Death Note/デスノート
「スパイダーマンホームカミング」の最速上映を観に映画館へいったら、毎回もらうホットトイズのパンフと共に、今回配信されるこの「デスノート」のチラシも頂きまして。
あとで予告編も普通に流れるという、ネットフリックスとしては異例の宣伝方法にちょっと驚きました。
今でも別の作品の予告編で普通にみるので、映画館に来る観客をターゲットにしてるのかなぁと。
最近こそよく見かける日本のコンテンツの海外リメイク。
今回は果たして成功か失敗か。
というわけで、自宅にてじっくり鑑賞いたしました。
作品情報
日本でも、アニメ化、ドラマ化、そして実写映画化し話題となった、名前を書いた人間を死なせることが出来るノートを手にした少年と、世界的名探偵との熾烈極まる頭脳戦を描いた人気原作コミックを、ハリウッドで再実写映画化し、ストリーミングサービス「ネットフリックス」にて全世界同時配信。
映像美とスリリングな演出で頭角を現している監督、海外TVドラマ「HEROES/ヒーローズ」のマシ・オカをプロデューサーに迎え、原作とは異なる点が多数あるものの、原作者への敬意を怠らない、新しいデスノートとして作られた。
デスノート Light up the NEW world [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2017/04/19
- メディア: Blu-ray
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あらすじ
死神が落としたノートを駆使し、悪人を葬り去る闇の存在となったライト・ターナー(ナット・ウルフ)。だが謎の名探偵L(キース・スタンフィールド)、そして1人の同級生の存在が、その運命を大きく変えていく。(Netflixより抜粋)
監督
今回監督を務めるのは、アダム・ウィンガード。
怖いの苦手なモンキーですので、この方の作品はもちろんスルーしておりましたwですが、今回監督を務めたことと、今後公開予定の「ゴジラVSコング(原題)」の監督に抜擢されたことで。もう避けて通れないなぁと。
低予算のホラーサスペンスを手掛けることで有名な彼は、今ホットな若手監督として頭角を現しています。
中でも話題となったのが、パーティーに集まった総勢10人が、アニマルマスクを被った謎の集団が襲い掛かってくるパニックスリラー「サプライズ」。
そのスリリングな描写とスピード感溢れる展開に、批評家からも高評価を得た作品として話題になりました。
その後も、謎めいたイラク帰還兵の青年を主人公に描く衝撃のサスペンスミステリー「ザ・ゲスト」や、世界中でセンセーションを巻き起こした作品の続編をドローンやヘッドセットなどの最新撮影機器を駆使して作られた「ブレア・ウィッチ」などを手掛けています。
そして2020年には、モンスターバースのピークを迎える「ゴジラVSコング(原題)」の監督として抜擢され、今後も目が離せない監督の一人として注目を浴びています。
キャスト
主人公ライト・ターナーを演じるのは、ナット・ウルフ。
初めて知る俳優さん。子役時代から活躍しているそうで、歌手としても活動してるとのこと。
初めて知ったとかいっておきながら、アンセル・エルゴート主演の「きっと、星のせいじゃない。」に彼の友人役として出演していたようなんですが、全く覚えてませんww
他の作品だと、カリフォルニア州パロアルトを部隊に悩めるティーン達の青春を繊細に描いた「パロアルト・ストーリー」などに出演しています。
実質初主演なのは今回が初めてのようなので、今後の活躍に期待ですね。
恐らく弥海砂にあたると思われるミア・サットンを演じるのはマーガレット・クアリー。
な、な、な、なんて美しいんだっ!!!
あまりにも見とれてしまい、つい心の声を出してしまいましたw
彼女はですね、今年公開した「ナイス・ガイズ!」に失踪した少女アメリア役として出演してまして、そこから目をつけておりました。
黄色いドレスが超絶似合う女性を演じておりました。
こちらにも出演されています。
ワキ…。
世界的名探偵Lを演じるのはキース・スタンフィールド。
名前こそ知りませんでしたが、主要キャストの中では、1番映画に出演していると思われます。
主な出演作品として、青少年向け短期保護施設で働く女性を主人公に、虐待やネグレクトに遭った子供達との交流と主人公の葛藤を描いた「ショート・ターム」で、母親からの虐待に苦しんでいたマーカスを演じています。
他にも、伝説的ヒップホップグループの誕生から崩壊までをリアルに描いた「ストレイト・アウタ・コンプトン」ではアイス・キューブ役として出演。
アメリカ政府による大規模な監視システムの実態を暴露した元NSA職員の実録ドラマ「スノーデン」では主人公の同僚パトリック役として出演しています。
他のキャストはこんな感じ。
Lの執事、ワタリ役に、声優業もこなすポール・ナカウチ。
ライトの父ジェームズ・ターナー役に、「キング・コング/髑髏島の巨神」に出演したシェー・ウィガム。
そして、死神リュークを、「ジョン・ウィック」、「スパイダーマン」のウィレム・デフォーがモーションキャプチャーでの出演をしています。(そのままの恰好で出てくれないんだ・・・)
そういえば「デスノート Light up the NEW world」なる作品がありましたが・・・もう忘れましょう。
新しいデスノートを楽しもうではありませんか。
ここから鑑賞後の感想です!!!
感想
さすがハリウッド!!金がかかっててグロ描写がリアル!!
でもなんか感情的なライトとLにちょっぴり違和感。
以下、核心に触れずネタバレします。
ハリウッド映画アリっしょ。
デスノートを拾ったことで犯罪者に裁きを下していく男女2人が、通称キラと名乗り次々と犯罪者を殺していく。
明らかに人間の仕業と考える世界的名探偵は、とある自殺の事件から犯人を特定し、ノートの持ち主である主人公と対峙していく。
いや~上映時間100分でこれ描けるかぁ~?と思いましたが、結構大胆に話を変えてうまくまとめた印象です。
日本実写映画の明らかにフィクションみたいなうさん臭さのない、ディープでダークな色合いや、これみよがしなカメラショット、80年代風でまとめたBGM、そしてなんといっても犯罪者たちが死んでいく描写が非常にグロい。
例えばリュークの姿。
全編通してはっきりと姿を現すようなところはほとんどなし。
目をこらえると彼の造形はわかりますが、基本的に影で隠れて、ただ瞳がオレンジに光ってるだけがよく分かるといった、非常に不気味で死神チックな装いが怖いです。
他にも背景は暗がりな箇所が多い分、細かいところはカラフルなものが散らばっていて、コントラストが鮮やか。
ライトとリュークの初対面での教室で散らばるビー玉や、舞い散る色とりどりの紙切れ、Lがむさぼるチョコレート(多分m&m'sかなあれ)、クライマックスで観覧車から落ちた場所が花壇で、花びらが画面いっぱいに広がる美しさ。
逆にブラックライトで煌々と光る白と青を基調としたダンスパーティーもキレイだったし、日本のクラブ内での殺人現場での真っ赤な照明、顔を隠して登場するLもカッコよかった。
こういった色へのこだわりって日本映画ではあまりなくて、そういう意味では一つひとつ画を大事にするハリウッドらしさが出ていたと思います。
そしてなんといってもデスノートによって殺される人たちのリアルでグロい死に様!
さすが一般的な劇場映画とはワケが違い、R指定とかウチ関係ないんで!と堂々とオッケーしちゃう、ネットフリックスならではの容赦ない惨い死に様のオンパレード。
序盤から気に入らない生徒を頭部切断で殺すというハードな描写。
歩行者のもっていたバスケットボールが、通りすがりの奥さんの買い物袋から零れ落ちた食材によって無造作にバウンドし、道路へ飛び出してしまったことで歩行者はあわや車にひかれそうになるも、ドライバーはハンドルを無理矢理切って事なきを得るが、はしごを積んだ車に衝突、はしごはライトが気に入らない生徒の頭部めがけて飛んでくる!
はい!
顔の上と下がきれ~~いに真っ二つ!
脳みそバァーン!!(久々に間寛平)
血がブッシャ~!!
女の子の服に血が飛ぶ!
お約束のスクリーーーム!!
非常によくできたピタゴラスイッチですよww
原作だとね、詳細きちんと書かないと心臓発作で死ぬようになってますけど、ハリウッド版は、死因だけ書いたらあとはもう無理矢理な展開で死んでしまうんですね~。
これもお金と時間があるからこそできるハリウッドならでは演出なんだと思います。
こういった凝った演出がデスノートってすごくピッタリだなぁと感じた瞬間でもあり、監督わかってんじゃん!とうなずける、よくできた作品になっていました。
ライトとL
でもですね、キャラクター設定に関しては正直原作や日本の方がよかったかなぁ~と。
ライトは原作通り頭のいい高校生で、頭の良さを生かして宿題の代行なんかやってるんですね。
でも頭のいい所がそんなに見当たらないんですよ。
いくらデスノートに夢中になるからって、平気で体育館の2階とかで読んでたり、あっさりミアに見つかって気を引くためにネタばらししちゃったり、でもってバラし方がヘッタクソすぎて。
あの気に入らない生徒殺したの僕なんだ、ってノート見せただけじゃ伝わらんでしょう。
まぁ後で実践して見せたからいいけど。
他には、平気で校内の階段とか至る場所で、ミアとこの件を話しちゃってるところ。
君たちは警察に追われてて、Lに目付けられてるのにオープンな場所で大っぴらに話していいのかい?と。
注意深くしてなきゃダメなんじゃないかい?と。
他にもLとの初対面で普通に能力を渡せることができるってことをバラシちゃうし。これ絶対計算じゃないw
なんというかあの超神経質で潔癖で完璧さを重んじるライトはどこにもいないんですよね~。
もちろん終盤では大どんでん返しが起きるので、さすがライト!とはなるんですが、なんか勢い任せでの行動にも感じるし、未熟さの目立つライトだったなぁと。
そんな未熟な部分を冷静にカバーするのが今回ミアの役目だったりするんです。
今作ではライトとミアが共謀し、キラと称して犯罪者を殺していくんですが、ライトは自分の立場がヤバイのをよくわかってなかったり、怖気づいたりするビビリな所が多々見て取れます。
それをミアが裏でフォローしたりカバーすることで危機を回避し、Lを混乱させることになるんですが、このミア自体が一筋縄ではいかない女だったんですね~。
これ以上言うと核心に触れるのでこの辺で。
でもって、白人色のライトに対して黒人色のL。
登場するやいなや日本語を話して驚かせてくれるんですが、正直聞き取れませんww
警察のデータベースに侵入してうにゃむにゃ・・・みたいなこと言ってましたけどw
マシ・オカもギリギリアウトな日本語だったぞw
まぁいろんな言語を習得してるよっていうのをわからせるシーンだったと思うんですが、彼もまた原作でのクレイジーだけど頭のキレる感じがなかったんですよね~。
一番の理由は感情的になるところ。
彼にとって一番身近な存在が行方不明になるんですが、その時の彼の尋常じゃない焦りっぷりはちょっと意外でした。
僕は銃は持たないし、殺したりもしない、法に裁いてもらうと、きちんと一線を引いて行動しているのに、結果銃もってライトを追いかけまわしてしまう。
そしてラストシーンですね一番びっくりしたのは。
もうそれやったらLじゃね~よw
あれ?案外普通の人間じゃんwて。
お菓子ボリボリ食ったり、全然睡眠しなかったり背中丸めて走ったりする設定はLそのものだったんですけどね~。
やはりデスノートって、ライトとLの頭脳戦が醍醐味だったりするし、あれだけキレるLを何手も先読みして欺くライトが魅力的で、今回そういう対決シーンがどこにも存在しなかったのは非常に残念でした。
いきなり初対面で宣戦布告しちゃうんですから。
思わず、ん?て。
一応この物語、取引の際申し出るのは優位になっている側だ、というのがちょっとした伏線になっています。
ライトとL,、そしてライトとミアが駆け引きをするんですが、なんかあまり駆け引きになってなくて・・・。
一応自信満々のライトと、そうでないピンチのライト両方拝めるので、そういう意味では、今作のライトはまだ人間味のするキャラだったってことで腑に落ちそうです。
最後に
ある意味ではものすごく簡略化し、シンプルに描けることができるという点では、原作の難しさに嫌気が指してしまった人でも受け入れやすい作品になっていたかもしれません。
しかし、あの心理戦や頭脳戦に鳥肌を覚えた人からすると、物足りなさを過剰に感じてしまう作品かもしれません。
ノートのルールも100近くあるのに所々しか出てこないし、最後のどんでん返しも正直予想がつく展開だったかなぁと。
ただでさえビジランティズムを取り上げることが多い国なのに、もっと犯罪者を私的に裁くことへの善悪を追求してほしかったし、そこまで風呂敷を広げると収拾がつかなくなるから、カットしてシンプルに構成した脚本にした製作側の意図もわかるんですが、やっぱり物足りないの一言に尽きます。
結果B級スリラーとしては楽しめるけど、原作を求めすぎてしまうと・・・ってことですね。
これだけは言えます、ミアはかわいい。
あの冒頭のチアリーディングで気だるそうにプクイチかましながら腕組んで上で立ってる姿からの、小悪魔っぷり、そして悪魔。
というわけで以上!あざっした!!
満足度☆☆☆☆★★★★★★★4/10