モンキー的映画のススメ

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主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「ロブスター」感想 評価 レビュー

3月9日

ロブスター

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何でしょう、このタイトル。そもそもロブスターはエビなんですか?食ったことねぇからわかんねぇよ。と、どうでもいい疑問は置いておいて、今月の見る予定に入れてなかったんだけどなんか面白そうだな、と思い急遽見に行ってまいりました。

 知らない監督なのに、妙にキャストが豪華。何ゆえ参加した??

 

 

 

あらすじ

“独身者“は、身柄を確保されホテルに送られる。

そこで45日以内にパートナーを見つけなければ、自ら選んだ動物に変えられ、森に放たれる。

そんな時代、独り身になったデヴィッド(コリン・ファレル)もホテルに送られ、パートナーを探すことになる。

しかしそこには狂気の日常が潜んでいた。

しばらくすると、デヴィッドは“独身者”が暮らす森へと逃げ出す。

そこで彼は恋に落ちるが、それは“独身者”たちのルールに反することだった。(HPより抜粋)


コリン・ファレル、レア・セドゥ、ベン・ウィショーら出演!映画『ロブスター』本編映像

 

 

 

監督・キャスト

監督は今作が初の英語作品となるヨルゴス・ランティモス

 

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ギリシャの監督さんだそうで、一躍有名になったのが2作目の長編作品で、外からのあらゆる危険から守るため子供を家の中で隔離し育てていく家族の生活の崩壊をシュールに描いた作品「籠の中の乙女」が第62回カンヌ国際映画祭の「ある視点」部門でグランプリ、そして第82回アカデミー賞外国語映画賞にノミネートするなど世界中で賞賛を浴びたそうです。

この賞によりこのキャストが集まったんだろうな、と監督のプロフィールを読んで感じました。

 

 

主演のデヴィッドを演じるのがコリン・ファレル。 

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ゴリマッチョでゲジゲジマユ毛でいい役者だと思うんですが、最近は大作ものには出演せずちっちゃい作品ばかりでもったいないなぁと。

殺人予知システムの構築により犯罪を未然に防ぐことができる近未来を舞台にしたスピルバーグ監督トム・クルーズの大物タッグで話題を呼んだ「マイノリティ・リポート」出演し知名度を上げ、

その後も公衆電話を取ってしまったことでそこから狙われる立場になってしまう不運な男のスリリングなサスペンス「フォーンブース」や、アメコミヒーロー映画「デアデビル」では彼のライバルでどんな的も命中率100パーセントの殺し屋ブルズアイを怪演、史上初めて世界を統一した王の生涯と謎に迫った問題作「アレキサンダー」、アメリカ開拓時代のイギリス人と先住民の愛の物語を大スケールで描いた「ニューワールド」、

そして最近では、シュワちゃんの大ヒット作をリメイクした、記憶を塗り替えられた男が記憶を取り戻すべく巨大な敵に立ち向かうSFアクション映画「トータル・リコール」などがあります。

 

 

 

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 彼の中で一番好きなのはこれですかね、なんといっても時間が短いのにスリル満点、犯人最後までホントわからん!

 

あらすじは、口先ひとつで仕事を動かすやり手のコンサルタントが、婚約者がいるにもかかわらずクライアントの女性を口説こうと公衆電話へ立ち寄る。交渉は決裂、ため息ついて受話器を置くとすぐさま公衆電話のベルが鳴り、とっさに取ってしまう。それが悲劇の始まりだった・・・。という感じ。

 

ほぼ全編公衆電話の中で繰り広げられるにもかかわらず緊迫感がすごく、コリンファレルの徐々に追い込まれていく表情がまたスリルを加速させます。

 

 

 

独身者の森で暮らす近眼の女役にレイチェル・ワイズ。 

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個人的には「ハムナプトラ」シリーズの印象が強いんですが、それに出なくなってからはドラマ性の強い作品やインディペンデントな作品が目立ちますかね。

 

上記にも書いたとおり、砂漠の地で新たな歴史の探求とお宝探しに向かう冒険アクション「ハムナプトラ」シリーズに出演(ちなみに3は出てません)することで有名になり、その後も余命わずかの悪魔祓いが天国と地獄のせめぎあいを食い止めようと戦いを挑むダークヒーロー映画「コンスタンティン」では1人2役を演じ、

また、外交官が殺された妻の死をきっかけに事件の真相を探っていくミステリーサスペンス「ナイロビの蜂」では演技が評価され念願のアカデミー賞助演女優賞を獲得し映画の幅を広げていきました。

最近では、記憶をなくした元CIA工作員ジェイソン・ボーンのほかにも同じ境遇の男がいたという設定で描かれ、シリーズで描かれた時間と同じ時間軸で進行していったアクション映画「ボーン・レガシー」でヒロインを務めたり、オズの魔法使いの前日譚として若き日のオズや3人の魔女との馴れ初めを描いた「オズ はじまりの戦い」で東の悪い魔女役として出演したりと大作ものにまた出演回数が増えてきてる傾向のようです。

 

 

 

他にも、滑舌の悪い男役に歌も笑いもシリアスものもできる芸達者で最近ではガーディンズ・オブ・ギャラクシーにも出演したジョン・C・ライリー、足の悪い男役に007シリーズQ役でおなじみベン・ウィショー、独身者たちのリーダー役にこれまた007スペクターでボンドガールを演じたレア・セドゥが出演と案外タレントぞろいです。 

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そんな、カンヌ国際映画祭にて審査員賞を受賞したほど評価の高い、奇想天外な設定で描かれる異質のロマコメ映画の感想は、









独り身怖っ!でも、無理に相手作るのも怖っ!

以下、確信に触れずネタバレします。









こんな世界いやだっ!自由に恋愛させてーや。

何を隠そう私は独身者だ。結婚できなくて独身者なのではなく、する気がないから独身者。
こんな人間もいれば結婚したいのにできない独身者もいたり、それ以前に人とコミュニケーションしたくない、いやできないなんて人も出てくる世の中。こんな世の中だから少子高齢化社会なんてものになっちまったんだろうか。
そんな現在に歯止めをかけるためにこんな法案を作ったらどうなるんだろう。

っていう前置きはいいとして。

独身者が街を1人でうろちょろ歩いていようものなら即刻確保➡︎ホテルへ強制連行!されちゃうとある時代。
政府は独身者がそのホテルで45日以内にパートナーを見つけないと自分で前もって選んだ動物に姿を変えられ森へ捨てられてしまうという、私のようなものにとってはオーマイガーな法案がまかり通るまさにディストピアな世界。

ホテルへ連れてこられた独身者の主人公デヴィッドは動物なら何になりたいか、という問いに長く生きられるロブスターになりたいと答える。なんだそりゃ、他にいいのねーのかよ。

そのホテルではどうにかカップルを成立させるべく、毎日毎日婚活パーティーが行われ、それ以外にもバーやプール、ゴルフ場など出会いの場が整った施設となっており、動物になりたくないが故必死にお相手を探す毎日になっています

でも、どうしても見つからず刻一刻と期限が迫っていくのもかわいそうなので、毎夜に森で人間同士の狩りをする催しが行われます。狩りが成功すれば人数に応じて残り日数が増えるというもので、残り僅かしかない独身者たちは必死に狩りをしていきます。中には100日以上生き延びてる強者もいたり。もはや生ける伝説。

まあ、社会人になってくれば合コンやら婚活やら参加する機会も増え、特に女性なんかは相手の条件としてまず考えるのがステータスではないでしょうか。あ、今さら運命とかは勘弁ねww
相性や共通の趣味なんかも大事ですけど、やっぱり職業と年収なんてのは切っても切れないもので。
でも、この作品ではそこは重要視されません。ここでは、ささいな共通点を探し、近づきカップルになっていくという結ばれ方でした。

ある男は、その女性が鼻血が良く出るという性質の持ち主でその人とパートナーになるべく壁やテーブルに鼻をぶつけ「ほら、僕もなんだよ」と無理矢理共通点を見出し、動物になるのを避けるべく嘘の共通点で結ばれようと画策するのでした。

私の敬愛して病まないMr.Childrenforeverという歌の歌詞にこんなフレーズがあります。

なんだか僕ら 似通ってんだ
ちょっぴり そんな気がした
本当はお互い 頑張ってた
近づきたくて真似た
うんうん、あるよねーこんな想い。
と、こんな歌を想像させてしまうようなでっち上げた共感で結ばれるカップルばかりができてしまっている現状なのでした。
その共感が2人が一緒にいる必然性を生み出し、心が通ってないのに通ってるようなチグハグな生活を過ごす。
うん、結婚に生き急いでる人!無駄に相手の共通点を見つけてはいけない!やっぱりフィーリングだ!


と、話は逸れましたが、
まだまだ独身者でいたい人にとっては苦痛の連続が訪れます。
まず、ひとりエッチ禁止!!見つけ次第朝に活躍するあの家電製品に手を突っ込まれ
ぎゃあああああああっっっ!!
とお仕置きされたり、
男性ホルモンを刺激させカップル成立を促進させるべく毎朝パンツ一丁にされ、使用人の女性はスカートをめくり、そのめくった尻をぉぉおおおおおっ!?
コスコスコスコスコスコス!!
と男性器の勃起を促す!しかも、おっきくなったらおわり!おい!そりゃあないぜ!
と、性的拷問に遭わされる日々。

そして、極め付けはパートナーがいるとこんなに幸せ!!
的な啓発セミナーでした。
ひとりでご飯を食べてると、ひとりで外を出歩いてると、こんなアクシデントに見舞われるけど!
パートナーがいれば、ほら大丈夫!幸せじゃない???
ワーワー!パチパチパチパチパチパチ。

なぜか静かな客席の中、全て笑いをこらえるのに必死でした。

と、こんな極悪な環境から逃れるべくデヴィッドは脱走していくのですが、その先もまたおっかねー場所だったわけです。



そして、逃げ出した先もディストピア

強制的に結婚させようとする施設から逃れ、たどり着いた場所は独身者の森。

ここでは、結婚するために必死に相手なんか探さずに独り身のまま過ごせるよ!っていうデヴィッドが求めていた場所でした。

しかし!!

今度は逆に、恋愛やらセックスやらイチャイチャしようものなら殺すぞオラァ!!な場所でした。
中にはその掟を破り、イチャイチャが見つかり、血の接吻なる罰を受けた人もいて、どれだけ重い罪かを知らしめる例として出てきたり、一番ヤバいのが血の性交なるものまであるというおっかねーしきたり。

最初こそ掟を守り、森の暮らしに慣れるべく悪戦苦闘の毎日を過ごしていたデヴィッドですが、
ダメよダメよと言われると人間て守らなかったりするんですねー。

と、前半はブラックユーモアがふんだんに盛り込まれてゲラゲラ笑える展開でしたが、
後半独身者の森では主人公の芽生えた感情を遮るように行く手を阻むトラップが仕掛けられている展開で、前半とはガラリと内容が変わっていきます。
それでも、シリアスな流れにもかかわらず、後ろではのらぁりくらぁりと45日を過ぎて動物にさせられた者たちが歩いていたり、独身者のダンスパーティと称して全員音楽をイヤホンで聞いて楽しさを共有しないなんてシーンもあってクスクス笑える要素が織り交ぜてあり決して飽きさせない内容になっていました。





前半と後半で対極する二者択一の世界。結婚したいなら生涯共にする、独身でいたいなら生涯孤独を貫く、そんなルールしかない世界で主人公は悩みもがき、遂に答えを見つけます。
そのラストは自身の愛を表現すべく行動を起こすわけですが、それはそれは目をつむりたくなる光景と沈黙で幕を閉じ、静かな余韻の残る終わり方でした。

私のような独身者は、これを見て今のままがいいなぁなんて想いが強くなっちゃうのかなぁ。
逆に妻帯者や配偶者の人は、現状を改めて考えてしまうのかも。この人でよかったのか?なんて。

あくまでシュールなコメディなので笑い飛ばすのが一番かと思いますが、結構痛烈なブラックユーモアだし、ラストシーン見てマジマジと考えるのもいいかもしれません。

何が一番面白かったってムキムキだったはずのコリンファレルのメタボ腹!!
背中に塗り薬つけたいのに患部に届かない!シュールだ!これが一番シュールだ!



満足度 ☆☆☆☆☆☆★★★★ 6/10