだわ。
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どちらかといえば、小栗クローズの方がオモロかったかなσ(^_^;)
勇人の幼馴染で大越組長の息子、大輔を演じるのは乙ちゃんに恋してる浦ちゃん改め、桐谷健太。
この人にラブストーリーなんざ似合わねえ!今、男の中の漢をやらせたらまず桐谷健太を私なら挙げます。
ルーキーズや、BECK、ソラニン、クローズといったマンガ原作実写作品にはバイプレーヤーとして顔を出しながら、アウトレイジ、黄金を抱いて翔べ、などの大御所監督からも声をかけられるほど。
来週にはバクマン。も控えてます。
ドラムの役ぴったりだったなぁ。
そして、スマグラー以来お目にかかれました!五誠会の若き三代目、誠司を演じる安藤政信。
いやぁ、かっけぇなぁ。最近こそアジア中心の活動なので見かけなくなりましたが、昔はキッズリターンやサトラレ、スペーストラベラーズ、69シックスティナインなど主役級の作品ばかりでしたね。
スマグラーの久々の日本復帰は嬉しかったし、すげぇアクションだったのを覚えてます。今作ではどんな演技を見せてくれるんでしょうか?
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これは泣いたなぁ。頑張れ!頑張れ!って。
北野映画中期の傑作青春映画です!
他にも、柄本佑、土屋アンナ、テリー伊藤など脇を固め、しかも!!俳優業を引退した根津甚八がまさかの出演!!おい、大丈夫なのか!?この映画はもしかしたらこの人を見るだけでも価値があるかも。
そんな豪華キャストで20年ぶりの復活を遂げ、大物俳優の一度きりの復活も見逃せない本作の感想は、
なるほど! これが石井ノワールか!
以下核心に触れないようネタバレします。
そもそもGONINてどんな話よ?
今思えばすごいキャストなわけで、佐藤浩市、本木雅弘、竹中直人、椎名桔平、根津甚八、そして、ビートたけしと豪華な顔ぶれ。
ちなみに子役時代の栗山千明もチラッと出てます。
面白いのは、1に出ていた役者がが2や今回のサーガに別の役で出てまして、仁義なき戦いの再来じゃねーか!?というツッコミぐあい。
鶴見辰吾に至っては、1と2の変わり様はビックリですww
話をざっくり言うと、人生ギリギリの5人が五誠会の金を強奪し、五誠会やヒットマンから逃げ回る末、悲しい結末を迎える90年代のバイオレンス映画の代表的な作品であります。
この映画のきっかけは、竹中直人がタランティーノ監督のレザボアドッグスを見て、こういう映画やりたいと監督に打診したという経緯があったんだとか。
それを見たタランティーノからも絶賛され、スティーヴンソダーバーグ監督はリメイクを希望するもその願いは叶わず、GONINを殺しのない作品にしたのがオーシャンズシリーズだといわれてるそうです。
それだけ影響のあった作品が19年の時を越えての復活なわけです。
カジノ賭博に手を出した容疑で逮捕され刑事の職を失い、現金強奪に手を貸した根津甚八演じる氷頭は明らかに死んだように見えましたが、実は生きていたって設定です。
その時に殺された五誠会大越組の組長の息子が桐谷健太演じる大輔で、その若頭だった久松の息子が東出昌大演じる勇人という流れなわけです。
その他の人物もこの事件で人生を狂わされ、決着をつけるべく現金強奪を企てます。
昔と変わらない演出
オープニングのっけからの斜体たて文字でのキャストロールと同時に19年前の回想シーンも加わり、まず入り込むのは懐かしさ。
そして、物語のアクセントとなる事件や決断、クライマックスにはかかせない豪雨。
その雨に流されるたくさんの血と銃撃戦。
氷頭が聞いていたちあきなおみの歌、
3作全て舞台の核になるディスコ・バース、恐らく当時バッティングセンターだった場所など、前作同様お馴染みの演出、場所、シーンなどが徹底して引き継がれていました。
特に、普通即死だろ!?と感じても、決死の覚悟で乗り込んだら何発銃弾浴びても立ってられたり、
雨は半端ない量の降りかたに、そんな中ケータイ使ったら水没でアウトじゃん!?と思うも、
監督テッパンのこの演出がノワールと謳われる理由なんでしょうね。
ここを楽しむにはやはり1は必ず見てからサーガを見ないといけません。
Netflixでおさらいしといてよかった(^o^)/
GONINじゃなくてYONINじゃんw
ポスターはなぜか、前作の黒バックに顔半分の吠え面でないのが残念だったんですが、
1も2もやはり5人が計画して金を盗み、ヤクザと対立する構成でした。
で、ポスターにも5人が写っているから5人でヤクザの金を盗むかと思いきや、安藤政信扮する誠司はこっち側ではなかったです。
だから、正確には4人なんじゃねーの?
と見終わった後に、即ツッコミ。
あーそこは、こだわらなかったのかなぁ。
無理矢理氷頭を入れたら5人だけど、それも違うし。
前作との比較
今作は1で殺されたヤクザの息子達が主役なので、ん?どういう意図でヤクザを敵に回すのだろう?
そもそも、強奪しヤクザに殺された万代たちの意志を継ぐ者たちが復讐するほうがわかりやすいんじゃないか?
とも思いましたが、五誠会に干され、また、利用された者たちの復讐という設定に少々困惑された気がします。
まあ、その辺のカタルシスはラストで報われた気はしますが。
で、1は当時は既に知名度も人気も演技力もズバ抜けたキャストだから成り立った訳で、今作はまだ演技力の浅い彼らに唸る部分が無かったのが一番の残念だったところです。
東出くんは、個人的に好青年という先入観がある故、怖さ、気迫さがやはり似合わないというのが欠点だったかと。
クローズを見た時は、それプラス演技の浅さがだいぶ目立ち酷い有様だった記憶がありました。
月日が経ち、演技力のレベルは上がったものの先入観には勝てませんでした。
いっそ、唐沢寿明のように好青年一本で行った方がいい気がするんですけどね。
その分、土屋アンナなんかはマシに見えたんですが、元アイドルという設定に、アイドルのかけらは彼女には一切感じないんだけどなぁと。
後半で披露する歌もテメェの歌だし。ロックじゃねえか!
そして、サービスカットなのかハミケツも別に見たくなかったw
こりゃ失敬σ(^_^;)
極め付けは2代目組長のテリー伊藤。セリフ回しがひどかったなぁ。見てらんなかった。あんた、なんで出た?知り合いの好か?
まとめ
とにかく愚痴やツッコミはありましたが、1を見たことがある人なら、(てか、1見ないとキビシイ!)あの事件に終止符が打たれるワケだし、根津甚八を見るのもこれがきっと最後でしょう。もう、気力振り絞ってやってます。ここは評価したいです。
もちろん、ラストの銃撃戦はスプリンクラーの降りしきる中、飛び散る血とライトで彩られる美しさに魅了されることと思います。
是非劇場でご覧あれ。