モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

Netflix映画「レベルムーン:パート1炎の子」感想ネタバレあり解説 まんまスターウォーズだけど別に良くね?

REBEL MOON Part1 炎の子

次世代へ「正義」のバトンを渡す、現代の「神話」を作り続ける我らがザック・スナイダー

 

ジャスティスリーグ:スナイダー・カット」制作時に、少々問題行動を起こしたことファンダムの扇動やメジャースタジオへの強請など)がアメリカのニュースサイトですっぱ抜かれ、個人的には動揺を隠せなかったのですが、それでも亡き娘への思いを詰め込んだこの映画の感動は損なわれることはありません。

 

今後彼がメジャースタジオで仕事することは難しいと思いますが、彼を信じて映画を作らせてくれるNetflixには感謝したいと思っております。

 

というわけで、今回観賞するのは「まるでスターウォーズだ!」、「まるで七人の侍だ!」と話題のスペースオペラ。

300エンジェルウォーズスーパーマンなどを筆頭に、外連味溢れるアクションにいつも心動かされてしまうわけですが、今回も今年の最後を飾るにふさわしい大作になっていることを願っております。

 

唯一悔しいのは、これが「劇場公開しない」ことです。

賞レース狙いの作品ばかりを劇場公開しておきながら、莫大な予算をつぎ込んだであろう作品を劇場でかけないなんてどうかしてるぜ!!

グレイマン」はやって、これはやらねえのかよネトフリ!!

 

もしかしたらパート2公開するときにやってくれるのかもしれないので、怒りはこの辺で留めておこうと思いますw

早速観賞いたしました!!

 

作品情報

「300スリーハンドレッド」、「ウォッチメン」、「アーミー・オブ・ザ・デッド」などで知られるザック・スナイダー監督が、構想20年をかけて完成させた、Netflix製作のスペースオペラ2部作の第1部。。

 

過去を捨て村で暮らす主人公の女性が、自身と過去を向き合うため、そして銀河の支配者から自由を勝ち取るため、同じ痛みや傷を抱える仲間たちと共に壮絶な戦いに身を投じていく姿を、驚異のVFX効果とスナイダー得意の外連味溢れるアクションによって、壮大な物語を見せていく。

 

11歳の時に「スター・ウォーズ」を見て以降、こんな物語を作りたいという夢を持っていたザック・スナイダー。

日本のコンテンツにも影響を受けた彼は、「七人の侍」からインスパイアされて本作を作りだした。

 

主演には「ザ・マミー」や「キングスマン」などで輝きを見せたソフィア・ブテラが、並外れた剣術アクションを披露する。

また、「パシフィック・リム」、「キング・アーサー」のチャーリー・ハナムや、「ワイルド・スピード/スカイ・ミッション」、「グランツーリスモ」のジャイモン・フンスー、「クラウド・アトラス」のペ・ドゥナや「ジャスティスリーグ:スナイダーカット」のレイ・フィッシャーといったバラエティに富んだ人種の面々が、ともに力を合わせ戦う姿を見せる。

 

本作は2部作として公開され、続編となる「パート2:傷跡を刻む者」は2024年4月19日にNetflixにて配信が予定されている。

 

仲間探しをメインとした第1部は、どんな物語になっているのか。

2023年、これを観ずに、年は越せない。

 

ウォッチメン (字幕版)

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  • ローラ・メンネル
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あらすじ

 

巨大帝国“マザーワールド”が支配する銀河。

暗い過去から逃げ、惑星の片隅の平和な村で暮らしていた、心優しい熱き戦士コラ(ソフィア・ブテラ)。

 

しかしある日、帝国の刺客が現れ侵略を開始。

コラは蹂躙された村人の敵討ちのために立ち上がり、惑星を巡りながら共に戦う戦士〈レベルズ〉を探す仲間集めの旅へ出る。

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キャラクター紹介

  • コラ(ソフィア・ブテラ)…インペリウムと戦うべく銀河中から戦士を集めるインペリウムの元メンバー。
  • タイタス将軍( ジャイモン・フンスー)…コラにスカウトされたインペリウムの元将軍。
  • カイ( チャーリー・ハナム)…コラがスカウトされた宇宙船の元パイロット。
  • グンナー( ミキール・ハースマン)…戦いに加わる農家でコラの友人。
  • タラク( スタズ・ネアー)…コラにスカウトされた自然の動物達と絆を結び、戦闘で彼らを結集させる能力を持つ鍛冶屋。
  • ネメシス( ペ・ドゥナ)…コラにスカウトされたサイボーグ剣士。
  • ダリアン・ブラッドアックス(レイ・フィッシャー)…コラにスカウトされた戦士。
  • デヴラ・ブラッドアックス(クレオパトラ・コールマン)…コラにスカウトされたダリアンの妹。
  • ハルマーダ( ジェナ・マローン)…コラにスカウトされたクモの戦士。
  • ミリウス(E・ダッフィー)…コラにスカウトされた難民の戦士。
  • ジミー( アンソニー・ホプキンス)…コラにスカウトされた倒れた王の下で仕える機械の騎士の種族の最後のメンバー。

 

  • アッティカス・ノーブル提督(エド・スクライン)…バリサリウスの右腕。マザーワールドの高位の執行官であり帝国軍の指導者。
  • リージェント・バリサリウス( フラ・フィー)…マザーワールドの支配者であり暴君のインペリウムの高位メンバー。

(以上Wikipediaより抜粋)

 

 

 

 

 

 

 

ここから観賞後の感想です!!

 

感想

あくまで前編のため、正当な満足度は出せないし、ディレクターズカット版を見てこそザックスナイダー映画。

だから正直、この時点であまり面白い出来だったとは言い難い。

以下、ネタバレします。

 

 

 

 

 

 

こんなにスターウォーズだったとはw

千代に渡って王政を築いてきたマザーワールド。

勢力を拡大するため、様々な星々を征服してきたが、ある暗殺者によって王と王妃の命が奪われたことで、さらに暴力による支配を拡大。

徐々に革命がささやかれた中、元元老議員が権力を奪取。

マザーワールドはさらに軍事的な国家となり、革命軍と名乗る者を捕獲すべく血眼で探すのだった。

 

その監視は、主人公コラの住む村にまで広がることに。

革命軍の散策延長による食糧援助を求めてきた提督に対し、ただでさえギリギリの収穫なのに分ける食糧などないとかたくなに拒否。

その結果、村長は殺されてしまう。

 

コラはその惨劇を見て一目散に村から出ようと行動するが、義父は「戦わなくていいのか」と制止。

逃亡する直前、傭兵らに襲われそうになった娘を救出することで、「村を救う」という自分の使命を全うすることを決意。

 

心当たりのある革命軍を探しに、村の若い農民グンナーと共に仲間探しの旅に出るのであった。

 

・・・というのが序盤のあらすじ。

 

帝国軍と反乱軍との決死の攻防を見せた一大サーガ「スターウォーズ」と、あまりにも酷似している本作。

おそらく多数の人が「まんまじゃねえか」と一蹴して酷評するかもしれないけれど、もう少し冷静に物事を見てほしいと俺は思う。

 

例えば、一度でいいから007の監督をやってみたいと願っても、簡単に抜擢されることはない。

だったら自分でスパイ映画を作ればいいと考えたのがクリストファー・ノーランであり、実際にスパイをやっていた親父を持つマシュー・ボーンなわけです。

夢の中に潜入しアイディアを植え付けるという「インセプション」も、時間が逆行する世界で奮闘する「テネット」も、よくよく見てみたらエージェントを主人公にしたミッションものであり、ちょこちょこ「007」みたいなアクションやってるなぁと。

 

マシューボーンに至っても、「キングスマン」で描かれてる内容そのものが007オマージュであり、寧ろアンチテーゼすら匂わせてる作品ですよ。

 

じゃあ子供のころから「スターウォーズ」を作りたいと願っていたザック・スナイダーだって、自分が創造するスターウォーズをやったっていいんですよって話。

そういう偏見を取っ払って観賞するのが映画ファンとして大事なのではないかと思うんですね。

 

それこそ、元宇宙船パイロットのカイなんて、まんまハン・ソロですよ。

実際出会うのもバーだし、巻き込まれていくわけではなく率先して仲間に志願するわけですけど、その最たる理由はワルもんから足を洗いたいという思いからコラのメンバーになるわけで、あくまでそのままの設定を利用してるわけではございません。

 

その後仲間になるネメシス至っては、二刀流で蜘蛛女トバトるわけですけど、その武器が赤く光る刀状の武器なわけです。

そりゃもうライトセーバーですからw

ブオンって効果音はないですけど、切れ味から振り回し具合までそのまんまですw

 

でもよ?いいじゃないって話。

だってザックが好きで使用してるんですから。

また赤く光る放ってダースベイダーとかの悪い方が使ってたけど、ネメシスは良いもん側の人間ですもの。

そして、いつか正義と称した復讐によって我々も淘汰される日が来るのかもしれないって、すげえ悲観的な思考持ってて、これを演じてるペ・ドゥナの冷めた視線が、また堪らないっていうねw

 

そんなこんなで本作は、村を救うためにならず者たちを熱めに行く物語で留めた全編となっております。

 

正味130分。

ザックスナイダー監督作品としては、正直短い。

あの人のデフォルト上映時間は150分ですから、130分が如何に短いかお分かりのはず。

 

ただ見終わってまず思ったのは、前編の割には、やけに物語が薄いな…と。

130分という尺にしては濃い内容ではなかったなという印象を受けました。

 

その最たる理由は、仲間集めが淡々としていたこと。

ブラッドアックスという革命軍の姉弟を探すため、まずはグンナーがこっそり村の穀物を取引した星の人物とコンタクトを取ることから仲間探しは始まるわけですが、ここでまず継ぐの目的地へ向かうために必要な人物カイを仲間に入れるんですよ。

 

ここでのやり取りは上でも書いたように、コラが一体どれだけの実力がある人物かをバトルシーンで見せ、その強さに感化されたカイが一枚かんでいくというモノ。

そこで他にも強いのがいたら紹介してというコラの頼みから、ちょっとおもしろい奴がいると、本来の目的から徐々に寄り道し始めていくのです。

 

その後、タラク、ネメシス、タイタス将軍と、仲間を集めていくのですが、正直どれも「なぜ仲間に加わりたいのか」という誘われた側の気持ちが薄いんですよね。

決め手になるような誘い文句は一応あるので、決して無理矢理感はないのですが、例えば誰かしらが他に優先しなくてはならない事情があるとか、今別件で片づけなくてはならないことがあるといった、仲間集めにおけるいくつかのパターンを見せてほしいというのがひとつあります。

 

正直誰もがコラに恩義があるとか借りがあるとかで参加してるわけじゃないんですよね。

仲間になった時点でまだ絆がないんですよ、この面々は。

タイタス将軍に至っては、過去で失敗した償いを今っかえせば報われるというコラからの後押しがきっかけで参加しますけど、正直タイタス将軍のバックボーンはほとんどといっていいほど提示されてないし、そこで差し伸べた手を握るときに感じる熱いモノが一切ないんですよね。

 

恐らくその辺りは後編に挿入されるとは思うんですが、全員が『どうして仲間に加わりたいのか」という明確な理由を明かさず、そこに全然時間を割かずにテンポよく進んでいく展開が、正直ザックスナイダーっぽくねえな、あまりに急いでる感じがしてならなかったんですよね。

 

恐らくこうした僕の疑問は、ディレクターズカット版で解決する気がします。

これでアクションだけクソ長いとかだったら怒るけどw

 

それでもザックの映像美はすげえ

言うてザック作品の脚本は、簡単に素晴らしいとは言い難いモノばかりなので、これ以上言及しても意味がないってことでw

 

やっぱり彼の作品の最大の持ち味はアクションと映像表現です。

もう冒頭から嘘くさい作り物の光が照らしだし、そこでいかにもグリーンバックで合成されてるんだろうなという背景が浮き上がってくる。

あ、一応褒めてますw

 

もう300でもエンジェルウォーズでも散々この合成チックな映像を目の当たりにしてるわけですが、これが俺としてはコミック感を彷彿とさせていて大好きなんですよね。

なんでもかんでもリアルに見せなくていいというかw

 

そこに外連味たっぷりのアクションが加わることで、さらにフィクションを助長させていくわけです。

明らかに後ろで銃弾が飛び交ってるのに、全然当たらない主人公の過去の回想シーン。

スローモーションを多用して、如何に過去の主人公が激戦の地で命からがら制圧に成功したかを映し出すわけです。

終いには傷だらけの体で自軍の旗を瓦礫の上に刺すシーンを、これまたスローモーションで見せるんですよ。

如何に彼女がヒーローであるかを意図して見せているシーンでしたね。

 

これをクドイとか思ってしまう人もいるかと思いますが、これがザックの持ち味であり、俺がザックを支持する部分だったりするんですよ。

もうね、そうした演出を施すことで、如何にキャラクターがカッコよく見えるかってのを計算して作ってるんですね、

 

それこそこの回想シーンなんて、恋人と口づけをかわした次のシーンで、顔を話したら恋人が仰向けで死んでるわけですよ。

哀しみに打ちひしがれながらも部下を鼓舞して戦いに身を投じていくコラの姿をみて、こんな悲劇のヒーローかっこよすぎるだろと。

 

クライマックスに至っては、スターウォーズよろしく、後ろででかい戦艦がゆっくり落ちていくのを背景に、コラたちが銃で応戦してる姿が描かれてますが、どちらかというとテンポよくというよりは、ここのキャラに光を当てたシーンを多用しつつ、全体でどんなことが起きているのかを引きで見せてくシーンでしたね。

 

最大の盛り上がりは、これまで見せ場の無かったブラッドアックス弟が、仲間を助けるために機関銃席にいる敵を一掃する姿を、これまたスローモーションで劇的に見せるというモノ。

何といってもこのシーンは、ブラッドアックス弟が命を賭けて仲間を守るために、大ジャンプして捨て身の行動をとっており、その姿が凄く勇ましいのであります。

もうね、わざわざ飛ぶ手前で貯めのショットを入れて、そこからスローモーションですから!!

うわ!かっこいい!と。

こういうシーンてスター―ウォーズではお目にかかれませんからね、ええ。

 

一見無駄にも思えるこのスローモーション演出。

最高なのは、そこ要る!?ってところもやってるところ。

それこそ敵の提督が乗る軍艦を目の当たりにしたコラが、エプロンで抱えてた大量の穀物の種を土の上に落とすところを、スローモーションで見せてるんですよねw

効果的である一方、その後もたくさんスローモーションするし、何ならこのシーンの前でも散々やってるわけですよw

 

クドイけど、これがザックスナイダーなんですよw

 

 

最後に

コラがなぜ炎の子と呼ばれるのかを、グンナーとの会話で明かしながら、物語は仲間集めとライバルとなる提督とのファーストバトルで幕を閉じます。

後編は、いよいよ村へ帰還し、彼らを迎え入れる準備をしながら他のキャラへの言及、そして絆を深めるシーンが入り、壮大なバトルをクライマックスにして、ザック流の新たな神話を映し出してくれることでしょう。

 

彼の最大の持ち味は、こうした神話を生み出し、次の世代へ「正義」とは何かを伝承させていくこと。

ブラッドアックスの部下は、リーダーを失ったことで自分だけ生きてしまっていることに罪悪感を覚えますが、彼の死は決して無駄ではなく、彼が掲げていた目標を部下が体現していくことで報われると、タラクから諭されます。

またタイタス将軍は、この戦いが広まることで、同じ思いを持つ同志が多数立ち上がることが予想される、よってこれは始まりに過ぎないことをみんなに告げます。

 

こうした意志の伝承こそが未来を変える原動力となることを、ザックは伝えたいのです。

彼の作る物語はそれに一貫しています。

達成できなかっ正義を、次世代へバトンタッチしながら伝説を作り上げていく。

それが語り継がれる神話なのだと。

 

ただ!この前編においては正直及第点ということにさせていただきますw

後編見ないと何とも言えん!

てかさ、配信なんだから分ける必要なくない?

分けないと予算回収できないのかな…。実際ネトフリの割にはかなり金かかってそうだしw

とりあえず早く後編が見たい!ってことで。

というわけで以上!あざっしたっ!!

満足度☆☆☆☆☆☆★★★★6/10