モンキー的映画のススメ

モンキー的映画のススメ

主に新作映画について個人の感想、意見を述べた文才のない男の自己満ブログ

映画「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」 感想ネタバレあり解説 特撮描写は最高でしょ!!

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN

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この夏の邦画はこれで話題持ちきりのことでしょう。たまさかで、完成披露試写会が当選したのでひと足お先に観賞してまいりました!
 
 
 
 

 

百年以上前、突如現れた巨人たちに、人類の大半は喰われ、文明は崩壊した―。この巨人大戦を生き残った者たちは巨人の侵攻を防ぐため、巨大な壁を三重に築き、内側で生活圏を確保して平和を保っていた。だが百年、壁が壊されなかったといって、今日、壊されない保証はどこにもない―。まだ見ぬ壁外の世界を夢見るエレン(三浦春馬)は、壁に守られ安穏と暮らす人々に日々苛立ちを募らせていた。しかし、そんな日常はある日、音を立てて崩れ去る―想定外の超大型巨人によって壁は破壊され、穿たれた穴から無数の巨人が壁の中へと侵入してきたのだ。無残に喰われていく人々。響きわたる断末魔。長年にわたる平和の代償は、惨劇によって支払われることとなった―。それから、二年。活動領域の後退を余儀なくされた人類は、対巨人兵器、立体機動装置によって武装した調査団を結成。奪われた土地を巨人から取り戻すべく、外壁の修復作戦に踏み切る。決死の行軍の最中、巨人の急襲を受け手負いとなったエレンは仲間のアルミンをかばい、巨人に飲み込まれてしまう―(HPより抜粋)
 
 
 
 
 
 

確かこの映画のプロジェクトは当初「告白」や「下妻物語」の中島哲也監督で行く予定でしたが、降板され、

樋口真嗣監督に。
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中島哲也監督のも観たいと想いましたが、樋口監督なら特撮だから、あーなるほど、アリだな的な感じで納得はできました。扱うの巨人だし。
舞台挨拶では、高いところにいたせいもあってえらく緊張されてました。
 
『自由を求める者』
主演のエレン役に友人の佐藤健に先を越されキャリアを積もうと必死の三浦春馬。
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最近では永遠の0が話題になりましたが、俺みてねーし!キャッチアウェーブくらいしか印象ないなぁ。やはり端正な顔立ちなのでもっと2枚目やればいいのになぁ、と思います。
それでも、舞台挨拶での座長としての立ち振る舞いはお見事でした。
 
『戦場を舞う女神』
ヒロイン、ミカサ役は水原希子。
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知らない間に演技も板について、知らない間に色んな芝居してて。でもって、個人的にタイプですww
初めて真近で見てうっとりしちゃいましたw
 
『人類最強の男』
で、リヴァイ隊長ではなく、人類最強の男シキシマ役に長谷川博己。
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先日観たラブ&ピースのキモっぷりもさすがでしたが、こういうキザでナルシストでダークな感じもまた合っていて。
芸達者な方だなぁとつくづく思います。
 
『心優しき賢者』
エレンの幼なじみ、アルミン役に本郷奏多。
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あまり好きな俳優さんではありませんが、顔つきがガンツの西にしかもう見えないくらいひん曲がった役ならこの人といった感じですが、今回はそんな部分は出さない役柄なんでしょう。
 
『反逆の刃』
エレンとケンカばかりするジャン役に三浦貴大。
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舞台挨拶でも仰ってましたが、ジャンて感じの顔ではないよなぁww
ジャンじゃなくてゲン!て感じw
 
『飢えた狙撃手』
食いしん坊な女の子、サシャ役に桜庭ななみ。
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顔立ちからか清純派から抜け出すのは大変だろうなぁ、と毎回みて思います。
それでも、イメージを払拭しようと頑張ってるところは評価したいです。
 
『慈愛深き豪傑』
兄弟思いの力持ち、サンナギ役に松尾諭。
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いつもメガネをかけた脇を固めるお方なので、大抜擢ではないでしょうか。
印象的なのはSPかな。イヤミな役がハマってましたね。
 
 
『嘆きの先導者』
そして、エレンの昔からの知り合いのおじさん、ソウダ役にピエール瀧。
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近年目覚ましい俳優業も板についてきてもはや安心感すらあります。
やはり凶悪の時のインパクトはいまだ健在ですね。
 
 
『暴走する無邪気』
いつか巨人を解剖したいと願う、エレン達を束ねるハンジ役に石原さとみ。
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失恋ショコラティエの後のクランクインだったそうで、それとは真逆な役所に救われたと舞台挨拶でおっしゃってました。ぶっ飛んでる感じは彼女ならでは。
 
『闇を統べる者』
部隊を束ねる指揮官クバル役に國村隼。
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いぶし銀な印象の國村さんですが、今回はなんかワケありな匂いのする役どころな気がします。舞台挨拶では、突如の声援にはっ?とかまして笑いをとってました。
 
 
他にも、水崎綾女、武田梨奈、渡部秀など脇を固めた超豪華キャストです。
 
 
 
 
そんな、この夏話題の日本映画の前編の感想は、
 
 
 
 
 
 
 

思った以上に生々しい描写!グロい!これでPG12!?

 
 
 
 
以下、核心に触れないように書いてますが、若干ネタバレもしてるのでご注意下さい。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
まず、映像から。やはりゴジラを長年撮影してきた東宝だからか、巨人の扱いは見事!
迫力は凄まじいものです。
大型巨人はCGですが、その他の巨人は実物の人間に特殊メイクを施した出で立ちで登場し、村人たちを捕食する描写はかなりエグいです。
思いっきり引きちぎって人間を食べたり、アンガールズ山根ばりの華奢でボッコリお腹の巨人もいれば、赤ちゃん巨人も出てくるほど。
カメラ越しに血が飛び散ったり、ケロイド状のただれた皮膚もあったり。
連れてった女の子は目をつむってしまうほど。
もはやホラーです。スティーブンキングのミストと対等するくらい生々しいです。
血もかなり飛び出てるのでそういう類のものが苦手な人はキツイかも。
そして、特撮といえば樋口監督と代名詞がつくくらいキャリアのある方なので、CGやVFXとうまく融合された最近の邦画では例を見ない作り込みだと思いました。
 
 
 
おそらくこれを見てやはり原作との相違=粗探しみたいなことをする輩がたくさん出てくると思いますが、話に関して言えば、
舞台挨拶で長谷川さんがリヴァイファンの皆さんごめんなさい!
と仰ってたように原作と同じ人物もいればシキシマのように新しいキャラも出てきます。
この時点で原作とは違う!という心意気で見ないと入っていけません。
プロット自体は原作に忠実な内容ですが、そこに至るまでの経緯は全く異なります。
やはり2部作と謳ってる分、そこで完結しなければならない、まして原作はまだ連載してますから、やはり原作は原作、映画は映画で切り離して見ないといけません。
どうも、日本映画に関しては、忠実でなきゃいけないような風潮がありますが、じゃあ、アメコミなんかどうすんだよ!とツッコミたいですよ、ホント。
あれ、中身全然違うからね。そこツッコミだしたらキリがないもん。
 
内容に関しても、余計な説明がほとんどない点、後編へきちんと伏線を残してる点などは、共同脚本の町山智浩氏の功績が大きいのかなぁ、と勝手に思ってます。
無駄かない分、人間描写もいい距離感で感じられるし、理解力も深まります。
アクションも重点的に見れるし。
詰め込みすぎてないです。
これが普通なんだよ。
ホント最近の日本映画は説明多すぎ。
 
 
 
 
と、良い点もありますが、やはり、欠点も感じました。
まず、三浦春馬ではエレンは役不足だと感じました。
アニメ版の映画でしか進撃の巨人は見たことがないのですが、もっと世の中に不満を持っていて、狂気がにじみ出てなきゃいけないキャラだと思うのですが、やはりそこの演技は物足りなかったです。
だったら佐藤健の方がより適任かな、と。
私の師匠が言っていたのですが、子役からキャリアを積んでる役者は周りに合わせようとする傾向があるため、受けの演技が染み付いてるそうです。
そのため、そんな役者が主役を演じるとなるとやはりキャラとしては弱く見えてしまうのかな、と。
もちろん、この作品の醍醐味は巨人なので、キムタクくらいバンバンオーラの出てるオレオレ系な俳優だと合わないのかなとも思いますが、それでも三浦春馬では物足りなさを感じました。
 
 
他にも、無駄をかなり省いて描いてると感じつつも、そこの下りいるっ?と思うシーンもしばしば。
だったら、そこ削ってアクション入れるとかしろよ、と。
そして、説明が少ないといいつつも、立体起動装置の説明はちょこちょこしてて。
そこそんな大事かっ!?とツッコミたくなりました。
そんな立体起動を使ったシーンも頑張ってはいますがやはりまだちゃっちいです。
 
 
 
そして、ちゃっかりあんな人こんな人がチョイ役で出てます。そこは見てのお楽しみ。樋口監督作品に過去出演してたミュージシャンや、今をときめくアイドルや売り出し中の女優さんも見つけましたね。
ラスト後編の予告にはあの大物もチラッと映ってました。この方も樋口監督繋がりですね!
 
と、批判も若干ありつつも、トータルで見れば、全然悪くないです。
エンドクレジットで出る進撃の巨人のタイトルは、昭和の特撮モノを思わせる字体にちょっと感激しましたし、音楽に関しても、監督ならではの、怪獣映画を彷彿とさせる鬼気迫る緊迫感も素晴らしかった。もちろん終盤のバトルは見ごたえたっぷりです。
おそらくシキシマの言うことなすこと笑ってしまう人も多いんじゃないでしょうか。
 
とにかく見所は捕食です!ここの描写はホントすごい!!よくやった!と思います。
後編楽しみだっ!!
 
8月1日 追記
先日ニコニコ動画のWOWOWぷらすとに脚本に携わった町山さんの解説を聞いたので、覚えてる範囲で書こうと思います。
 
原作では、ドイツのお話だそうで、これを日本人がやるとおかしいということで、役名を変えざるを得なかったそうです。エレンやサシャ、ミカサなんて名前もアウトなんじゃねぇか?と思いましたが、キラキラネームの昨今実在する日本人がいるとのことでこの辺りはそのまま使いましたが、どうしてもリヴァイのようなヴの発音はアジアにはないということで泣く泣く変更したとか。
 
そのリヴァイですが、原作ではすごく人気だそうで、ギリギリまで出すかどうか悩んだそうです。リヴァイという名前は旧約聖書にも出てくる人物だそうで、海外での上映の場合、政治的、宗教的な説明を入れないと理解してもらえないということで却下、似たような新しいキャラ、シキシマにしたとのこと。
そして、エレンですが、非常に弱い巨人にビビってる男という設定も、原作者の要望と、過去のミカサの親を殺した過去も描かなければいけない。時間の都合上描けないということでここも省略、
キャスト陣の年齢に対して原作では15歳と若い故、その辺の思春期の違い
などなど、やはり映画として成り立たせる為、クライアントの要望も重なり念入りに脚本を書きなおしたそうです。
結果、いくつのも疑問を解消すべく逆算逆算を重ねてできたシナリオだということです。
 
 
私がそこいるか?と思った下りも、いざ戦争に出て精神が追い詰められると行きつくところは性なんだとか。しかも、男女で戦争にでるなんて普通ないですから。男女がでてる戦争映画にもやはりかの下りありますし。ガンダムの小説にもこの下りあるそうです。
 
そういう所を踏まえて見ると、なるほど納得!理にかなってるなと感じます。原作通りの方がボロクソ叩かれるんだろなぁと。やはり作り手の解説って大事だな。
 
ネットでは公開前に既に酷評の嵐なようですが、決してそんなことはないです。そんなのに流されず是非ご自分で見て判断してほしいですね。
 
 
 
 
満足度☆☆☆☆☆★★★★★5/10