モンキー的映画のススメ

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モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

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映画「ハドソン川の奇跡」感想 ネタバレあり NYを奇跡をもたらしたプロフェッショナルたちの知られざる実話

ヒューマンドラマ

9月24日

ハドソン川の奇跡

 

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まさかまさかのジャパンプレミアに当選しまして!!!去る9月15日試写会にて鑑賞してきました。しかも生トム・ハーーーーンクス!!!

 略してナマハンクスですよ、ナマハン。ナマンクス。もはや誰だ!

正確にはですね、彼だけでなくベンアフと並んでアメリカ2大ケツアゴ俳優(失礼!)であるアーロン・エッカートも登壇しておりまして。彼もカッコよかった!!それはそれは幸せな時間でした。

私、プライベートでも芸能人やタレントを見つける能力なのか運なのか知りませんがあう確立高いんです。おまけに試写会も結構当たるので色々な有名人を見てきているのですが、ハリウッドスターは初めて!!興奮しすぎて嬉ションとかしてなかったかな・・・。

 はい!幸せのおすそ分け!写真撮影OKといわれたのでひたすら激写しましたwww

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なぜに海老蔵???

毎回試写会には友人を誘っていくんですが、今回せっかく仲良くなった映画ブログ仲間のMachinakaさんを誘っていざ当日。外タレを生で見られる初の経験とはいえ、試写会慣れしてしまってる私とは大違いの期待と興奮の表れにホント誘ってよかった。連れてくならこういう人がいいですね。連れて行った甲斐があるってもんだ。

とにかくそんな貴重な体験の中上映時間96分という短さにもかかわらず見ごたえたっぷりだった作品を語りたいと思います。

 

 

 

 

あらすじ

 

2009年1月15日、極寒のニューヨーク上空850mで155名を乗せた航空機突如襲った全エンジン停止事故。160万人が住む大都市の真上で制御不能の70トンの機体は高速で墜落していく。

近くの空港に着陸するよう管制室から指示がある中、機長サリー(トム・ハンクス)は不可と判断し、ハドソン川への不時着を決断。事故発生からわずか208秒の事だった。

航空史上誰も予想しえない絶望的な状況の中、技術的に難易度の高い水面への不時着を見事に成功させ、“全員生存”の偉業を成し遂げえる。

その偉業は「ハドソン川の奇跡」と呼ばれ、サリーは一躍英雄として賞賛される―――はずだった。

ところが――機長の“究極の決断”に思わぬ疑惑がかけられてしまう。

本当に不時着以外の選択肢はなかったのか?それは乗客たちを命の危険に晒す無謀な判断ではなかったのか?事故調査委員会による度重なる追求は、サリーを極限まで追い詰める・・・。

「救ったのに、なぜ?」

待ち受ける試練。突然孤立した彼を支えてくれるのは、数少ない仲間と、心から愛する家族だけだった―――。(HPより抜粋)

 

 

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監督・キャスト

監督は老体でもバリバリ元気!!クリント・イーストウッド

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かぁ~~~っ!渋い!しびぃ~っす!眩しくねぇのに目なんか細めちゃって!くぅ~~っ!御年86歳ですよアナタ!そんなお方が今なお現役で映画を作ってらっしゃる!きっとまだ撮りたい作品がたくさんあるんだろうなぁ。てか最近の若い人はこの人役者だってこと知ってんのかな。若くなくても知らない人は知らないか。

彼の作風はとにかく過度な演出や説明、描写をせず淡々とコトが運ばれる見せ方をしていること。これは師匠からの受け売りなんですが、過度な演出をしない作風の底辺にあるのは、いちいち説明しなくても理解できるよね?と、俺のやり方わかるよね?と、あえて隙間や余韻や空白な部分を残す事で観衆の知性や感性に訴えているからなんだとか。

前作「アメリカンスナイパー」でもクリス・カイルを狙うイラク兵スナイパーにも妻と子供がいましたが、その背景なんかは一切無視。お前らが勝手に想像すればいい、これはクリスの物語でイラク兵スナイパーの話じゃねえんだ!と監督が言っているように勝手に感じております。

 そしてもう一つは、暗めの映像をベースにすることで善悪の区別をはっきり描かずに、正義とは何かというものを根底において作られていること

役者時代は正義の名の下に強いアメリカでなければならないという勧善懲悪ものの作品が多い気がしますが、「許されざる者」以降作風は変わり、「グラントリノ」では暴力の連鎖ばかり続く現代にある種の答えを出した作品だったように思えます。

とかいっておきながら、彼の作品を半分も見ていない半人前でございます。クリントイーストウッド検定4級でございます。もっと彼を語るには全作を3周も4周もしないとダメですね。

 

ではどんな作品を撮ってきたのか、監督デビューはなんと1971年。「恐怖のメロディ」というサスペンス映画でした。初期の監督作品で有名なのは、彼が敬愛する監督の影響を受けたとされる西部劇で、町の用心棒になった奇妙な行動ばかりの謎のガンマンを描いた「荒野のストレンジャー」や南北戦争末期の西部劇で農夫の復讐と逃亡を軸にした「アウトロー」などでしょうか。

その後も自身の人気シリーズ4作目「ダーティーハリー4」や自身の作品のリメイクとも言われる「ペイルライダー」、ジャズ音楽に人一倍思い入れのある彼が満を持して挑んだ、ジャズサックス奏者の伝記映画「バード」などコンスタントに撮りつづけ、元悪党のガンマンが賞金稼ぎの為再び銃を手に、やがてそれが悲劇と復讐を生むことになる、アウトローたちの戦いの悲哀と生き様を描いた「許されざる者」でアカデミー賞作品賞はじめ4部門を制覇しました。

監督としてスターダムにのし上がった彼は、「マディソン郡の橋」や「パーフェクトワールド」、「トゥルークライム」「スペースカウボーイ」などあらゆるジャンル作品を世に送り出します。

2000年代に入ると、文芸的なものやメッセージ性の強いものが多くなります。幼馴染3人が1つの殺人事件を通じて再会し、深い悲しみの人生を静かに重々しく描いた「ミスティック・リバー」、女性ボクサーと老トレーナーの師弟愛と人生の思いがけない厳しさを描いた「ミリオンダラー・ベイビー」、第二次世界大戦における硫黄島の戦いを日米双方から描いた「父親たちの星条旗」、「硫黄島からの手紙」、アメリカ人らしさを取り戻したいという願いと、役者人生の終わらせ方を重ねたことで、自身の男の美学を見せつけた、頑固老人とアジア人少年の交流を描いた「グラン・トリノ」などなど、アカデミー賞はじめ数々の賞レースで必ず名前が挙がるほどの名監督となりました。

 

いつも以上にイントロダクションが長くなりましたが、それは彼の歴史が長いだけでなく多大な功績とその偉大さゆえの長文だと思っていただければと。昔の作品見ないとなぁ。

 

 最近の作品で見やすいといったらこれかなぁ、と。

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そして、主演のサリー機長を演じるのは意外にも監督とは初のタッグであるトム・ハンクス。

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白髪に髭でだいぶ印象が変わるんですね~。そして眉間のシワ!

動のヒーローがトム・クルーズならば、静のヒーローはトム・ハンクスなんじゃないか、と連想してしまうほど数々の救世主な役を演じている気がします。お、どっちもトムか。じゃあ生まれてくる子供の名前はみんなトムで!でも兄弟できたらブラザートムになっちゃうけどねw

 

彼に関してはモンキー的2016年上半期ベストにも選出したこちらの感想で紹介しています。ぜひ。

 

monkey1119.hatenablog.com

 

 

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ジェフ・スカイルズ副機長役にアーロン・エッカート。

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マリオみたいな髭ですね~。「Good Luck」の新海副機長みたいに「アイハブ!」「ユーハブ!」のような息の合った演技に期待です。

 

あ~長くなっちゃうけど一応書きますか!

アーロンが一躍有名になったのは、無職のシングルマザーが半ば強引に勤めた弁護士事務所で奮闘し巨大企業相手に訴訟を起こし勝利した実在の人物を描いた「エリン・ブロコビッチ」で、バイカーで子供をあやすのがうまいエリンの恋人ジョージを演じたときだと思います。

その後も、地球の磁場の消滅を防ぐため核爆発すべく地中のコアをめざす「ザ・コア」、タバコ業界のPRマンが巧みな話術と戦略で活躍する社会風刺コメディ「サンキュー・スモーキング」、バットマン3部作の2作目で光の騎士として正義の象徴だったにもかかわらずジョーカーによって狂気の男へと成り下がったトゥーフェイスを演じた「ダークナイト」、最後の砦となったロサンゼルスで地球外生命体とアメリカ海兵隊の工房を描いた「世界侵略:ロサンゼルス決戦」などがあります。

 

 

 カッケ~アーロンさんはこちら。

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はい!155人の命を救ったにもかかわらず容疑者となってしまった機長の知られざる物語を監督はどのように作り上げたのでしょうか?

ここから鑑賞後の感想です!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

監督の職人ぶりに感動!!プロフェッショナルとNYの良心に静かに心が動く!!

以下、核心に触れずネタバレします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上映時間96分。余計なものなどいらない。

 

とにかく淡々と描かれた作品でした。

その静かな語り口、抑揚のない物語性、ピアノインストを中心に奏でるジャズBGM、IMAXカメラによって映し出された鮮明ながらもどこかよどんで見える曇り空、その空に押されるようなどんよりした雰囲気、最後の最後まで晴れ晴れとしない演出に、作品のテーマに沿って例えるなら終始低空飛行な映画といえる1本だったと思います。

それはきっとサリー機長が長年の経験によってもたらされた対処で見せた、感情的にならない強いメンタル性が、波風を立てない演出とリンクしていたようにも感じます

 

もしかしたら凡長で退屈な映画という人もいるかもしれませんが、やはり監督の作風が如実に現れている以上、いつもどおり、見る側の感性に委ねる作品だったのではないでしょうか。

現にトムが演じたサリー機長は心情を吐露するようなセリフなどなく、判断を誤りビル郡へ突っ込んでしまうという悪夢だったり、そんな脳裏に浮かんでしまう事故を消し去るべく、真夜中の市街地を行き交う車に注意できないほど没頭してしまっていたりという心理描写は、何もかもセリフで語るのではなく画で見せることによって徐々に積み重なってくるからこそ緊迫感があり、その先が気になる演出だったと思います。

おそらくこの着水事故からヒントを得て描いたパニック映画「BRAVE HEARTS 海猿」では、脇役として登場する人物の背景やドラマを多く取り入れて感動を生む娯楽作品となりましたが、今作はサリー機長とその妻のドラマ以外登場人物のサブストーリーなどなく、一貫して事故のその後を追及したドラマだったように思えます。

 

そして9.11によってNY市民に深く刻まれてしまったあの事故の再来にならなかったこと、不時着水してしまった飛行機の乗客を救うべくパイロットが、CAが、湾岸警備隊が、消防隊、警察、救急、航空会社の組合などなど多くの人たちがプロフェッショナルに動いたこと。そのプロたちを信じた乗客たち。そんなたくさんの良心によって生まれた奇跡だったんだと感じました。

一番安全な乗り物とはいえトラブルが起きれば死亡する確率の高い乗り物です。その飛行機が落ちたのに全員が生きている。もちろんそこに大きな川が流れていて天候も冬だったとはいえ荒れた様子もない、たまたま船が通りかかった、そういった偶然はあったにしろ犠牲者がいない事故には、あの時の惨事を繰り返したくないという想いがあった故のたくさんのプロたちによるプロフェッショナルな行動だったのではないでしょうか。

だから、機長が終始一貫して英雄ヅラせず「私だけの力ではない」と言う言葉に重みがある気がしました。

乗客の一人が電話で言うセリフ「俺たち飛行機が落ちたのに生きてるんだぜ?こんなことあるかよ!」この歓びの言葉にウルッときました。そしてこの奇跡により生まれた絆がエンドロールで見ることができます。最後まで席を立たないように!

 

実は冒頭から思ったのが監督独特の暗めの映像でなかったことに驚きました。全編IMAXカメラで撮影しただけでここまで変わってくるのか!?というの鮮明な映像に驚きといつもの監督っぽくねぇなぁという落胆が同時に押し寄せたのを憶えています。

暗さによって善悪の区別をはっきさせないというつくりだった監督の映像描写は今回必要なかったっていう解釈でいいのかな?だってたくさんの人が人を救う姿ばかりだったわけだし。

とにかく夜のマンハッタンがキレイ過ぎる!こんなに色がくっきり映る監督作品もたまにはいいかなぁと。もちろんこのカメラのおかげで迫力と臨場感のある飛行機映像もリアルでよかったです。

 

 

 

今作はそんな新たに導入したカメラによって生まれたリアルな映像とリアリティを追求した奇跡のドラマだったと思います。

 

 

 

 

僕らは事件の真ん中を知らない。

ここからはもう少し話に踏み込んでるのでネタバレにご注意を。

この物語は事実を忠実に再現した映画ということで、内容は当時日本でも結構報道されていたこともあるほど認知度の高いニュースだけに、大体の人が知っているわけです。

ただし、その後の出来事やそこに至るまでの過程などは報道では語られていなかった。

 そこにあったのは、長きに渡り誠実に仕事と向き合ってきた機長の積んできた知識と経験によって行った判断が本当に正しかったのか、なぜ管制室の指示を聞かなかったのか、正しかったとしても責任は誰が取るのか、そんな事故の損失を補うため航空会社と保険会社が裏で糸を引いていることにより、調査委員会で審議を問われるという大きな問題がおきていたわけです。

 

面白かったのは、委員会が今回の事故を「墜落」というのに対し、機長は「不時着水」という点。この違いがすでに現場と管理側の認識のズレであり、機長は容疑者という立場のためあらゆる制限がかけられ現状を打破するべく模索していくのですが。

 事故の映像はあくまで回想として映し出されるのですが、悪い夢と、機長の回想、そして委員会の最中と3回流れます。特に2回目のシーンとと3回目のシーンを観たときに違う印象を持ちました。見た後私と同じ印象を持つ人多いんじゃないかな。

そして、この委員会で機長が自分の潔白を証明すべく出した提案がこの映画のクライマックスへと導くわけですが、非常に地味です!地味なんだけど深い!そうなんだよ!お前らに俺らの気持ちわかってたまるかよ!所詮お前らの言ってることなんか計算でしかないんだよ!机上の空論なんだよ!

「事件は会議室で起きてるんじゃない!現場で起きてるんだ!!」

 こんなむき出しの感情を機長は出しませんが、私なら青島になってましたよほんと。

 

とにかく、何十年とやってきた彼が犠牲者を出さないために、何も起こさないためにやってきた知識と経験は、仕事に忠実に向き合ったことで得たもので、それはトラブルが起きても冷静に対処できる自信を作りあげたわけです。

プロはテンパッっちゃいけないんですよ。いかなるときもそれに対処しきゃいけない。そしてそんな人たちで暮らしが支えられているということ。悲劇が生まれなかったこと。そのことに歓喜して街がひとつになること。これ以上の奇跡などあるのだろうか。

監督はそんな仕事に忠実な人たちがいることを称えるために撮ったのかなぁと。もしくはこの機長が監督自身で自分が今までやってきたことは周りからいろいろ言われてきたけど正しいことだったと言いたかったのかな。

どちらにせよ機長が裁かれて有罪か無罪かという話なんかではなく、機長を中心に生まれた奇跡の話だったことです。

 

 

 

 

 

 

 

 

上映時間90分近くでこれだけコンパクトに言いたいことを詰め込める監督はやっぱりすごいなと。上映時間の長いノーラン作品とか見習ってほしいわwまぁなんで長いか意味はあるんだろうけども。 

なんでもかんでも大げさに演出する「油がっつり味濃い目全部のせ家系ラーメン」のような映画も楽しいけども!たまにはこんな「鶏と魚介類でダシをとった澄み切ったスープが自慢のあっさり醤油そば」みたいな映画もいかがでしょうかww例えベタですんませんww

というわけで以上!あざっした!!!

満足度 ☆☆☆☆☆☆☆★★★7/10