BFG ビッグ・フレンドリー・ジャイアント
とりあえず上映時間早いほうでいいんじゃない?で解決しそうです。そんなことは置いといてスピルバーグがディズニーとがっつりタッグを組むのが実はこれがはじめて!!というから驚き。
しかもこの巨人を演じるのがあのマークライランス!!これは楽しみであります。
というわけで早速見に行ってまいりました!!
あらすじ
ロンドンに暮らす、好奇心旺盛な10歳の少女ソフィー(ルビー・バーンヒル)。ある真夜中、彼女は窓から侵入した “巨大な手”によってベッドから毛布ごと持ち上げられて、“巨人の国”に連れ去られてしまう。ソフィーを連れて行ったのは、夜ごと子供たちに“夢”を送り届ける、やさしい巨人BFG(=ビッグ・フレンドリー・ジャイアント)(マーク・ライランス)だった。
ひとりぼっちだったソフィーは、巨人にしては優しすぎる孤独なBFGと心を通わせ、いつしかふたりの間には身長差6メートルの“奇妙な絆”が生まれてゆく。しかし、BFGとは正反対の凶暴な巨人たちによる恐るべき計画が…。このままではイギリスの子供たちが危ない──。この危機を救う唯一の鍵は、何事も恐れない小さな少女ソフィーの勇気だった…。(HPより抜粋)
監督・キャスト
監督は世界のスティーブン・スピルバーグ!!
今年は「ブリッジ・オブ・スパイ」で映像テクニックとメッセージ性に胸を指され今現在今年のマイベストに入るであろう1本と位置づけしていますが、今年もう一本監督の新作が見られるなんてうれしい限り。
しかもブリッジオブスパイが監督の得意とする社会派ヒューマンドラマであれば、今回は監督の黄金期を彩ったファンタジー色の強いSFアドベンチャーとあって、これまた面白いに決まってる!!と期待に胸膨らむばかり。
名作「E.T.」を匂わせるこの作品ですが、脚本も同じメリッサ・マシスンが手がけています。ただ残念ながら去年お亡くなりになり今作が遺作となってしまったとのこと。このE.T.コンビが再びタッグを組んだのと、監督作品を幾度と無く支えてきたドリームチームともいうべき著名スタッフが今回名を連ねています。
製作総指揮には監督と何度もタッグを組んできたキャスリーン・ケネディ、音楽に「インディ・ジョーンズ」のジョン・ウイリアムズ、撮影は「シンドラーのリスト」以降監督作品に携わってきたヤヌス・カミンスキー、編集も数々の作品でスピルバーグをサポートしてきたマイケル・カーンが携わっています。と、書いてますがキャスリーンとジョンウィリアムズしか知りませんw
監督作品については、こちらをどうぞ。
主演のBFGを演じるのは監督の前作「ブリッジ・オブ・スパイ」改めBOSで飄々としたスパイ・アベルを演じたマーク・ライランス。
もともとは舞台俳優としてキャリアを重ね、一時期舞台演出などもされてきたというお方だそうです。その功績は素晴らしく、アメリカの舞台演劇版アカデミー賞ともいえるトニー賞を3度、そのイギリス版ローレンス・オリヴィエ賞を2度受賞しているほど。
そんな彼が2000代から少しずつ映画の世界に演技の幅を増やし、今年見事BOSでアカデミー賞最優秀助演男優賞を受賞する快挙を成し遂げました。スタローンに獲ってほしかったけどね。
今回モーションキャプチャーで演じたそうで、それをやる事で演技に制約が課せられるのではと懸念していたそうですが、やってみるとその自由度と開放感に助けられたそうです。日本文化にも造詣が深いそうで、狂言や能などを意識して演じたんだとか。
シン・ゴジラで同じくモーションキャップチャーでゴジラを演じた野村萬斎を引き合いに出し、彼がやるのも納得と語っています。てか、彼と親交があるそうですよ!!もっと早く取り上げるニュースだったんじゃない?アカデミー賞のときとかさ!
そして、巨人と心を通わせていくソフィー役にはルビー・バーンヒルが演じます。
現在12歳の女の子。情報があまりないのですが、イギリスの子供向けドラマに出演していた経験があり、今回大役での出演は初めてとのこと。
実はお父さんのポール・バーンヒルも俳優だそうで、なんとこの作品に登場してるんだとか。「フットマン」という役で出演しているそうなので親子での絡みに期待ですね。スピルバーグは毎回いい子役を見つけてくるので楽しみですね。
他にもどの役での出演かはわかりませんがレベッカ・ホールも出演しています。
いや~素敵なお方!!ぜひ一度東京の摩天楼を見下ろしながらレストランでシャンパンなどいかがでしょうか・・・。そんな妄想は置いといて、はい、こういうお顔立ち、タイプでございます。あ~髪切っちゃったんですねぇ。どことなく真矢ミキみたいになってるけど。ロングヘアーの方が好きだなぁ。
イギリスの女優さんで、クリストファーノーラン監督作品で、過去の因縁によってマジシャン同士が競い合う「プレステージ」や、ベン・アフレック監督、主演の犯罪スリラー作品「ザ・タウン」では銀行強盗をする主人公に人質にされながらもやがて惹かれあっていく恋人を演じ、「アイアンマン3」ではトニーのかつての仕事仲間であり元恋人だった植物学者マヤを演じています。
待機作に、「ブラックスキャンダル」、「ザ・ウォーリアー」のジョエル・エドガートンが監督、主演の「ザ・ギフト」があります。これも見たい。
というわけで、「チャーリーとチョコレート工場」の原作を書いたロアルド・ダールの大ベストセラーを実写化したスピルバーグ監督久々のSFファンタジー超大作、大役に抜擢された女の子と日本の伝統芸能をこよなく愛する優しいまなざしのオスカー俳優がどんな演技を見せるのか?
ここから鑑賞後の感想です!!!
まるで絵本を読んでるような素敵なファンタジー映画!
以下、核心に触れずネタバレします。
大切なのは夢を見続けること。
まずは率直な感想を。
念願だったであろうスピルバーグのディズニー共作という大きな夢を、そのまま具現化したかのような物語だったと思います。
シナリオを書き上げたメリッサマシスンや音楽を手がけたジョンウィリアムズといった馴染みのスタッフがバックアップしたことで出来上がった作品は、不眠症だけど怖いもの知らずな少女と、夢を捕まえ人々に届ける心優しいながら臆病な巨人という大小異なる対照的な2人が、出会い触れ合い助け合うことでできなかったことを実現させていく成長物語だったのではないでしょうか。
まるでそのまま絵本を読んでるかのようにめくられていく物語とその世界観は、きらびやかさと思わずはにかんでしまうユーモアが溢れていて、未知との遭遇やE.T.といった異種との触れ合いを描いた作品たち同様に監督が思い描いた想像力そのものだったと思います。
キリーンやニンゲンマメ、スッテキなどなどぶきっちょに話すBFGを演じたマークライランスのつぶらな瞳と笑顔に、大役にも関わらず堂々と等身大の演技を披露したルビーバーンヒル2人の可愛さと無邪気さに終始ヤラレっぱなしだったし、
真夜中のロンドンを影となって勘付かれないように走り回るシーンや、湖に飛び込むと逆さまの世界になり、その大木からなる夢の実を捕まえるシーン、まるで蛍のように動き回る夢で覆われたオーロラのような美しい光、
そしてクソまずいおばけきゅうりやその野菜でできた幸せの音がなるプックプクーなる飲み物などなど遊び心あるユーモアな演出に笑顔になること間違いなし!の1本でした。
この作品を大人になった自分でさえ、この感動度だったのだから、子供の時に見ていたらと思うともったいないなぁと。
そんなたくさんの夢が詰まった作品は、ありきたりな言葉ではありますが、夢を見ることの大切さ、夢を実現することの素晴らしさ、シンプルな中にも深いメッセージが盛り込まれていたと思います。
英国王室のシーンは笑いどころ満載!
ある意味一番の見どころかと。
ソフィーとBFGはあることで英国女王のいるバッキンガム宮殿を訪ね、共に朝食をとるシーンが出てくるのですが、BFGにとって普段生活する我々でさえ大きな屋敷でも全くもって無意味。このアンバランスさを惜しむことなく笑いに変えた演出が非常に楽しいです。
部屋に行くまでがまず大変。廊下を四つん這いで移動。しかも何人もの執事たちが誘導しなければ、飾られている骨董品を壊してしまうかもしれないというヒヤヒヤした展開。
やっとの事で部屋までたどり着き立ち上がるや否やシャンデリアを頭突きで破壊!しかもルイ14世のもの!やっちまったなあ!!
用意された朝食もまるでビュッフェスタイルかのようにたくさん盛られたトーストや目玉焼きやサラダ。これを剣と熊手で食うという豪快さ!!キレイに並べた目玉焼きもトーストでぐちゃぐちゃにつけて頬張るというマナーの悪さ!しょうがないよねw
そして、おばけキュウリ以外食べたことのないBFGは感激に感激。ただ、ジョウロで注がれたお口直しのコーヒーはブタくさい飲み物だ!と勢いよく、用意した家来たちにぶはーっ!!と嘔吐!家来たちは真顔で立ち去る勇ましさw
極め付けは朝食のお礼に飲ませたプックプクー!!どんな飲み物かは見てのお楽しみとして、女王はじめ、執事、将軍、参謀、ペットのコーギーたちまで飲んでしまう!
ここはもう唯一どうなるかわかっているソフィー同様、こちらも手で目を塞ぎたくなる展開。
このコーギーがめちゃ可愛いんだわwてかちょっとくらい頬を赤らめるとか怒った顔とかしても良かったと思うんだけど、英国女王。
とにかくこのシーンは作中で一番のスピルバーグギャグ連発のシーンです。お見逃しなく。
イギリスの児童誘拐問題
この作品では、度重なる児童誘拐の問題がさらっと取り上げられていたので調べて見ました。
アメリカとイギリスだけで年間100万人という児童誘拐事件が多発しているそうです。
一体何が原因なのか、そのひとつとして悪魔崇拝が挙げられています。悪魔崇拝とは、何千年も前から現在でも行われているというものだそうで、人の理性を狂わせるたまに幼児を生贄にし、精神を崩壊させることで悪魔を召喚し呪いをかけるというとんでもない儀式があるんだとか。
やるのは主に地位、名誉、権力、金銭などを得るために殺害を繰り返しているという。
そんなサタニズムな奴らとは一体誰なのか?それはバチカン、イルミナティ、フリーメイソンといった大きな勢力が中心のようです。
さらに調べて見るとこれにエリザベス女王も関わっているという記事も。
ブリュッセルにある国際慣習法裁判所がカナダで長きにわたって繰り返されたとされる5万人以上の子供の大虐殺という罪状に対し、ローマ法王とエリザベス女王、カナダの首相に懲役25年の判決を下したそうです。
バチカンと英国王室は1960年代からカナダの民族の子供を誘拐し寄宿舎に入れ、感染や拷問を行なってきたという内容で、これが悪魔崇拝によるものだと言われています。
このニュースはメディアでは一切取り扱っておらず、その後どうなったのかもわかりません。
となると、この作品は英国女王が関わっていない、むしろ率先して誘拐を撲滅している描写ともとれる作品だったなあ、と。
これはあくまでネットニュースを鵜呑みにして強引に結びつけたまでであって作品とは一切関係ない話です。
たまたま調べたらたどり着いてしまったが故のものなのでこの件は是非スルーしちゃってくださいw
おー怖っ!
多少の盛り上がりに欠ける部分もありましたが、児童文学ならではの運びだったし、実際の人物と巨人たちの合成も見事な迫力、そして夢に対するメッセージも込めた相変わらずのスピルバーグ映画だったと思います。
もしかしたら夜道を歩いて振り返って見ると彼が隠れていたりして!見終わった後、そんな妄想に駆られながらの帰り道が楽しくなるかも。
というわけで以上!あざっした!