奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール
奥田民生という固有名詞の入った映画タイトルに対しての前にだ。
んだよこれ!!タイトル長ぇよ!!!
一応twitterでは「民生ボーイと狂わせガール」ってまるで「鮫肌男と桃尻女」みたいな名称で宣伝活動を行ってるようですが、それなら最初からそれでやってくれや。
お客さんチケット買う時にどう言えばいいんだよw
あぁ、民生ボーイでいいのか。
それは置いといて、毎年コンスタントに作品を世に送り出している大根仁監督に、一定の安心と信頼感を持っているモンキーとしては、アニメーション映画「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」の脚本の残念さと、TVドラマ「ハロー張りネズミ」が個人的にはまらなかったことから、大根はもしかして厳しいか?なんて思ってしまっている次第であります。
いやいや彼に脚本だけさせっからだよ、ちゃんと監督作品は大丈夫だから!ともう一人のモンキーがしゃしゃり出て言うもんだからとりあえず観に行くし、なんてたって水原希子を大根監督がどうエロビッチに仕上げるかがこの映画の一番の見どころであり、ポイントだと思うわけですよ、へっへっへ。
そんなドスケベ根性丸出しで早速鑑賞してまいりました!
作品情報
読者の心をえぐることで人気のコラムニスト、漫画家の渋谷直角の原作を「モテキ」の大根仁により映画化。
「力まないカッコいい大人」=奥田民生に憧れている雑誌編集者が、男を狂わすファッションプレスの女に一目ぼれしてしまうことから始まる、恋の喜びや絶望にもがいていく、抱腹絶倒のラブコメディ。
奥田民生のナンバーにのせて描かれる、最凶にポップで、かつてない恋愛エンターインメント映画です。
sweet特別編集 天海あかりstyle book in 「奥田民生になりたいボーイと 出会う男すべて狂わせるガール」 (e-MOOK)
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奥田民生になりたいボーイ 出会う男すべて狂わせるガール 完全版
- 作者: 渋谷直角
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- 発売日: 2017/06/30
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あらすじ
奥田民生を崇拝する33歳、コーロキ(妻夫木聡)。
おしゃれライフスタイル雑誌編集部に異動になったコーロキは、慣れない高度な会話に四苦八苦しながらも次第におしゃれピープルに馴染み奥田民生みたいな編集者になると決意する!
そんな時、仕事で出会ったファッションプレスの美女天海あかり(水原希子)にひとめぼれ。
その出会いがコーロキにとって地獄の始まりとなるのだった…。
あかりに釣り合う男になろうと仕事に力を入れ、嫌われないようにデートにも必死になるが常に空回り。
あかりの自由奔放な言動にいつも振り回され、いつしか身も心もズタボロに…。
コーロキはいつになったら奥田民生みたいな「力まないカッコいい大人」になれるのか!?
そしてもがく先にあかりとの未来はあるのか!?(HPより抜粋)
監督
監督は大根仁。
このブログタイトルは彼が一躍ヒットメーカーとなったきっかけにもなったドラマ「モテキ」のサントラ「モテキ的音楽のススメ」からインスパイアされてつけおります。
それもあってか違うのか彼の作品はいつもその年のモンキー的ランキング上位に入るほど期待を寄せている方でございます。
まぁ冒頭でも書きましたが、ちょっと下降気味なんですけどねw
今回は「モテキ」のような恋愛コメディをやりたいと思ったときに、この原作に出会ったんだとか。
そして今回も含め監督は必ず編集部を舞台にした作品を撮り続けていることも注目してほしいです。
やはり製作現場という場所で育ってきた方ですから、思いはひとしおなんでしょう。
その甲斐もあって毎回描かれる編集会議のやり取り大好きですw。
今作にも挿入されているのでしょうか。
監督に関してはこちらをどうぞ。
キャスト
人物相関図どーん!!
一応こういう人間関係のようですが、キャラクター紹介ではないので主役二人にクローズアップしたいと思います。
主演のコーロキ役に妻夫木聡。
彼がゲイの役をやろうが、男のシンクロを披露しようが、悪人やらカエル男を演じようが、モンキー的には妻夫木君は好青年にしか見えないのであります。
一見低評価に聞こえそうな文章ではありますが、ここまでどんな役を演じても好青年臭を残したまま演技できる男は彼以外思い浮かびません。
これはかなり希少価値のある俳優だと思います。
だからこそ今回女の前で妙に空回りし、必死にカッコイイ大人になろうともがくブッキーを堪能したいのであります。これを大根監督がどう料理するのか楽しみであります。
そんな彼についてはこちらをどうぞ。
そして今回のヒロイン、天海あかりを演じるのは水原希子。
モデルとしての彼女は大好きなんですが、役者としての彼女はぁ・・・まぁ普通くらいでしょうか。
ただTVドラマ「心がポキっとね」の時の、阿部サダヲ、藤木直人、山口智子というベテラン勢の中に混じって堂々たる演技をしていた時が、私の中では一番の彼女のベストアクト。
キャラがぴったりだったと言ってしまえばそれまでなんですが、今でも印象に残ってるということは、それだけ記憶に残る役を演じたってことで、やっぱりベストです。
これまで彼女はどんな作品に出演していたかというと、深い喪失感を抱えたまま、2人の対照的な女性に揺れ動く青年の、葛藤と再生の日々を綴った、村上春樹のベストセラー小説を映画化した「ノルウェイの森」で女優デビューします。
その後、全身整形を秘密にしたまま活動するトップモデルの欲望から転落までの道のりを、過激な性的描写と極彩色な色合いで描いた「ヘルタースケルター」、圧倒的な力を持つ巨人に翻弄されながらも、立ち向かっていく青年たちの悲壮な運命を描いた「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」、「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンドオブザワールド」などがあります。
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キャリアはまだまだ浅いですが、今後も本業と共に色々演じていただきたいものです。
その他のキャストはこんな感じ。
コーロキの先輩・吉住役に、「モテキ」、「バクマン。」など大根監督作品には欠かせない新井浩文。
コーロキが原稿依頼する人気コラムニスト・美上ゆり役に、「百円の恋」、「追憶」の安藤サクラ。
同じく原稿依頼するフリーのファッションライター・倖田シュウ役に、「モテキ」、「バクマン。」、「SCOOP!」と監督作品皆勤賞のリリー・フランキー。
コーロキが配属されたマレの編集長・木下役に、「恋の門」、「シン・ゴジラ」の松尾スズキ。
そしてGOFFIN&KINGの社長・江藤美希子役を、「恋妻家宮本」、「メアリと魔女の花」など、今年は映画の活動が目立つ天海祐希が出演します。
果たして「モテキ」の再来となるのか?奥田民生は物語にどう絡んでくるのか?そして水原希子がどれだけエロビッチな女の子を表現できるのか?(ここポイントw)
ここから鑑賞後の感想です!!!
感想
エロビッチに翻弄されながらも、なりたかった男になろうともがく男のバイブルムービーでした!!!
以下、核心に触れずネタバレします。
置きにいった感。
テレビの生放送の本番、周りが着飾って登場する中、一人ラーメンの汁をこぼしたジーンズをはいて登場してしまう。
周りがどんな姿でオレは俺、そんな周りに流されない男=奥田民生のような男になりたいとあこがれる主人公。
慣れない仕事にあくせくしながらも、日々をこなしていく彼の前に現れた一人の女性。
あまりの美しさに一目ぼれした彼に、ひと時の幸せと、日常を狂わせてしまうほどの不幸が降りかかっていく。
前日に「モテキ」をおさらいして臨んだ今回の作品。
率直に言うと、監督の割にはややこじんまりと出来上がってしまった印象。
それもそのはず「モテキ」では2人の女性に揺れる主人公を描くことで、彼の意志が定まっていく物語性だったから観ていて痛快だったし、自分だったらどっちだろうなんてくだらない妄想をして楽しめたのですが、今作は一人の女性に翻弄されるんだけと焦点を絞って描いてたことで、その辺は物足りなさを感じました。
もちろん比較すること自体が間違ってるのは重々承知なのですが、監督自身「モテキ」のような作品をもう一度やりたいと言っていたので、変に意識してしまった以上、そこから抜け出せないのが仇となり、このような感触を抱いてしまったことは事実。
奥田民生の音楽の使い方にしても、彼の名曲であるCUSTOMとThe STANDARDを多用して流すのはモンキー的に大満足なんですが、まさかデートシーンでシチュエーションを変えるたびに曲をころころ変えてあれこれ流すのはいかがなものか。
「モテキ」では一人のアーティストにこだわらなかったから、例えちょこっと流すだけでも違和感はなかったのですが、一人のアーティストに限定してこういう使い方をすると、逆に奥田民生への愛を感じないというかなんというか。
きっと映画の中での奥田民生なら、ここでこんな苦言するようなことはしないぞ!なんて言われてる気がしなくもないですが。
エロビッチ感は最高。
と、いきなり否定的な意見から入ってしまいましたが、やはり監督お得意の女優をいかにエロくみせるか、というテクニックはさすが。
とにかく、劇中ではコーロキとあかりの生々しいキスの嵐。
抱いて抱いて抱いてキスしてキスしてキスしての応酬であります。
正直こんなにやる必要あるのか?というほど、やりまくっています。
30代にもかかわらず、コーロキの性的欲求はどこからくるんだ!?
あかりってそんなに夢中になってしまうほどいい女なのか!?
と、疑問に思ってしまうほどデート中にキスするキスするww
いい大人が店でメシの最中、タクシーで移動中、路チューなどなど公共の場で愛を確かめ合うのか?
いや、やる人はやるんだろうな。
てか、海外じゃ普通なのに、こんな風に思ってしまう俺の愛の表現の乏しさよ・・・。
まぁいいや、それはもうエロく激しく濃厚なキスでございました。
うらやましいっすw
そして、あかりの艶めかしいヒップライン、さりげなくアピールするデコルテ、上目遣い、手の位置や仕草、うわ~やりてぇ!!!と興奮してしまう色気たっぷりなランジェリー姿とボディラインの細さ!!!
モンキー的にはですね、ぽっちゃり系よりも、しなやかで華奢な女性がタイプということもあり、あかりのような容姿の女の子は大好きなのであります。
これを見事に体現した水原希子は最高であります!!
よくやってくれましたw
こういう女いるよね。
そんな男の希望を満たしてくれるあかりですが、困ったことにかまって猫ちゃんなのであります。
自分のかわいさを最大限にアピールし虜にさせ、思うが儘にしてしまうかと思えば、自分の思い通りにならないと、すぐふてくされ声のトーンを下げてしまう。
挙句の果てには「あたしのこと好きじゃないんだ?」「そっちがどうしてもっていうから予定あわせたのに」などなど、あの手この手で話を挿げ替えたり、あたかも自分は悪くないようなことを言い始める。
そりゃあ男は彼女に夢中なのだからご機嫌取りに必死になり、こっちにあわせてほしい時に連絡がとれなければ、LINEだってひたすら打ってしまいますよ。
それでいて女子会の前では、男には絶対見せない顔で笑いをとる豹変ぶり。
ホントのあかりはどれなんだ!?とクライマックスでコーロキが叫んでしまうのもわかります。
男は余裕が大事。
平静を保てないまま日常が彼女の事で頭一杯になった時、コーロキはなりたい自分である奥田民生の曲を聞いて落ち着こうとするのですが、中々そうもいかない現実があります。
そもそも、コーロキとあかりは住む世界が違うよなぁ、と。
正確には相性がよくない。
マレ編集部の面々が、ディアンジェロを聞いたり、ロゼのシャンパンで乾杯したり、いちいちアクセントにこだわる英語でインテリジェンスな部分を見せたりするような奴らの中で、ひとり立ち食いソバ屋や立ち飲み屋をこよなく愛し、奥田民生を敬愛するコーロキ。
冒頭で明らかに場違い感が如実に描かれているのに、一目ぼれしてしまったのは、さらにその上にいるあかり。
二人の格差をGOFFINの職場の階段の踊り場にいるコーロキと階の上にいるあかりが全てを物語っていて、あかりはスーパーで値段を気にせず産地や栄養価などを気にして野菜を買うのに対し、コーロキは値段がまず先でしょ?と。
要は身の丈に合った恋愛をしてないから、コーロキは背伸びして必死に関係を続けようとしてしまうのだろうなぁと。
いくら奥田民生だってこんな女に出会ったら翻弄されちゃうんじゃないか?w
いやぁしかし滑稽だ。
気が付けば携帯のカメラで、あかりの悩ましいヒップラインを写真に収めようとしたり、打ち合わせ中ペンを落として机の下にもぐった時の彼女の生足をまじまじと見てしまい、急に声をかけられ悟られないようと平常心で返事しようとしたら「だいじょうぶだぁ」と志村のような返事をしてしまったりと、徐々に彼女の魅力に惹かれていくコーロキの姿がとにかく笑えるし、自分も無意識にそれやってるなぁ~なんて思い返しながら見てしまったわけですが、彼以外にも彼女に翻弄されてる人物がいるわけで。
それが同僚のヨシズミなんですが、なんというかこいつも典型的なキレキャラでして。
ヨシズミはあかりの元カレなんですね。
あかりいわく彼はDVだと。
まぁぶったりはしないとのことですが。
で、後にコーロキもそうなるんですが、執拗にLINEで連絡を取ろうとしたり、返信がなければ電話をかけまくる。
まぁこの辺は序の口で、これがエスカレートすると電話で怒鳴る、モノに八つ当たりする、あかりが泣き出すとごめんごめんと自分の頬を殴るw
そしてあかりの新しい彼氏が同僚だと知るやいなや会社を休むw
これはさすがにないですが、うちの職場にもいたんですよ、ついこの前までこれに似たような奴がww
こんなヨシズミ君ですが、クライマックスではまさかの国民的アニメキャラの秘密道具を引用して愛の告白をする場面は大笑いしました。
まぁ他にも化けの皮が剥がれる奴がいるのですが、そこは核心に触れるので是非映画館で。これまた笑えます。
最後に
例に挙げるのがちょっとお門違いかもしれませんが、監督流の「(500)日のサマー」をやりたかったのかなぁと。
一人の女を経て、編集マンとしての成長を描き、しっかりとした男になれたのは彼女のおかげでもある、と。
相手にどうみられるかにばかり固執していたけど、過去の経験を踏まえて少し大人になるというか。
それでも過去の自分を見て泣いてしまったのは、なんともせつないというか。
こういう終わり方もちょっと面白いなぁと。
正直もっとハチャメチャな男女のアレコレをやるのかなぁと思って期待していたのですが、クライマックスがちょっと怖かったのと、やはり「モテキ」を前日にみたのがよくなかったなぁ・・・と。
とにかく男ならどこか思い当たる節があるんじゃない?というのと、こういう女には気を付けろ!と、くぎを刺されたような感覚になるんだけど、今の君があるのはそういった経験があるからだぞ!と言われてる気がした映画でした。
というわけで以上!あざっした!!
満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10