モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「サンクスギビング」感想ネタバレあり解説 タイトルをブラックフライデーにしたほうがいいよw

サンクスギビング

日本人にとってなじみの薄い「感謝祭」。

 

迫害されていた宗派に属していたイギリスのプロテスタントの巡礼者たちが、北アメリカ大陸(現在のマサチューセッツ州)に到着。

その翌年、最初の冬を生き延びた人々が、感謝の気持ちを捧げるためにこの日を祝ったことが起源とされているとのこと。

それ以降アメリカでは、毎年11月の第4木曜日に、家族や友人たちと集い、伝統的な料理を食べ、日々の生活の感謝をするとのこと。

 

日本では、ここ数年この時期に各企業がこぞって開催する「ブラックフライデー」の恩恵を受けてますが、これも「木曜日に」感謝祭をする理由で休業していたお店が、翌日に激安セールをするから「ブラックフライデー」なんだそうです。

 

今回鑑賞する映画は、そんな「感謝祭」にも拘らず、ブラックフライデーのせいで最悪の感謝祭を迎えてしまった街で起きる猟奇殺人事件を描いたお話。

 

何やら、かつてタランティーノとロバート・ロドリゲスが製作した「グラインドハウス」内で描かれたフェイク予告編が発端との事。

・・・・俺、それ見てねえんだよなぁ…でも楽しそうだし、今年最後の新作映画でホラーってのもいい締めだよなぁ、そんな感じで早速鑑賞してまいりました!!

 

 

作品情報

クエンティン・タランティーノ監督と『ロバート・ロドリゲス監督がタッグを組み、2007年に公開された『グラインドハウス』内で、イーライ・ロス監督によるフェイク予告編『感謝祭(Thanksgiving)』を、ロス監督自らの手により、16年の時を経てついに長編映画化!

 

感謝祭発祥の地・マサチューセッツ州プリマスで年に1度の祝祭に沸く中、とある大型スーパー内で起きた事故を発端に、関わった人たちが謎の殺人鬼に襲われていくパニックスリラー。

 

壮絶な恐怖と残虐性から世界中で物議を醸してきたホラー界の鬼才が、一年でもっとも盛大な祝祭「感謝祭(=サンクスギビング)」を題材に、世界を再び恐怖のどん底へと突き落とす。

 

キャストには「魔法にかけられて」のパトリック・デンプシーや、次世代のスター候補とされるネル・ヴェルラーク、アディソン・レイ、マイロ・マンハイム、そして「ショーガール」のジーナ・ガーションに、「ホステル」シリーズのリック・ホフマンらが出演。

 

監督曰く「これ以上撮れない、思い残すことはない」と言っておきながら、既に続編公開も決定している本作。

そんなホラー映画をこよなく愛する監督が作り出した、饗宴の場を狂宴にし、永遠のトラウマとなるような物語。

 

これでもかというほどのグロ描写に、爆笑が隠し味となり、観る者に極上のデイナ―を与えるだろう。

 

 

 

 

あらすじ

 

感謝祭(=サンクスギビング)発祥の地マサチューセッツ州プリマス。

一年に一度の祝祭に沸き立つ人々だったが、突如、ダイナーで働く女性が何者かに惨殺される事件が起こる。

その後も一人、また一人と消えてゆく住民たち。

彼らは皆、調理器具を凶器に、感謝祭の食卓に並ぶご馳走に模した残酷なやり方で殺害されていた。

 

街中が恐怖のどん底に突き落とされるなか、地元の高校の仲良しグループのジェシカ(ネル・ヴェルラーク)たちは、メイフラワー号でアメリカに渡った清教徒「ピルグリム・ファーザーズ」の指導者ジョン・カーヴァーを名乗る、謎のインスタグラムの投稿にタグ付けされたことに気づく。

 

そこには豪華な食卓が用意され、自分たちの名札が意味深に配されていた。(FassionPressより抜粋)

youtu.be

 

 

感想

人間てこんなにも脆い体なんだな…と思ってしまうほど、みんなぐっちゃぐっちゃに殺されていく…

そのせいもあって、最初っからずっと笑いっぱなしのコメディホラーでした!

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

タイトル「ブラックフライデー」にしろよw

普段は事前情報をインプットし、作品情報などを書き込んでおいてから感想を書くスタイルなんですが、今回全く事前情報なしで臨みました。

そのせいもあってか、「え?こんなに笑える映画だったの!?」と終始いい意味で「思ってたんとちがう!!」感覚で楽しませてもらった映画でした。

 

アメリカの祝日やらイベントがどんどん輸入されてそっち方面でも欧米化の一途をたどっていく日本ですが、それでも感謝祭自体は未だ定番化されず、ブラックフライデーが定着した感じですよね。

無論僕も狙っていた商品をそこで購入しようと企んでる小市民ですが、まさか本作でもそんな「ブラックフライデー」にあやかって、大型スーパーの開店を待ち望んでいる奴らが阿鼻叫喚と化すオープニングなるとは露知らず。

 

冒頭は、大型スーパー「ライトマート」の経営者家族と、当日欠勤したスタッフの穴埋めに駆り出される従業員家族、そしてその親友である保安官の姿を並行して映し出していきます。

やがて経営者の娘であるジェシカと友人たち、あまりの人数によって警備をすることになった保安官は、このライトマートに集うこととに。

 

開店を待ち望んでいるギャラリーのお目当ては、先着100名に販売される「ワッフルメーカー」。

そんなもののためになぜここまで人が集まるのか!?え、みんなワッフル大好きなの!?と面食らったわけですが、開店時間が迫るにつれ客もヒートアップ。

さらにジェシカら友人が経営者の娘というVIP待遇で裏口から「ステルス作戦」と称し侵入。

店内を好き勝手荒らしている彼らを見た、友人のライバルにあたるフットボール選手が激昂!

津にバリケードが破られ、ギャラリーが店に押し寄せてしまうのであります。

 

入り口を嗅ぎで締めていたものの、あまりの人的圧力によってい入り口のガラスが破られ、客が店内に一気になだれ込んでる来るではありませんか。

皆がワッフルメーカーに群がる中、それらに乗じて暴れ出す客たち!

どうしてアメリカ人はこういう時に殴るけるなどの暴行を働くのでしょうか!

 

しかし!事態はそれだけでは済まされません。

一人は割れたガラスの破片で頸動脈を切ってしまい、鍵を開けようとしたスタッフはガラスと人に踏みつぶされ、差し入れを持ってきた従業員の奥さんに至っては、カートに轢かれ、髪の毛がタイヤに絡まって皮膚ごと持っていかれ即死!

 

たかだかブラックフライデーという激安セールにも拘らず、死者を含めた被害者が多数発生してしまったことで、「最悪の感謝祭」となってしまったのであります。

 

 

なんというか、とりあえず「落ち着け!!」と言いたくなるような決壊ぶりだったわけですが、ここに悍ましいBGMをつけ、いかにも「スリラー」チックに見せていくロス監督の手腕に驚かされますw

だって、どいつもこいつも身勝手な奴らばかりで、ただ「セールの盛況ぶり」を見せられてるだけなんですものw

 

しかし、その身勝手さ故に頸動脈を切った男性は、命わずかにも拘らずワッフルメーカーめがけて歩き出し、それを抱えて息が絶えていく姿は最高に笑えます。

しかもその抱えたワッフルメーカーを奪って我が物する女性は、一切彼を助けようとしませんw

従業員の奥さんも、その状況に唖然としながらも、背後から迫ってきたカートに轢かれ、髪を皮膚ごとタイヤに持っていかれて死ぬという、あまりにも可哀想でわらけてしまう死に方。

旦那さんが抱きかかえて涙しますが、どうしたモノか全く悲しくない!!w

 

しかもこれをジェシカの友人が動画撮影しYouTubeにアップしたことでこの騒動が拡散、お騒がせとなったライトマートが喪に服すかと思いきや、翌年もブラックフライデーを開催し、警備員を補強するなんて言うから市民は黙ってない。

 

ジェシカのお父さんは、奥さんと死別し新たな妻を迎えている設定なんですが、どうもこの後妻が欲深い女のようで、ブラックフライデーをやるというのもこの後妻の入れ知恵であることが明かされます。

ジェシカとも関係がうまくいってないようなので、この先この後妻は殺されるんだろうなぁ~なんてフラグが立ってましたねw

 

まぁ、市民も大激怒してましたけど、そもそもあなたたちがセール目当てに押し寄せたことも問題なわけで、一体どのツラ下げて激怒してるのか俺には理解できませんw

確かに整理券制度を用いて開催するのが一般的ですから、ただ警備員補強するだけの措置しかしない経営側が叩かれても仕方ないんですけどね。

 

てか、死人出てるんですけどねw

 

 

と、今回このブラックフライデーで起きた事故に対する復讐が、斬撃の始まりとなっていくのであります。

 

あまりにも脆い人間の体

ロス監督が、「もう思い残すことはない」と言ってるだけあって、殺され方レパートリーは斬新でありながら、どれも笑いとグロさのバランスが絶妙な、キモくておどろおどろしくて、それでいて「そんわわけあるかよw」と思ってしまう殺戮振りでした。

 

この町の創始者であるジョン・カーヴァーのお面を被った謎の殺人鬼は、まず手始めに、騒動時バリケードの一番前で陣取っていた女性を標的に。

ダイナーで働く彼女が一人になる閉店後を狙って襲うのであります。

 

まず手始めに顔を水に沈め、潤いを与えた後に巨大冷凍庫のドアに顔を貼り付けます。

瞬間冷凍でどんどん皮膚が張り付く中、必死にはがそうとする女性も肌はもちろんただれ、ドアにはくっきり細胞が残っているではありませんか。

何とか殺人鬼の攻撃を振り柄って外に出たものの、車の鍵が見当たらない…

そこへ先回りして車に乗り込んでいた殺人鬼が、彼女めがけてアクセルを思いっきり踏み込んで爆走!

女性はゴミ箱の上に登って回避しようとしますが間に合わず、なんとゴミ箱に挟まれて胴体が真っ二つになってしまうではありませんかw

 

いやいやそう簡単に胴体真っ二つにならんやろwと思いっきり笑ってしまいましたが、胴体の先端からは内臓が噴出しており、それはそれはグロいったらありゃしない。

 

翌日ライトマートの看板に掲げられた「50%オフ」の上に、下半身が飾られていたのであります。

まぁ~何と洒落の分かる殺人鬼でしょうw

映画であらゆる見立て殺人を見てきましたが、こんなに洒落の効いた見立て殺人は見たことありませんw

もちろん見立てですから、次に殺された者もこういうカタチでさらけ出すぞという警告でもあるんですね~。

 

お次に標的となったのは、騒動時あまりの集客と暴動化一歩手前で会ったことから敵前逃亡してしまった警備員の男性。

女性が殺されたニュースを見て国外逃亡しようと企むんですが、時すでに遅し。

 

部屋に侵入した殺人鬼によって、見事に殺されてしまいます。

最初こそバットを持ってイキっていた男性でしたが、まさか股下から現れて攻撃されるとは予想できなかったんでしょうね~。

どうやらドリルみたいなもので股間を貫通され、強固な紐で首を絞め切断されてしまうという、これまた目を瞑りたくなるスプラッタ―演出。

 

このシーンの最後、お腹をすかせた猫にエサをあげて帰る姿から、殺人鬼はただのサイコパスではなく。一応人の心を持ち合わせた人物なのかな?と思わせます。

 

殺人鬼の復讐はまだまだ終わりません。

そもそもインスタグラムに張り付けた写真に、標的の名前をタグをつけて投稿してるという計画的犯行で、ターゲットとなったジェシカらは、次は一体誰を襲うのか、もしかしたら自分かもしれないと夜も眠れないほど脅えていくのであります。

 

ある者は、耳掃除をした後先端のとがった器具で耳を貫通され、その後改装工事途中のキッチン内にあった電動のこぎりを胴体に押し付けられ死亡。

彼女の無残な姿を目の当たりにした彼氏は、せっかく拳銃を装備してたのに安全装置が外れておらず、殺人鬼に攻撃できなかったことへの後悔もあって、「俺はどうすればいい?」と放心状態。

 

そしてある者は、七面鳥を焼くための大きなグリルで、体ごと焼かれるという、どれも悲惨でありながら、バリエーション豊かな殺され方をたくさん見せてくれるという、極上の殺戮フルコース映画だったのであります。

 

 

こうした笑いとグロのハイブリッド感が非常に楽しい映画でしたが、個人的には「三角関係」の畳み方や、殺人鬼を撒いたにもかかわらず、寝転んでいたアイツがなぜ先回りできたのかが疑問です。

 

ジェシカの恋人は大学野球で剛腕と称されたダニーという青年。

本来ブラックフライデーが開催される大型スーパーの中に入るつもりはなかったのに、ジェシカに半ば強引に誘われ入ることに。

 

そして騒動が発生。必死にジェシカを守るも、目の前で倒れている男性を助けるようジェシカに指示され救助に向かう際中、手を誰かに踏まれてしまい、選手生命の危機を迎えてしまうのであります。

 

それから1年が経ち、ダニーは街から姿を消すどころかSNSも削除するなど、徹底して行方をくらませていたのであります。

しかし、感謝祭が近づいた日に突然ジェシカの前に姿を現し、警察の取り調べに協力するのであります。

 

しかしその1年の間に、ジェシカは別の男性ライアンと恋仲に。

騒動時彼女を狙っていたが、ダニーが邪魔でうまくいかなかったライアンは、このチャンスをしっかりものにしたわけですが、突如現れたダニーを疎ましく思っており、出会う度にダニーと衝突してしまうのであります。

 

個人的にはダニーと再び結ばれるのであろう、そんな結末を予想していました。

実際にクライマックスで襲われるジェシカを助けに来たのはダニーで、彼が来なければジェシカは100%死んでいたでしょう。

にもかかわらず、ジェシカのベッドの隣にはライアンが寝ており、物語はそこで幕を閉じてしまうのであります。

 

いやいや、ライアンなんもしてねえじゃん!

こいつのどこがいいんだよ!と。

せめてライアンも何かしらジェシカのために動いてたとか行動を示してれば、腑に落ちるんだけど、結局野球選手に復帰できずに仕事の手伝いし化してないダニーは魅力ねえってかジェシカよ。

 

そしてもうひとつ不満。

屋敷で監禁され、最後の晩餐を殺人鬼からもてなされるジェシカでしたが、事前に「お守り」として預かった指輪が実は小っちゃいナイフにもなることを知り、縛られた縄を外して脱出に成功するんです。

 

一緒に逃げたスキューバは腕をケガし、逃げることを断念しましたが、ジェシカだけはなんとか逃亡に成功します。

草木をかき分けてたどり着いたのは、大きな公園の近く。

そこに一台のパトカーと倒れていた保安官の姿が。

 

犯人を明かしてしまいますけど、結局殺人鬼はこの保安官だったわけです。

しかし、一目散に逃げたジェシカよりも先回りしてここで倒れたふりをしてるのが、整合性とれなくね?と。

 

実際あの晩餐会場には、ジェシカの父親や友人も残っていて、何ならスキューバをほったらかしにして殺人鬼は追いかけてきたわけです。

スキューバは腕を汚した状態であるとはいえ、恐らく走って逃げるくらいの体力はあったはず。

俺が殺人鬼なら取り逃がしたジェシカよりも、まずスキューバを始末するか、もう一度縛るかの措置を取ると思うんですよ。

それすらを後回しにして、あそこに寝転んでジェシカを待ち伏せするってどういうメリットがあるの?

それよりも、一体どうやって間に合ったの?と。

 

ぶっちゃけこんな小さい粗なんてほっとけばいいんですけど、ここどうしても気になってw

 

まぁね、そういう粗を考えると、学校の前でずっと警備していた彼が、一体いつのまにが校内に忍び込んでジェシカの友人を襲ったのかとか、色々出てくるんだけどねw

 

ぶっちゃけ保安官て、冒頭から従業員の奥さんとデキてるなって見えましたよねw

奥さんやたら色気放っててさぁ、保安官が家にやってくるや否やめっちゃ目配せしてたしw

独身が長いから料理だけは得意なんだ、って言った後に「そういう人はやがて独身とお別れできるはずよ」とか言ってるしw

 

 

最後に

預かった指輪や、母親の写真が入ったペンダントなど、小道具を上手に使って物語を展開したり、インスタライブを逆手に取った逆襲パターンなど、とにかく「残り物のない」よう配慮された廃棄ロス映画でもありましたね!

 

続編製作ってことで、恐らく再びあいつがジェシカの前に現れるんでしょうけど、正直さ、ジェシカよりもジェシカの父親を狙うことの方が優先順位上じゃない?

何でそこまでしてジェシカ狙うのか俺よく分かんねえんだよなぁ…。

そもそも動画を回した奴は肉をミンチにするハンマーで撲殺されたわけだし、何かジェシカに特別な恨みでもあるんですかね?

経営者の娘ってだけじゃん。彼女を人質にとって親父を脅すってのなら理解できるんだけどな~。

そのへんよくわからん。

 

それでも景気の良さが爆発した非常に楽しい映画でしたね。

ファイナルデッドコースターとかスクリームみたいな映画を思い出させたし、ヒッチコック味もあったサスペンス演出も豊富でした。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10