スクランブル
2017年、モンキー的に大きなインパクトを与え、今まで見てなくてごめんなさいと悔やみに悔やんだ「ワイルドスピード」シリーズ。
今回その製作陣が手掛けたとされる新作カーアクション映画です。
まぁ正確には2作目の脚本家が携わってるってだけなんですがw
ド派手なカラーリングのスポーツタイプな車が彩ったワイルドスピードとは違い、今回扱う車はクラシックカー。
ポルシェ、アストンマーチン、フェラーリ。
車なんて全く興味のない俺だってそれくらい知ってるぜ!と思う方もたくさんいるんじゃないでしょうか。
そんな高級クラシックカーがワンサカ出るということで、私のようにワイスピにハマッた方も、車好きも、ワクワクしそうなアクションエンターテインメント映画に期待です。
早速鑑賞してまいりました。
作品情報
最強お父さん「96時間」のスタッフと、ブライアンとローマンのコンビで沸かせた「ワイルド・スピードX2」の脚本、リュック・ベッソンの人気作「TAXi」シリーズのアクションスタッフが集結し、再びビッグヒット作を作り出すべく、自身のキャリアをさらにワイルドにする作品を作り出した。
南仏を舞台に、BMW327、ポルシェ356スピードスター、アストンマーチンV8など往年の名車が疾走し、盗みのプロによる二重三重に入り組んだ計画で何度も観る者を欺く、数々のクライムエンタメ映画史に名を刻む決定版!
あらすじ
「アル・カポネが銃撃用に改造した車だ」などと、ひと目でその伝説の車を語る膨大な知識を持ち、兄のアンドリュー(スコット・イーストウッド)は頭脳、弟のギャレット(フレディ・ソープ)はメカニックを担当。
それが高級クラシックカー専門の世界一の窃盗団、フォスター兄弟だ。
彼らにとって、どんな盗みも成功させるのは当たり前。大事なのは、誰も思いつかない<驚愕の手口>で、いかに美しく完璧に盗むかだ。
今回もオークション会場から搬出された世界に二台の37年型ブガッティを奪うはずだった。
しかし、落札したのが残忍なマフィアのモリエールだったために、兄弟は囚われの身に。
命が助かる条件は、敵対するマフィアのクレンプが主有する62年型フェラーリ250GTOを1週間で盗むこと。
アンドリューの恋人で一流ハッカーのステファニー(アナ・デ・アルマス)、指名手配中の天災スリの美女、火薬を自在に操る爆弾オタクら寄せ集めチームで、犯罪史上最大の強奪作戦に挑むはずが、インターポールに追われ、ステファニーを人質に取られ、挙句の果てにはクレンプに計画を知られてしまう。
だが、実はピンチさえも<兄弟>の計画だった——!?(HPより抜粋)
監督
今作を手掛けたのはアントニオ・ネグレ。
ええ、いつもようにあなた誰ですか!?から始まるパターンなんですが。
ホラー映画「ザ・プロジェクト」という日本未公開の映画なんですが、この作品が海外の映画賞にノミネートされたことを機に、次作、ルイジアナを舞台に家族との絆を取り戻そうと冷酷な強盗一味と対決するクライムアクション「トランジット」を製作。
その後は、TVドラマの製作に場を移し、DCヒーローTVドラマ「ARROW/アロー」のシーズン3と4、同じくDCドラマ「レジェンド・オブ・トゥモロー」、80年代を代表する作品を現代色にし、ドラマシリーズとして蘇った「リーサル・ウェポン」シーズン1を手掛けるなど、アクションものを中心に活躍しています。
キャスト
フォスター兄弟の頭脳担当アンドリューを演じるのはスコット・イーストウッド。
なんとなく名前から想像つくかと思いますが、名優にして名監督であるクリント・イーストウッドの息子さんであります。
両親が結婚しなかったため母親の姓を名乗り、一時期はスコット・リーヴスとして活動していたとのこと。
個人的には最近になって出て来た人というイメージしかないので、彼の代表作って何?みたいな感じなんですが、今回の作品がそれになってくれればいいなぁと。
そんな彼の出演作品を簡単にご紹介。
やはり偉大な父だけあって、クリント・イーストウッドの作品である、「父親たちの星条旗」、「グラン・トリノ」、「インビクタス/負けざる者たち」などに出演しています。
親のコネにも感じてしまうほど多数出演していますが、その後は、第二次世界大戦末期のヨーロッパを舞台にたった一台の戦車でナチス・ドイツ軍に立ち向かった物語「フューリー」や、
DCコミックスの悪役たちが世界を救ってしまうバイオレンスアクション超大作「スーサイド・スクワッド」、
そして、アメリカ国家安全保障局の機密情報を暴露し世界中で話題となった元NSA職員を描いた「スノーデン」や、回を重ねるごとにファンが世界的に増えていく超人気カーアクション映画の金字塔「ワイルドスピード」シリーズ最新作「ワイルドスピード ICE BREAK」でリトル・ノーバディ役として出演。
次回作にも出演予定とのことで、めでたくレギュラーの座を得ることになりました。
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他のキャストはこんな感じ。
メカニック担当の弟、ギャレット役を、今回の作品で注目され、今後に期待がかかるフレディ・ソープ。
アンドリューの恋人ステファニー役を、「ノックノック」、「ウォー・ドッグス」、「ブレードランナー2049」のアナ・デ・アルマス。
天才スリ、デビン役を、レニー・ラーソン監督作「ザ・ヘラクレス」に出演していたガイア・ワイスなどが出演します。
南仏の美しい景観と数々の名車が作品を彩るであろう今作。
いったいどんなどんでん返しが待ち受けているのか。
ここから鑑賞後の感想です!!!
感想
頭空っぽで楽しめる、イケメン兄弟と美女たちが仕掛けるクラシックカー強奪大作戦!
以下、核心に触れずネタバレします。
シャレオツ度100%。
頭脳派と技巧派のイケメン兄弟が美女を片手に野獣を子分に、金持ちマフィアのコレクションをサクッと丸ごと頂こうと、どんでん返しの作戦を仕掛けるクライムエンタメ映画でございました。
はっきり言ってツッコミどころ満載の映画ではありましたが、直前に見ていた新作映画がどれもこれも体力を使い、神経を研ぎ澄まし、頭をフル回転して見なければついていけない作品が多かったこともあり、頭使いたくない!って方はすんなり入り込める映画だったのではないでしょうか。
まず特筆すべきなのは、本作の舞台である南フランス・マルセイユの美しい景観と、そこにマッチする高級クラシックカーの面々。
冒頭から空撮で魅せてくれる港町の風景に、もう気持ちはフランスに行った気分。
その街を滑走する、ポルシェやら、ブガッティやら、アルファロメオやらマスタングやらが画面を彩る映像は、車好きでなくともうっとりすること間違いなし。
クラシックカーたちがクライマックスで渓谷を走るのですから、なんていうんですか、「世界の名車100選~フランス編~」なんてDVDを見てる感覚ですよ。
そして標的であるクレンプが所有するフェラーリの数々。
あり過ぎて思わず笑っちゃうくらいw
ボディが鮮やかで曲線が美しくて、フェラーリを愛してやまない人の気持ちがほんの少し理解できた一瞬でした。
そんな名車を盗もうと大暴れする、色違いのシングルライダースジャケットとタイトなジーンズをカジュアルに着こなすイケメン兄弟の、スマートでチャラくてかしこで余裕ぶっこきな姿。
俺も狙ってるのよライダースジャケット。
茶色も捨てがたいなぁ・・・。
そんなことはおいといて、黙って状況を見極める観察力と、先を読んで相手を騙すクレバーさ、こんな危険な綱渡りから、いい加減稼業から足を洗ってステファニーと結婚したい!と願うアンドリューと、常におしゃべり、女に振られてばかり、だけど運転テクは折り紙付きの弟ギャレットといった対照的な二人。
イケメンには美女がつきものとばかりに、ハッカーとスリを稼業とする、全うな道を進まず人生を楽しんでらっしゃるじゃじゃ馬テイストな美女2人が兄弟を助けながらロマンスを育んでいく展開。
猶予がねえのに、いちいちクラブやら海辺のレストランで飯食ったり酒飲んだりと、俗物ならではのオシャンティでシャレオツなイキフンが素晴らしい演出でございました。
そんな世界にあこがれる庶民の方たちは是非これを見て羨ましそうに指をくわえながら、あれこれ妄想して見ても楽しいかもしれません。
だってイケメンでしょ?
美女でしょ?
南仏でしょ?
高級車でしょ?
最高じゃないですかw
高級車は傷つけてはいけない。
じゃあ映画的に楽しめたのかといえば、話は変わってくるわけで。
一番残念だったのは、本物の高級クラシックカーを使ってカーチェイスをしてしまったために、傷をつけてはいけないことで、迫力と緊張感がほぼないということ。
物語上傷をつけずに盗むというのが前提としてはあるものの、「ワイルドスピード」のようになりふり構わず破壊してナンボの展開はここではほとんどなく、そこから生まれるであろう爽快さは、本作ではあまり感じることができなかったのが残念でありました。
ぶつけてはいけない、傷つけてはいけないのなら、そこに焦点を絞って緊張感を煽ればハラハラドキドキな展開が作れたのに、クライマックスのカーチェイスは平凡なものでした。
まぁ平凡とはいえ、小物一匹をうまく誘導して撃破するシーンと、ラスボスをクリーンヒットさせて大破させるシーンは最高だったんですけどね。
盗んだ高級車は丁重に扱っての盗みだったわけですが、逆に兄弟が所有するBMWなんかは木っ端微塵に破壊してましたね。
ブガッティを盗むオープニングのシーンで、ギャレットがトラックの道を阻もうと車体を横にしてスピードを下げてたんですが、もちろんこの車は大爆発をし、トラックを横転させる役目を果たしたのですが。
こっちからしたらBMWの時点で高級車なのに・・・それは簡単に破棄できちゃうのね、さすが余裕ぶっこき兄弟・・・と変な視点で見てしまいました。
お兄ちゃんはホントにかしこ?
冒頭がスマートじゃない。
この作戦の計画を全て練っているのがお兄ちゃんのアンドリュー。
敵も味方も観衆も欺く予想だにしない計画で、見事作戦を成功させるんですが、どうも頭脳派なのか微妙だなぁと思う点がいくつかあったので挙げてみたいと思います。
まずは冒頭、オークションで落札したブガッティを輸送中に盗むという作戦。
何するって体にロープ巻いて橋の上からトラックめがけてダイブ!
ギリギリの着地をフォローしようと弟ギャレットが車で応戦。
その後弟がトラックの前方で足止めさせた後、弟は車から降りてトラックへ飛び乗りブレーキの配線を遮断。
お兄ちゃんと荷台に侵入し見事ブガッティを強奪!
まぁオープニングなんでね、ツカミは大事とばかりにド派手な作戦を仕掛けたわけですが、そこまで体張る必要が果たしてあったのか・・・w
なんか変装してさ、検問とかしかけてさ、荷台見せろとか言ってパパッと盗むような、もっと効率のいい、確率の高いやり方とかあったろうに。
で、体を張った作戦て実はこれだけで、あとは人を使って欺くだけなんですよね。
どこから作戦だったのか。
あとはそうですね、一体どっから作戦だったの?ってとこ。
全部書いちゃうと核心に触れちゃうので難しいんですが、これ多分最初っからターゲットが明確で、こっちから罠にハマってやったって見えるんですよね。
ヤバい奴の車盗んじゃった、お詫びにあなたのビジネスライバルであるフェラーリマニアの車盗みますよ?どうですか?と話を持ち掛けるんです。
で、仲間を探すんだけど、その中にモリエール(脅されてるマフィアのボスね)の従兄弟だかはとこだかが監視役として仲間に強引に加わるんですけど、これはお兄ちゃん想定外だったろうなぁと。
だからこいつを外すためにあれこれ仕掛けを施したんだろうなぁと。
そんなこと言った?
この従妹が邪魔だから外れろと言われて腹が立ったのかどうかわからないんですが、途中ステファニーがモリエールに人質に取られるんですよね。
で、なぜ人質に取ったのか。
「作戦の事なんかおいといて逃げようとしたから、この女を人質に取った」とか、モリエールは言ってたんですけど、そんなこといつ言ったよ?と。
確かに、クレンプの家に行くことになり、フェラーリのある車庫を見せてもらったことで、向こうが警戒してしまう、作戦が失敗する、ヤバイ逃げようとなるのは普通なんですが、ズラかろうぜなんてアンドリュー言ったっけ?
で、まぁこの人質に取られるのも結果として作戦の一つだったのか。
ここまで想定内だったのか作戦通りなのか、ちっともわからずじまい。
こういうのって種明かしがラストにあると思うんですけど、最初から作戦だったとは語られていなくて、決行当日からが作戦の始まりで。
そうなると人質になって屋敷に侵入したのは偶然?
てか、どこまでダマしてたの?
ステファニーもギャレットもダマしてたんじゃないのこれ?
と、思うところもいくつかあって余計わからなくなってきた。
う~ん・・・。
他にもツッコミどころ。
主人公のフォスター兄弟なんですが、異母兄弟だそうで。
で、この稼業をやることになったことに対して、親父の影がちらつくようなセリフが多々あるんですが、肝心のオヤジの素性が明確に描かれてないんですよね。
とにかく二人を会わせた親父に感謝だな、とか言ってるんですけど、親父何やってる人よ?
多分兄弟と同じことしてたというのが大方の予想だとは思うんですけどね。
きっと続編やるとしたら明かされるんでしょうね。
だからってクリント・イーストウッドが出るなんてことは100%あり得ないんでしょうがww
最後に
今作でしっかりとスコット・イーストウッドを見たわけですが、お父さんにやはり似てますね。
目を細める仕草だったり、頬のコケ方だったり。
てかまだ31歳っていくつの子だw
これから大成してほしいですね。
アナ・デ・アルマスもエロかわいかったなぁ~。
Vカットのセーター姿素敵でしたw
ブレランでどれだけ活躍するのか楽しみです。
まぁ作品に関してはそこまでの評価はないですが、サラッと楽しめる映画だったのではないでしょうか。
ワイスピと違って豪快さもなければ派手さもない。
キャラが立ってるわけでもない。
あれこれ比較すること自体間違ってますが、これはこれでそれなりに楽しめることは間違いないと思います。
というわけで以上!あざっした!!
満足度☆☆☆☆★★★★★★ 4/10