SING/シング:ネクスト・ステージ
「ミニオンズ」や「怪盗グルー」、「ペット」など、海外アニメーション映画を製作する「イルミネーション」が手掛ける作品は、ほとんど観賞することがありません。
別に自分が見なくてもいいっしょって理由でスルーすることが多いんですが、この「シング」だけはしっかり鑑賞しています。
なんせ音楽で飯を食おうとしてた身だったんで、どうしてもこういう音楽や興行をメインにした作品には興味が湧いてしまう。
しかも劇中で扱う楽曲のチョイスが素晴らしいんですよw
前作で言えば、フランク・シナトラのマイウェイやビートルズ、スティービー・ワンダーにエルトン・ジョンといったレジェンドから、テイラースウィフトといった今をときめくアーティストまで、いい曲が目白押しなんですよ。
まぁ出来れば実写の方がいいんですけど、こういう時でないとアニメーション映画を見ない人なんで、今回もステキな楽曲を歌うキャラクターを満喫したいと思います。
早速観賞してまいりました!
作品情報
ミニオンを始め個性的なキャラクターを生み出して世界を魅了するイルミネーションスタジオの人気作「SING」の続編。
前作で自分の殻を破り人生を変えるチャンスを手に入れたパフォーマーと支配人バスター・ムーンらが、今度は地元を飛び出しエンタメの聖地での公演に挑戦。
彼らの前に再び困難が降りかかるが、みんなと力を合わせて力を乗り越えていく。
音楽とエンターテインメントの可能性を追求した本作は、前作よりスケールアップして人生の素晴らしさを伝える。
また前作で作品を彩った楽曲たちも、ショーン・メンデスやU2、アリシア・キーズにジャスティン・ビーバーと新旧の名曲たちで構成。
「みんなで力を合わせる」がテーマであることからデュエット曲も多いのが見どころでもある。
ボイスキャスト陣も前作に引き続きマシュー・マコノヒーら豪華メンバーが集結。
さらに新メンバーとしてU2のボノ、ホールジー、ファレル・ウィリアムスらが参加。
ビッグアーティストで本作を盛り上げる。
吹替え版でもB'zの稲葉浩志やSixTONESのジェシー、BiSHのアイナ・ジ・エンドなど本国に負けない布陣。
字幕か吹替えかどちらを見ようか悩んでしまう贅沢さ。
世界中が暗がりな状態になっている今こそ、音楽で背中を押して盛り上げたい。
そんなイルミネーションスタジオの思いが詰まった1本です。
あらすじ
歌のオーディションを開催し、取り壊し寸前の激情を見事に復活させたニュー・ムーン劇場の支配人バスター・ムーン(CV:マシュー・マコノヒー/内村光良)。
だが、彼の夢はそれでは終わらない。
次に目指したのは、エンターテインメントの聖地”レッドショア・シティ”での公演だった!
バスターは仲間たちを引き連れてショービズ界の超大物、ジミー・クリスタル’CV:ボボビー・カナヴェイル/大塚明夫)のところへオーディションへ行き、斬新なアイディアと持ち前のハッタリで超一流劇場であるクリスタル・タワー劇場での公演の契約を取り付ける!
でも、その契約には15年間、人前から姿を消している伝説のロック歌手・クレイ・キャロウェイ(CV:ボノ/稲葉浩志)をキャストに迎えるという条件があった。
地元の小劇場を飛び出し、途方もなく大きな舞台に立つチャンスを手にしたバスターたち。
それは、数々の困難の始まりだった——。
いまネクストステージに挑む彼らの、笑いと感動の物語が始まる!
監督
本作を手掛けるのは、ガース・ジェニングス。
地震の幼少期の出来事をきっかけに生まれた「リトル・ランボーズ」が有名な監督。
アニメーション映画も手掛けるなんてと前作で思いましたが、今回も続投ということで良かったと思います。
そもそもジェニングス監督は、90年代後半から00年初めごろまで、ブリットポップやオルタなロックのMVを撮る「ハマー&トングス」という映像集団のメンバーで、MV畑の人だったそう。
ベックやR.E.M.レディオヘッド、ブラーなどの作品を手掛けていたそうで、低予算で製作することが命題のMVの中で、抜群な映像センスを発揮していたそうです。
もしかしたら、探ってみると本作のヒントが隠されているのかもしれませんね。
キャラクター紹介
- バスター・ムーン(CVマシュー・マコノヒー/内村光良)・・・倒産寸前だった劇場を立て直し、完売続きのショーを開催するニュー・ムーン劇場の支配人。次なる野望としてエンターテインメントの中心地、レッドショア・シティでの公演を目指す。
- ミーナ(CV: トリー・ケリー/MISIA)・・・あがり症を克服した、エネルギッシュな歌声が魅力のニュー・ムーン劇場のスターパフォーマー。新しいショーではラブストーリーのヒロインを演じることになるが、まだ初恋も知らず途方に暮れる。
- アッシュ(CV: スカーレット・ヨハンソン/長澤まさみ)・・・毎晩ライブハウスでパワフルボイスを響かせる地元のロックスター。大ファンであるクレイ・キャロウェイショーに参加してもらうよう説得しているうちに、彼の傷ついた心に寄り添い絆を深めていく。
- ジョニー(CV: タロン・エガートン/大橋卓弥)・・・元ギャングでありながら、ニュー・ムーン劇場では繊細な歌声を披露するスター歌手。今回初めてダンスに挑戦するが、威圧的なサルの振付師に悩まされ、自信を失う。
- グンター(CV:ニック・クロール/斎藤司)・・・生まれながらのエンターテイナーでみんなのムードメーカー。クレイ・キャロウェイ出演のSFミュージカルのアイディアをひらめき、一流劇場オーナーのジミー・クリスタルの興味を引く。
- ロジータ(CV:リース・ウィザースプーン/坂本真綾)・・・25匹の子豚たちの母親であり、ニュー・ムーン劇場のスター歌手。新たなショーの主役に抜擢されるが、高所での演技に怖気づいてしまいポーシャに役をとられそうになる。
- ミス・クローリー(CV:ガース・ジェニングス/田中真弓)・・・バスターの優秀(?)なアシスタント。大きな義眼を落っことしたりとおっちょこちょいだが、バスターの不在時には拡声器を片手にリハーサル進行の代役を務めるなど、どんな時も懸命に任務をこなす。
- ナナ(CV:ジェニファー・ソーンダース/大地真央)・・・元スター女優でありニュー・ムーン劇場の最大の後援者。バスターが自信を失いかけたときには、厳しくも温かく彼の背中を押し、夢を実現させるための勇気を与えてくれる。
- アルフォンゾ(CV:ファレル・ウィリアムス/ジェシー)・・・レッドショア・シティでアイスクリームを売る心優しきゾウの青年。ロマンティックに悩むみーなと偶然出会い、彼女の初恋の相手になる。
- ポーシャ(CV:ホールジー/アイナ・ジ・エンド)・・・甘やかされて育ったジミー・クリスタルの娘。無邪気な性格で、空気が読めないところがある。演技はとてつもなく下手だが歌の才能があり、バスターの新たなショーに参加する。
- ヌーシー(CV:レティーシャ・ライト/akane)・・・レッドショア・シティのカリスマ・ストリートダンサー。パフォーマンスを見たジョニーにダンスコーチを頼まれる。ユニークでエネルギッシュなダンスと指導でジョニーの不安を自信に変える。
- ジミー・クリスタル(CV:ボビー・カナヴェイル/大塚明夫)・・・ショービズ界で成功を収めている一流劇場の冷徹なオーナー。強いエゴの持ち主で、ショーの成功のためにバスターを追い詰める。自分に恥をかかせようとする者は誰であっても許さない。
- ダリウス(CV:エリック・アンドレ/木村昂)・・・派手好きで自分大好きなスター歌手兼俳優。ミーナの恋の相手役としてデュエットを組むが、一向に彼女の名前を覚えない。
- クレイ・キャロウェイ(CV:ボノ/稲葉浩志)・・・かつては情熱的でパワフルな歌声が大人気だったロック歌手であり、伝説的ミュージシャン。妻の死後、その美声と心を閉ざし、15年以上人前から姿を隠している。
(以上HPより)
とりあえずU2の歌が聞ければ大満足ですw
てか今回も字幕版で見るか吹き替え版で見るか悩むよね~!
ここから鑑賞後の感想です!!
感想
#映画シング #シングネクストステージ 観賞。
— モンキー🐵@「モンキー的映画のススメ」の人 (@monkey1119) 2022年3月18日
コールドプレイ、エルトンジョン、DNCE、ビリーアイリッシュ、エアロスミス、ジャスティンビーバー、アリシアキーズ、システムオブアダウン。
好きなアーティストの曲が満載。
伝説のロックスターにボノを起用したのは説得力ある。 pic.twitter.com/07Y9Sx3FrI
やっぱりボノの起用は説得力あってラストは最高!
しかし話は中々ぶっ飛んでたぞ…。
以下、ネタバレします。
今回も楽曲チョイスがいいね!
地元の劇場を復活させた支配人とスター歌手の面々が、次なる高み=ネクストステージへと目指す姿を、大きな劇場だからこそできたド派手なミュージカルはもちろん、それぞれのキャラにのしかかる困難と克服を組み込むことで感動を呼ぶクライマックス、彼らの心情を述べたかのような楽曲が物語ボルテージを上げた、前作以上にアガる続編でしたが、冷静に考えたら結構ぶっ飛んでる話なんじゃねえかとも思えた作品でございました・・・。
吹替え版か字幕版か、稲葉さんかボノか。
非常に悩みましたが、前作も字幕版で鑑賞したので今回も字幕版で鑑賞しました。
正直「伝説のロックスター」という観点からすれば、現役バリバリのB'zよりも、最近全然楽曲聞いてないなぁってU2の方が僕からしたら「伝説」であり、久方ぶりということもあって字幕版一択だろうと。
稲葉さんごめん!
あとで吹替え版も見ます!
いやぁしかし今回もいい曲が目白押しでしたね。
冒頭からテンション上がりまくりで見せる「アリスインワンダーランド」のミュージカルで披露するのが「Let's Go Crazy」。
いきなりプリンスでテンションを上げさせてくれるわけですから、心ウキウキワクワクでしたよ。
ジミー・クリスタルの秘書にもう一度劇を見てもらうためにチャリンコで必死で追いかけるもあしらわれてしまったバスターが、運河に落ち、ずぶぬれで歩いて帰る姿のシーンでは、エルトン・ジョンの名曲「グッバイ・イエロー・ブリック・ロード」が。
映画「ロケットマン」でも使われたことで有名ですが(それ以前に有名w)、ずぶぬれで背中を丸めながら夢に打ちひしがれたであろうバスターの姿と、サビの「Uh~~Ah~~」が妙にハマってますw
一か八かの大勝負に挑む決心をしたバスターが、前作でメインを演じたアッシュに再び協力を依頼しにライブハウスへ行くシーンでは、アッシュがヤー・ヤー・ヤーズの「Heads Will Roll」を披露。
前作でも感じたんですけど、このハリネズミのロック好きな女性ってキャラが、どうしても長澤まさみだと無理があるというか、キャラ違うよねってずっと思っていて。
スカーレット・ヨハンソンのようなハスキーボイスでシャウトしたりしっとり歌う方がアッシュというキャラに合ってる気がするんですよね。
だから、このライブのシーンでもむっちゃかっこええやん!と。
頭もソウルもとんがってんじゃん!てなりましたw
オーディションを受けるためにクリスタルがいるビルに行くも、門前祓いを受けてしまう一行が、清掃員に化けて侵入するシーンでは、ビリーアイリッシュの代表曲「Bad Guy」が。
最近の洋画で良くかかるので、これといったサプライズもなく「またこの曲か・・・」って気分ではあったんですが、要するに悪いことをする一行=バッドガイという直接的な表現という意味ではベストマッチな曲だったんじゃないでしょうかw
バレないように侵入する姿と、低音のリズムが妙に合ってましたしw
オーディション会場に到着すると、他のアーティストたちがオーディションを受けてるんですが、その中でひときわノリのいい楽曲を使って劇をしている連中が。
DNCEの「Cake By The Ocean」という曲。
このアーティストをよく知らないんですが、コロナ禍で運動不足だったこともあり、ウォーキングをしてた時期によく聞いていた楽曲で、まさかこれが流れるとは露知らず。
超ノリのいい曲なんでおすすめですw
いよいよセットを聞見立てながら演者はレッスンへと進行。
ロジータは、宙づりでのパフォーマンスに挑むが、高所恐怖症に陥り、役をジミーの娘ポー社に奪われそうになります。
ここでポーシャが宙づりしながら歌うのがアリシア・キーズの「Girl On Fire」。
正に炎の如く燃えてる=今輝いてるという心情に相応しい楽曲だったのではないでしょうか。
ジョニーはレッスンの先生が厳しすぎて自信を失ってしまうんだけど、たまたま街で見かけたストリートダンサーのヌーシーを魅力に取りつかれ、個人レッスンを要求。
自分の存在をなかなか信じてくれない代わりにカフェで流れていた楽曲を歌うんですが、ここで流れるのがショーン・メンデスの「There's Nothing Holdin' Me Back」。
もう僕を止められないというサビのフレーズが、一瞬で目を奪われてしまったヌーシーへの思いにも重なるシーンだったのではないでしょうか。
一番衝撃だったのは、クレイ・キャロウェイの自宅へ向かうことになったバスターの助手ミス・クローリーが車中で聞いている曲がシステム・オブ・ア・ダウンの「Chop Swey!」ww
別に彼女が歌うわけじゃないんですけど、あまりにも意外な選曲で思わず笑ってしまいましたw
確かに山々の一本道をフェラーリで疾走するときに聞きたくなるような曲では…ないかw
アッシュと共にクレイ・キャロウェイの自宅を訪れたバスター。
なかなかオファーを飲んでくれないクレイに対し、クレイの大ファンだというアッシュに望みを託すことに。
ここでアッシュが歌うのが、U2の「Stuck In A Moment You Can't Get Out Of」という曲。
2000年に発表した「オール・ザット・ユー・キャント・リーブ・ビハインド」というアルバムに収録された曲で、「トゥームレイダー」の主題歌や「ミリオンダラー・ベイビー」の主題歌、そして名曲「ビューーティフル・デイ」も収録されたアルバム。
この曲は自殺した親友を救えなかった思いから生まれた曲だそうで、劇中では奥さんを失って人前で歌うことをしなくなったクレイに対して、アッシュが励ます様に優しく囁くように、そして彼に遠慮して歌を披露しています。
「君はその瞬間いハマってしまって抜け出せなくなっているんだ」
クレイもまた奥さんを失ったことでそこから動けなくなっている。
しっかりしなきゃ、と彼に寄り添うように励ますことでようやく我に返るクレイとアッシュのシーンは涙モノです。
そして本番。
戦争の惑星のシーンでは、ジョニーがピアノを伴奏しながらコールドプレイの「A Sky Full Of Stars」を熱唱。
空につつまれ、星いっぱいの空に包まれて君を感じるんだと声高に歌い上げる姿は、やはりヌーシーへの思いが。
そして圧力をかけて精神的ダメージを与えるだけの先生に対しては、「さぁ僕を傷つけてもいいよ 僕は大丈夫だから!」と、原曲自体そういう歌ではないんですが、見事に歌詞がマッチしたシーンでした。
この後は、ミーナとダリウスのいる愛の惑星でのシーン。
アイスクリームを売るアルフォンゾに一目ぼれしたミーナは、これまで恋をしたことがない経験から思うように相手への思いを表現できず苦悩していたのがウソのように堂々と歌いあげます。
楽曲はアレサ・フランクリンのカバーで有名な「I Say aLittle Prayer」。
拍の取り方が非常に難しいんですが、そんなことをモロともしないノリノリの歌唱力。
ハイトーンボイスで歌い上げるトリー・ケリーを優しく包むようにフォローするファレルの声が凄くよく相乗効果をもたらしています。
そしてラスト。
探検家を探し求めて宇宙を旅する一行が、ようやく見つけ出すラストシーン。
観衆を前に再び自信を無くすクレイをエスコートするかのように、アカペラでアッシュが「I Still Haven't Found What I'm Looking For」を熱唱。
彼女のおかげで人前に出る決心がついたクレイが、ギターをかき鳴らした瞬間、僕の心は一気に高まりました。
探し物をまだ見つけられない、そんな終わりなき旅を続けるのが人生だというメッセージは、それまで奥さんと共に寄り添ってきた人生だったクレイが、まだ大切なものを探す旅を進もうと第2の人生=ネクストステージにようやく踏み込む瞬間にも見え、楽曲の素晴らしさも相まって、クライマックスに相応しいシーンだったと思います。
そもそもこの曲の邦題は「終わりなき旅」。
収録されたアルバム「ヨシュア・トゥリー」のジャケットは、Mr.childrenのアルバム「DISCOVERY」とうり二つであり、しかも「終わりなき旅」も入ってるもんだから、吹替え版は稲葉さんよりも桜井さんなんじゃねえの!?と勝手な不満を言っておきますw
いや、稲葉さんでピッタリでしょw
このように、多数の楽曲が羅列しているでめりっとはありつつも、キャラの心情と置かれた状況が歌詞とマッチする瞬間がいくつもあって、ミュージカルのド派手さと相まっていい音楽劇になっていたのではないでしょうか。
しかし話はぶっとんでるっしょ。
ラスベガスのような街レッドショア・シティのクリスタル劇場で、公演まで3週間という短いスケジュールの中で完成させた「Out Of This World」。
クライマックスで上演されたこのミュージカルが、映画館で観るにふさわしい壮大な作品になっており、そこまでの過程が中々強引ではあったんですが、このクライマックスでチャラになった感じがしました。
しかし、話をよくよく考えてみると、中々ぶっ飛んだ内容な気がします。
そもそもバスターは、クリスタルの秘書から三流と言われたことをきっかけに、オーディションを受けさせてくれと懇願。
その願いが叶わなかったことで、勝手にオーディション会場に向かい、セキュリティを突破して会場に侵入しちゃうんですよね。
しかも!バスターが寝ないで考えた作品は、冒頭数秒でジミーから「NG」と言われる始末。
やっぱりバスター三流じゃんwwと吹いた瞬間でした。
結局グンターがずっと考えていた宇宙SFモノが採用。
しかも15年も人前に出てない伝説のロックスターを出演させないといけないという無理難題を押し付けられてしまうバスター。
さらに公演は3週間後。
それまでに台本作って、舞台セットや衣装の打ち合わせ、演者のレッスン、リハ、ゲネプロなど、急すぎて無理ゲーだろこれw
そんな無理難題を押し付けるジミーは、世間に恥をかくのが大嫌いなようで、こんなムチャを押し付けときながら失敗したら「死」という恐ろしいことまで突き付ける。
挙句の果てには様子を覗きに来た娘を出演させろと、ありとあらゆる権力でバスターを追い込んでいく。
おいおいショービズ界ってのは夢を見せる世界じゃないのかい。
要は「夢を追うためなら何としてでも成功させる」精神と、「企業と自らの信条のためなら人の死も厭わない」という精神のぶつかり合いの戦いでもあるという話なんですなこれ。
中盤は各団員たちが壁にぶつかるエピソード。
ジョニーは、超有名講師の教えに嫌気がさし、ストリートパフォーマーに師を仰ぐという中々の選択。
ロジータは別に高所恐怖症ではないのに、子供たちを見て恐怖を覚えてしまう。
そのせいで役をポーシャに奪われる始末。
そのポーシャは歌も宙づりも余裕だが大根役者。
ミーナは恋を知らずにラブシーンができない。
これらをどう乗り越えるかが非常に薄い。
ジョニーは結局自分のふがいなさを先生のせいにし、ロジータはジミーによって突き落とされるバスターを助けるために宙づりに挑む。
ポーシャ早くの変更を親父に泣き寝入りするけど、結局役をもらえてご満悦。
ミーナはダリウスをアルフォンゾに見立てて演技。自分のシーンが終わったら逆なんするという荒行。
クレイも久方ぶりの公衆の面前からくる緊張があったからこその感動なわけで、要はこのミュージカル一夜限りだからこその奇跡で大成功した様な物。
そう考えると再演したとところでこのクオリティは出せないのは明白。
さらには色々ハッタリかましてやってのけたバスターに罪はなく、ジミーだけが捕まるというオチ。
バスターも結構ヤバい事やってる気がしましたけどね。虚偽とか虚偽とか虚偽とか。
最後に
でもまぁシングって、イルミネーションの作品てこんなもんだよねってのありますよね。
エンタメ作品としては大いに楽しめる映画でしたよ。
個人的にも刺さる楽曲オンパレードでしたし、何より最大の功労は、これまで声優をやってこなかったU2のボノが、わざわざこの映画のために書き下ろした楽曲を提供して出演したこと。
大事件ですよこれ。
吹替え版でも稲葉さんクラスじゃないと成立しないし、こちらも大事件。
クレイ・キャロウェイというキャラクターをいかに伝説のロックスターに見せるためにどれだけの大枚をはたいたのでしょうかw
大人の事情は置いといて、とにかくクライマックスは最高です。
映画館案件だと思います。
次回作もあれば劇場で見てみたいですね。
というわけで以上!あざっしたっ!!
満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10